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夕陽のガンマン
セルジオ・レオーネ監督の1965年の映画 ウィキペディアから
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『夕陽のガンマン』(伊: Per qualche dollaro in più、英: For a Few Dollars More、原題の意味は「もう数ドルのために」)は、1965年のイタリア制作の西部劇である。監督はセルジオ・レオーネ、出演はクリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、ジャン・マリア・ヴォロンテ。他にドイツ人俳優クラウス・キンスキーも悪役で出演している。
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概要
日本とアメリカでは1967年に公開され、「ドル箱三部作」の第2作目に当たる。
『荒野の用心棒』のイタリアでの大ヒットで実力を認められたレオーネが、前作を大幅に上回る予算を与えられて製作した作品である。本作品でレオーネは独自の演出スタイルを確立、名実共にマカロニ・ウェスタンの巨匠と目されるようになった。
1967年公開のマカロニ・ウェスタンに『新・夕陽のガンマン/復讐の旅』(原題:Da uomo a uomo)という作品があるが本作及び『続・夕陽のガンマン』とは一切関係ない作品である。
ストーリー
賞金稼ぎのダグラス・モーティマー大佐は、1,000ドルの賞金首を仕留めるが、保安官事務所で10,000ドルの賞金が賭けられたインディオ一味が近くにいることを小耳にはさむ。
ちょうど2,000ドルの賞金首を仕留めた賞金稼ぎのモンコ(名無しの男)もインディオ一味を狙っており、モーティマーはモンコと組んで一味の賞金を山分けすることにする。一味は、顔馴染みの悪党グロッギーと共にエルパソ銀行を襲撃しようと企んでいた。
モーティマーはインディオの情報を得るため、モンコを一味に潜入させようとする。モンコは刑務所から一味の仲間を脱獄させた恩を売って一味に加わる。インディオは保安官をまくために、モンコたちに別の銀行を襲撃するように命令するが、モンコは途中で彼の手下を殺し、保安官たちにエルパソ銀行が襲撃されることを知らせる。しかし、保安官たちが到着する前にインディオは銀行の金庫を奪って逃走していた。
作戦が失敗したことで、モンコはモーティマーと手を切ろうとするが、モーティマーはモンコを説得して、インディオを誘い込んで挟み撃ちにしようと持ちかける。モンコはモーティマーを出し抜くため、インディオを違う場所に誘い込もうとするが、警戒心の強いインディオは別の方角に逃亡する。しかし、そこには二人の考えを見抜いたモーティマーがいた。
モンコとモーティマーは一味から金を奪い取ろうとするが、正体がバレて捕まりリンチを受ける。インディオは二人を殺して銀行襲撃犯に仕立て上げようとするが、その夜に彼の命を受けたニーニョによって二人は脱走する。
インディオは手下たちに二人を追わせて金を独り占めしようとするが、グロッギーに見抜かれてしまい、ニーニョは殺されてしまう。二人を追跡した手下たちは全員返り討ちにあい、インディオはモーティマーから勝負を挑まれる。実はモーティマーの妹夫婦はインディオに殺されており、彼は復讐のためにインディオを追っていた。
インディオは不意を突いてモーティマーを殺そうとするがモンコに阻止され、一騎打ちの末にモーティマーに射殺される。復讐を果たしたモーティマーは、一味の賞金をモンコに全て譲り、その場を立ち去る。モンコは生き残っていたグロッギーを射殺して、インディオ一味の死体を乗せた荷馬車と共に去っていく。
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キャスト
要約
視点
主演
- クリント・イーストウッド - モンコ(「名無しの男」、"モンコ"の意味はスペイン語で「片腕/不具者」)
- 賞金稼ぎ。キャバノーという2000ドルの獲物を瞬く間にしとめた腕利き。利害の一致からモーティマーと組む。
- リー・ヴァン・クリーフ - ダグラス・モーティマー大佐
- 賞金稼ぎ。眼光の強さで他者を圧倒する威圧感を持つ。実は妹の復讐のためにインディオを狙っている。ガイという1000ドルの獲物をしとめた腕利き。利害の一致からモンコと組む。
- ジャン・マリア・ヴォロンテ - エル・インディオ
- 凶悪犯の賞金首。賞金額は1万ドルだが後に2万ドルに上がる。銀行を襲撃する計画を立てている。残忍かつ狡猾で自分の利益のためなら味方も犠牲にする。いつもマリファナ煙草を吸っている麻薬中毒者でもあり、その影響からか感情の起伏が激しい。モーティマーの妹を暴行し、その夫を殺害した過去がある。
ギャング
- マリオ・ブレガ - ニーニョ
