『Visitor』(ビジター)は、1983年にリリースされた来生たかおの企画アルバム(LP〈規格品番:28MS-0048〉/CT〈規格品番:33CS-0048〉/CD〈規格品番:3133-9〉)である。
概要 来生たかお の スタジオ・アルバム, リリース ...
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- 原則的に、来生たかおは“来生”に省略、来生えつこは“来生えつこ”と表記。
提供曲のカヴァーで構成されたアルバムで、髙橋真梨子のアルバム『Monologue』(1980年8月21日リリース)に収録された「デイブレイク」は、ファンからセルフカヴァーの要望もあり、収録候補だったが、結局同企画の第2弾である『LABYRINTH』まで見送られた[1]。
CTは、LPとは収録曲数が異なる(下記「収録曲」参照)。また、1984年4月1日にリリースされたCDはLPに準じた曲目である。
2004年6月2日には、本アルバムを基調に収録曲を入れ替えたベスト・アルバム『GOLDEN☆BEST 来生たかお VISITORS』がリリースされている。
- 1991年4月25日:1984年版CDのエンファシスを解除し、収録時間を微調整したCD(規格品番:KTCR-1053)
- 2007年3月21日:オリジナルアルバム・企画アルバムを集めた21枚組CD-BOX『来生たかお大全集』(ユニバーサルミュージック/規格品番:UPCY-6355/75)に1991年版を収録(規格品番:UPCY-6373)。
アルバムタイトル
※初出のジャケット表記“Visitor”以外のもの
- ケースの側面部
- LP:?
- CT:“ビジター”
- オリジナル版CD・1991年版CD:“VISITOR”“ビジター”の併用
- 帯
- LP・オリジナル版CD:“VISITOR”
- 1991年版CD:“ビジター”
なお、各種ディスコグラフィーによっても表記は片仮名やアルファベットになっている。
ディスクジャケット
- オリジナル版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、歌詞カード)を挿入
- 1991年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、オリジナル版CDのものを基調とした歌詞カード)を挿入
- 2007年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、オリジナル版CDのものを基調とした歌詞カード)を挿入(及び厚紙製ケース付き)
帯のコピー
- LP:メロディーメイカー来生たかお 待望のヴォーカル・アルバム セカンド・ラブ シルエット・ロマンス(新録)収録 ほらきこえない? ふたりのメロディー 来生ヴォーカルは夢心地
- オリジナル版CD:メロディーメイカー 来生たかお待望のヴォーカル・アルバム セカンド・ラブ シルエット・ロマンス(新録)収録 ほらきこえない? ふたりのメロディー 来生ヴォーカルは夢心地(帯は、シール仕様・ジャケットとの一体型仕様がある)
- 1991年版CD:記載なし
- CD版は省略
※各曲の収録時間はLPの記載に準拠(CTのみの収録曲は各初出収録アルバムの記載に準拠)
CT版
- SIDE 1
- マイ・ラグジュアリー・ナイト(4:48)
- 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:福井峻
- シングル・ナイト(4:17)
- 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝・萩田光雄
- 桃井かおりとのデュエットで1982年7月21日リリースされた「ねじれたハートで」のB面に収められ、桃井のアルバム『SHOW?』(1982年11月1日リリース)には来生がコーラスで参加したヴァージョンが収録されている。ちなみに、『SHOW?』は全曲来生たかお作品で構成されている。
- 歌詞が先に書かれた楽曲で、来生は同時期に作った「ねじれたハートで」と全く異なる曲調を意図したという[2]。
- セカンド・ラブ(3:58)
- 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝
- 中森明菜のシングル曲として、1982年11月10日にリリースされた。来生は本曲で第3回日本作曲大賞を受賞しており、多くの歌手によってカヴァーされている(来生たかお関連作品「被カヴァー曲」参照)。
- 本アルバムの1991年版の帯・ジャケットの裏面・CD盤面では「セカンド・ラヴ」との表記になっている。
- 来生えつこによる同名小説が、短編集『エピソード』(角川書店 1988年)に収められている。
- おだやかな構図(4:53)
- 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:松井忠重
- 試練(4:59)
- 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:萩田光雄
- 終止符(4:07)
- 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:萩田光雄
- 甘い言葉で…(4:38)
- 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝
- 中村雅俊のアルバム『BORN NEW』(1983年3月21日リリース)に収録されている。
- 渡辺徹のシングル「灼けつくメモリー」(1983年5月21日リリース)は、本曲のタイトル・歌詞を改変したものである。
