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アカデミー科学技術賞
アメリカの映画芸術科学アカデミーの映画賞の部門のひとつ ウィキペディアから
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アカデミー科学技術賞(Academy Scientific and Technical Award, 略称: Sci-Tech Awards[1])は、アカデミー賞の部門のひとつ。これらは特定の映画に直接関わった賞ではなく、映画に貢献した重要な技術、技術者に対しておくられる賞である。授賞式はアカデミー賞の授賞式よりも早い時期に、晩餐会の形式で行われる。受賞は年にひとつとは限らない[2][3][4]。
賞の種類
- Academy Award of Merit[5] - 最高位である[6]、アカデミー・アワード・オブ・メリット[注 1]。
- Scientific and Engineering Award[8] - 科学工学賞[9](もしくは 科学技術賞[6][10])。
- Technical Achievement Award[11] - 技術成果賞[10][12](もしくは 技術貢献賞[9])。
アカデミー科学技術賞は以上の3賞から成り、アワード・オブ・メリットにはオスカー像が[6]、科学工学賞には盾[13][6]、技術成果賞には証書がそれぞれ贈られる[10]。以前のクラスI・II・IIIというカテゴリが、1978年から現在の名称に変更された[2][3]。
授賞式ではさらに2つの名誉賞、科学技術功労賞[14](Scientific and Technical Service Award[15])(以前の名称は、ジョン・A・ボナー賞[16])[17][注 2]と、科学技術生涯功労賞[14](Scientific and Technical Lifetime Achievement Award[15])(旧称、ゴードン・E・ソーヤー賞[19])も授与される。
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主な受賞者
要約
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- 1952年(第25回) - イーストマン・コダック・カンパニーがイーストマン・カラー・フィルムでクラスI(後のアワード・オブ・メリット)を受賞。
- 1982年 - リチャード・エドランド「エンパイア・カメラシステム」
- 1985年 - IMAXコーポレーション
- 1987年 - リチャード・エドランド「ZAP65mmオプチカル・プリンター」
- 1988年(第61回) - ドルビーラボラトリーズのレイ・ドルビーとヨアン・アレン。映画音響への貢献。アワード・オブ・メリットを受賞。
- 1992年 - ダグラス・トランブル
- 1993年 - ピクサー「RenderMan」
- 1993年(第66回) - パナビジョンのアナモフィック・レンズ、Auto Panatar。アワード・オブ・メリットを受賞。
- 1996年(第69回) - IMAXコーポレーションにアワード・オブ・メリット。
- 1998年 - Avid社のノンリニア編集システム
- 1998年 - デジタル・ドメイン
- 2001年 - デジタル・ドメインのNuke
- 2002年(第75回) - Mayaの開発でAlias/Wavefrontがアワード・オブ・メリットを受賞。
- 2004年 - ビル・トンドリアーの開発した「カメラモーションソフト」
- 2006年(第79回) – リチャード・エドランドが、ジョン・A・ボナー賞を受賞。
日本関連
- 宮城島卓夫
日系人でパナビジョンの宮城島卓夫は[20]、アカデミー科学技術賞で5回の表彰を受けており[21]、最後に受賞したゴードン・E・ソーヤー賞でオスカー像が授与されている[22]。(#2004年度 受賞映像)
- 受賞歴
- 1990年(第63回) - 技術成果賞。「35mm映画撮影用の球面プライムレンズ、Primoシリーズの開発」[21]
- 1998年(第71回) - 科学工学賞と技術成果賞を同時受賞。「35mm映画用、Primoシリーズのレンズ」及び「アイピース レベラーの設計と開発」[23]
- 1999年(第72回) - ジョン・A・ボナー賞[24]。
- 2004年(第77回) - ゴードン・E・ソーヤー賞[25]。
ソニーとパナビジョンが共同受賞した2016年度の授賞式では[26]、宮城島についてスピーチで言及された[27]。(#2016年度 受賞映像)
※受賞を太字で記載
