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ゴールデングラブ賞
日本プロ野球でシーズンを通して各ポジションで最も守備力に卓越した選手に与えられる賞 ウィキペディアから
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ゴールデングラブ賞(ゴールデングラブしょう)は、日本プロ野球の選手表彰の一つ。正式名称は三井ゴールデン・グラブ賞(みついゴールデングラブしょう)。シーズンを通してそれぞれのポジションで最も守備力に卓越した選手を、ベストナインと同じ選出方式によって表彰する賞で、プロ野球記者による投票を行い得票数のいちばん多かった者が受賞となる。セ・パ各連盟の公式表彰に準じた特別賞と位置付けられている。
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概要
三井広報委員会提供。
1972年に、三井物産スポーツ用品販売が輸入・ライセンス元だった、アメリカのローリングスが、「メジャーリーグベースボールには守備を重視するベストナイン賞として『ゴールドグラブ賞』があり、それを参考にした日本版の賞を作ってはどうか」[1]との提案を基に、ダイヤモンドグラブ賞として創設され、1986年より現在の三井広報委員会加盟各社に協賛を引き継ぎ、三井ゴールデン・グラブ賞に改称された[2]。
- 有資格者
- 投手:規定投球回数以上の投球、又はチーム試合数の1/3以上に登板していること。
- 捕手:チーム試合数の1/2以上で捕手として出場していること。
- 内野手:チーム試合数の1/2以上で1ポジションの守備についていること。
- 外野手:チーム試合数の1/2以上で外野手として出場していること。
- 投票要件
- 日本の報道機関(新聞社、通信社、放送局)のプロ野球記者で、5年以上の取材キャリアを持つ者。
セ・パ各リーグで、ポジションごとに原則各1名ずつ、9名が選ばれる(外野手については、左翼手、中堅手、右翼手を同一のポジションとみなして3名を選出する)。同一ポジションの選手の得票数が並ぶと同時受賞となるため、リーグあたり10名以上選ばれる年度もある。あるポジションの「該当者なし」の得票が過半数に達した場合、そのポジションでの受賞選手の選出は見送られる。ただし非常にまれな例であり、2010年にセ・リーグの一塁手で「該当者なし」となったのが初である。なお、「該当者なし」の得票が過半数に達していなかったために、得票数が少なかった選手が受賞した例が過去3度ある(後述)。
受賞者には金色の皮革で作られたグローブ(捕手や一塁手はミット)と、ボールを台座に飾ったトロフィーが贈られる。このグローブは受賞者決定後、受賞者が使用しているものを模して作られるもので、革製のため実際に使用できる。
ベストナインやかつての沢村栄治賞と同様に、受賞者には実際の成績が伴っていない選手が選ばれることがあり、批判が起こることがある(後述)。元プロ野球選手の上原浩治は記者は担当チームの取材が中心となるため、他チームが見ることが少ないことを指摘しており、記者投票ではなく、選手間投票にして欲しいとコメントしている[3]。
2010年代以降は日本でもUZR等、セイバーメトリクスによる守備力の算出が行われるようになったこともあり、記者による投票含め賞の選考自体への批判も上がっている[4]。
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セントラル・リーグ歴代受賞者
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パシフィック・リーグ歴代受賞者
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ゴールデングラブ賞に関する主な記録
要約
視点
複数回受賞者(野手)
- 太字はNPB現役
複数回受賞者(投手)
- 太字はNPB現役
諸記録
- 個人最多受賞回数:12回 福本豊(1972年 - 1983年、パ・リーグ 外野手部門[5])
- 個人最多連続受賞回数:12回 福本豊(1972年 - 1983年、パ・リーグ 外野手部門[12])
- 個人最多受賞ポジション数:3ポジション 立浪和義(二塁手部門:3回、三塁手部門:1回、遊撃手部門:1回)
- 最年長受賞者:宮本慎也(41歳11ヶ月、2012年:三塁手部門)
- 最遅初受賞:内川聖一(19年目、2019年:一塁手部門)
- 受賞の最長ブランク:15年 小久保裕紀(1995年:二塁手部門、2010年:一塁手部門)
- 入団1年目からの最多連続受賞回数:6回 高橋由伸(1998年 - 2003年、セ・リーグ 外野手部門)
- 両リーグ受賞者
- 中継ぎ・抑え投手の受賞選手
- 浅尾拓也(セ・リーグ:2011年)
- 該当者なし
- セ・リーグ一塁手部門(2010年)
- チーム最多受賞ポジション数
- セ・リーグ:6ポジション 中日ドラゴンズ(2004年)
- パ・リーグ:8ポジション 阪急ブレーブス(1978年)、西武ライオンズ(1992年)
- 受賞者が選出されなかったチームのレギュラーシーズン最高勝率球団あるいは日本シリーズ出場球団
- セ・リーグ:中日ドラゴンズ(1999年、2010年。両年とも日本シリーズ出場)
- パ・リーグ:ロッテオリオンズ(1981年前期。後期は最高勝率を逃し、さらにプレーオフに敗退して日本シリーズには不出場)
- 内野独占
- セ・リーグ:横浜ベイスターズ(1998年)
- パ・リーグ:西武ライオンズ(1992年)、千葉ロッテマリーンズ(2005年)
- 外野独占
- セ・リーグ:過去に例なし
- パ・リーグ:阪急ブレーブス(1978年)、北海道日本ハムファイターズ(2006年)
その他特筆すべき受賞例
- 同一チーム所属の複数選手が特定部門を長期間独占的に受賞した例
