トップQs
タイムライン
チャット
視点

東京現像所

日本の東京都調布市にある映像ポストプロダクション会社 ウィキペディアから

Remove ads

株式会社東京現像所(とうきょうげんぞうしょ、: TOKYO LABORATORY LTD.)は、主に映画テレビ番組の仕上げを行っていた映像ポストプロダクション東宝連結子会社で、阪急阪神東宝グループに属していた。

概要 種類, 略称 ...

東洋現像所(現・IMAGICA Lab.)・東映化学(現・東映ラボ・テック)とともに日本の3大現像所と呼ばれていた[3]

Remove ads

概要

要約
視点

1953年に公開された大映総天然色映画地獄門』の成功以来、松竹東宝新東宝東映の各社はイーストマン・カラーを採用したが、同カラーの現像は東洋現像所以外は出来なかった[4]

当時の日本でも高まりつつあった天然色映画(カラー映画)の需要に応えるため、東洋現像所のイーストマン・カラーに対抗すべく、1955年大沢商会アグフアと技術提携して天然色映画フィルムの現像所新設に名乗りを上げた。発起人は大沢商会の大澤善夫城戸四郎松竹社長永田雅一大映社長、寺本熊俊東宝副社長、川喜多長政東和映画社長、藤山愛一郎の各氏で、同年4月21日に創立総会を開催して即日登記を完了し、翌4月22日に「株式会社東京現像所」が正式発足した。資本金は1億円で社長に大澤善夫が就任し、副社長に岡庄五、取締役に永田雅一、小林富佐雄監査役に藤山愛一郎、川喜多長政が就任した。また、本社事務所は東京都中央区銀座西の大沢商会内に、現像工場は調布市小島町御殿北裏に設置された[5]

当初より色彩技術の開発に重点が置かれ、その成果は1960年の大映『おとうと』(監督市川崑撮影宮川一夫)において採用された銀残しと呼ばれる現像手法にも結実した(『おとうと』は1961年カンヌ国際映画祭フランス映画高等技術委員会賞を受賞)。その他にも小津安二郎のカラー作品やオプチカル合成を駆使した東宝の特撮作品、松竹男はつらいよ』、精緻な色調が日本国外では“キタノ・ブルー”とも呼ばれた北野武監督作などを手がけてきたことで知られる。

その後、デジタル・インターミディエイトVFXデジタルシネマなどの分野で日本国内外の映像作品に携わっていた。また、テレビ普及期よりアニメーション番組との係わりが深く、多くのアニメ番組クレジットタイトルでその社名を見ることができた。2016年からは、VFXセクションが「Digital Clover」(デジタルクローバー)と名乗って活動していた。

外国映画の日本語字幕の制作も担当していたほか、コマーシャル撮影や映画撮影での需要が未だにあることからフイルム事業も継続しており、日本国内で8mmフィルム16mmフィルム35mmフィルムの映画フィルム現像が行える数少ない拠点のひとつだった[6]。現像には、深大寺の湧き水を施設内のプールに溜めて使っていた[6]。また、専用のスキャナーを使用したフィルムからのスキャニング技術が発達した近年では、黒澤明作品など旧作のデジタルリマスター作業も担当していた[6]

事業終了

デジタルシネマが普及したことでDCP(デジタルシネマパッケージ)サービスの効率化を図るべく、2022年9月30日、IMAGICAエンタテインメントメディアサービスと東宝が2023年4月に両社合弁の新会社を設立し、IMAGICAおよび東京現像所の個別で行ってきたDCPサービスを当該会社で行うことを発表した[7]。これに伴い、IMAGICAおよび東京現像所のDCPサービスは両社とも2023年3月31日に終了した[8]

その後、東宝の取締役会において「DCP事業終了後の今後の方向性を検討したが、残存事業のみで同社が経営を維持することは困難」と判断し、2022年11月22日、東京現像所の事業終了を決議し「2023年11月30日(予定)で全事業を終了する」という旨を発表[9]。同月25日に東京現像所も全事業終了を正式に発表した[10]。なお、DI事業、映像編集事業は東宝の子会社であるTOHOスタジオに、アーカイブ事業は同じく東宝の子会社であるTOHOアーカイブ株式会社に、2023年12月1日付で承継された[11]

2023年9月時点で、東京現像所が預かっているフィルム原版で返却先と連絡が取れないものが約2万作品もあり[12]、一時は東京現像所の事業終了に伴い廃棄対象になるとされたが、こちらもTOHOアーカイブが引き続き管理することになった[13]

2023年12月1日、東宝スタジオ構内に後継施設「HIGH-RESOLUTION BASE」を新設。同所にて、DI・DCPマスター作成・映像編集の各事業と映像資産のアーカイブサービスの提供を開始した[14][15]

2024年3月1日、親会社の東宝株式会社に吸収合併(簡易合併)され、法人格も消滅した[16][2]

Remove ads

沿革

Remove ads

制作に関与した主な作品

要約
視点

映画

フィルムからのデジタルリマスター

テレビドラマ

特撮

日本語字幕

テレビアニメ

1960年代 - 1970年代

1980年代

1990年代

2000年代

OVA

ゲーム

2000年代以降では、主にサンライズぴえろスタジオコメットJ.C.STAFF日本アニメーションシンエイ動画などが制作するアニメ作品に於いて、「ビデオ編集」「オンライン編集」といった形で関わっていた。

Remove ads

備考

  • 会社創立の翌年(1956年)にアグフア・カラー英語版の現像設備が整い、日本最初のアグフア方式によるカラー映画『午後8時13分』(監督:佐伯幸三大映東京)を送り出す。
  • 2008年、港区に所在する虎ノ門東宝ビルにtogen虎ノ門試写室を開設。2022年3月14日にて閉鎖。

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads