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2005年のアクションビデオゲーム ウィキペディアから
『バイオハザード4』(バイオハザードフォー、biohazard 4、欧題:Resident Evil 4)は、2005年にカプコンより発売されたホラーアクションアドベンチャーゲーム。『バイオハザードシリーズ』の第6作であり、本編シリーズとしては、2002年11月発売の前作『バイオハザード0』より約2年ぶりとなる。
ジャンル | サバイバルホラー |
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対応機種 |
ニンテンドーゲームキューブ PlayStation 2 PlayStation 3 PlayStation 4 Wii Microsoft Windows Xbox 360 Xbox One Nintendo Switch Gクラスタ Oculus Quest 2 |
開発元 |
カプコン第4開発部 Armature Studio(Oculus Quest 2版) |
発売元 |
カプコン Oculus Studios(Oculus Quest 2版) |
販売元 | カプコン |
プロデューサー |
小林裕幸 川田将央(PS2) 中井実(Wii) |
ディレクター |
三上真司 松下邦臣(PS2) 中井実(Wii) |
シナリオ | 三上真司 |
音楽 |
内山修作 千本木操 |
シリーズ | バイオハザードシリーズ |
人数 | 1人 |
発売日 |
ニンテンドーゲームキューブ: 2021年10月21日 |
対象年齢 |
CERO:D(17才以上対象) ESRB:M(17歳以上) OFLC:MA15+ PEGI:18 USK:18(18歳未満提供禁止) BBFC:15 |
コンテンツアイコン | 暴力 |
ダウンロードコンテンツ | なし |
エンジン | Unreal Engine 4(Oculus Quest 2版) |
売上本数 |
GC: 160万本 [2] PS2: 230万本 [2] Wii: 200万本 [2] DL(PS3, Xbox 360) 130万本 [2] PC, DL: 280万本 [2] PS4, Xbox One, DL: 320万本 [2] |
本作はニンテンドーゲームキューブ用ソフトとして発売されたのち、PlayStation 2やMicrosoft Windows、Wiiなどをはじめとする様々なプラットフォームに展開されたほか、バーチャル・リアリティ (VR) 版がOculus Quest 2向けに発売された。
本作はラクーンシティ壊滅の6年後にあたる2004年秋のヨーロッパ南部を舞台に、『バイオハザード2』の主人公であるレオン・S・ケネディが、アメリカ合衆国大統領の娘アシュリー・グラハムを救出するため、事件の黒幕であるカルト教団「ロス・イルミナドス」と対決する物語である。
本作以降のシリーズは作品毎に時系列と舞台が変わりつつ、物語が展開していくことになる[3]。
2023年3月24日にはリメイク版『バイオハザード RE:4』(バイオハザードアールイーフォー、BIOHAZARD RE:4、英題:Resident Evil 4) が発売された[4]。
本作は発売までに何度も作り直されてきた。最初は、PlayStation 2向けにバイオハザードシリーズの新作として作られ、神谷英樹がディレクターに就任した[5]。それから、メインテーマとなる「かっこよさ」を『バイオハザード』の世界観に織り込む方針で進められ、主人公は「バイオテクノロジー由来の超人的な能力を持つ不死身の男性」として、自身の謎を解くという筋書きになる予定であり[6]、脚本は『バイオハザード2』を手掛けた杉村升が務める予定だった[7]。
バイオハザードシリーズのイメージを一新し[8]、敵に向かって銃を撃つ主人公のかっこよさを演出するため、ダイナミックなカメラワークも取り入れられる予定だった[5]。また、神谷は背景をフルポリゴンにしたいと考え、背景制作を指揮していた田崎淳也とともにフルポリゴンの研究を重ねるうち、テクスチャに必要な素材を集めるため、ヨーロッパまで行って取材を重ねた[9][10]。ところが、このバージョンはアクション性の高さゆえにシリーズ生みの親である三上真司から「バイオハザードシリーズとしてふさわしくない」と指摘され、最終的には路線を変更して『デビルメイクライ』として発売された[11][12][注 1]。
2002年11月、カプコン第四開発部がゲームキューブ用ソフト『biohazard4』として開発することになり[13][14]、このバージョンは一部から"fog version"とも呼ばれるようになった。
この時点では『バイオハザード3 LAST ESCAPE』を手がけた柴田洋がディレクターを務め、アンブレラの核心部分である始祖ウィルス発祥の地を舞台とし、作品のテーマは「極限状態で生き延びるためのもがき」としていた[15][注 2]。また、柴田は2002年11月の第四開発部の制作発表会にて、一人称視点を一部取り入れる旨をコメントしている[16]
このバージョンでは、レオンが始祖ウイルスに感染して左手に不思議な力が宿る予定だった[17]。
画像外部リンク | |
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en:File:Re3.5hookman.png - 鉤爪の男と闘うレオン |
カプコンはE3 2003にて本作を出展しており、このバージョンは一部のファンから"hook man version"と呼ばれている[18]。このバージョンでは、謎の奇病にかかったレオンが生ける鎧や巨大なかぎづめを装着した謎の男に追い回されるという内容だった[19][18]。また、肩越しカメラ視点など、完成版に引き継がれた要素も入っていた[18]。
なお、『バイオハザード3』のシナリオを手掛けた川村泰久は、2012年にファンサイト"Project Umbrella"とのインタビューの中で、これはあくまでも実験に過ぎず、背景設定はないと話している[20]。
これはストーリーの骨子であり、杉村が執筆した。川村は、『バイオハザード4』をより恐ろしいものにしたいと考えていたと、振り返っている[20]。杉村はホラー映画『ロスト・ソウルズ』のように、「ヒロインが気が付いたら殺人鬼の逃げ込んだ廃墟にいた」というシチュエーションを使おうとしており、これを翻案したものが"Hook Man"バージョンとなった。このバージョンでは、レオンがスペンサー邸に忍び込み、地下の研究室で出会った少女や犬型B.O.W.とともに地上を目指すという内容になる予定だった。ところが、この内容では開発費用が掛かりすぎるため、三上の介入を受けた挙句に却下され、面目ない気持ちでいっぱいだったと川村は振り返っている[21]。
なお、始祖ウイルスは次回作『バイオハザード5』にて焦点が当てられたほか、スペンサー邸での冒険は同作DLC"Lost in Nightmares"にて描かれた[22]。
シリーズの従来作品においてはプリレンダリングムービーが用いられた一方、本作においてはリアルタイム3Dムービーが用いられた[23]。
本作の開発に参加したカプコン第1開発部の平林良章は、GDC2005の講演にて「[前略]ゲーム中にずっと緊張状態が続くとプレーヤーが疲れてしまうから、休憩時間が必要だということは開発者も考える。〔このやり方〕では、ムービー部分が息抜きになるが、ムービー部分が必ずしも開発者の求める休憩時間であるとは限らない」と述べており、この発言を取り上げた石田賀津男は、ムービーだから気を抜いてほしいというわけでもなく、ムービー以外の場所で休憩ポイントを設けたいという意味だろうと推測している[23]。そこで、本作においてはムービー中にも遊べるようにするために「アクションボタン」という要素が割り振られ、それを実現するためにリアルタイム3Dムービーが採用された[23]。これにより、ゲーム機がムービーをリアルタイムで処理するため、プリレンダリングの時よりも処理時間が減った[23]。また、ムービー制作にあたってはプログラマによる微調整が必要だったが、本作の開発ではWEBサーバーを取り入れ、デザイナーが直接映像を調整できるようになった[23]。
英語音声を担当する声優陣は4つのセッションに分かれ、2-3か月にわたって収録が行われた[24]。一方、本作においてはゲーム内の会話が少なく、カットシーンやファイルを通じて物語が展開された[25]。
なお、完成版のストーリーは3週間での執筆を余儀なくされたものである。執筆を手掛けた三上自身にも不満が残る出来とされ、2022年に行なわれたインタビューにて三上は「本作をリメイクするならストーリーを改善してほしい」と述べている[26]。平林も2023年のインサイドとのインタビューの中で、一部キャラクターの掘り下げが不十分だったと振り返っている[25]。
当初はGC独占発売と告知されていたが、ユーザーからの要望を受けてGC版発売の前にPS2への移植が発表されたのち、ほかのプラットフォームにも展開された[27]。GC独占発売は、当時のカプコンが任天堂とのパイプを太くしておくのが重要との考えから決定された[28]。
1998年のラクーンシティ消滅事件の後、その元凶であるアンブレラ社は、アメリカ合衆国連邦政府から業務停止命令を受けて株価が大暴落したことにより、倒産に追い込まれた。事件の生き残りの1人であるレオン・S・ケネディは、政府に能力を認められてエージェントとしてのスカウトを受け、訓練の日々を送っていた。
事件から6年後の2004年。レオンは大統領令嬢アシュリー・グラハムの護衛任務に就く予定だったが、彼女が何者かに誘拐されてしまう。内通者の存在が疑われたことから、レオンは単独でのアシュリー捜索指令を受け、わずかな目撃情報を頼りにヨーロッパのとある辺境の村を訪れる。早速聞き込みを試みたレオンは、狂気に満ちた雰囲気の村人たちに襲撃されて辛くも撃退するが、ゾンビを彷彿とさせる村人たちの様子に、レオンはラクーンシティでの悪夢を思い出す[29]。
その後、レオンは無線で女性オペレーター・イングリッド・ハニガンのサポートを得ながら、単独で村の捜索を開始する。調査を進めていくと、村はカルト教団「ロス・イルミナドス」の支配下にあること、村人たちは教団が信奉する寄生生物「プラーガ」に肉体を乗っ取られた人間「ガナード」であったことが判明する。さらに、村の奥の廃屋で拘束されていた謎の男性ルイス・セラを助けるが、そこに現れた巨漢の村長ビトレス・メンデスによる返り討ちに遭い、意識を失ってしまう。
意識を取り戻したレオンは、ルイスと共に拘束されていた状態から脱出する。レオンは村の捜索を再開し、教会に囚われていたアシュリーを救出するが、まもなく遭遇した教祖オズムンド・サドラーから、レオンとアシュリーの体内にはすでにプラーガの卵が注入されていることを知らされる。体内のプラーガを駆除する手段を捜すため、レオンとアシュリーは否応なく村の探索を続けることになる。途中で再会したルイスと一時共闘するが、彼は「忘れ物」を取り戻すために去る。そしてレオンとアシュリーは村の最奥の納屋にたどり着き、そこで待ち構えていたメンデスを倒す。
その後、村を出た二人は大勢の村人に追われ、村に隣接する古城へ逃げ込む。しかし、そこにはガナードとなった邪教徒たちが集まっていた。城主ラモン・サラザールによる幾度もの妨害を受ける中、レオンはラクーンシティで死亡したと思われていた女スパイのエイダ・ウォンと再会する。その後、ルイスが体内のプラーガの成長を抑制する薬を持って現れるが、プラーガのサンプルを盗み出していた彼は追ってきたサドラーに殺害されてしまう。まもなく、隙を突かれてアシュリーをさらわれてしまったレオンは、サラザールによる刺客たちを倒しながら城の探索を進め、塔の頂上でプラーガの母体と一体化したサラザールと対峙し、これを倒す。そして、アシュリーを救出するべく、エイダと共に教団の本拠地である孤島へ向かう。
孤島では、強力な武器で武装した戦闘員のガナードや教団が開発した生物兵器たちが立ちはだかるが、レオンはどうにかアシュリーを救出した後、かつての相棒だった傭兵のジャック・クラウザーと再会する。クラウザーはエイダと同じくアルバート・ウェスカーの部下になっており、彼の命令でサドラーのもとへスパイとして潜り込んでいた。レオンは激戦を経てクラウザーを倒すと、島の施設内にてプラーガの除去装置を発見し、アシュリーと共に体内のプラーガを除去する。島からの出口を探す二人の前にサドラーが立ちはだかり、プラーガの力を解放して襲いかかる。怪物と化したサドラーだったが、戦いの末レオンはエイダの投げたロケットランチャーを使いサドラーを倒す。エイダはサドラーが持っていたプラーガのサンプルを奪取すると、島に仕掛けられていた爆薬の起爆スイッチを押し、レオンに鍵を投げてヘリコプターで飛び去る。レオンとアシュリーは、エイダから貰った鍵でジェットスキーを起動し、水流や水路の崩落に襲われながらも何とか島を脱出し、アメリカへ帰還する。
