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天然コケッコー
日本の漫画シリーズ ウィキペディアから
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『天然コケッコー』(てんねんコケッコー)は、くらもちふさこによる日本の漫画。山間の過疎村を舞台とし、主人公の田舎娘そよと東京からの転校生大沢との恋愛を軸にすえ、何気ない日常の時の流れを丁寧に描いた[1][2]連作短編である。
漫画雑誌『コーラス』(集英社)にて1994年7月号から2000年11月号に連載され、第20回(1996年度)講談社漫画賞少女部門を受賞した。また、渡辺あや脚本・山下敦弘監督で実写映画化され、2007年7月28日に公開された。
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背景
『別冊マーガレット』の看板作家だったくらもちふさこが、より対象年齢の高い『コーラス』に発表の場を移してからの初めての連載であり、過去の作品に比べ、絵柄も作品を追うごとに線の強いものに変化している。
くらもちは本作について、一つの場面で起きる何でもない人のしぐさ
のようなものを、何ページにも渡ってただただ描く
という『お茶の間三分間劇場』みたいなこと
をやってみたかったのだと語っている[3]。
登場人物
要約
視点
作者の母方が出身である島根県浜田市周辺が舞台のモデルであり、登場人物たちも当地の方言である石見弁を話す。
小中学生
- 右田 そよ(みぎた そよ)
- 主人公。本人の自覚はないが近隣でも評判の美少女である。石見弁で自分の事を「わし」と言う。本人の自己分析を含めると天心爛漫、お人好し、負けず嫌い、頑固、細かいことにこだわる、詰めが甘い、鈍感などの特徴がある。大根足を気にしている。5月18日生まれ、O型。
- 大沢 広海(おおさわ ひろみ)
- そよのボーイフレンド。東京から村に転校してきた。そよの初めての同級生。トレンドに敏感で、センスも良い。歯に衣着せぬ物言いをするが、裏表がなく、好き嫌いがはっきりしている。コンピュータゲーム、プロレスが好き。12月12日生まれ、B型。
- 山辺 篤子(やまべ あつこ)
- そよの1級下であり、親友。呼び名はあっちゃん。家は床屋。漫画家志望でペンネームはあべまやこ。大沢くんに憧れており、描く男性のモデルにしている。ナイーブで想像力豊か。A型。
- 田浦 伊吹(たうら いぶき)
- そよの1級下であり、親友。家は商店。おおらかで、ノリが良い。耳年増でエッチなことに詳しい。O型。
- 右田 浩太朗(みぎた こうたろう)
- そよの2歳下の弟。大沢を大沢兄ちゃんと慕い、成長するにつれコンピュータゲームやファッションに目覚める。森高千里のファン。お人好し。A型。
- 田浦 カツ代(たうら かつよ)
- そよの5級下。呼び名はカッちゃん。紫色が好き。鶏のピーすけを飼っている。さっちゃんとチビの2人組である。B型。
- 田浦 早知子(たうら さちこ)
- そよの6級下で、村の最年少。呼び名はさっちゃん。そよがいつも面倒を見ているため、そよにべったり。おもらしをすることがある。十八番はどじょうすくい。キャラクターのクマチューが好き。途中で弟が生まれる。A型。
右田家
田浦家
学校関係
その他の村人
- 田浦 重民(たうら しげたみ)
- そよの5級上。呼び名はシゲちゃん。家は郵便局で、自身も勤めている。おしゃべりで人の話を聞かない。食べることと釣りが好き。そよを気に入っている。大沢とは仲が悪い。
- あっちゃんのお父ちゃん
- あっちゃんの父。床屋を経営。「えっえっえっ」と笑う。かつら疑惑がある。
- 薫(かおる)
- あっちゃんの姉だが、亡くなった先妻の子。結婚して村を出ている。そよがお気に入り。
- 田浦 早百合(たうら さゆり)
- カッちゃんの母。畑を売り、お好み焼き屋をオープンする。料理の勉強をしに1か月ほど上京していた。
- さっちゃんのお父ちゃん
- さっちゃんの父。8ミリビデオカメラを購入する。
- もへじ
- さっちゃんの弟。顔がへのへのもへじに似ているため、さっちゃんがこう呼んだ。
- スエばぁちゃん
- 話好きの上、話が長い。貴族の末裔らしい。
- はっちゃん
- カラオケ好きで、お好み焼き屋の常連客。
- 文ちゃん(ふみ-)
- そよの隣家。村を出ている。
- 友吉(ともきち)
- 役場の職員。通称友ちゃん。
町の人々
- 宇佐美(うさみ)
- 大沢の親友で、高校の同級生。森町出身。真面目で誠実だが、悪ガキで茶目っ気のある一面も。無表情で控えめ。
- 田中 比世子(たなか ひよこ)
- 宇佐美の彼女。森町出身。草彅高校に通っている。宇佐美がそよを想っていると考えており、そよに反発するが、だんだん友情を育むようになった。
