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ギリシア文字及びコプト文字
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ギリシア文字及びコプト文字(ギリシアもじおよびコプトもじ、英語: Greek and Coptic)は、Unicodeの8つ目のブロック。
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解説
ギリシャ及びキプロスの公用語であるギリシア語や数学、物理学などで用いられるギリシア文字に加え、エジプトにおけるキリスト教徒、コプトの聖典言語であるコプト語で用いられるコプト文字の一部を収録している。
Unicodeの表音文字ブロックにおいては珍しく、2種類の文字体系を同一のブロックで扱っている。これは、元々Unicodeのバージョン1.0においてコプト文字をギリシア文字と同一の文字体系と見做しており、コプト文字のうちギリシア文字に由来しない文字だけを追加文字としてギリシア文字ブロックに収録していたためであるが、後のバージョンアップデートにより両者が別々の文字体系であると見做され、現在ではギリシア文字に由来するコプト文字については後述の別ブロックに収録されている。
現代ギリシア語については当ブロック内の文字のみで表記することが可能だが、気息記号などを伴う古典ギリシア語についてはギリシア文字拡張(英語: Greek and Coptic、U+1F00..U+1FFF)ブロックも参照する必要がある。
また、コプト文字については元々ギリシア文字にない発音を表記するために追加文字として導入された古代エジプトのデモティック(民衆文字)を由来とする一部の文字のみが収録されており、コプト語を表記するためにはギリシア文字から派生した文字を収録しているコプト文字(英語: Coptic、U+2C80..U+2CFF)ブロックも参照する必要がある。
Unicodeのバージョン1.0では単に「ギリシア文字(Greek)」というブロック名で制定されていた。[1]
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収録文字
要約
視点
本節における日本語名称は特記がない限りWorld Wide Web Consortiumより[2]。
「ラテン文字転写」の列は主にギリシャ文字のラテン文字への翻字方式の一つであるISO 843に従う。
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小分類
要約
視点
このブロックの小分類は「古代の文字」(Archaic letters)、「数字用記号」(Numeral signs)、「下書きのイオータ」(Iota subscript)、「校正記号の小文字」(Lowercase of editorial symbols)、「約物」(Punctuation)、「追加の文字」(Additional letter)、「前進を伴うアクセント記号」(Spacing accent marks)、「字母」(Letter)、「異体字形」(Variant letterforms)、「デモティック由来のコプト文字」(Coptic letters derived from Demotic)、「異体字形及び記号」(Variant letterforms and symbols)、「バクトリア語用の追加の古代文字」(Additional archaic letters for Bactrian)、「記号」(Symbol)、「校正記号」(Editorial symbols)の14個となっている。[3]本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。
古代の文字(Archaic letters)
この小分類にはギリシア文字及びコプト文字のうち、古典ギリシア語で用いられていたが、後に廃字となり現代ギリシア語では使用されていない18文字を収録している。このうちUnicode1.0に含まれていたのはスティグマ、ディガンマ、コッパ、サンピの大文字4文字で、これらの小文字がUnicodeのバージョン3.0で、Q形のコッパの異体字がバージョン3.2で、サンがバージョン4.0で、ヘータ及びディガンマとサンピの異体字がバージョン5.1で追加された。
数字用記号(Numeral signs)
この小分類にはギリシア文字及びコプト文字のうち、イオニア式のギリシア数字を表記する際に用いられる2つの記号を収録している。Unicodeのバージョン1.1で追加された。
下書きのイオータ(Iota subscript)
この小分類には下書きのイオータと呼ばれる、古典ギリシア語の表記に使用された記号1文字のみが属している。Unicodeのバージョン1.1で追加された。
校正記号の小文字(Lowercase of editorial symbols)
この小分類にはギリシア文字及びコプト文字のうち、校正記号として用いられる記号の小文字3文字を収録している。後述する小分類「校正記号」に対応する小文字として、Unicodeのバージョン5.0で追加された。
約物(Punctuation)
この小分類にはギリシア文字及びコプト文字のうち、句読点などの約物2文字を収録している。ギリシア語用文字コードの互換用としてUnicodeのバージョン1.1で追加されたが、現在はいずれも通常の欧文用の約物を用いることが推奨されている。[3]
追加の文字(Additional letter)
この小分類にはギリシア文字及びコプト文字のうち、Yot ヨットと呼ばれるラテン文字Jと同形の字母を大文字・小文字合わせて2文字収録している。Unicodeのバージョン1.0では小文字のみが収録されており、バージョン7.0で大文字が追加された。