教団でプラーガを研究していたルイスは、良心の呵責に耐えかね、プラーガのサンプルを持ち出す。ルイスはエイダを通じて、ウェスカーにサンプルを渡そうとするも、教団に捕まったうえ、最終的にサドラーに殺され、サンプルを奪われる。
当初、ウェスカーはエイダにサンプルの受け取りとレオンの抹殺を命じていた。しかし、サドラーがサンプルを奪還したため、レオンをサンプル回収の陽動として利用する方針に切り替える。ところが、本編のレオンの活躍により、教団は混乱状態に陥った。そこでウェスカーはレオンの抹殺を教団潜入中のクラウザーに、サンプルの回収をエイダにそれぞれ任せる。エイダはそれを聞き、レオンを守ることを選ぶ。
一方、レオンとの激闘を生き延びたクラウザーは、プラーガに意識を乗っ取られる。クラウザーはエイダによって倒される。 アシュリーを助けようとしたレオンはサドラーに見つかるが、エイダに助けられる。エイダはレオンと協力してサドラーを倒し、サンプルを奪ってヘリコプターで孤島を後にした。
本作では、従来の『バイオハザード』とは大きく異なるゲームシステムを採用している一方、アイテム管理など従来作に近い要素も含まれている。
操作方法も大きく変更され、『0』までの固定式のカメラアングル、ラジコン操作から、プレイヤーを背面から追従するビハインドカメラと、エイミング操作が採用されており、これによってより直感的な動きや銃器によって直接的に頭や脚などの部位、弱点に狙いをつけられるようになった[30]。ただし、アシュリー操作時は従来の固定式カメラアングル、ラジコン操作となる(難易度によってはエイミング操作と、ビハインドカメラになっている)。また、敵(またはカラスなどの通常の生物[31])から、弾薬・アイテム・金銭をランダムに入手できるようになった。
そのほか、各所に設けられた射的場で練習をする事ができる[30]。これらの要素は後の『6』や『RV2』などのシリーズまで継承されている。
ステージに配置されたアイテムなどの側では、「拾う」「調べる」といったアイコン(後述)が表示されるようになり、円滑にプレイできるようになった。従来作品でお馴染みだったエリア移動のアニメーションは廃止され、それに伴ってロード時間が短くなっている。また、アクション性の強化による難易度の大幅な上昇に伴い、セーブ回数に制限がなくなった。ゲームオーバー時には『CV』と同様に死亡した直前の地点からコンティニューが可能となっている。
戦闘中やフィールド探索などの際、画面にボタン入力を促すアイコンが表示されるようになった。走る・泳ぐ・避けるなどのアクション、アイテムを拾う・ドアを開ける時などに表示される。アイコンはボタンを押す、連打のほか、Wiiリモコンを振るアクションも存在する。 武器だけでなく、体術で敵を倒す事も可能になり、敵が怯んでいたりヒザを着いている状態になるとアイコンが表示され、回し蹴りや投げ技が繰り出せる。これには弾丸の節約、無敵時間を利用した回避など幅広い応用方法がある。 戦闘中以外にもイベントムービー中にQTE(ボタンアクション)が発生する[30]。コマンド入力を失敗するとダメージを受けたり、即ゲームオーバーとなってしまう。
ゲームの中でアシュリーを救出すると、彼女を守りながらゲームを進めていくことになる[30]。アシュリーは敵からの攻撃を数回受けたり、レオンの攻撃が当たってしまうと死亡する。 アシュリーが死亡したりガナードに捕まって別マップへ連れ去られると、「Mission failed」(任務失敗)となりゲームオーバーになる[30]。
このほかにも、特定の場面でルイスを5回撃つと、怒ったルイスがレオンを射殺するムービーが挿入され、ゲームオーバーとなる。但し、ルイスは銃を向けるとしゃがむので、故意に狙ったり乱戦状態でないとこのようなことにはならない。
本作の本編で選択出来る難易度は次の通りである。
本作では初めて金銭(スペインの旧通貨・ペセタ)の概念が導入されており、アイテムをやり取りする相手として武器商人が登場している[29]。
