韓国のアイドルグループ ウィキペディアから
BTS(ビーティーエス、朝: 비티에스)は、韓国の7人組アイドルグループ[2][3]である。BIGHIT MUSIC所属。旧グループ名は防弾少年団(ぼうだんしょうねんだん、朝: 방탄소년단、漢: 防彈少年團)[4]。略称はバンタン(朝: 방탄)。公式ファンクラブ名はARMY(アーミー、朝: 아미)。
Big Hit Entertainment(現 BIGHIT MUSIC)から初のボーイズグループとして、2013年6月13日にシングルアルバム『2 COOL 4 SKOOL』から「NO MORE DREAM」でデビュー。日本では、2014年にポニーキャニオンからデビューし、2017年にユニバーサルミュージック傘下のDef Jam Recordingsへ移籍した。2019年よりトライストーン・エンタテイメントと業務提携を結んだ。
結成当時のグループ名「防弾少年団」には、『10代・20代に向けられる社会的偏見や抑圧を防ぎ、自分たちの音楽を守り抜く』という意味がこめられている[5][6]。韓国では、「バンタンソニョンダン(朝: 방탄소년단)」と発音されるため、「バンタン」と略される。
2017年から、世界進出を視野に入れ、グループ名を「BTS」に改名。これは防弾少年団のローマ字表記である「Bangtan Sonyeondan」の略で、同時に『現実に安住することなく、夢に向かって絶えず成長していく青春』という意味を込めて、BTSを「Beyond The Scene」と定義付けた。その他にも、「Bangtan Boys」、「Bullet Proof Boys」、「Bulletproof Boy Scout」などと訳されることがある。
また、ファンクラブ名「ARMY」は、軍隊を意味する英単語である「Army」と、「若者を代表する魅力的なMC (Adorable Representative MC for Youth)」の意味を持っている[7]。
実力派グループで、強烈なダンスパフォーマンスに定評がある[8]。メンバー自らも作詞作曲や振り付け、ミュージックビデオ制作の考案を行うなど、積極的にアルバム製作にも参加している。特にラッパーであるSUGA、J-HOPE、RMの三人は、自身らのラップパートのほとんどを作詞している。
ソーシャルメディアを上手く活用して人気を得たグループでもあり[9]、Weverseで積極的にファンとコミュニケーションを取ったり、V LIVEで頻繁に生配信やバラエティー番組の放送を行ったりしている。YouTubeではダンス練習動画を始め、各種音楽番組やジャケット撮影の舞台裏はもちろん、ラジオテイストでの座談会や食事の様子を配信したりするなど、その内容は多岐に渡り、世界的影響力があるとまで言われている[10]。
※生年月日、血液型は日本公式サイトに基づく[11]。
画像 | 芸名 | 本名 | 生年月日 | 身長/体重/血液型 | 出身地 | 担当 | |||||
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英字 | 仮名 | ハングル | 仮名 | ハングル | 漢字 | 英字 | |||||
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JIN | ジン | 진 | キム・ソクジン | 김석진 | 金碩珍 | Kim Seokjin | 1992年12月4日(32歳) | 179cm 60kg O型 |
![]() 京畿道安養市 |
ビジュアル
リードボーカル |
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SUGA | シュガ | 슈가 | ミン・ユンギ | 민윤기 | 閔玧其 | Min Yunki | 1993年3月9日(31歳) | 174cm 57kg O型 |
![]() 大邱広域市 |
リードラッパー |
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J-HOPE | ジェイホープ | 제이홉 | チョン・ホソク | 정호석 | 鄭號錫 | Jeong Hoseok | 1994年2月18日(30歳) | 177cm 56kg A型 |
![]() 光州広域市 |
メインダンサー リードラッパー |
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RM | アールエム | 알엠 | キム・ナムジュン | 김남준 | 金南俊 | Kim Namjun | 1994年9月12日(30歳) | 181cm 76kg A型 |
![]() ソウル特別市 |
リーダー メインラッパー |
