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黒沢清

日本の映画監督 ウィキペディアから

黒沢清
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黒沢 清(くろさわ きよし、1955年昭和30年〉7月19日[1] - )は、日本映画監督脚本家映画批評家小説家東京芸術大学大学院映像研究科映画専攻教授[2]。同業である黒澤明との血縁関係はない[3]

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略歴

要約
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1955年、兵庫県神戸市生まれ[4]六甲学院高等学校卒業[5]。大学在学中より8ミリ映画の制作をはじめる[2]。1980年、立教大学社会学部産業関係学科卒業[2]

立教大学では、自主映画製作集団「パロディアス・ユニティ」に所属[6]。同サークルには森達也塩田明彦らがいた[7]蓮實重彦の「映画表現論」を受講し強い影響を受ける[8]

1981年、8ミリ映画『しがらみ学園』が第4回ぴあフィルムフェスティバルに入選[9]

大学4年生の時に雑誌『GORO』の対談で出会い知遇を得た長谷川和彦から声をかけられ『太陽を盗んだ男』に制作助手として参加。

1981年には相米慎二監督の『セーラー服と機関銃』に助監督として参加して映画製作を学ぶ。その流れから、ディレクターズ・カンパニーの設立に参加し、同社制作のピンク映画神田川淫乱戦争』で1983年に映画デビュー[10]

1984年、にっかつロマンポルノ『女子大生・恥ずかしゼミナール』を撮影するが、にっかつ側が納品を拒否したため追加撮影を行い『ドレミファ娘の血は騒ぐ』と改題して1985年一般映画として公開した。

1989年、初のメジャー作品となる『スウィートホーム』が東宝系で公開。

1990年代には、主にテレビドラマとVシネマを中心に活動する。

1997年、『CURE』が第10回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品され、主演の役所広司が男優賞を受賞。同作はフランスの日本映画特集やオランダのロッテルダム映画祭など、海外でも紹介され[11]国際的な評価を得る[12]

1999年にはサンダンス・インスティテュート英語版のスカラシップを獲得した脚本を基に監督した『カリスマ』が第52回カンヌ国際映画祭の監督週間部門に選出。同年に『ニンゲン合格』が第49回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に、『大いなる幻影』がヴェネツィア国際映画祭に正式出品され、1年のうちに世界三大映画祭すべてに監督作品が出品される結果となった。

2001年回路』が第54回カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品され、国際映画批評家連盟賞を受賞[13]

2003年に『アカルイミライ[14]で同映画祭のコンペティション部門出品を果たす。その後、『ドッペルゲンガー』(2003年)[15]、『LOFT ロフト』(2006年)[16]、『』(2007年)などの作品をコンスタントに監督する[17]

2005年、上記の国際的な活躍が評価されて東京芸術大学大学院映像研究科を新設するに伴い北野武など共に映像研究科の教授に就任し、監督業と並行して大学の映像教育に携り[18]濱口竜介らを輩出する[19]2023年3月31日に映像研究科の教授を退任[20][21]

2008年、『トウキョウソナタ』が第61回カンヌ国際映画祭ある視点部門」審査員賞[22]、第3回アジア・フィルム・アワード作品賞を受賞した[23]

2012年、初の連続テレビドラマ『贖罪』を監督した[24]

2013年、劇場用映画としては5年ぶりとなる監督作品『リアル〜完全なる首長竜の日〜』が公開される[25]。同年、『Seventh Code』で第8回ローマ映画祭最優秀監督賞を受賞する[26]

2015年に『岸辺の旅』が第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞を受賞した[27][28]。同年、第33回川喜多賞を受賞した[29][30]

2016年、初めて手掛けた海外作品『ダゲレオタイプの女』(原題:La Femme de la Plaque Argentique)が公開される[31]。同年、第29回東京国際映画祭・SAMURAI賞[32]、第58回毎日芸術賞を受賞した[33]