武器や回復アイテムはアタッシュケースにブロック単位で収納されるようになった[29]。その一方、ゲームの進行に応じて大きなアタッシュケースを購入できるとはいえ、アタッシュケースの容量には限りがあるほか、不要なアイテムを捨てた場合は再入手ができない[30]。 なお、鍵などのイベントアイテムや、武器商人が高額で買い取ってくれる宝物はアタッシュケースとは別に無制限に持てるようになった。
これまでのシリーズでは本編クリア後にニューゲームで引き継げるのはおまけ武器とコスチュームチェンジの解禁要素のみだったが、本作ではクリア後のデータからニューゲームを始めると、レオンとアシュリーの体力の最大値、所持金・宝、アタッシュケースの中身・アーマー(防弾服)をすべて引き継げるようになった。 本編クリア後に解放される隠しコスチュームおよび隠し武器を装備した場合、キャラクターの挙動などが変化する。
その他、本編クリアによって解放されるモードは下記の通りであり、これらのモードにもそれぞれクリア特典が存在している。
本作は、ゲームキューブ用ソフトとして発売された後、様々なプラットフォームに展開された。 また、日本国外への発売に当たっては一部のボイスの追加や、難易度設定のEASY(PS2・Wii・PC版の場合はAMATEURも含む)が存在しないほか、首の切断など死亡時の描写が過激になっているなどの違いがある。
最初に発売された『4』である。
GC用光ディスクの容量の問題によりディスク2枚組での供給となっており、プレイの中盤でディスクを入れ替える必要がある。日本版では唯一、人型の敵の頭部が破壊される。全世界累計販売本数は160万本[2]。
本作を基礎として、他機種との変更点・追加要素を以下に述べていく。
GCからPS2への移植に伴い、最低難易度のAMATEURモードや、イベントシーン鑑賞モードである「ムービーブラウザ」、そしてエイダの視点から物語を描いた「the another order」が追加された[33]。
GCよりハードスペックが低いPS2への移植は非常に困難であったが[注 3]、最低限の画質の劣化やオブジェクトの表示数ならびに敵キャラクターの同時出現数を削減することで移植が実現した。
GC版ではリアルタイムで描画していたイベントシーン[35]をPS2版ではプリレンダリングムービーで再生している[34]。そのため、PS2版ではコスチュームチェンジがイベントシーンに反映されない。また、PS2版以降では大容量の媒体で供給されているため、ディスク入れ替えの必要はない。
2007年2月23日より海外向けにWindows(2000/XP)に対応したPC版が発売。日本でも2007年6月7日に発売された。追加要素などはPS2版と同等だが、PCでのプレイに伴って解像度がPS2よりも相当に向上している。マウス操作には対応していない。
2014年2月28日にHDリマスター版の『バイオハザード4 Ultimate HD Edition』(バイオハザードフォー アルティメット エイチディー エディション)が発売[36]。基本的には後述の『リバイバルセレクション』の移植。1920x1080の高解像度テクスチャと60fpsのフレームレート、マウス操作、Steam実績、トレーディングカードなどに対応した。予約特典として60曲以上の楽曲を収録したデジタルサウンドトラックと、キャラクター、クリーチャー、ストーリー、コンセプトアートなどを収録した、80ページを超えるデジタルアーカイブスが配布された。日本ではパッケージ版の販売はなく、Steamでのダウンロード販売のみ。
2007年5月31日[33]には、GC版をベースにPS2版の追加要素を実装した『バイオハザード4 Wii edition』(バイオハザードフォー ウィー エディション)がWiiにて発売された[37]。カプコン初のWii用ソフトである。 特典映像として『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ』のトレーラーが収録されている。
Wii版のディレクターを務めた中井実は2007年に入ってから開発を進めたとねとらぼの網野三平とのインタビューの中で明かしており、ゲームキューブからWiiへの移植はほか機種よりもスムーズにできたと話している[33]。 全世界での累計販売本数はWii editionのみで200万本となっている[2]。