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JIMIN | ジミン | 지민 | パク・ジミン | 박지민 | 朴智旻 | Park Jimin | 1995年10月13日(29歳) | 173.6cm 53kg A型 |
![]() 釜山広域市 |
リードボーカル リードダンサー |
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V | ヴィ | 뷔 | キム・テヒョン | 김태형 | 金泰亨 | Kim Taehyung | 1995年12月30日(29歳) | 179cm 72.5kg AB型 |
![]() 大邱広域市 |
ビジュアル
リードボーカル リードダンサー |
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JUNG KOOK | ジョングク | 정국 | チョン・ジョングク | 전정국 | 田柾國 | Jeon Jungkook | 1997年9月1日(27歳) | 178cm 73kg A型 |
![]() 釜山広域市 |
センター
メインボーカル |
2005年2月1日、作曲家のパン・シヒョクがJYPエンターテインメントから独立し、Big Hit Entertainment(現 HYBE)を設立[12]。
2010年9月、パン・シヒョクが自身初のヒップホップグループとなる「防弾少年団」のメンバーを募るため「ヒップホップオーディション HIT IT」の開催を告知。防弾少年団というグループ名はそのときから存在し、当初は2011年にデビューさせる予定だった。オーディションは、当時すでに練習生だったRMともう一人の練習生とのラップ対決方式。応募者は二人と同じ曲でオリジナルラップを作って競い合った[13]。2011年7月、2度目のオーディションを開催[14]。2011年8月には、RM、SUGA、J-HOPEによる方言ラップ「八道江山」が公開され、テレビ番組で取り上げられたりもしていた[15]。
結果的に約30人近い練習生が「防弾少年団プロジェクト」に参加し、幾度のコンセプト変更やメンバーの入れ替えを経て現在の形となる。当初は歌とラップに集中するヒップホップグループとして活動する予定だったが、ダンスパフォーマンスに重点を置いたアイドルグループへコンセプト変更しており、それを受けて辞めていく練習生もいた[16]。
2012年12月17日、「防弾少年団のRM」としての映像が公式ブログにアップされた。それから徐々に非公開練習生だったVを除いたメンバーの名前や映像などが公開されていった。メンバーはTwitterやブログ等を通じてファンとコミュニケーションを図り、YouTubeやSoundCloudでカバーソングなどを発表していた。また、2AMのチョ・グォンのバックダンサーとして音楽番組に出演するメンバーもいた。
5月20日、ブログを暫定的に閉鎖し、代わりに公式ホームページを公開して正式にデビューすることを発表[17]。5月27日、1人目のメンバーとして、それまでSNS等に一切姿をあらわさなかったVのティザー写真を解禁し[18]、続いて他のメンバーの写真やデビュー曲のティザーを公開。
6月12日、学校三部作の第1弾となるデビューシングルアルバム『2 COOL 4 SKOOL』を発売。翌日に音楽番組「M COUNTDOWN」で、タイトル曲「NO MORE DREAM」を披露し、デビューを果たした。
デビュー曲「NO MORE DREAM」は、1990年代に流行したギャングスタ・ラップを2013年の感性に合わせて再解釈した楽曲である[19]。毎日約15時間練習して[20]、ヒップホップ音楽にカル群舞[注 1]を組み合わせた印象的なダンスを完成させた。
7月9日、公式ファンカフェで行った投票をもとに、公式ファンクラブ名を「ARMY」に決定[7]。12月9日、公式ファンカフェを通じて1期会員募集を告知し、2014年3月29日、正式にファンクラブを結成した。
9月11日、1stミニアルバム『O!RUL8,2?』を発売。
12月7日、Shibuya O-WESTで日本初のステージとなる「1st JAPAN SHOWCASE」を開催[21]。
12月から翌年2月までに、第5回Melon Music Awards、ゴールデンディスクアワード、ソウル歌謡大賞、第3回ガオンチャートK-POPアワードの3つの主要授賞式で新人賞を受賞[22][23][24][25]。
2月12日、学校三部作の第2弾となる2ndミニアルバム『Skool Luv Affair』を発売。本アルバムは初めて音楽番組の1位候補に挙がったが、1位獲得には至らなかった。