- セ・リーグ 投手部門:2003年まで32年間(延べ33人)中30人(90.9%)が受賞時点で巨人に所属、もしくはかつて所属していた選手。この間、巨人への所属経験のない投手が受賞したのは1986年の北別府学(広島)、1993年の今中慎二(巨人・桑田との同時受賞)、2001年の野口茂樹(いずれも中日)のみ。ちなみに野口は2005年シーズンオフにFA権を行使して巨人に移籍している。2004年以降、巨人に所属、もしくはかつて所属していた選手の受賞はディッキー・ゴンザレスと菅野智之のみ。
- セ・リーグ 一塁手部門:1999年まで28年間中26人(92.9%)が受賞時点で巨人に所属、もしくはかつて所属していた選手。内訳は王貞治9回、中畑清7回、駒田徳広10回と3人で独占的に受賞。2000年以降、巨人に所属、もしくはかつて所属していた選手の受賞はホセ・ロペスと中田翔のみ。
- チームの成績の躍進により多数選手が受賞した例
- セ・リーグ
- 1992年に最下位から2位に躍進した阪神は前年0人だったが同年4人に増加。このうちジム・パチョレック、トーマス・オマリー、亀山努は通算でもこの年のみの受賞。翌年は2人。
- 1998年にレギュラーシーズン最高勝率を記録した横浜(2012年よりDeNA)は前年2人だったが同年は5人に増加。投手を除く内野の全ポジションを独占した。翌年は2人、2000年以降は金城龍彦(2005年・2007年)、荒波翔(2012年 - 2013年)、ホセ・ロペス(2016年 - 2019年)、桑原将志(2017年・2023年)の4人による9回のみ。
- 2003年にレギュラーシーズン最高勝率を記録した阪神は前年0人だったが同年は4人に増加。翌年は1人。
- 2015年にレギュラーシーズン最高勝率を記録したヤクルトは前年0人だったが同年は3人に増加。
- 2023年にレギュラーシーズン最高勝率を記録した阪神は前年1人だったが同年5人に増加。特に中野拓夢は10年連続受賞していた菊池涼介を3票差で抑えての初受賞となった。
- パ・リーグ
- 2005年に10年ぶりにレギュラーシーズン勝率3位以内(2位)のロッテは前年0人だったが同年は5人に増加。翌年は2人。
- 2006年に25年ぶりにレギュラーシーズン最高勝率を記録した日本ハムは前年1人から同年は5人に増加、外野の3ポジションを独占した。
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三井ゴールデン・グラブ レジェンズ
2021年、ゴールデングラブ賞が50周年を迎えたことを記念し、歴代最強の守備陣を決定する「三井ゴールデン・グラブ レジェンズ」キャンペーンが実施された[26]。3回以上受賞した歴代選手を対象に、12月7日から同20日まで行われたファン投票で決定した[27]。受賞者は2022年1月27日に発表された[27]。
受賞選手
- 球団はゴールデングラブ賞受賞当時の球団
- 受賞回数はゴールデン・グラブ レジェンズ受賞当時
- 有効票は25950票
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選考に対する議論と批判
選考結果に疑問が投げかけられたケース
- 1972年 セ・リーグ 三塁手部門
- 1984年 セ・リーグ 遊撃手部門
- 1987年 セ・リーグ 二塁手部門
- この年は、同じ二塁手の正田と篠塚利夫(巨人)が同率(.333)で首位打者となり、優勝した巨人の篠塚がベストナインに選ばれた。一方で、首位打者を獲得したにもかかわらずベストナインに選出されなかったことへの同情票も集まり、正田が初めてゴールデングラブ賞を受賞した。賞に選ばれなかった高木豊は「今年は守備率の日本新記録を作ったのでゴールデングラブ賞は間違いなく自分だと確信していたが、こんな大記録にすら野球記者は気付いてもいない」という趣旨の発言をして投票したプロ野球記者を批判し、あからさまに不快感を表明した。この高木のコメントがスポーツ記事で報道され、ゴールデングラブ賞の選考基準を疑問視するスポーツ記事等も出たため、同賞の発表(同年11月16日)から2週間以上が経った12月になって、セ・リーグは高木を特別表彰することを決めた[30]。この一連の出来事は、ゴールデングラブ賞受賞者発表の翌日から、高木が特別表彰を受けた後までしばらくの期間スポーツ記事で断続的に報道された。
- 高木が守備率日本記録を達成しながら選外となったという選考結果については、スポーツライターからの批判もある[29]。
- 2005年 パ・リーグ 外野手部門
- 負傷の影響から106試合の出場に留まったSHINJO(北海道日本ハムファイターズ)が外野手部門に選出され、「今年のオレのゴールデングラブ賞はおかしい。1年間この賞を心の中で目指して取り組んでいた選手に申し訳ない。来年からは、印象ではなく数字で選んで欲しい。そうでないとこの素晴らしい賞の価値がなくなってしまう」とコメントした[31]。
- 2006年 パ・リーグ 投手部門
- 元ホークスエースの斉藤和巳は元々守備が好きで、守備にこだわりを持っており、「当時西武ライオンズの松坂大輔は何年も連続でゴールデングラブ賞を獲っていました。そういう選手がいる時に獲らないと意味がないです。この当時、大輔がメジャーに行くのは、ある程度わかっていました。この年までに獲らないといけないと思っていましたし、大輔がいる時に獲らないと意味がなかったです」と考えており、2006年に賞の受賞を狙った。このシーズンに宣言通り、投手5冠王や沢村賞に輝いた躍進した斉藤だったが、ゴールデングラブ賞には松坂が受賞した。斉藤は「この年も大輔だったので、この年でゴールデングラブを獲るの諦めました」と語った。斉藤は結局、現役時代ゴールデングラブ賞を獲得できなかった[32][3]。
選考結果を受けて監督や選手から批判があったケース
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脚注
関連項目
外部リンク
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