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啄木鳥探偵處
日本の小説 ウィキペディアから
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『啄木鳥探偵處』(きつつきたんていどころ)は、東京創元社より発売された伊井圭による日本のミステリ小説[1]。収録作の「高塔奇譚」は第3回創元推理短編賞受賞作[2]。
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あらすじ
- 高塔奇譚
- 明治42年9月中旬。浅草では毎夜、凌雲閣にあらわれる幽霊が話題になっていた。東京朝日新聞社の校正係の啄木は家族を養うため、副業で探偵「啄木鳥探偵處」を始める。凌雲閣の経営者から幽霊騒動の解決を依頼された啄木は、友人の金田一京助を助手にして事件の捜査を行う。
- 忍冬(すいかずら)
- 明治43年師走。人気役者の橘屋乙次郎が殺される。遺体のそばには活人形「金銀花」の首が乙次郎の喉を食い破ったように落ちていた。第一発見者の結城泉若が犯行を自供し逮捕されるが、泉若の恋人・横山季久はそのことが信じられず、啄木に調査を依頼する。
- 鳥人
- 明治44年2月。大逆事件の判決が下り、啄木は慢性腹膜炎から回復したものの体調はおもわしくない。3月、啄木は幸楽座の山根幸一郎から「鳥人」として人気を集める奇術師の榊樹神の様子がおかしいので護衛をしてほしいと頼まれる。だがその夜、榊は電線に首を引っ掛けて死んでいた。警察は飛行ショー練習中の事故死としたが、啄木は山根の依頼で事件の真相に迫る。
- 逢魔が刻
- 6月、啄木は自分が肺結核に侵されていると打ち明け、京助に探偵の代理を頼む。依頼人は米屋の成田屋主人。無尽の会の店の子どもが誘拐されては二、三日後に返される事件が続いていたが、成田の息子・市松は姿を消してから2か月も音沙汰がなかった。
- 魔窟の女
- 大正12年4月。啄木逝去から11年がたち、回想録をまとめていた京助はある事件を思い出す。明治42年、啄木は京助を私娼窟に連れ出し、おたきという女と会わせる。下宿に逃げ帰った京助のもとに警察があらわれ、おたきが死んだこと、部屋に京助の上着と啄木のローマ字日記が残されていたことで殺人犯と疑われていることを知る。早朝帰宅した啄木と京助は口論になるが、そこへ霜降の詰襟の学生が訪ねてくる。二人を尾行していた学生は事件の推理を披露する。京助は彼が若き日の江戸川乱歩ではないかと思い当たる。
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登場人物
- 石川 啄木(いしかわ たくぼく)
- 声 - 浅沼晋太郎[3]
- 東京朝日新聞社の校正係。床屋「喜之床」の二階に下宿している。上京してきた妻・節子と母親を養うため探偵業をはじめる。好奇心旺盛で自信家。小説家を目指していたが挫折し、詩や短歌を詠んでいる。
- 【アニメ版】書生風袴姿の青年。自称天才歌人。下宿「蓋平館」に一人暮らしで折々歌を詠む。
- 金田一 京助(きんだいち きょうすけ)
- 声 - 櫻井孝宏[3]
- 國學院大學嘱託講師。啄木の才能を認めており、気が弱くお人よしなこともあって何度も金を貸している。なりゆきで啄木の探偵助手となる。「忍冬」では結婚している。
- 【アニメ版】啄木と同じく「蓋平館」に下宿している。背広姿が多い。啄木の才能に惚れ込み、たびたび金を貸している。
アニメ版オリジナルキャラクター
- 野村胡堂
- 声 - 津田健次郎[4]
- 東京帝国大学在学中の学生。京助の中学時代の同級生で啄木の先輩。行きつけのミルクホール「菊乳舎」では人情に厚い兄貴分のような存在。
- 平井太郎
- 声 - 小野賢章[4]
- 小説家を目指す文学少年。小説執筆のため休学し、蓋平館に下宿している。
- 吉井勇
- 声 - 斉藤壮馬[4]
- 啄木の友人。いつも「菊乳舎」で野村たちと一緒にいる。
- 萩原朔太郎
- 声 - 梅原裕一郎[4]
- 野村たちと同じく「菊乳舎」にたむろしている。内気でおとなしい。
- 若山牧水
- 声 - 古川慎[4]
- 早稲田大学の学生で歌人。酒豪でマイペースな性格。
- 芥川龍之介
- 声 - 林幸矢[4]
- 第一高等学校の学生で「菊乳舎」に詰襟の制服で出入りしている。無口で一言ぼそっとつぶやくことが多い。
- 加世
- 声 - 大和田仁美
- 「蓋平館」の女中の少女。クリスチャンで毎週教会の炊き出しに参加している。
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書誌情報
- 伊井圭『啄木鳥探偵處』東京創元社
- 創元クライム・クラブ、1999年5月発売、ISBN 4-488-01281-7
- 創元推理文庫、2008年11月21日発売[5]、ISBN 978-4-488-48301-2
テレビアニメ
要約
視点
2020年4月から6月までTOKYO MXほかにて放送された[3]。
2019年3月23日、AnimeJapan2019において、東北新社の声優オーディション「キミコエ・プロジェクト」がミステリー小説「啄木鳥探偵處」のTVアニメ化を発表。第2回オーディショングランプリ受賞者・林幸矢、準グランプリ受賞者・古沢勇人、オーディションの見届け人を務めた津田健次郎の出演も明かされた[6]。エンディングテーマは第1回オーディション受賞者ユニット・NOW ON AIRが担当する[7]。
スタッフ
- 原作 - 伊井圭(創元推理文庫)[3]
- 総監督 - 江崎慎平[3]
- 監督 - 牧野友映[3]
- シリーズ構成 - 岸本卓[3]
- キャラクター原案 - 佐木郁[3]
- キャラクターデザイン - 原修一[3]
- プロップデザイン - 荒木一成
- 美術監督 - 伊藤友沙
- 美術設定 - 平澤晃弘
- 色彩設計 - 辻田邦夫
- 撮影監督 - 野澤圭輔
- 編集 - 長谷川舞
- CGディレクター - 前島亮太
- 音響監督 - 清水洋史
- 音楽 - 高田龍一、高橋邦幸
- 音楽制作 - MONACA
- 制作プロデューサー - 伊達毅、大屋光子、後藤満里子
- アニメーションプロデューサー - 佐々木悠祐
- アニメーション制作 - ライデンフィルム[3]
- 制作 - 東北新社[3]、ライデンフィルム[3]
- 製作 - 「啄木鳥探偵處」製作委員会[3](東北新社、MUSE、クランチロール、TOKYO MX、ビーエスフジ、マーベラス、ハピネット)
主題歌
- 「本日モ誠ニ晴天也」[8]
- 作詞 - 真崎エリカ、作曲・編曲 - 山本恭平(Arte Refact)、歌 - 古川慎 (ランティス)
エンディングテーマ
各話リスト
放送局
BD / DVD
漫画
テレビアニメのコミカライズ作品が『ヤングマガジンサード』(講談社)にて2020年Vol.7から2021年Vol.5まで連載され[12]、『月刊ヤングマガジン』(同)に移籍して2021年Vol.6にて完結。
- 伊井圭(原作)・南晋也(漫画)・佐木郁(キャラクター原案)・東北新社(監修)『啄木鳥探偵處』講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉、全2巻
- 2021年2月19日発売[13][14]、ISBN 978-4-06-522306-2
- 2021年8月19日発売[15]、ISBN 978-4-06-524338-1
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脚注
外部リンク
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