3月7日、Big Hit Entertainmentは、既存曲の日本語版で日本デビューすることを発表。6月4日にシングル『No More Dream (Japanese Ver.)』をリリースし、日本デビューを果たした。これはオリコン週間チャート8位にランクインした。この年、日本でシングル3枚、フルアルバム1枚を発売した。
5月14日、1stリパッケージアルバム『Skool Luv Affair -SPECIAL ADDITION-』を発売。
8月20日、学校三部作の最終章となる1stフルアルバム『DARK&WILD』を発売。本アルバムは10万枚を売り上げ、単独コンサートやワールドツアーも開催していたが、大衆的な認知度を得るほどのヒット曲はなく、公演型アイドルと呼ばれることもあった[26][27][28]。
10月から、初の単独ワールドコンサートツアーとなる「BTS 2014 LIVE TRILOGY:EPISODEⅡTHE RED BULLET」を開催。
12月24日、日本1stオリジナルアルバム『WAKE UP』を発売。
4月29日、学校三部作に続く青春三部作「花様年華シリーズ」の第一弾となる3rdミニアルバム『花様年華 Pt.1』を発売。青春を最もよく表す言葉として「人生で最も美しい瞬間」を意味する「花様年華」という言葉が選ばれた。本アルバムはそれまでのヒップホップ色の強かったイメージから一転、大衆的なメロディーで、少年が学校を卒業して青年へと成長する過程の苦悩や葛藤を描き、青春の美しさよりもその本質に潜む危うさに焦点をあてた[29][30]。結果として、デビュー3年目にしてようやくタイトル曲「I NEED U」で様々な音楽番組で1位を獲得。徐々に注目を集めるようになった[31][32]。
タイトル曲「I NEED U」のミュージックビデオは、ダンスシーンに集中していたそれまでのものとは異なり、ストーリー性に重点を置いた。次作の『花様年華 Pt.2』に続くよう、ドラマ仕立てに構成され、各メンバーがキャラクターを演じた。オリジナルミュージックビデオは18禁判定を受けたため、オリジナル版を全面再編集した15禁版をまず公開し、その後にオリジナル版を公開した[33]。
一方、同アルバム収録の後続曲「쩔어(DOPE)」では、フェイクワンテイク技法を用い、ダンスシーンを全面に押し出したミュージックビデオを制作[34]。「青春を卒業した後の未来の姿」をテーマにメンバーが警官、医者、会社員といった姿に扮してダンスを披露[35]。歌詞には「三放世代(恋愛、結婚、出産を諦めている若者世代)」、「五放世代(恋愛、結婚、出産、人間関係、マイホームを諦めている若者世代)」といった韓国の社会情勢を風刺した流行語が取り入れられた。
また、ビジュアル面でも大きな変化を取り入れた。学校三部作では、10代の反抗心を表現するため派手な柄の衣装やアクセサリー、アイラインをしっかりひいた濃いメイクで攻撃的なヴィジュアルが多かった。しかし、花様年華ではメンバーのありのままの姿を見せようとメイクを薄めにし、衣装も普段着に近いカジュアルなものに変更した。写真もフィルムカメラで撮影し、撮影場所もスタジオセットではなく、花畑や浜辺といった屋外で行われた[36][37]。
8月、東京と大阪で開催されたサマーソニックに参加。
11月30日、花様年華シリーズ第2弾となる4thミニアルバム『花様年華 Pt.2』を発売。約30万枚を売り上げ、ビルボード200に171位でランクインした。「BIGBANG」や「EXO」といった人気ボーイズグループとともに並び称されるようになった[38][39]。
3月、Forbesが発表した「ここ30日間で最もリツイートされた10のアーティスト」で、カニエ・ウェストやジャスティン・ビーバーを押さえ、約539万リツイートを獲得して一位になった[40][41]。
5月2日、花様年華シリーズ最終章となる2ndリパッケージアルバム『花様年華 Young Forever』を発売。本アルバムは前2作の収録曲に新規曲を追加したリパッケージアルバムであったものの、約40万枚近くを売上げ、ビルボード200にもチャートインした。
9月7日、日本2ndオリジナルアルバム『YOUTH』を発売。
10月10日、2ndフルアルバム『WINGS』を発売。本アルバムは予約時点で約50万枚の注文があり、月間売上は約68万枚、年間売上は約75万枚に到達した。この月間・年間売上数はガオンチャートの最高記録を樹立した。デジタル部門でも、韓国国内主要8つのダウンロード・ストリーミング配信サイトや世界各国のiTunesチャートで1位を記録。またビルボード200に韓国歌手至上最高位である26位に、全英アルバムチャートでは62位にランクインした。ビルボード200へのランクインが前2作に続き通算3回目であること、2週連続ビルボード200にチャートインしたことも、韓国初となる記録だった。
