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Metal (API)
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Metal(メタル)はAppleのオペレーティングシステム上でサポートされる、オーバーヘッドの小さいローレベル(low level)なコンピュータグラフィックスAPIである。Metalでは、OpenGLとOpenCLに似た機能を一つのAPIに統合している。Metalはクロノス・グループによるVulkanや、マイクロソフトによるWindows向けのDirect3D 12といった、他のプラットフォームにおける類似のAPIによるパフォーマンス上の利点をmacOS/iPadOS/iOSにもたらしている。
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MetalはC++11をベースとした新しいシェーディング言語、Metal Shading Language(MSL)を利用する。これはClangとLLVMによって実装されている[1]。Metalはコンピュートシェーダーを導入することでGPGPUプログラミングのしやすさも向上している[注 1]。
macOS Ventura, iOS/iPadOS 16のMetal 3では、MetalFX Upscalingという超解像度技術を実装している[2]。
macOS Sonomaでは、Xcode 15向けThe Game Porting Toolkit[3]のMetal shader converter[4]で、Windows向けゲームを移植する際、DirectX 12からMetal 3へ変換できる[5]。
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対応環境
2023年現在、Metal 3での動作条件は、Apple A13 Bionic以上を搭載したiPhone 11/SE (第2世代)以降とiPad (第9世代)以降、AppleシリコンまたはIntel UHD Graphics 630以降のGPUを搭載したMacが必須となっている[6]。対応OSは、macOS Ventura, iOS 16, iPadOS 16以降である[6]。
初期のMetalはApple A7以降を搭載したiOS機器、およびOS X El Capitan以降が動作する一部のMacコンピュータで利用可能であった。OS X El Capitanに対応しているMacであっても、Metalに対応しているとは限らない。
2017年10月時点でのMetal及びMetal2対応Macコンピュータは以下の通り[7]。
- iMac(Late 2012 以降)
- MacBook(Early 2015 以降)
- MacBook Pro(Mid 2012 以降)
- MacBook Air(Mid 2012 以降)
- Mac mini(Late 2012 以降)
- Mac Pro(Late 2013 以降)
- Mac Pro(Mid 2010 以降)でMetalをサポートするGPU(Nvidia Kepler以降、ATI Graphics Core Next以降)を搭載したもの
MetalはWWDC 2014にて発表され、iOS 8で初めて導入された[8]。
macOSでのMetalのサポート(Metal for Mac)はWWDC 2015において発表された。
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パフォーマンス
Metalの登場以前は、macOSにはOpenGLが、そしてiOSにはOpenGL ESがそれぞれ提供されていたが、いずれも高度にハードウェアが抽象化されていることから性能上のオーバーヘッドが大きい。Metalは以下のような理由から、OpenGLよりも優れたパフォーマンスを期待できる[9]。
- シェーダーの事前コンパイルおよび最適化や、前もって実行されるステートの結合と評価(Validation)
- GPUとCPUの明確な同期
- GPUとCPUで共有されるメモリ空間
- より小さくなったドライバのオーバーヘッド
これらのうちいくつかは、GPUでコマンドを実行するために必要になるCPUのタスクを低減する。そのため、他の仕事のためにCPUを使えるようになり、全般的なパフォーマンスの向上につながる。
脚注
関連項目
外部リンク
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