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スポーツエージェント

アスリートの雇用契約を交渉するエージェント ウィキペディアから

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スポーツエージェント: Sports agent)は、アスリートやコーチなどのプロスポーツ従事者の法定代理人エージェント)を指す。

概要

要約
視点

アスリートまたはコーチとの間で代理人契約を結び(プリンシパル=エージェント理論)、クライアントが所属する組織(チーム等)との契約交渉を担当する他、クライアントの広報活動を補佐する。インターナショナル・マネジメント・グループ (IMG)、 クリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシー (CAA)、 オクタゴン・ワールドワイドなど組織的にスポーツエージェント業務を手がける企業もあり、投資から税金の申告まで、クライアントの財務のあらゆる側面を処理する。スポーツビジネスが早期に確立したアメリカ合衆国で生まれた職業で、プロスポーツ界そのものに影響力を及ぼすこともある[1]

スポーツエージェントの所管する範囲は時に広いことがあり、たとえば、アイスホッケー選手のエージェントは15歳の若さでクライアントの募集を開始し、エージェントがNHLドラフトの前にアスリートのキャリアを指導できるようにすると言ったことが行われる。

契約の長さと複雑さのために、多くのスポーツエージェントは弁護士であるなど、契約法に関するバックグラウンドを有する。エージェントは、スポーツだけでなく、財務経営管理、およびリスク分析についての知識が必要となるほか、スポーツについてのトレンドを追うことも重要となる。交渉を主な業務とするため、優れたコミュニケーション能力と交渉のスキルも重要となる。エージェントは一度に複数のクライアントに代わって交渉することが一般的である[2]ため、意欲が高く、長時間働く意欲があり、マルチタスクが可能である必要がある。

個人で業務を行うエージェントも存在するが、多くの場合はエージェント業務を担う企業の社員として勤務する[3]。個々のエージェントが処理できるクライアントの数と、彼または彼女の雇用機関が合計で処理できるクライアントの数は、相互に依存する変数である。

現在では多くのエージェントが介在するサッカーの分野においても、1991年に国際サッカー連盟 (FIFA) が公認代理人制度を導入するまでは(エージェントを職業とする)代理人が公には認められておらず、一部の選手は両親などを代理人として用いていた。ほとんどの親はサッカービジネスについて素朴であり、これらの若いサッカー選手は、クラブから選手が本来有する価値に満たない契約を結ばされることが多く、彼らにふさわしい金額より低い俸給を生み出した[4]。FIFAが公認代理人制度を導入して以降、2011年11月現在では世界中に6,082の公認代理人がおり、うち4割以上がいわゆる「5大リーグ」が所在するイングランドスペインドイツイタリアフランスに主たる拠点を構えているという[5]。2001年以降はFIFAから直接ライセンスを受けず、代わりに各国・地域のサッカー協会から直接ライセンスを供与されるようになっている。さらに2015年にはFIFAの資格制度としての「公認代理人」が廃止となり、各サッカー協会が代理人を登録する制度に移行している[6]

スポーツエージェントは通常、アスリートの年俸の4%から10%、およびアスリートの契約金(移籍金)の10%から20%を受け取ることが通例と言われているが、競技によっては上限額が設定されており、NFLではクライアントの年俸の3%を超えて、 NBAでは4%を超えて受け取ることは許可されていない。

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メディアでの描写

映画

漫画

著名なスポーツエージェント

野球

Thumb
スコット・ボラス

バスケットボール

Thumb
デイヴィッド・フォーク

サッカー

Thumb
ジョルジ・メンデス

モータースポーツ

オリンピック

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スポーツエージェンシーグループ

要約
視点
  • クリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシー(CAA) - SFXのスポーツ代理店事業の買収で設立された。元々はタレントエージェントだが、2019年にロンドンのスポーツエージェント『Base Soccer』を買収してスポーツ分野での勢力を拡大[15]
  • インターナショナル・マネジメント・グループ(IMG) - 起業家のマーク・マコーマックによって設立された企業代理店で、もともとはゴルフとテニスが専門。マコーマックの死後、同社はプライベートエクイティグループのフォースマンリトルに買収された。
  • Interperformances–バスケットボール市場を専門とする国際的なフルサービスのスポーツエージェンシー[16] 。2017年1月、同社はバスケットボール以外の分野への発展を目指して米国で事業を拡大、Interperformances USA(IPZ)として知られている。 [17]
  • GestiFute 英語版 - ジョルジュ・メンデスによって設立されたサッカーを専門とするポルトガルのエージェントグループ。ポルトガルを中心に強力なネットワークを築いており、約650億円の価値があると見積もられている。
  • オクタゴン・ワールドワイド - フルサービスのスポーツエージェンシーおよびイベントマーケティンググループ。
  • Roc Nation Sports - 2013年にジェイ・Zことショーン・コーリー・カーターによって設立されたスポーツエージェンシー。現在CAAと提携。最初に署名したクライアントはロビンソン・カノ
  • ローゼンハウススポーツ - ドリュー・ローゼンハウスが運営するスポーツエージェンシー。
  • スポーツマネジメントワールドワイド–リン・ラッシュブルックによって設立され運営されている国際的なスポーツエージェンシー[18]および民間の営利スポーツマネジメントトレーニング機関[19]
  • ワッサーマン・メディア・グループ(WME) - SFXからアーン・テレムのバスケットボールエージェンシーを買収して設立。毎年NBAドラフトで最も多くの選手の代理人を務めている[20]
  • Independent Sports and Entertainment(ISE) –アスリートをエンターテインメントと映画の世界に混ぜ込もうとするスポーツエージェンシー。

日本の主なスポーツエージェンシー

日本では「Jリーグ規約」で、代理業務を行えるのは弁護士、またはFIFA公認代理人(仲介人)に限ると定められている。選手エージェントの認定試験は、国際サッカー連盟 (FIFA) が定める内容で、制度が廃止されるまでは毎年3月と9月の2回、全世界で同日に実施されていた。認定は各国サッカー協会に委ねられており、日本サッカー協会公認は外部リンク参照。

FIFAの決定に基づき2015年3月末にて選手エージェント制度が廃止され、2015年4月より新たな制度である「仲介人制度」が日本でも導入された(これによりそれまで発行されていた選手エージェントのライセンスは無効となった)。仲介人制度では、選手やクラブは、選手契約や移籍合意の交渉に際して、第三者を関与させた場合、日本サッカー協会に登録しなければならない。

サッカーに関する法律の知識、FIFA、各国サッカー協会のルール(local rule含む)に関する知識、契約締結などに関係するビジネスの知識、各国のTAXの知識、各国のサッカーに関する知識、交渉のためのスキル、各外国語等 様々な知識を高いレベルで兼ね備えていないと海外移籍等をさせるケースは困難になる。

以下は日本サッカー協会公認代理人が3名以上所属するスポーツエージェンシー[21]

かつてのスポーツエージェンシー

  • Assante Corporation – Steinberg、Moorad&Dunnエージェンシーを買収した後、Dan Fegan&AssociatesやMaximum Sports Managementなどのエージェンシーを買収したものの、マルチスポーツ企業エージェンシーの構築に失敗したカナダの公開会社。 [22]
  • SFXエンターテインメント - 1998年にバスケットボール界の代理人であるデイヴィッド・フォーク英語版が運営するスポーツエージェンシーであるFAMEに、最大1億5,000万ドルの現金、株式、ボーナスを支払い傘下に置くことに合意。さらにアーン・テレムの運営するスポーツエージェンシーであるテレム・アンド・アソシエイツも傘下に収め野球の分野でも活動[23]。後にスポーツ代理店事業の一部を売却。現在は上場企業であるライブ・ネイション
  • Steinberg、Moorad&Dunn ( "SMD")– 1999年10月にカナダの金融会社に1億2000万ドルで売却されたマルチスポーツエージェンシー。校長の亡命と訴訟が続いた。もともとは起業家エージェントのリー・スタインバーグとジェフ・ムーラドが率いていた。 [24]
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関連項目

脚注

参考文献

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