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薬屋のひとりごと (アニメ)
日本のテレビアニメシリーズ (2023-) ウィキペディアから
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『薬屋のひとりごと』(くすりやのひとりごと、英語: The Apothecary Diaries、中国語: 药屋少女的呢喃、藥師少女的獨語)は、日向夏による同名のライトノベルを原作とする、日本のテレビアニメ作品。
第1期は2023年10月から2024年3月まで、日本テレビ系列ほかにて放送された[1][2]。初回はキー局の日本テレビなどでは第3話まで連続放送された[注 1][1]。第1クール(第1話から第12話)は原作小説第1巻が、第2クール(第12話から第24話)は原作小説第2巻が基になっている[3]。
第2期は2025年1月より日本テレビ系列『FRIDAY ANIME NIGHT』枠ほかにて連続2クールで放送中[4][5]。
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登場人物
→詳細は「薬屋のひとりごと § 登場人物」を参照
スタッフ
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制作
要約
視点
2023年2月16日にアニメ化が発表され、ティザービジュアルとプロジェクトPVが公開された[10]。
2023年10月1日には、全国4劇場にて第1話から第3話の先行上映会が行われ、TOHOシネマズ日比谷では悠木碧、大塚剛央、長沼範裕ら舞台挨拶に登壇した[11]。
企画
プロデューサーの菱山光輝は本作の制作にあたり、原作小説に誠実にあるということを重要なテーマとして掲げた[12]。原作はコミカライズやドラマCD化など、さまざまに展開して多くのファンを獲得してきた作品であり、ファンの一人一人にそれぞれの解釈が生まれているため、チーム全体としてあくまでベースは原作小説であるという意識を持つことを重要視したという[12]。
また、幅広い客層に視聴してもらうことも大きな目標とし、制作や宣伝が行われた[12]。彩度が高く設計された画面構成は、高齢の視聴者に配慮したものであり、老若男女に見てもらうという方針に則ったものであった[12]。
演出
監督とシリーズ構成は『魔法使いの嫁』や『劇場版 弱虫ペダル』で監督を務めた長沼範裕が務めた。二つの役職を兼任した理由について長沼は、作品の完成度を上げるために土台から携わる必要があったこと、加えて本作は謎解きなどの複雑な要素が多く、魅力と要点をわかりやすく視聴者に伝える必要があったことを挙げている[13]。
長沼は本作のテーマを「親と子」、「生と死」と定め、この普遍的なテーマをきちんと描き切ることを意識した[3]。また本作を演出するうえで、固定概念にとらわれない表現方法に挑戦しており、例えば夕方の空の色は、天候やキャラクターの感情に合わせて10色ほど用意された[14]。
第1期の24話は全体で大きな物語として設計されており、第1クールでは猫猫を軸に話が進み、第2クールでは壬氏を始めとした猫猫以外のキャラクターが加わる[15][3]。そのため、第1クールでは猫猫の目線でカメラを置き、第2クールでは少しカメラを引き、群像劇として演出されている[3]。また、作中では度々視聴者が無意識的に引っかかりや違和感を覚える演出が用意されており、視聴後に漫画や原作小説を読みたくなるように仕掛けられている[15][16]。
第2期では長沼範裕は総監督となり、第1期で副監督を務めた筆坂明規が監督を務めた[17]。筆坂は自身のこだわりについて、次のように話している[17]。
原作小説やコミックスは自分のペースで読み進められるし、気になった部分へすぐに戻ることもできます。テレビアニメの場合、一方通行で映像が流れていきます。原作を知っている方もいれば、アニメで初めて作品に触れる方もいます。情報の開示、伏線の張り方はしっかり考えています。『薬屋のひとりごと』はストーリー、キャラクターの魅力の両方がそろっています。僕のアニメにする際のこだわりでもあるのですが、キャラクターがちゃんとその世界に生きていて、それぞれに人生があることを表現しようとしています。それぞれの人生があり、生き方、考え方、感じ方がある。そこをカメラで捉えていくようなイメージです。起きている事件、感情を正確に伝えるために、カメラアングルや色、背景、撮影処理、音響でしっかり伝えようとしています
