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ホジャ文字 (Unicodeのブロック)
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ホジャ文字(ホジャもじ、英語: Khojki)は、Unicodeのブロックの一つ。
解説
16世紀~19世紀ごろに、現在のパキスタンのシンド州において南アジアのニザール派・イスマーイール派が宗教文献の記録のためシンド語の表記に用いられたホジャ文字(「シンド文字」や「ホジャ・シンド文字」とも呼ばれる[1])を収録している。この文字体系は周辺地域に広がり、グジャラート語、パンジャブ語、サライキ語、及びヒンディー語と関連のあるいくつかの言語の表記に用いられ、また、アラビア語及びペルシャ語の表記にも用いられた[1]。なお、ホージャ文字の使用は過去1世紀にわたって減少しているが、南アジア出身のニザール派・イスマーイール派のムスリムが居住する地域では現在どこでも使用されている[1]。
Khojki(デーヴァナーガリー文字 :खोजक khojakī)という名称は、ペルシャ語の敬称هجاوخ khwājah(主人、君主)に由来しており、これはサンスクリット語のठाकुर ṭhākura の翻訳であり、南アジアでニザール派・イスマーイール派の伝統に初期に改宗したヒンドゥー教徒であるローハーナー共同体(Lohānā community)の敬称として用いられている[1]。
Khojki文字は、シャーラダー文字に関連する商業用文字群であるランダー文字系のシンド語支族に属する、ブラーフミー文字をベースとした文字であり、イスマーイール派文学を記録するための典礼用文字として開発されたローハーナーキー文字(Lohānākī)の改良版と考えられている[1]。ニザール派・イスマーイール派の伝承によると、ホジャ文字はローハーナー共同体で積極的に活動していたイスマーイール派の宣教師、ピル・サドルッディーン(サドル・アッディーン)(Pir Sadruddin (Ṣadr al-Dīn))によって発明されて広められた。
ホジャ文字は、宗教共同体で用いられる正式な典礼用文字として開発された2つのランダー文字のうちの1つであり、もう1つはグルムキー文字で、シク教の聖典を記すために発展した[1]。
ホジャ文字はブラーフミー文字から派生した所謂ブラーフミー系文字(インド系文字)の一つであり、音素文字のうち子音字単独では暗黙の随伴母音/-a/を伴って発音され、別の母音にする際に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。ラテン文字などと同様に左から右への横書き(左横書き)である。単語毎に分かち書きをするが、通常のスペースではなくU+1123A 𑈺 KHOJKI WORD SEPARATOR
を用いる。
符号位置の順序はおおむね伝統的なホジャ文字の順序に従っている。
Unicodeのバージョン7.0において初めて追加された。
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収録文字
要約
視点
「ラテン文字転写」の列はブラーフミー系文字のラテン文字への翻字方式の一つであるISO 15919(及び一部はIAST)に従う。
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小分類
このブロックの小分類は「独立母音字」(Independent vowels)、「子音字」(Consonants)、「従属母音記号」(Dependent vowel signs)、「各種記号」(Various signs)、「約物」(Punctuation)、「記号」(Sign)、の6つとなっている[2]。本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。また、収録文字が1文字しかない小分類については小分類名が単数形で表現されているが、本記事では単数形か複数形かによる小分類名の表記ゆれについては別の小分類として扱わず、同一の小分類として扱うこととする。
独立母音字(Independent vowels)
この小分類にはホジャ文字のうち、頭子音のない母音の音節を表す際に用いられる独立した母音字が収録されている。
子音字(Consonants)
この小分類にはホジャ文字のうち、基本的な子音字が収録されている。
従属母音記号(Dependent vowel signs)
この小分類にはホジャ文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。
各種記号(Various signs)
この小分類にはホジャ文字のうち、母音字や子音字に結合する発音記号などの様々な記号が収録されている。
約物(Punctuation)
記号(Sign)
この小分類にはホジャ文字のうち、さまざまな記号類が収録されている。
文字コード
ホジャ文字(Khojki)[1] Official Unicode Consortium code chart (PDF) | ||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | A | B | C | D | E | F | |
U+1120x | 𑈀 | 𑈁 | 𑈂 | 𑈃 | 𑈄 | 𑈅 | 𑈆 | 𑈇 | 𑈈 | 𑈉 | 𑈊 | 𑈋 | 𑈌 | 𑈍 | 𑈎 | 𑈏 |
U+1121x | 𑈐 | 𑈑 | 𑈓 | 𑈔 | 𑈕 | 𑈖 | 𑈗 | 𑈘 | 𑈙 | 𑈚 | 𑈛 | 𑈜 | 𑈝 | 𑈞 | 𑈟 | |
U+1122x | 𑈠 | 𑈡 | 𑈢 | 𑈣 | 𑈤 | 𑈥 | 𑈦 | 𑈧 | 𑈨 | 𑈩 | 𑈪 | 𑈫 | 𑈬 | 𑈭 | 𑈮 | 𑈯 |
U+1123x | 𑈰 | 𑈱 | 𑈲 | 𑈳 | 𑈴 | 𑈵 | 𑈶 | 𑈷 | 𑈸 | 𑈹 | 𑈺 | 𑈻 | 𑈼 | 𑈽 | 𑈾 | 𑈿 |
U+1124x | 𑉀 | 𑉁 | ||||||||||||||
注釈
|
履歴
以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。
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出典
関連項目
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