- インディオの部下。
- ルイジ・ピスティッリ - グロッギー
- インディオの部下。頭が冴えている。
- アルド・サンブレル - クチーリオ
- インディオの部下。
- クラウス・キンスキー - ワイルド
- 賞金額は2000ドル。
- ベニート・ステファネリィ - ヒューイ(別名ルーク)
- ルイス・ロドリゲス - マヌエル
- パノス・パパドプロス - サンチョ・ペレス
- ウェルナー・アブロラット - スリム(クレジットなし)
- エドアルド・ガルシア - ファウスト(クレジットなし)
- エンリケ・サンティアゴ - ミゲル(クレジットなし)
- アントニオ・モリーノ・ロホ - フリスコ(クレジットなし)
- フランク・ブラナ - ブラッキー(クレジットなし)
- ホセ・カナレハス - チコ(クレジットなし)
- ナサレノ・ナタレ - パコ(クレジットなし)
その他のキャラクター
- ダンテ・マジオ - インディオと同じ刑務所の囚人、元大工
- ディアナ・ラビト - キャラウェイの女
- ショパンニ・タラロ - サンタ・クルスの電信技士
- ヨゼフ・エッガー - 地獄耳の老人
- ロレンツォ・ロブレド - インディオを裏切った男
- マラ・クルップ - メアリー、ホテルの主人の妻
- マリオ・メニコニ - 車掌
- ロベルト・カマディエル - 駅の店員
- セルジオ・メンディサバル - トゥーカムケアリの銀行支店長
- トーマス・ブランコ - トゥーカムケアリの保安官
- ローズマリー・デクスター - モーティマーの妹(クレジットなし)
- ピーター・リー・ローレンス - モーティマーの義弟(クレジットなし)
日本語吹き替え
※2009年12月11日、セルジオ・レオーネ監督の生誕80周年を記念して『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン』、『夕陽のギャングたち』を収録した6枚組のDVDセットが日本で発売された。「セルジオ・レオーネ 生誕80周年記念 夕陽コレクターズBOX -日本語吹替完声版- 」と題され、『夕陽のガンマン』、『続・夕陽のガンマン』はテレビ放送でカットされた部分の吹き替えが追加収録されている。イーストウッドの吹き替えは逝去した山田康雄の代わりに多田野曜平が担当し、それ以外の主要な役は納谷、小林、大塚らテレビ版のオリジナルキャストが再び声を当てている(「夕陽のガンマン アルティメットエディション」および「日本語完声版」に収録されているテレビ版の音声は初回放送時の最長版ではなく、2時間枠での放送時にそれを更にカットしたものである)。「日本語完声版」に収録された「日本語吹替完声版」は前述の短縮版に吹替の存在しないシーン約40分を追加収録したもの(当初は初回放送版の予定であったが、視聴者からの一般公募でも見つからなかったため)。BDには前述の短縮版吹替(パッケージには約111分と表記されているが、実際はさらに短い)と「日本語吹替完声版」がDVD版吹替と共に収録されている。
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製作
映画の大部分はスペインのアルメリア地方で撮影された。カルロ・シーミは本作品の撮影に当たり、“エル・パソ”の町並みのセットを砂漠に作り上げた。当時のセットは現存し、ミニ・ハリウッドと呼ばれる観光名所になっている。
エル・インディオを演じたジャン・マリア・ヴォロンテのキャリアは舞台から始まっており、彼の演技は映画のキャラクターとしては大げさに過ぎるとして、レオーネは撮影中ヴォロンテに何度も抑えた演技をするように要請したと言われている[4]。
音楽
『荒野の用心棒』に引き続き音楽を担当したのはエンニオ・モリコーネである。レオーネは直接彼に音楽の指示をし、撮影前に完成したものもある。
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作品解説
- 日本で発売されている『夕陽のガンマン』はすべてアメリカ版である。そのためイタリアの原版とは微妙に違っている。
- 主人公のあだ名はモンコ(Manco)であり、スペイン語で「片腕」。このあだ名の由来は、彼が銃を撃つときと馬に乗るとき以外決して右腕を使わないことである。
- イタリアには本作のパロディ映画『Per qualche dollaro in meno』(英語: For a Few Dollars Less、日本語: 夕陽のギンコーマン、原題を直訳すると「より少ないドルのために」)がある。
- 本作をベースにしたパチンコ『CR夕陽のガンマン 荒野の仕掛人』がオリンピアから発売されている。モンコの声は山田康雄の死後にクリント・イーストウッドの吹き替えを数多く担当している野沢那智が演じている。
脚注
外部リンク
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