筆坂は画面のレイアウトや構図、色彩などの映像表現に細部までこだわって演出している[17]。「一時停止したとしても、このキャラクターが考えていることや気持ちが伝わるようなレイアウトにしようとしています」と話す筆坂は、キャラクターの感情を「正確」に伝えようとしており、カメラアングル、構図、レンズのチョイスだけでなく、尺、セリフのやり取り、カメラの切り替えといった細かな部分までこだわり抜いて、キャラクターの感情や関係性を画面上で表現しているという[17]。色彩についても、時間や環境の変化による色の変化だけでなくキャラクターの感情でも色を変え、全体を一色で照らすような撮影処理だけではない表現を目指している[17]。これについて筆坂は、「第1期の時に長沼さんがこだわって作ってくださった部分でもあるので、第2期でも大切にしています。キャラクターの感情、関係性などが画面を通して伝わるように、色彩設計の相田美里さん、美術監督の高尾克己さんらプロフェッショナルの方がコントロールしています。」と話している[17]。
このように、細部の徹底的なこだわりでキャラクターの繊細な感情を表現しようとしているが、筆坂はこれらの表現について、「ストーリーがスッと入ってくるのがベストなので、気付かなくてもいいのですが」とインタビューの中で話している[17]。
音楽
本作の劇伴は、桶狭間ありさ、Kevin Penkin、神前暁の3名が担当した。通常のアニメ制作での劇伴を担当する音楽家は1人だが、本作のバラエティに富んだ様々な側面を表現するため、複数の作曲家を起用することとなった[18]。この3名を起用した理由について、長沼は以下のように語っている。
桶狭間(ありさ)さんは若く、ある意味キャッチーな音を作るのがとてもうまい方で、ケビン(ペンキン)さんは、日本にはない大陸的な音を作ることに長けている方。そして、神前(暁)さんはとても優秀な劇伴作家さん。このお三方の音が、どれも必要だと考えました。 — 出典:[14]
作品としての一貫性を保つため、まずは窓口に神崎が立ち、神崎が他の二人に振り分け、楽曲制作が行われた[18]。
キャスティング・演技
本作のキャストは猫猫役を務めた悠木碧を除き、ドラマCD版から一新された[19]。悠木はすでに構築されたドラマCDの世界観を踏襲するため起用されたが、ドラマCDとは表現方法も物語の焦点も異なるため、悠木には新たなアプローチが求められた[19]。悠木は本作の猫猫を演じるにあたり、「画が可愛いので、私も少し甘さを抜いていくなどバランスを取っています」と語っている[20]。悠木は猫猫をドラマCD版から演じておりアニメ化にあたって経験が非常に役立ったと述べている。 また、毒や薬に対する執着する様子・推理するシーンのモノローグは長いセリフも聞き取りやすいようしっかりと情報が伝わるよう工夫している。 具体的なエピソードでは、普段は冷静で陰のある猫猫が梨花妃の侍女を恫喝するシーンで感情を表に出すことで正義感と成長を表現している。 壬氏に対しては、猫猫は自然体で接してお互いのやり取りが息が合っていることを強調し、実際にも壬氏役の大塚剛央と撮影の際に息が合っており、演技の面で大きな信頼関係を築いている[21][22]。
長沼は悠木の演技を「悠木さんは物語に対しての理解力、適応力がとても高いんです。〔中略〕アニメならアニメの、新しいアプローチの仕方にきちんと合わせてくれる。ディレクションに対してのレスポンスのよさは、群を抜いているなと感じます。」と評している[13]。
猫猫以外のキャラクターはすべてオーディションでキャスティングされた[13]。キャスティングでは芝居が出来ることを前提に、その俳優の背景がキャラクターにあっているのかも判断基準となった[13]。いくつかのキャラクターはオーディションで絞り込められた数名の中から、長沼や音響監督のはたしょう二をはじめとした数名のスタッフが話し合って決められた[19]。長沼は全体のバランスを非常に気にしており、特に後宮の妃たちは、煌びやかでありながらも似た声にならないように色分けすることが重要視された[19]。
