トップQs
タイムライン
チャット
視点

イーグルサム

ウィキペディアから

Remove ads

イーグルサム: Sam the Olympic Eagle)は、1984年に開催されたロサンゼルスオリンピックの公式マスコットキャラクターである。ウォルト・ディズニー・プロダクション出身デザイナーのC・ロバート・ムーア(: C. Robert Moore)が、アメリカの国鳥であるハクトウワシをモデルにして描いた[1][2]。キャラクターが誕生したのは1980年。

オリンピック公式マスコット

オリンピック公式マスコットであり、ロス五輪においては公式スポンサーにイーグルサムの優先的使用権が与えられたため、露出は非常に多かった。日本国内に限っても複数のテレビCMに登場し、多数のグッズが製作・販売・配布された。日本では41社が商品化し、300種以上のキャラクター商品が流通した[3]。包装紙などにもイーグルサムが描かれたものが多数登場した。

テレビアニメ

要約
視点
概要 アニメ:イーグルサム, 監督 ...

日本ではテレビアニメにもなり、1983年4月7日から1984年3月29日までTBSほかで放送されていた。ダックスインターナショナルとTBSの共同製作。全51話。キャッチフレーズは「イーグルハットで悪を切る」。

製作局のTBSでは毎週木曜 19:00 - 19:30(日本標準時)に放送されていたが、この時間帯はローカルセールス枠であり、自社製作番組を放送していた毎日放送や、他系列の番組をネットしていた系列局(主に民放が2 - 3局しかない県の局)は別の時間帯での遅れネットを行っていた。信越放送ならびに当時クロスネット局であったテレビ山口は本作を放送しなかったほか、TBS系列局(JNN加盟局)が当時なかった県[注 1]でも本作を放送した局は1つもなかった。

オリンピックの公式マスコットを主人公としたテレビアニメは、1980年モスクワオリンピックの『こぐまのミーシャ』(日本アニメーション / 朝日放送)以来だが、本作との違いは本作品はエピソードが2本立てで全51話、先述の通りローカルセールス枠で自社の系列局だけで放送してきたのに対し、『こぐまのミーシャ』はエピソードが2本立てではなく全26話、ネット枠だが自社の系列局(テレビ朝日系列)が少ないため他系列でも放送したという違いがある。さらに2021年現在、本作は衛星波の再放送、映像ソフトの販売、動画配信の予定は今のところないのに対し『こぐまのミーシャ』は2009年にホームドラマチャンネル、2019年にAT-X[4]で再放送されたほか動画配信でも2021年現在、U-NEXT[5]dアニメストア[6]ビデオマーケット[7]アマゾンプライムビデオ[8]で視聴可能である。なお、映像ソフトの販売はこちらも今のところ予定はない。

登場人物

地名とキャラクター名はイーグルサムに合わせ、鳥にちなんだ名前で統一されている。また、名前がゴルフ用語に由来するキャラクターも一部いる。

バーディーランド

ディズニーランドに似た町[9]。イーグルサムの探偵事務所[注 2]や、町の警察署である『とまり木署』[注 3]、テレビ局などがあり、登場人物の大半はこの町の住人である。別の町へは鉄道が通じている[注 4]ほか、湾岸道路で外国航路の船が発着する港とも連絡している[注 5]

地球上に存在する設定となっており、この町に住むサムたちや鶴之助がアマゾンアラスカなどに出かけたことがある。イギリスの女王からアルバトロスにダイヤモンドが贈られたこともあり、各国から存在を認知されている。

イーグルサムの探偵事務所

イーグルサム
- 山本圭子
主人公。第15話のサブタイトルにもあるように自称「名探偵」な迷探偵で、CMではバーディーランドの名探偵と称する。探偵の仕事が無い時にはドーナツ屋などでアルバイトをしていたこともある。
星条旗とオリンピックマークをあしらったシルクハットのイーグルハットをかぶっており[注 6]、「ハットハットハットット。イーグルハットでおっとっとー」の掛け声とイーグルハットを使った手品イーグルハットマジック[注 7]であらゆるピンチを解決していくが、まれに使用しないこともある。ハットの手品以外にも、動物と会話することができるなどの能力があり、事件解決に役立ったことがある。かなり適当で出たとこ勝負であるが、ピンチを脱出したり事件を解決したりした際には決まって「計算通りだよ」と言う。
中盤以降はバーディーランドのみならず、世界を舞台に活躍する。最終回ではオリンピックへと旅立つが、旅立つ前にグズランのリクエストに応えた手品でエピソードを締めた[注 8]
名前は[10]とゴルフ用語のイーグル[11]に由来する。
カナリー・カリーナ
声 - 潘恵子
サムのスポンサーで秘書を務める、ナイスバディの美女。サム、ボギー、アルバトロス、鶴之助から好かれている。サムには母親的に接したり、ボギーの相談に乗ったりすることもある。敵に催眠術で操られて敵対したこともある。トレードマークとなっているカチューシャは通信機としても使用できる。
名前はカナリアに由来する[10]
グズラン
声 - 白石冬美
カナリーの弟で、サムの助手を務める。オーバーオールを着ている。その名の通りにグズで、同級生のチッチにはいつもバカにされているが、野球には才能がある。パチンコ(スリングショット)を武器にする。
名前はウズラに由来する[10]