前進を伴うアクセント記号(Spacing accent marks)
この小分類にはギリシア文字及びコプト文字で用いられるアクセント記号のうち、結合文字とならないもの2文字を収録している。Unicode1.0の時点で収録済みであった。なお、結合文字については別ブロックである合成可能なダイアクリティカルマークに収録されている。
字母(Letter)
この小分類にはギリシア文字及びコプト文字のうち、現代ギリシア語で用いられている69文字が収録されている。全てUnicode1.0の時点で収録済みであった。
異体字形(Variant letterforms)
この小分類にはギリシア文字及びコプト文字のうち、数学、物理学、工学などの技術用記号などで用いられるギリシア文字の異体字13文字を収録している。このうちUnicodeのバージョン1.0に収録されていたのは10文字で、通常欧文のアンパサンドに相当する記号ϗがUnicodeのバージョン3.0で、三日月形のシグマの大文字がバージョン4.0で、ϗの大文字に相当するϏがバージョン5.1で追加された。
デモティック由来のコプト文字(Coptic letters derived from Demotic)
この小分類にはギリシア文字及びコプト文字のうち、コプト語において元々ギリシア語にない音を表現するために導入されたデモティックを起源とする追加文字を収録している。元々Unicodeのバージョン1.0においてコプト文字はギリシア文字の変種として見做されていたためギリシア文字と同一のブロックで扱われていたが、のちにバージョン4.1においてコプト文字がギリシア文字とは別の文字体系と見做されるようになり、元々ギリシア文字と統合されていた分の文字体系は別ブロック「コプト文字」として分離された。本ブロックの名称が「ギリシア文字及びコプト文字」となっているのはこの小分類が影響している。
異体字形及び記号(Variant letterforms and symbols)
この小分類にはギリシア文字及びコプト文字のうち、記号として用いられるギリシア文字の異体字3文字が収録されている。Unicodeのバージョン3.1で2文字が追加され、その後バージョン3.2で03F6 ϶ GREEK REVERSED LUNATE EPSILON SYMBOLが追加された。
バクトリア語用の追加の古代文字(Additional archaic letters for Bactrian)
この小分類にはギリシア文字及びコプト文字のうち、バクトリア語においてギリシア語にない[ʃ]の音価を表すために導入された字母ショーの大文字・小文字合わせて2文字を収録している。Unicodeのバージョン4.0で追加された。
記号(Symbol)
この小分類にはギリシア文字及びコプト文字のうち、ρを含む単語の略語を表す記号として使用される記号ϼの1文字のみを収録している。Unicodeのバージョン4.1で追加された。
校正記号(Editorial symbols)
この小分類にはギリシア文字及びコプト文字のうち、校正記号として用いられる記号3文字を収録している。Unicodeのバージョン4.1で追加された。
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文字コード
ギリシア文字及びコプト文字(Template:Greek and Coptic)[1] Official Unicode Consortium code chart (PDF) | ||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | A | B | C | D | E | F | |
U+037x | Ͱ | ͱ | Ͳ | ͳ | ʹ | ͵ | Ͷ | ͷ | ͺ | ͻ | ͼ | ͽ | ; | Ϳ | ||
U+038x | ΄ | ΅ | Ά | · | Έ | Ή | Ί | Ό | Ύ | Ώ | ||||||
U+039x | ΐ | Α | Β | Γ | Δ | Ε | Ζ | Η | Θ | Ι | Κ | Λ | Μ | Ν | Ξ | Ο |
U+03Ax | Π | Ρ | Σ | Τ | Υ | Φ | Χ | Ψ | Ω | Ϊ | Ϋ | ά | έ | ή | ί | |
U+03Bx | ΰ | α | β | γ | δ | ε | ζ | η | θ | ι | κ | λ | μ | ν | ξ | ο |
U+03Cx | π | ρ | ς | σ | τ | υ | φ | χ | ψ | ω | ϊ | ϋ | ό | ύ | ώ | Ϗ |
U+03Dx | ϐ | ϑ | ϒ | ϓ | ϔ | ϕ | ϖ | ϗ | Ϙ | ϙ | Ϛ | ϛ | Ϝ | ϝ | Ϟ | ϟ |
U+03Ex | Ϡ | ϡ | Ϣ | ϣ | Ϥ | ϥ | Ϧ | ϧ | Ϩ | ϩ | Ϫ | ϫ | Ϭ | ϭ | Ϯ | ϯ |
U+03Fx | ϰ | ϱ | ϲ | ϳ | ϴ | ϵ | ϶ | Ϸ | ϸ | Ϲ | Ϻ | ϻ | ϼ | Ͻ | Ͼ | Ͽ |
注釈
|
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履歴
以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。
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出典
関連項目
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