壬氏を演じた大塚剛央は第1話の収録時に長沼とはたから「どんな壬氏を作っていきたいのか」と聞かれ、自身の持つ壬氏のイメージを伝え、大まかな方向性を決めたという[23]。壬氏を演じるにあたり、大塚は壬氏の素の部分をどう見せていくかを重視した[23]。また、壬氏が誰を相手にしているかを意識し、高順、仕事相手や上級妃の侍女、そして猫猫にはそれぞれ異なるアプローチで演じた[24]。悠木はテレビアニメの猫猫を演じるにあたって感じていた不安が、大塚の演じる壬氏の声を聴いて払拭されたと語っており、大塚が本作における大黒柱だと評している[25]。
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主題歌
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評価
ランキング・アワード
「読者が選ぶアニメキャラ大賞2023」において、猫猫が「新人賞」で6位を獲得している[37]。また、「TVerアワード2023」では特別賞を獲得した[38]。「第46回アニメグランプリ」において、グランプリ部門で5位、キャラクター部門で猫猫が5位、アニメソング部門で「花になって」が14位をそれぞれ獲得している[39]。
アニメ情報サイト・アニメハックが首都圏の地上デジタル放送の録画予約状況をもとに独自で作成している2025年冬アニメ・春アニメ録画ランキングでは、第2期の放送が始まった2025年1月第3週(1月15日計測)にて、前クール(2024年秋アニメ)で首位常連だった『チ。-地球の運動について-』に大きく差をつけて首位を獲得し[40]、以降5月第2週(5月7日計測)まで17週連続で首位をキープした[41][42]。
批評
フリーライター・のざわよしのりはリアルサウンドに掲載した本作のレビュー記事にて、2023年2月に公開されたプロジェクトPVについて語っており、PVの冒頭で猫猫のキャラクターを視聴者に印象付ける長沼範裕の演出力や、猫猫の愛らしさから上級妃の気品までを描き分ける中谷友紀子のキャラクターデザインを評価している。また本編については「中国そっくりの舞台周りの美術も、異世界ファンタジーアニメが溢れている深夜枠の中では非常に新鮮に映る。」と語っている[43]。
『線上に架ける橋』などの著作があるフリーライター・CDBは文春オンラインに寄せた悠木碧の演技を評する記事にて、本作での悠木の演技を「高すぎず低すぎず、少年と少女の中間のように中性的でありながら、猫のように自由でしなやかな声は、緊張を解きほぐし、心にたまった毒をデトックスするような不思議な響きがある。」と語っている[44]。
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各話リスト
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放送局
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BD
ミニアニメ
ミニアニメ『猫猫のひとりごと』(マオマオのひとりごと)の第1期が2023年10月23日から2024年3月25日まで、第2期が2025年1月13日からTOHO animationの公式YouTubeチャンネル、アニメ公式TikTokにて配信中[32][59]。毎週月曜12時に更新[32][59]。
コラボレーション
- 厚生労働省
- 2024年2月1日より、電子処方箋の普及を図るために、コラボポスターが作成され[60]、医療機関や薬局のほか、公共交通機関の広告に掲示された[61][62]。雑誌『厚生労働』2月号にも作品が取り上げられ、猫猫が表紙になった[63][64][65]。
- 2025年にも電子処方箋の普及を図るためのタイアップ企画を実施。普及啓発リーフレットの作成などが行われた[66]。
- くすりの窓口
- 2024年2月1日より、同社が運営する電子お薬手帳スマホアプリ「EPARKお薬手帳」にて本作品とタイアップした同アプリオリジナルの着せ替えデザイン全3種を順次公開する[67]。
- ミニストップ