- 山口 遥(やまぐち はるか)
- そよの運動会友達であったが、高校で同級生になった。人気者に弱く、前は宇佐美、今は大沢を追いかけている。姉はテニス部の部長。
- 遠山(とおやま)
- 高校の同級生。そよが高校に入って初めてできた友達。そよを園芸部に誘う。A型の優等生。
- 北村 靖(きたむら やすし)
- 森高の生徒会長。高校卒業後は漁師になる。成績が良く弁も立ち、教師からも生徒からも一目置かれているが、空気を読めないところがある。そよと親しくなる。
- 福地(ふくち)
- 高校の同級生。大沢の友達。呼び名は福ちゃん。
- 馬場(ばば)
- 森高の校長先生。厳しいが、筋のある人。大沢を唯一黙らせることができる人。
その他
- 鈴木 健一(すずき けんいち)
- 大沢くんの親友で、東京の中学校の同級生。一緒にプロレス研究会に入っていた。
- 「彼女」
- 大沢が東京で好きだった子で、東京の中学校の同級生。相思相愛であったが、交際には至らなかった。大沢の転校後、鈴木と付き合うが破局。大沢はトレンド情報を「彼女」から教えてもらい、流行り物を買ってもらったりしていた。
- たっちゃん
- そよの父の同級生。玉の輿温泉にある松登旅館で料理長をしている。
- アッコ
- あっちゃんが書いた漫画の主人公。
- 長瀬 広也(ながせ ひろや)
- あっちゃんの漫画の主人公が恋に落ちる相手。大沢がモデル。
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作品の舞台
要約
視点
概要
主人公・そよの家はS県香取郡木村稲垣(えすけん かとりぐん きむら いながき)にある。村の近隣には、森町(もりまち)・ 草彅町(くさなぎちょう)・中居町(なかいちょう)。地名は全て元SMAPのメンバー達の苗字を使っている。
木村
主人公・そよの住む農村。村人は皆顔見知り、ちょっとしたことが大事件になる。最寄りの木村駅までバスで20分だが、駅に向かうバスは2時間に1本しかない。モデルは那賀郡三隅町(現:浜田市)とされる。村は海と川に面しているため魚介類には困らないが、肉を買うには町に出る必要がある。
- 木村小学校・中学校
- 小学校と中学校は渡り廊下でつながっており、給食は一緒に食べる。そよの夢はこの学校の先生になることだが、廃校の危機に瀕している。生徒数が少ないため、運動会には森町の生徒が参加する。中学校は通称きむ中。
- 神社
- 小学校・中学校の校庭の先にあり、校長が神主を務める。そよと大沢がファーストキスをした場所。神さんと呼ばれる。神社の裏手には火の見櫓があるが、ヘビが出る。
- 床屋
- あっちゃんの家。散髪のほかに、雑誌を販売している。
- 田浦商店
- 伊吹の家。村の唯一の店なので、ここで売っていない場合は国道の店まで出なければならない。
- 郵便局
- シゲちゃんの家。
- 役場
- 村長でもあるそよの祖父が勤めている。
- JA
- 農業協同組合。
- 直売所
- 国道沿いにある。農協の婦人グループが農産物の加工品などを販売している。そよの母の手作りクッキーが人気。
- 海
- 村から歩いて20分。村一番の自慢で、村一番の楽しい場所。観光客も訪れる。海沿いに汽車が走っている。
- 五郎川
- 村の中を流れている川。
- 山
- 村から山を越えると海に出る。
森町
木村駅から森駅までは、電車(一両編成)で37分。木村からいちばん近い町。モデルは浜田市街とされる。
草彅町
森町の隣町。通称なぎ町。モデルは那賀郡金城町(現:浜田市)とされる。
- 草彅高等学校
- 通称なぎ高。この近隣では高校は森高となぎ高の2校で、村の人になぎ高出身者は少ない。地元では森高のほうが名門校とされ、なぎ高のほうが合格難易度が低い。
中居町
近隣では最も大きい漁港のある港町。木村からすると大都会。そよの母の出身地。漁港へは森駅からバスで15分。モデルは浜田市原井町~周布町周辺とされる。
その他
書籍情報
単行本
- くらもちふさこ 『天然コケッコー』 集英社〈ヤングユーコミックス. コーラスシリーズ〉 全14巻
文庫版
- くらもちふさこ 『天然コケッコー』 集英社〈集英社文庫〉 全9巻
- 2003年8月8日発売[4]、ISBN 4-08-618104-5
- 2003年8月8日発売[5]、ISBN 4-08-618105-3
- 2003年8月8日発売[6]、ISBN 4-08-618106-1
- 2003年10月17日発売[7]、ISBN 4-08-618107-X
- 2003年10月17日発売[8]、ISBN 4-08-618108-8
- 2003年11月18日発売[9]、ISBN 4-08-618109-6
- 2003年11月18日発売[10]、ISBN 4-08-618110-X