11月19日、第8回Melon Music Awardsにて、『花様年華 Young Forever』でアルバム賞を受賞[42]。12月2日には、第18回Mnet Asian Music Awardsにて、今年の歌手賞を受賞し[43]、デビュー時から掲げていた「大賞受賞」という悲願を達成した。特にMAMAの大賞受賞者は、韓国三大芸能事務所(SM・YG・JYP)が独占することが多く、その他の事務所が受賞することは珍しかった[注 2]。
同月6日、日本1stベストアルバム『THE BEST OF 防弾少年団-JAPAN EDITION-』及び『THE BEST OF 防弾少年団-KOREA EDITION-』を発売。
2月27日、デジタルアドベンチャー(現・ストリームメディアコーポレーション)と、日本マネジメントの専属契約を締結[45]。
2月13日、2ndフルアルバム『WINGS』を改変した3rdリパッケージアルバム『YOU NEVER WALK ALONE』を発売。これは予約注文約70万枚、月間売上は約71万枚を記録し、ガオンチャートで自身が持つ前作の最高記録を更新した。またビルボード200でも61位を獲得し、これにより韓国至上初となる4作連続チャートインを記録した。
2月 - 7月、ワールドツアー「2017 BTS Live Trilogy Episode III: The Wings Tour」を開始。北米・南米・アジアと全10の国と地域で計17都市を周り、全32公演で約40万人を動員した[46]。
3月24日、ポニーキャニオンからユニバーサルミュージック傘下のDef Jam Recordingsへの日本レーベル移籍を発表[47]。5月10日、『WINGS』のタイトル曲「Blood Sweat & Tears」の日本語版となる、日本7thシングル『血、汗、涙』を発売した。本作は初週約23万枚を売上げ、日本デビューから2年11ヶ月でのシングル週間売上20万枚突破は、海外アーティスト歴代最速となった[48]。またBillboard Japan Hot 100では、約31万枚を売上げて1位を獲得した[49]。
5月21日、アメリカのラスベガスで開催されたビルボード・ミュージック・アワード2017にて、トップ・ソーシャル・アーティスト賞[注 3]を初受賞[50]。本部門では、ジャスティン・ビーバー、セレーナ・ゴメス、アリアナ・グランデ、ショーン・メンデスと共にノミネートされ、2011年に新設されて以来6年連続受賞していたジャスティン・ビーバーを破っての受賞となった[51]。
7月5日、新たなブランドアイデンティティーを公開。グループ名「BTS」に「現実に安住することなく、夢に向かって絶えず成長していく青春」という意味を付け加えて「Beyond The Scene」と定義付けることを発表[52][53]。
9月18日、5thミニアルバムとなる『LOVE YOURSELF 承 'Her'』を発売。ビルボード200に7位でランクインし、月間では120万枚を売り上げた。リパッケージアルバムや他言語版を含まない単一アルバムのミリオンセラーは、2001年に発売されたgodの4集、キム・ゴンモの7集以来16年振りだった。
10月、初の日本ドーム公演「WINGSツアースペシャルエディション」を京セラドームで開催。2日間で8万人を動員した[54]。
11月19日、アメリカのロサンゼルスで開催されたアメリカン・ミュージック・アワード2017に韓国グループとして初めて招待され、楽曲「DNA」を披露[55][56]。ニューヨーク・ポストは、「DNA」をベストステージの1つに選んだ[57]。この訪米に際してにプロモーション活動も行い、「レイト×2ショー with ジェームズ・コーデン」、「ジミー・キンメル・ライブ!」、「エレンの部屋」に出演した[58][59][60]。
11月24日、Steve AokiとDesiignerとコラボレーションしたリミックス楽曲「MIC Drop (Steve Aoki Remix) (Feat. Desiigner)」をデジタルリリース。Billboard Hot 100では28位にランクインした[61][62]。
12月6日、日本8thシングル『MIC Drop/DNA/Crystal Snow』を発売。オリコンでは、初週約36.5万枚を売上げ、週間1位を獲得。海外アーティストとしては初めてとなる初週売上30万枚を突破した[63]。Billboard Japan Hot 100でも初週約45万枚を売上げ1位を獲得した[64]。そして12月22日、ミュージックステーションスーパーライブ2017に出演し、「DNA」を披露[65]。日本地上波ゴールデンタイム番組への出演はこれが始めてだった。
12月1日、第19回Mnet Asian Music Awardsにて、二年連続で今年の歌手賞を受賞[66]。翌日には、第9回Melon Music Awardsにて、ベストソング賞を含んだ四冠を受賞[67]。