トップQs
タイムライン
チャット
視点

岩手開発鉄道

岩手県大船渡市に本社を置く鉄道事業者 ウィキペディアから

岩手開発鉄道map
Remove ads

岩手開発鉄道株式会社(いわてかいはつてつどう)は、岩手県大船渡市貨物鉄道を営む鉄道会社である。現在は貨物専業であるが、1992年(平成4年)3月までは旅客輸送も行っていた[3]

概要 種類, 本社所在地 ...

太平洋セメントが8割以上を出資する主要株主となっているが、当初の設立目的から大船渡市など地元自治体も出資しており、第三セクター方式の鉄道会社のはしりでもある。日本民営鉄道協会に加盟する[注釈 1]

Remove ads

事業

盛駅を起点とする全長11.5kmの日頃市線・赤崎線の2つの路線を有し[4]、大船渡市の内陸部にある大船渡鉱山で産出される石灰石を、同市赤崎町にある太平洋セメント大船渡工場まで輸送している。2010年度の貨物輸送量は195万tで、私鉄では上位クラスの輸送量であるが、年間400万t以上あった1990年代以前の輸送量に比べると半減している。

1986年(昭和61年)から貸切バス事業にも進出したが、子会社の開発運輸に事業譲渡し、その後バス事業は廃止されている。

歴史

岩手開発鉄道は、地域振興と地下・林産資源などの開発を目的として設立された。盛駅から釜石線平倉駅間を結ぶ鉄道を計画したが、太平洋戦争中は工事が中断し、日頃市線として盛 - 日頃市間の鉄道が開業したのは、戦後の1950年(昭和25年)である。

当初は貨物・旅客輸送とも振るわなかったが、赤崎線盛 - 赤崎間と日頃市線日頃市 - 岩手石橋間を延伸し、小野田セメント(現在の太平洋セメント)大船渡工場の石灰石輸送を開始した後は、経営が持ち直した。しかし旅客輸送人員は、日本全国の旅客営業を行っている私鉄では常に最低で、1992年(平成4年)には旅客営業を廃止している[3][4]

Remove ads

路線

日頃市線・赤崎線共に軌間1,067mm、単線非電化[11]。運行上は路線の区別なく全列車が通し運行で、2007年時点では一日13往復が設定されている[11]

車両

要約
視点

現有車両

2007年(平成19年)時点で貨物列車牽引用のDD56形ディーゼル機関車4両と、石灰石輸送用のホキ100形貨車45両の計49両が在籍している[4]

DD56形(DD5651 - 5653)
1968年(昭和43年)から1973年(昭和47年)にかけて新潟鐵工所で製造されたセンターキャブ式ディーゼル機関車で、スタイルは国鉄DD13形に類似する[4]。当初自重53tであったためDD53形であったが、1979年(昭和54年)に機関をDMF31SB(500ps/1500rpm)からDMF31SBI(600ps/1500rpm)に換装し56tとなったため同時に改番された[12]1993年(平成5年)から1997年(平成9年)にかけて、信頼性向上を目的として機関が直噴式のDMF31SDI(600ps)に再換装されている[4]。なお、DD5652は2023年2月に廃車されている[13]
DD56形(DD5601)
DD53形(当時)検査時の輸送力維持を目的として、1977年(昭和52年)6月に新潟鐵工所で製造されたセンターキャブ式のディーゼル機関車[4]。56t機で機関は当初DMF31SBI(600ps/1500rpm)を2基搭載していたが[12]1995年(平成7年)12月に直噴式DMF31SDI(600ps)へ換装された[4]
DD56形(DD5602)
DD5652の代替機として2023年に新潟トランシスで製造された[14][13]
ホキ100形 (101・102・105 - 107・109 - 114・116・119 - 138・140 - 152[11])
小野田セメント大船渡工場への石灰石輸送用として新造された35 トン 積の貨車ホッパ車)である。1960年(昭和35年)に13両が配備され、2000年(平成12年)まで増備された。国鉄セキ3000形貨車との同一設計である[11]が、両側の下部の荷卸開戸が電動式となっているのが特徴(国鉄セキ3000は手回し式の手動[11])。1996年(平成8年)より保守簡略化の観点から台車がコロ軸受けのTR213C形・TR225形へ交換されている[11]

過去の車両

キハ202
1968年(昭和43年)に新潟鐵工所で製造されたオリジナルの気動車で、全長12m、2扉の小型車両であった。盛 - 岩手石橋間の旅客輸送に運用された。1992年(平成4年)4月の旅客輸送廃止後はしばらく軽入換に使用された後に休車、1997年(平成9年)3月に廃車となった[4]。その後は盛駅構内に留置されていたが、2002年(平成14年)2月に長安寺駅側線で解体された[15][4]
キハ301
詳細は「夕張鉄道キハ200形気動車」を参照
夕張鉄道から1975年(昭和50年)に譲り受けた。旅客輸送廃止後は個人に売却されたものの、引渡しがされず結局2001年(平成13年)7月に長安寺駅側線で解体された[4]
DB15形 (DB1511)
1957年(昭和32年)に新三菱重工業で製造されたL字形の岩手開発鉄道最初のディーゼル機関車。1973年(昭和48年)廃車。
DC38形 (DC3821)
1973年(昭和48年)廃車。
DD38形 (DD3831 - 3832)
1960年(昭和35年)に東洋工機で製造されたセンターキャブ式のディーゼル機関車。DD53形の登場までの主力。1974年(昭和49年)廃車。
DD43形 (DD4341)
1963年(昭和38年)に東洋電機で製造されたセンターキャブ式のディーゼル機関車。故障が多かったという。1985年(昭和60年)廃車。
Remove ads

関係会社

  • 岩手開発産業株式会社
  • 開発運輸株式会社
    • 一般貨物自動車運送事業およびタイヤ販売業を行っている。かつては貸切バス事業を行っていたが、2022年に廃止した。
  • 株式会社カイハツ総合設備

脚注

参考文献

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.

Remove ads