とまり木署

アルバトロス署長
声 - 雨森雅司神山卓三[注 9]
バーディーランドにある警察署・とまり木署の署長。太めの体形でサングラスをかけ、カイゼル髭を生やしている。保守的な性格で、見かけないものを目にするやすぐに敵視する。サムとは仲が悪く、しばしばサムの妨害を試みる。妨害にはボギーを使うことが多いが、鶴之介を呼び寄せたりハンターを雇ったりと外注することもある。使う側にありながら、しばしばボギーよりもひどい目に遭う。動物園から逃げた虎の捜査など正当な職務をサムに妨害されることもある。
名前はアホウドリに由来する[11]。オープニングクレジットでの表記は「署長アルバトロス」。
チッチ
声 - 山本嘉子
アルバトロスの娘。金髪で赤い眼鏡をかけている。眼鏡はバンドで頭に固定するタイプ。「〜だわさ」「こりゃダメだわさ〜」が口癖。意地悪でグズランとは仲が悪い。ボギーにも呆れている。パローという猫を飼っている。運動神経については不明だが、体操は苦手。コンピューターを使う。
ボギー巡査
声 - 増岡弘
アルバトロスの部下。アルバトロスの命令でサムの邪魔をするが、フェンシング大会で失格になる、サムのドーナツ屋に対抗してソフトクリームを売ったが全く売れなかったなどいつも失敗ばかりしている。アルバトロスの命令には忠実だが嫌っており、アルバトロスが死にかけた際には本当に死ねばよかったと言ったこともある。バーディーランドの出身ではなく、鹿児島弁でしゃべる。サムからはビッグゴリラなどと呼ばれている。ギャグシーンでは目が星型になったりする。カナリーのことが好きらしく、カナリーと敵対するのを嫌がって任務に身が入らなかったり、失敗して爆発に巻き込まれる際には「カナリーしゅわーん!」と叫んだりする。サムとは敵対関係にあるが、警察手帳を紛失してサムに助けを求めたこともある。
名前はゴルフ用語のボギーに由来する[11]
ソクラテス
アルバトロスの飼っている犬。種類はダルメシアン。いつも寝ており、「果報は寝て待て」が口癖。このセリフとソクラテスのアップでエピソードを締めることも多い。

その他

サンダーバード先生
声 - 星野充昭
鉄の男と通称される大男のスパルタ教師。子供の頃に洗濯機に落ち、大量の白衣と一緒に洗われて干されてしまった経験から白衣恐怖症になっており、白衣を見ると「白衣ィ〜!!」と叫んで顔面蒼白になり、そのまま気絶する。第31話前編でこの弱点が判明し、白衣と一緒に洗濯されて干されたシーンも描かれた。
ゴキブリゴクロウ
声 - 千田光男
サングラスをかけたゴキブリで、サムの探偵事務所の流しの下に住んでいる。しばしばサムのアイスクリームなどの中から出現し、台無しにしてしまう。現れるたびにサムはやっつけようとするものの、いつもうまく逃げる。登場時にはよくアカンベーをしている。口癖は「ゴックローさーん!ヘヘーイ!」。空を飛ぶことができ、扇風機で空を飛んだこともあるが、スケボーに乗っていることが多い。かけているサングラスは、テレビレポーターから変な眼鏡と言われていた。
初代オープニングでの表記は「ごきぶりゴクロウ」、エンディングクレジットでの表記は「ゴクロウ」。
鶴之介
声 - 古川登志夫
アルバトロスが呼び寄せた二枚目探偵。忍者のようなコスチュームを着ている。オープニング映像では第1話からラストの写真撮影の場面に登場しているが、アニメ本編では第14話から登場。腕も立ち、頭も切れる。サムとボギーの恋敵的存在で、終盤ではアルバトロスとも敵対したことがある。基本的にはサムとは敵対関係だが、サムたちをアマゾンに招待するなど友好的に接したこともある。
ペリカン先生
声 - 北村弘一
名前はペリカンに由来する。
いみじく先生
声 - 村松康雄
名前はミミズクに由来する。

