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天竜浜名湖鉄道

静岡県の第3セクター鉄道事業者 ウィキペディアから

天竜浜名湖鉄道map
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天竜浜名湖鉄道株式会社(てんりゅうはまなこてつどう)は、静岡県第三セクター鉄道会社[4]

概要 種類, 略称 ...

静岡県や沿線自治体などが出資して設立され[4]、旧国鉄特定地方交通線二俣線を前身とする、静岡県遠州地方浜名湖北岸を走る鉄道路線天竜浜名湖線」を運営している。本社は静岡県浜松市天竜区天竜二俣駅に所在[5]

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歴史

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鉄道事業

要約
視点

路線

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路線図

車両

現有車両

TH2100形
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TH2100形

2001年(平成13年)にTH1形を置き換える目的で登場した[13]新潟鐵工所(2次車以降は新潟トランシス)製のNDCで、NDC初のTICS対応となっており、当時最新鋭の技術が盛り込まれている。全長18.5 m で座席はセミクロスシート[13]ドアチャイムが付いている。 駆動機関は米国カミンズディーゼル社製N14-Rを1機搭載、変速機は変速1段・直結3段の日立ニコトランスミッション製TACN-33-1601を搭載している[13]。低速域からの直結段投入とパワーオンシフトによる燃費と、加速力の向上が計られている。台車は2軸駆動で、一部の車両には急勾配区間の空転対策として砂まき装置が設置された。最高速度は85 km/h

1次車はTH2000形として登場したが、後にTH2100形に改番された。

2次車ではブレーキ回路の二重系統化や、ドア部にLED表示が設置されるなどの改良が施された。

4次車ではドアチャイムが変更され、6次車では2回鳴るものに変更された。

全14両が在籍し、現在も主力車両として運行中。なお登場に際し、塗装デザインを募集していた。寄せられたデザインを元に現在の塗装が決められている。

編成一覧
  • TH2101 - TH2103 …1次車
  • TH2104 - TH2106 …2次車
  • TH2107 - TH2109 …3次車
  • TH2110・TH2111 …4次車
  • TH2112・TH2113 …5次車
  • TH2114 …6次車
TH9200形
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TH9200型

構造はTH2100形とほぼ同じだが、団体列車運用を想定し、転換クロスシート、AV設備等を備えた特別車両。団体運用が無い時は、一般車両としても運行される。1両のみが製造された。車体の外装デザインは一般から公募されたもので、白ベースにブルー、オレンジ、グリーンが鮮やかに彩られたカラフルな車体デザインとなっている。宝くじの助成を受けて導入されたため、「宝くじ号」の表記が入っている。この車両はTH2100形3次車と同時期に製造されたため、ドアチャイム等の装備はTH2100形3次車に準ずる。なお、TH9200形の「92」は宝くじの「くじ」からとっている。

導入予定の車両

2024年度から2028年度までの経営計画において、2025年度以降、新型車両を毎年1両ずつ導入する予定である[14]

過去の車両

TH1形
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TH1形

天竜浜名湖鉄道開業時(国鉄二俣線からの転換時)の新造車で、いわゆるレールバスにあたる。全15両が導入された。

乗車整理券は現在のバーコード式整理券ではなく、乗車駅も印字されずに数字のみを印字したスタンプ式整理券だった。方向幕は回転幕式である。

当形式はコスト削減のためバス用部品が多用されていたため、老朽化が早期に進行した。そのためTH2100形が導入されると入れ替わる形で廃車となり、2004年(平成16年)10月16日に定期運用を終了した。末期には固定運用となっていた。

翌日2004年(平成16年)10月17日にはお別れイベント「ありがとうTH1型」が実施された。当日のTH1形はすべて2両編成で運行され、乗車したまま転車台などを体験したのち、3両並べての写真撮影会を行った。

定期運用終了後も予備車としてTH106・TH211が残存していたが、2005年(平成17年)11月16日にTH106が、同22日にTH211が休車となり、同29日付で2両とも廃車となった。その後2006年(平成18年)春にミャンマーに譲渡され、RBE2525・RBE2526として現在も使用されている。

車両一覧
いずれも車体構造は同じだが、以下の4種類4形式が存在した。
TH1形(101 - 110・115)
標準型で、車内はロングシートと4組のクロスシート
101・102・103・104は当時の沿線市町村(掛川市三ケ日町細江町天竜市)のPR車として塗装変更された。
107は「浜名湖花博」のラッピング車両として開催期間中走行した。
108は後にトロッコ用牽引車TH211の予備車として塗装変更無く整備された。
110は野鳥の集いに併せ静岡県によってスコッチプリントによる、野鳥カラーとなった。
追加増備車である115は、運転台仕切り戸の引き戸化や前面のステップが可動式へマイナーチェンジされた。
TH2形(211)
初代イベント対応車。車内は1形と同じだが、クロスシートは取り外し可能であり、畳を敷くことでお座敷車となった。後に「トロッコそよかぜ号」のメイン牽引車となり、トロッコ車両に合わせた塗装変更、動台車への砂箱設置、幌の更新等、トロッコ牽引車として整備された[15]
TH3形(312・313)
1形との違いは、車内のクロスシートが6組に増えているのみである。これは、観光路線として、長距離旅客に対応するためであった。
TH4形(414)
115と共に増備された1両。イベント車として導入され、天浜線唯一のオールロングシート車であった。通路にを敷くことが可能で、211よりも簡単な作業でお座敷車に組み立てられたため、お座敷車1両の時は優先的に414が充当された。
TH3000形
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TH3000形

1995年(平成7年)に輸送力増強用に増備された車両で、TH3501とTH3502の2両が投入された。JR東海に倣いカミンズ社製のエンジン (NTA855R1) を搭載。クリーム色にオレンジの濃淡のストライプという外装で、登場時は異彩を放った。主力のTH2100形とはブレーキの形式が異なるため、併結運転はできない。TH3502は2008年(平成20年)2月より休車扱いとされていたが、2010年(平成22年)9月に廃車・解体された。残るTH3501は、2006年(平成18年)頃に後述のトロッコ列車「そよかぜ」と同様の塗色に変更された。併せてトロッコ列車牽引のため砂撒き装置が設置された。2015年(平成27年)に内装を「マリメッコ」のテキスタイルで改装し、「スローライフトレイン」として運行されていた。2021年(令和3年)5月23日に最終運行を行った[16]。TH1形廃車後の天浜線の保有車両の中では唯一窓が開けられる車両であった。

トロッコ用客車

トロッコ列車「トロッコそよかぜ号」用の客車として、THT100・THT200形が在籍していた[15]

JR貨物所有であった無蓋車トキ25000形を種車として、当時の名鉄住商工業の工場にて改造が施工された。各部品には、長良川鉄道岐阜県)の廃車から発生した運転台、名鉄HL車の乗務員扉、尾灯北陸鉄道旧型車の前照灯等が使用されていた。動力はなく、専用動力車のTH211に牽引・推進を委ねていた[15](TH211の廃車後はTH3501)。ブレーキ装置は動力車のTH211などに合わせた直通空気ブレーキに改造され、空気圧縮機は搭載せず動力車側から圧縮空気の供給を受けるものとしていた[15][17]。岐阜県内から天竜二俣駅まではトレーラーによる陸路で搬入された。

2005年度から登場した「トロッコ列車弁当」は外観がこの車両をイメージしたデザインで、価格は1000円(税込)。

2007年に台枠に亀裂が入っていたことが判明し、運行を取りやめた。その後も運転再開に向けて関係者の尽力が続けられたが、財政上の問題などから運転再開は断念された(修復するには億単位の費用がかかることが判明している)。

乗車券等

普通運賃

大人普通運賃(小児半額・10円未満切上げ)。2024年10月1日改定[18]

さらに見る 掛川, 掛川市役所前 ...

硬券

有人駅をはじめとする一部の駅では硬券を発行するほか、転車台見学では見学記念硬券を購入しての見学となる。

割引乗車券

  • 1日フリーきっぷ - 天浜線全線が1日乗り降り自由。
  • 茶畑きっぷ - 天浜線の東エリア(掛川 - 西鹿島間)が1日乗り降り自由。
  • みかんきっぷ - 天浜線の西エリア〈天竜二俣 - 新所原間)が1日乗り降り自由。
  • 共通1日フリーきっぷ - 上記の茶畑きっぷ、みかんきっぷの通用範囲に遠鉄西鹿島線全線を加えたもの。東ルート・西ルートの2種類がある。

この他に、JR東海が発売する「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」と、遠州鉄道が発売する「共通1日フリーきっぷ」が使用できる。

過去には以下の乗車券が発売されていた。

定期券

通学定期に限り、2010年度より通学ジャストパスという終了日指定定期を発行している。

2013年3月15日から31日に、2013年度(4月1日 - 2014年3月31日)中有効の全線フリー定期「年間フリーパス」を平日昼間用1万円、土休日終日用1万5千円(各500枚限定)で発売した。購入者を「天浜線宣伝部長」に委嘱して天竜浜名湖線の魅力を広めてもらうという趣旨で、券面には「天浜線☆宣伝部長」と書かれていた[19][20]

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過去の事業

航路・自動車事業

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天竜川川下り船(2006年)

2003年(平成15年)4月から、天竜観光協会からの委託で「遠州天竜舟下り」として天竜川川下り事業を行っていた。運航区間は、浜松市天竜区米沢から二俣(飛龍大橋)の約6km。天竜観光協会の前身である二俣町観光協会が1948年(昭和23年)に開始した川下りを引き継いだ。船には動力(エンジン)が付いていることから、一般旅客定期航路として認可を受けている。自動車運送事業も行っているが、天竜二俣駅から川下り乗船場と、川下り下船場から天竜二俣駅を結ぶ無料送迎バスを運行しているためである。

なお、2011年8月17日に5人が死亡した転覆事故の影響により川下り船は以降の運航を中止した。

その後、安全管理の確保に必要な新たな人件費がかかること、2011年3月期で当事業は117万円の赤字になっており、鉄道事業でも1億9355万円の赤字となるなど川下りを立て直す余裕はないとして、事業廃止の方向性が示され、同年11月の取締役会で川下り事業からの撤退を決定した[21]。浜松市や静岡県は補助金の活用や他社への委託などを検討したが有効策は見つかっておらず、天竜観光協会も後継となる事業者が見つからないため廃止を受けいれるとしている[22][23]

天竜浜名湖鉄道が登場する作品

脚注

参考サイト

外部リンク

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