- 来生は、先方の“色っぽい曲を”という要望に合わせて作ったと述べている[2]。
- シルエット・ロマンス(5:29)
- 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝・萩田光雄
- SIDE 2
- 燃えつきてディザイア(5:18)
- 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝
- 豊島たづみのシングル曲として1982年11月にリリースされ、サンリオ出版「シルエットディザイア」のCFイメージソングとして使用された。
- LP・CD(オリジナル版・1991年版)のタイトル表記は「燃えつきて、ディザイア」となっている。
- 来生は、CFイメージソングとして使用されるためが決まっていたためサビから作り、カヴァーに際して編曲はポップな雰囲気を意図したと述べている[2]。
- スローモーション(4:25)
- 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝・萩田光雄
- 中森明菜のデビュー・シングルとして1982年5月1日にリリースされた。
- 元々“山口百恵のデビュー曲を書くとしたらどのような感じになるか”という仮定があり、来生はそれに沿った感じになったことを明かしている[2]。また、詞が少々幼いと思いつつ自ら歌っているという[3]。
- 多くの歌手によってカヴァーされている(来生たかお関連作品「被カヴァー曲」参照)。
- 来生えつこによる同名小説が短編集『エピソード』に収められている。
- 美しい女(5:03)
- 作詞:山川啓介/作曲:来生たかお/編曲:星勝
- 町田義人のシングル曲として1979年5月10日にリリースされた。
- 楽曲の詳細は企画アルバム『来生たかお』を参照。
- ほほえみの扉(4:17)
- 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:萩田光雄
- 三浦友和のシングル曲として1978年11月1日にリリースされた。
- 楽曲の詳細はベスト・アルバム『BIOGRAPHY』を参照。
- とめどなく(4:58)
- 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝・萩田光雄
- 石川セリのアルバム『メビウス』(1982年10月5日リリース)に収録された。
- CFイメージソングの話が持ち上がるなど各方面からラブコールがあった楽曲で、来生も自信作と述べている。また、石川には自作品をシングルとしても使ってほしかったという[2]。
- ジグザグ-酔いどれ天使のポルカ-(3:53)
- 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝
- 亀渕友香のアルバム『Touch Me, Yuka』(1974年3月21日リリース)に「酔いどれ天使のポルカ」というタイトルで収録された。オリジナルタイトルの表記は、JASRACへの登録ミスにより「ジグザグ―酔いどれ天使―」となっている。
- 楽曲の詳細はオリジナル・アルバム『ジグザグ』を参照。
- ねじれたハートで(4:21)
- 作詞:来生えつこ/作曲:来生たかお/編曲:星勝・萩田光雄
- 桃井かおりとデュエットでリリースされたシングルを、本アルバムではソロでカヴァーしている。
- 来生は桃井の雰囲気をかなり意識し、デュエット曲として良い出来になったと自負している。また、桑田佳祐が歌詞を気に入っていることを聞かされたという[2]。
- 来生えつこによる同名小説が、短編集『エピソード』に収められている。
- トワイライト -夕暮れ便り-(5:06)
- 作詞:来生えつこ / 作曲:来生たかお / 編曲:星勝・萩田光雄
- 中森明菜のシングル曲として1983年6月1日にリリースされた。
- LP・CDでは、サブタイトルの表記が“〜夕暮れ便り〜”になっている。
- 来生えつこはあるファンから、歌詞にある“絵葉書をポストへ落とす”という表現(ポストへ“入れる”ではない点)に感心したと聞かされたが、特に拘ったものではなく自然に生まれたフレーズなので面映かったという[4]。
- 来生は、旅をテーマにしたアウトドアの歌詞やサビから始まる構成も、自分の作品の中では珍しいと述べている[2]。
- 来生えつこによる同名小説が、短編集『エピソード』に収められている。
LP版
- SIDE 1
- マイ・ラグジュアリー・ナイト
- 編曲:福井峻
- シングル・ナイト
- 編曲:星勝・萩田光雄
- セカンド・ラブ
- 編曲:星勝
- 甘い言葉で…
- 編曲:星勝
- シルエット・ロマンス
- 編曲:星勝・萩田光雄
- SIDE 2
- 燃えつきて、ディザイア
- 編曲:星勝
- スローモーション
- 編曲:星勝・萩田光雄
- とめどなく
- 編曲:星勝・萩田光雄
- ねじれたハートで
- 編曲:星勝・萩田光雄
- トワイライト〜夕暮れ便り〜
- 編曲:星勝・萩田光雄
- Producer:多賀英典
- Director:本間一泰
- Recording Engineer:諸鍛冶辰也 for KRS
- Remix Engineer:吉田保 for CBS/SONY
- Assistant Engineers:平良正弘、清水高志 for KRS
- Art Direction, Design and Artwork:田島照久
- Production Management:Kitty Artist, Inc.
- Special Thanks:石谷仁、Kaoru Nakano、柴田幹夫、来生優子
- Mastering Engineer:前田欣一郎
オフィシャルファンクラブ「TAKAO CLUB」の会報「HEAD ROCK」