スタッフ

  • 配役協力 - 青二プロダクション
  • チーフディレクター - 西牧秀夫
  • 絵コンテ - 西牧秀夫、飯久留沙夢、秦泉寺博、葛岡博、野田作樹、山崎トミ夫、望月敬一郎、野田拓実、矢沢則夫、大鹿日出明、高田三郎、西山祐次、岡嶋国敏、笹城将里、高須賀勝己、児玉兼嗣、八沖繁、大貫信夫
  • キャラクターデザイン - 椛島義夫
  • 原画 - 望月敬一郎、宍倉敏、増谷三郎、小野隆哉、内田広之、東海林真一、大武正枝、宮林英子 他
  • 動画 - 藤沢俊幸、末吉裕一郎、金子隆幸、中村美子、中村久子、他
  • 動画チェック - 中山晴夫、池ノ谷弥生、他
  • 色指定 - 完甘幸隆、岡嶋国敏
  • 彩色 - 遠藤礼子、山形勝俊、若尾知子、他
  • 美術設定 - 川本征平アトリエ・ローク
  • 美術監督 - 高野正道(アトリエ・ローク)
  • 音楽 - 伊部晴美
  • 音響演出 - 高桑慎一郎、伊藤敏弘
  • 録音技術 - 茶畑三男
  • 音響効果 - 今野康之(スワラプロダクション
  • 音響制作 - 映広音響
  • 撮影 - 都島雅義(緒方プロダクション)、小島秀和(緒方プロダクション)、服部卓巳(緒方プロダクション)
  • 編集 - 井上和夫、茂木清
  • 現像 - 東京現像所
  • 制作担当 - 大塚敏徳、佐藤朗
  • 製作協力 - スタジオ古留美
  • 制作プロデューサー - 石田康実、福田紀夫、早乙女要
  • プロデューサー - 丹野雄二(ダックスインターナショナル)、永井憲二(ダックスインターナショナル)、井上博(TBS)
  • 製作 - ダックスインターナショナル、TBS

主題歌

本作の主題歌は、全てジャニーズ事務所の男性アイドルグループ・イーグルスが歌っている。シングルレコードは、アニメ放送開始前の1983年3月25日と放送期間中の同年11月28日にそれぞれ発売。いずれもB面曲がオープニングテーマで、A面曲がエンディングテーマになっている。また、アニメで使われていた歌詞はどれも1番である。

アニメでは、オープニングのイントロに「イーグルサムはロサンゼルスオリンピックの公式マスコットです」の広告画面が挿入されている。また、オープニング映像には歌詞字幕が入るが、英語の箇所はカタカナで表記されている。

オープニングテーマ

「イーグル サムのマーチ」(第1話 - 第32話)
作詞 - 伊達歩 / 作曲 - 筒美京平 / 編曲 - 佐久間正英 / レーベル - アルファ・ムーンレコード(現・ワーナーミュージック・ジャパン
「情熱forever」(第33話 - 第51話[12]
作詞 - 大津あきら / 作曲 - 都倉俊一 / 編曲 - 志熊研三 / レーベル - アルファ・ムーンレコード
イントロにはサムのタイトルコールが入っていた。

エンディングテーマ

「走れ!ゴーインBOY」(第1話 - 第32話)
作詞 - 伊達歩 / 作曲 - 筒美京平 / 編曲 - 佐久間正英 / レーベル - アルファ・ムーンレコード
初代エンディングには、サムの探偵事務所などを描いたバーディーランドのスポット紹介背景に、イーグルスのメンバーが歌い踊る実写映像を合成した映像を使用していた。この実写映像は、1983年2月14日に銀座スタジオで撮影されたものである[13]
「虹色 I LOVE YOU」(第33話 - 第51話[12]
作詞 - 大津あきら / 作曲 - 都倉俊一 / 編曲 - 志熊研三 / レーベル - アルファ・ムーンレコード

各話リスト

さらに見る 話数, 放送日 ...

放送局

特筆の無い場合は1984年2月中旬 - 3月上旬時点[14]

さらに見る 放送対象地域, 放送局 ...
Remove ads

関連商品

出版物

内容や登場キャラクターなどはテレビアニメに準拠。

電子ゲーム

  • エポック社LCDゲーム イーグルサムの聖火(エポック社)
  • エポック社のLCDゲーム イーグルサムの五輪(エポック社)

特典グッズなど

  • オリンピックイーグルサムグラス(日本コカ・コーラ) - コカ・コーラファンタスプライトの500ml缶を6本購入すると1個プレゼントされた。底面にはコースターが付属している。パッケージカラー、コースターの色はオリンピックの五輪に因み、全部で5種類が存在した。
  • 1984ロサンゼルスオリンピックラッセルヨーヨー(日本コカ・コーラ) - デザイン名スペシャルスピン。裏面にイーグルサムのイラストが描かれている。
  • ファイアーキングマグロサンゼルスオリンピック(日本マクドナルド) - ガラス製のマグカップ。側面にイーグルサムが描かれている。
  • イーグルサムカップ - カフェボール、茶碗、コップの3種類が存在した。
  • フジカラーHR (富士フイルム) - 1983年7月から行われた'84ロサンゼルスオリンピックキャンペーンの一環で、イーグルサムとロサンゼルスオリンピックのシンボルマークをプリントした特製パッケージ版を発売。イーグルサムは同社の広告・販促に広く用いられ、プラバッジやリュックサックなどのグッズが製作されている。
  • イーグルサムポット(東芝) - 2種類がセットになっていた。1983年4月1日から同年5月31日までに東芝の店舗で冷凍冷蔵庫・優凍生を購入するとプレゼントされた。同製品のテレビCMにも登場している。
  • イーグルサムアイス

脚注

関連項目

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads