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津軽鉄道線

日本の青森県五所川原市から青森県北津軽郡中泊町を結ぶ津軽鉄道が運営する鉄道路線 ウィキペディアから

津軽鉄道線
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津軽鉄道線(つがるてつどうせん)は、青森県五所川原市津軽五所川原駅から青森県北津軽郡中泊町津軽中里駅までを結ぶ、津軽鉄道が運営する鉄道路線。運営会社を含め、地元での愛称・略称は津鉄(つてつ)[注釈 1]

概要 津軽鉄道線, 概要 ...
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津軽半島の付け根から中央部までを南北に縦貫している。冬季には客車内の暖房石炭焚きのダルマストーブを用いる「ストーブ列車」が運行される。2019年現在、日本で唯一腕木式信号機が現役で使用されている営業路線であり、津軽五所川原駅・金木駅に設置されている。ただし場内信号機のみで、出発信号機はない。

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路線データ

運行形態

2025年(令和7年)6月1日に乗務員(機関士)退職に伴うダイヤ改正が行われた。1人が退職したあとも免許を持っている社員が運転士を兼務するなどして運行を続けてきたが、これまでの運行体制を維持することが難しくなったため、通学の時間帯の列車は残し上り2本、下り3本を減便した[2]。一日の乗務員3人体制から、乗務員2名体制にて、安全な運行体制を維持するためともしている[2]。ただし運転士を確保できれば、利用者の状況などを見て従来通りのダイヤに戻すことも検討するとしている[3]

この改正時点のダイヤでは、津軽五所川原駅 - 津軽中里駅間の通し列車が9.5往復、金木駅 - 津軽中里駅間の区間列車が1本、金木駅 - 津軽五所川原駅間の区間列車が1本設定されている。全列車が普通列車であるが、全21本中9本は毘沙門駅川倉駅深郷田駅を通過する[4]。かつては通過駅のある列車は準急とされていた[5]

基本的に津軽21形気動車1両によるワンマン運転が行われているが、朝には2両で車掌乗務となる列車がある。また、女性アテンダント「津軽半島観光アテンダント」が乗務することもある[6]

なお季節限定で全定期列車を、夏季は「風鈴列車」、晩夏から初秋には「鈴虫列車」として運行している[7]

ストーブ列車

毎年12月1日 - 3月31日の定期列車3往復(うち1往復は12月の平日を除く)は、「ストーブ列車」として車内にダルマストーブを設置したオハ46形客車を連結して運転される。ストーブ設置車両に乗車する場合は、乗車券のほかにストーブ列車券が必要である。

機関車・オハ46形2両・津軽21形1両の4両編成が基本だが、客車が1両のみの場合や機関車を省略する場合もある。なお「金木桜まつり」や「五所川原立佞武多」など沿線のイベント期間中にも臨時にオハ46形を使用した列車が運転されることがあるが、ストーブは焚かれない。ただし、2019年まで毎年8月に運転された予約制の団体専用列車「真夏のストーブ列車」では、車内のストーブが焚かれる。

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歴史

川部駅 - 五所川原駅間の鉄道を運営していた陸奥鉄道が国に買収され(現:JR五能線)、出資額の倍の支払いを受けた株主たちが次なる鉄道として計画した路線である。 改正鉄道敷設法では、中里からさらに小泊三厩(津軽半島の最北端)を経て青森市へ至る計画があったが、青森駅 - 三厩駅間が国鉄(現・JR東日本津軽線として実現したに留まっている。

  • 1928年昭和3年)2月13日 - 鉄道免許状下付(北津軽郡五所川原町-同郡中里村間)[8]
  • 1930年(昭和5年)
    • 7月15日 - 五所川原駅(現在の津軽五所川原駅) - 金木駅間が開業[9]。一番列車は、五所川原駅午前6時18分発金木駅行第101列車。また、当時は、午前3往復、午後4往復の計7往復の運行[10]
    • 10月4日 - 金木駅 - 大沢内駅間が開業[11]
    • 11月12日 - 16時、鉄道省監督局工務課長から電報により、大沢内 - 津軽中里間の営業認可の指令が下りる[10]
    • 11月13日 - 大沢内駅 - 津軽中里駅間が開業。津軽中里午前6時33分発の第111列車が全線開通のトップを切った[10]。同日、金木駅 - 津軽中里駅間で貨物運輸開始[12]
  • 1931年(昭和6年)7月5日 - 毘沙門駅開業[13]
  • 1932年(昭和7年)4月24日 - 瓦斯倫動力併用[14]。下岩崎駅、川倉駅深郷田駅開業[13]
  • 1933年(昭和8年)4月14日 - 重油動力併用[14]
  • 1935年(昭和10年)4月13日 - 五所川原駅 - 津軽飯詰駅間に一野坪駅開業[15]
  • 1941年(昭和16年)8月1日 - 一野坪駅、下岩崎駅、毘沙門駅[15]、川倉駅[注釈 2]休止。
  • 1943年(昭和18年)4月1日 - 深郷田駅休止[15]
  • 1944年(昭和19年)3月31日 - 津軽飯詰駅 - 毘沙門駅間の下岩崎駅廃止[15]
  • 1955年(昭和30年)
  • 1956年(昭和31年)7月10日 - 五所川原駅を津軽五所川原駅に改称[15]
  • 1961年(昭和36年)4月25日 - 十川駅開業[15]
  • 1974年(昭和49年)4月1日 - 一野坪駅を廃止し、五農校前駅開業[注釈 3]
  • 1984年(昭和59年)2月1日 - 貨物営業廃止。
  • 1992年平成4年)4月1日 - 一部列車でワンマン運転開始。
  • 2004年(平成16年)11月10日 - 冬ダイヤ改正で列車本数大幅減便。津軽五所川原駅 - 金木駅間1閉塞とし、金木駅 - 津軽中里駅間をスタフ閉塞化。
  • 2007年(平成19年)
    • 10月25日 - 橋の老朽化に伴う補修工事で、津軽中里駅 - 大沢内駅間を終日運休、バス代行を11月30日まで行った。
    • 12月1日 - ストーブ列車の維持を目的として、ストーブ列車において「ストーブ列車料金」(300円)を新設。
  • 2014年(平成26年)12月1日 - ストーブ列車の維持費高騰のため、ストーブ列車料金を400円に改定。
  • 2020年令和2年)12月1日 - ストーブ列車料金を500円に改定。
  • 2025年(令和7年)年6月1日 - 乗務員(機関士)の退職に伴い上り2本、下り3本を減便するダイヤ改正を実施[2]

利用状況

要約
視点

輸送実績

津軽鉄道線の輸送実績を下表に記す。輸送量は減少している。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

さらに見る 年度別輸送実績, 年 度 ...

『鉄道統計年報』(国土交通省鉄道局監修)より抜粋。

営業成績

津軽鉄道線の営業成績を下表に記す。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

さらに見る 年度別営業成績, 年 度 ...

『鉄道統計年報』(国土交通省鉄道局監修)より抜粋。

第二次世界大戦前・戦中の輸送収支実績

さらに見る 年度別実績, 年度 ...
  • 『鉄道統計資料』『鉄道統計』『国有鉄道陸運統計』各年度版
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駅一覧

凡例
停車駅[16](「通停」欄) … ●:全列車停車、◇:一部の列車が通過
さらに見る 駅名, 営業キロ ...
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その他

  • 2001年4月1日の下北交通大畑線廃線後は青森県で唯一残る非電化の私鉄路線となり、また旅客営業を行う非電化路線では国鉄JRからの転換路線を除けば東北地方で唯一の路線である[注釈 4]
  • 車掌乗務列車では車内券(補充券)による乗車券の発売をしている。また、日中のワンマン運行時でもJR東日本五能線からの乗り換え客がある列車では、運転室所属の係員が列車発車まで車内券で乗車券を発売する場合がある。
  • 北海道新幹線開業に合わせ同新幹線の奥津軽いまべつ駅と当社線との間をDMVで接続する構想を持っていた[17]。しかし、既存の列車とDMVを安全に併用運行するシステムが開発されていないため、DMV導入を断念していたことが2014年6月に報じられている[18]。なお、北海道新幹線が開業した2016年3月26日から、奥津軽いまべつ駅 - 当社線津軽中里駅間に、弘南バスが1日4往復の路線バス「あらま号」を運行していた[19][20]が、2020年9月30日を以て運行を終了[21]。また、2020年11月1日より、事前予約制タクシーの運行が開始された[22]。運賃は2400円。
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脚注

関連項目

外部リンク

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