- 1972年(第45回) - クラスIII[28](後の技術成果賞[3])。キヤノンの向井二郎と広瀬隆昌。「映画撮影用キヤノン・マクロ・ズームレンズの開発」
- 1976年(第49回) - クラスIII[29](後の技術成果賞[3])。キヤノンの鈴川博。「映画撮影用の超高速レンズの設計と開発」
- 1978年(第51回) - 技術成果賞[30]。シネファイジャパン(CINE-FI International[30])の関口喜一。ドライブインシアターで自動車のラジオ・アンテナにクリップでコードを繋いで音声を聴く[31]、CINE-FI(シネファイ)オート・ラジオ・サウンド・システムを開発[30]。
- 1981年(第54回) - アワード・オブ・メリット[32]。富士写真フイルムにオスカー像。「超高速カラーネガフィルムの研究、開発」“フジカラーネガティブフィルムA250”[33](#1981年度 受賞映像)
- 1990年(第63回) - 科学工学賞[32]。富士写真フイルム。「カラーネガフィルムFシリーズの開発」
- 1995年(第68回) - 科学工学賞[34]。ソニー。「デジタルサウンドシステム、SDDSの設計と開発」
- 2001年(第74回) - 科学工学賞[35]。IMAGICAの塚田眞人と金子昌司。及びIMAGICAの技術スタッフ[36]。Nikonの藤江大二郎。「65/35マルチフォーマットオプチカルプリンター」(#2001年度 受賞映像)
- 2007年(第80回) - 科学工学賞[37]。坂口亮、Dr.ダグ・ローブル、ナフィーズ・ビン・ザフェア(いずれもデジタル・ドメイン)。「流体シミュレーション・ツール『Fsim』」[38]
- 2009年(第82回) - 科学工学賞[39]。富士フイルムと同社の3名、西村亮治、三木正章、細谷陽一。映画用デジタルレコーダー出力専用、フジカラー「ETERNA-RDI」の設計と開発[40]。高精細な映画デジタルマスター映像をより忠実にフィルムへ出力。(#2009年度 受賞映像)
- 2011年(第84回) - 科学工学賞[41]。富士フイルムと同社の3名、白井英行、Dr.大関勝久、平野浩司。映画用デジタルセパレーション用黒白レコーディングフィルム「ETERNA-RDS」[42](#2011年度 受賞映像)
- 2014年(第87回) - 科学工学賞[43]。ソニーの4名、筒井一郎、武昌宏、田村光康、浅野慎。「業務用有機ELマスターモニター」[44][9][45](#2014年度 受賞映像)
- 2015年(第88回) - 科学工学賞[46]。中垣清介[47]、Jack Greasley、Duncan Hopkins、Carl Rand(いずれもThe Foundry ザ・ファウンドリー社の3DCG用ペイントソフト『MARI』開発メンバー)[48][49][50](#2015年度 受賞映像)
- 2016年(第89回) - 2種類のデジタル映画カメラでソニーが2つの科学工学賞を同時受賞[51]。高解像度イメージセンサーを搭載し、優れたダイナミックレンジ、高精細4Kをスクリーンで実現。自社 CineAlta(シネアルタ)「F65」。並びにパナビジョンとソニーで共同開発した、ジェネシス[52]。(#2016年度 受賞映像)
- 2020年(第93回) - 科学工学賞[53][54]。三研マイクロホンの小型ラベリアマイク、COS-11シリーズの開発[55]。(#2020年度 受賞スピーチ映像)
- 2020年(第93回) - 技術成果賞[53][54]。EIZOの4名、上野幸一、米光潤郎、作田淳治、中島賢人。カラーマネージメントモニター「
ColorEdge CGシリーズ」に搭載された自動キャリブレーション技術の開発。ほかにデジタルユニフォミティ補正回路、SDKの提供など[56][57]。(#2020年度 受賞スピーチ映像) - 2023年(第96回) - 技術成果賞[58]。日亜化学工業の5名、中津嘉隆、長尾陽二、平尾剛、森住知典、髙鶴一真。映画館用のレーザー投影システムに搭載されるレーザー光源、青色・緑色レーザーダイオードの開発と業界全体への普及[59][60][61][62][63][64][注 3]。(#2023年度 受賞映像)
→「アカデミー賞 § 日本との関係」も参照
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日本関連の授賞式映像
日本関連の受賞は太字
→「アカデミー賞 § 日本との関係」、および「アカデミー賞 § 日本関連の授賞式映像」も参照
脚注
外部リンク
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