2020年、『スパイの妻〈劇場版〉』が第77回ヴェネツィア国際映画祭 銀獅子賞(監督賞)受賞をはじめ複数の映画賞に輝いた[34]

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受賞歴

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監督作品

長編映画

短編映画

  • 危ない話 第2話「奴らは今夜もやってきた」(1989年) - 兼脚本(共同)
  • 2001 映画と旅(2001年)
  • 刑事まつり「霊刑事」(2003年) - 兼脚本
  • ココロ、オドル。(2004年)
  • 楳図かずお恐怖劇場「蟲たちの家」(2005年)
  • ビューティフル・ニュー・ベイエリア・プロジェクト(2013年) - 兼脚本
  • Chime(2024年) - 兼脚本

オリジナルビデオ

  • 893(ヤクザ)タクシー(1994年) - 兼脚本(共同脚本)
  • 打鐘(ジャン) 男たちの激情(1994年) - 兼脚本(共同脚本)
  • 勝手にしやがれ!! 強奪計画(1995年) - 兼脚本(共同脚本)
    • 勝手にしやがれ!! 脱出計画(1995年) - 兼脚本(共同脚本)
    • 勝手にしやがれ!! 黄金計画(1996年) - 兼脚本
    • 勝手にしやがれ!! 逆転計画(1996年) - 兼脚本
    • 勝手にしやがれ!! 成金計画(1996年) - 兼脚本(共同脚本)
    • 勝手にしやがれ!! 英雄計画(1996年)

テレビドラマ

  • DRAMADAS「もだえ苦しむ活字中毒者 地獄の味噌蔵」(1990年、関西テレビ
    • DRAMADOS「よろこびの渦巻」(1992年、関西テレビ) - 兼脚本
  • 胸さわぎの15才(フィフティーン) 第11・12話(1992年、関西テレビ)
  • ワタナベ 第1・2・11・12話(1993年、関西テレビ)
  • 学校の怪談(関西テレビ)
  • 秋の恐怖スペシャル「降霊〜ウ・シ・ロ・ヲ・ミ・ル・ナ〜」(1999年、関西テレビ) - 兼脚本
  • 愛と不思議と恐怖の物語 ウルチョラ・セブン「タイムスリップ」(2002年、関西テレビ) - 兼脚本・撮影・編集
  • 贖罪(2012年、WOWOW連続ドラマW』) - 兼脚本
  • 予兆 散歩する侵略者(2017年、WOWOW) - 兼脚本(共同脚本)[56]
  • スパイの妻(2020年、NHK BS8K) - 兼脚本(共同脚本)

配信ドラマ

テレビ番組

ミュージック・ビデオ

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出演作品

映画

オリジナルビデオ

  • 夜のストレンジャー 恐怖(1991年) - タクシーの客
  • ミカドロイド(1991年)
  • パチンカー奈美(1992年)

ドキュメンタリー番組

  • 世界のクロサワ「スパイの妻」を語る〜ベネチア国際映画祭17年ぶりの快挙〜(2020年10月、NHK BSP[60]
  • ドキュメント「スパイの妻」〜女優・蒼井優が挑む監督・黒沢清の世界〜(2021年4月11日、NHK BSP)[61]
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著書

評論

  • 映像のカリスマ 黒沢清映画史(1992年、フィルムアート社) 増補改訂版(2006年、エクスナレッジ
  • 映画はおそろしい(2001年、青土社)新装版(2018年、青土社)
  • 黒沢清の映画術(2006年、新潮社
  • 映画のこわい話 黒沢清対談集(2007年、青土社)
  • 恐怖の対談 映画のもっとこわい話(2008年、青土社)
  • 黒沢清、21世紀の映画を語る(2010年、Boid)

共編著

小説

  • キュア(1997年、徳間文庫
  • 回路(2001年、徳間書店)のち文庫化
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脚注

関連文献

関連項目

外部リンク

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