- 2003年12月12日発売[11]、ISBN 4-08-618111-8
- 2003年12月12日発売[12]、ISBN 4-08-618112-6
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映画
要約
視点
2007年7月28日公開[14]。原作の設定をそのままに、物語はそよの中学時代のエピソードを中心に描かれている。ロケーション撮影もモデル地を中心に行なわれた。夏帆の映画単独初主演作品。
キャッチコピーは「もうすぐ消えてなくなるかもしれんと思やあ、ささいなことが急に輝いて見えてきてしまう」。
キャスト
- 右田そよ:夏帆
- 大沢広海:岡田将生
- お母ちゃん(右田以東子):夏川結衣
- お父ちゃん(右田一将):佐藤浩市
- 田浦伊吹:柳英里沙
- 山辺篤子:藤村聖子
- 右田浩太朗:森下翔梧
- 田浦カツ代:本間るい
- 田浦早知子:宮澤砂耶
- 篤子の父:斉藤暁
- シゲちゃん:廣末哲万
- 松田先生:黒田大輔
- 美都子(大沢君のお母ちゃん):大内まり
- 田浦のじっちゃん:田代忠雄
- ばあちゃん(そよの祖母):二宮弘子
- じいちゃん(そよの祖父):井原幹雄
- 篤子の母:中村朱實
- 渡辺先生:渡辺香奈
- 岩崎先生:岩崎理恵
- 大沢の友人:大津尋葵
- 大沢の友人:峯崎雄太
- 大沢の友人:前田想太
- 伊吹の父:浅田茂人
- 早智子の母:能島瑞穂
- カツ代の母:上田静香
- 女の先生:服部富士美
- 郵便局員:大畑喜彦
- 早知子の父:新垣昌利
- ネコ:大沢
スタッフ
- 監督:山下敦弘
- 脚本:渡辺あや
- 撮影:近藤龍人
- 美術:金勝浩一
- 照明:藤井勇
- 録音:小川武
- 編集:宮島竜治
- 音楽:Rei harakami
- 主題歌:くるり「言葉はさんかく こころは四角」
- 音楽プロデュース:安井輝
- 音響効果:中村佳央
- 助監督:小野寺昭洋、西山太郎、木ノ本豪、杉田真一
- 漫画技術指導:あべまやこ
- 装飾:大晃商会
- 映像提供・協力:山陰放送、ファーストエディット
- 現像:IMAGICA
- スタジオ:日活撮影所
- 企画監修:鳥嶋和彦
- 企画:前田直典
- エグゼクティブプロデューサー:豊島雅郎、春藤忠温、山路則隆、御領博、森元晴一
- プロデューサー:小川真司、根岸洋之
- 製作協力:シネマ・インヴェストメント
- 企画・製作プロダクション:ピクニック、アスミック・エース
- 製作委員会メンバー:アスミック・エース、ピクニック、集英社、関西テレビ放送、MUSIC ON! TV、住友商事
ソフト化
- 天然コケッコー DVD特別版(初回限定生産2枚組、2007年12月21日発売、発売元・アスミック・エース / 集英社、販売元・角川映画)
- ディスク1:本編DVD
- 映像特典
- くるり「言葉はさんかく こころは四角」ミュージックビデオ
- 特報・劇場予告編・TVスポット集
- 音声特典
- オーディオコメンタリー(夏帆×くるり:岸田繁×監督:山下敦弘)
- 映像特典
- ディスク2:特典DVD
- Making of 天然コケッコー DVD用特別編集版
- 天然素材未使用シーン集
- 天コケトーク集
- イベント映像集(完成披露試写会舞台挨拶、島根キャンペーン、初日舞台挨拶)
- 封入特典
- 天然コケッコー フォトブック
- 特製アウターケース付き
- ディスク1:本編DVD
- 【TCE Blu-ray SELECTION】天然コケッコー ブルーレイ スペシャル・エディション(BD1枚組、2012年9月5日発売、発売元・アスミック・エース / 集英社、販売元・TCエンタテインメント)
- 映像・音声特典:DVD特別版の全映像・音声特典を収録
受賞
- 第31回日本アカデミー賞[15]
- 新人俳優賞(夏帆)
- 第62回毎日映画コンクール
- 日本映画優秀賞
- 脚本賞(渡辺あや)
- 音楽賞(レイ・ハラカミ)
- 第32回報知映画賞
- 監督賞(山下敦弘)
- 新人賞(夏帆)
- 第81回キネマ旬報ベスト・テン[16]
- 日本映画ベストテン第2位
- 第29回ヨコハマ映画祭[17]
- 日本映画ベストテン第2位
- 最優秀新人賞(夏帆)
- 第50回朝日ベストテン映画祭
- 最優秀作品賞(第1位)
- 映画芸術
- 2007年度作品ベストテン第3位
- 第12回日本インターネット映画大賞
- 最優秀新人賞(夏帆)
主なロケ地
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脚注
参考資料
外部リンク
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