- 2024年2月7日より、オリジナルグッズが当たるキャンペーンが実施された[68]。
- アサヒ飲料
- 2024年3月12日より、イオンで購入した場合クリアファイルが当たるキャンペーンが実施された[69]。
- マリオンクレープ
- 2024年3月15日より、コラボクレープなどの販売が実施された[70]。
- Simeji
- 2024年5月24日より、コラボ診断や限定きせかえの配布が実施されている[71]。
- GiGO
- 2024年6月3日より、GiGOグループの一部店舗でノベルティ付きコラボたい焼きやドリンクが販売[72]。
- 愛知県薬剤師会
- 2024年10月17日から23日の「薬と健康の週間」に合わせたコラボポスターを掲出[73][74][75]。
- リアル脱出ゲーム
- 2024年11月1日より、SCRAPのリアル脱出ゲームとのコラボで『リアル脱出ゲーム×薬屋のひとりごと『横浜謎解き街歩き』』が横浜中華街周辺を開催地として催されている。本イベントはSCRAPの提供している既存の『横浜謎解き街歩き』の謎とすべて同じ内容だが、TVアニメ『薬屋のひとりごと』とコラボしたオリジナルストーリーになっている[76]。
- 代々木アニメーション学院
- 本作品とのコラボ入学案内書が2025年1月31日受付分から数量限定で配布されており、同書には大阪校出身で第2期監督の筆坂明規やはたしょう二音響監督のインタビューなどが収録されている[77]。また、同年2月28日から期間限定でコラボオープンキャンパスを実施している[77]。
- 日本薬剤師会
- 2025年3月より順次、日本薬剤師会に加入している薬局にて本作品とのコラボ仕様のお薬手帳が配布されている[78]。コラボポスターの掲示も実施される[78]。
- おくすり手帳の重要性を広めるための本企画では、おくすり手帳の単なる配布・販売を実施していない[78][79]。しかしフリマアプリで高額転売される事例が相次いだため、アニメ製作委員会と日本薬剤師会が3月6日にコラボ仕様のおくすり手帳の増刷を決めたほか、両者が声明で適切な使用を呼びかける事態となった[79][80][81]。
- アイン薬局
- 2025年4月7日より「「薬屋のひとりごと×アイン薬局」コラボキャンペーン」と題し、猫猫が壬氏、高順、里樹妃、李白の薬に関する悩みを現代の調剤薬局の視点で解決するオリジナル動画を視聴するとオリジナルスマホ壁紙がもらえ、クイズに応募すると抽選でオリジナルグッズが当たるというキャンペーンが実施される[82]。
- 明色化粧
- 2025年4月21日より明色化粧の「美顔水」を描き下ろしデザインで数量限定販売[83]。
- 令和七年神田祭
- 2025年5月10日・11日に開催された神田祭とのコラボ企画を実施[84]。猫猫・小蘭・子翠・壬氏・高順が集合したコラボビジュアルポスターが108か町会の氏子へに配られるとともに、神田・日本橋・秋葉原などに掲出される予定。また、アクリルスタンドや御朱印帳などのコラボ記念アイテムが発売される[84]。
- 極楽湯
- 2025年5月22日より同年6月17日まで極楽湯とのコラボ企画を実施。描き下ろしイラストを使用したグッズや食事メニューの販売、コラボ風呂や館内装飾などが行われる[85]。
- ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
- 「ユニバーサル・クールジャパン 2025」の第2弾として、2025年7月1日から2026年1月4日までの期間限定で本作品とのコラボ企画を実施予定[86]。作品の世界観を体験できるアトラクションを楽しめるほか、パークオリジナルのフードやグッズの販売も実施される[86][87]。
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TVアニメ『薬屋のひとりごと』展
初の展示イベントである「TVアニメ『薬屋のひとりごと』展」が、2025年3月26日から松屋銀座にて開催中[88]。4月14日までの開催後は、福岡や大阪、名古屋など順次全国巡回を予定している[88]。
脚注
参考文献
外部リンク
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