この版では、基本的な操作方法がWiiリモコンとヌンチャクコントローラに準拠したものに変更されている[38]。 リモコンのポインターで銃の照準を定めて攻撃を行うほか、リモコンを軽く振るだけで近接対象物を自動検索してナイフ攻撃を発動するサーチナイフ(通常のナイフ攻撃より威力は若干弱め)機能も搭載され、より直感的な操作が可能となった[37]。
GC用コントローラやクラシックコントローラでの操作は、説明書には一切記述がないが対応しており、GC版やPS2版と同様の操作が可能。ただし、ゲーム起動時にヌンチャクを取り付けていないと警告が出て先に進まないため、タイトル画面が表示された後にリモコンからヌンチャクを取り外し、コントローラを付け替える必要がある(プレイ中の変更も任意で可能)[39]。
2008年2月1日にはauのBREW4.0向けに移植版が配信された[40]。 2010年には初心者向けに内容を強化した『バイオハザード 4 for ビギナーズ』が配信された[41]。
2011年9月8日には、今作と『バイオハザード CODE:Veronica 完全版』の2タイトルをHDリマスターし、Wii版をベースに画面解像度が720pに対応した『バイオハザード リバイバルセレクション』がPlayStation 3、Xbox 360向けに発売された。また、2012年3月13日にはダウンロード版がそれぞれ単品で配信開始され、3月15日にはBest版の『バイオハザード5』(オルタナティブ エディション)とのツインパックが発売された。
PS3版はBlu-ray Disc1枚(HDDインストール必須)、Xbox 360版はDVD2枚組となる。トロフィー、実績解除、クリア時間のオンラインランキングに対応する。HDDインストールに対応したことにより、ロード時間が大幅に改善されている。サウンドはPCM 2chのみで、ドルビープロロジックIIによる5.1chサラウンドは非対応。
初回生産分特典として、PS3版には「BIOHAZARD archives 復刻改訂版」と「BIOHAZARD archives II」を電子書籍向けに抜粋、再編集した「PlayView for Games版『BIOHAZARD archives 特別版』」をPlayStation Storeからダウンロードできるプロダクトコード、Xbox 360版には「レオンジャケットコスチューム」アバターが無料で入手できるご利用コードが同梱する。
2016年8月30日にダウンロード配信用ソフトとしてPlayStation 4、Xbox One向けに発売された。基本的なゲーム内容はリバイバルセレクション版と同一だが、画面解像度が1080pまで対応し、フレームレートも60fpsでの動作になっている。
音声出力も5.1chサラウンドに対応しており、サラウンド環境でプレイした場合、敵が向かってくる位置などを把握しやすくなっている。そのほか、右スティックでの照準操作が可能になっており、やや操作面でのストレスが解消されている。
2021年10月21日にOculus Quest 2向けに発売された[42]。本作をベースにバーチャル・リアリティ(VR)コンテンツとして再構築した作品で、開発は『BAYONETTA&VANQUISH』などの移植を行ってきたArmature Studioが担当している[43]。VR版である同作は一人称視点で戦闘や謎解きなどを行うシステムになっている。なお、Quest 2版には「ADA THE SPY」「the another order」は収録されていない[44][45]。「THE MERCENARIES」は2022年4月20日に無料アップデートという形で配信された[46]。このモードは本編とは独立しており、本編よりも前に遊ぶこともできる[47]。
今作では、シリーズ恒例のゾンビをはじめとするt-ウィルス由来のクリーチャーおよびB.O.W.に代わり、サラザール家の領地に生息する寄生生物・プラーガおよびそれに由来するクリーチャーやB.O.W.が多数登場する。
「プラーガ」という名称は、スペイン語で「害虫」を意味する「Las Plagas」から来ている。 プラーガの成虫は母体から生み出される仕組みとなっている。 プラーガそのものは短時間で衰弱死してしまう上、肉体も非常に脆弱である。また、光に弱い[51]。 宿主の体内に植え付けられた卵から孵化する、もしくは胞子状になり休眠状態になった幼体が宿主の体内に侵入し活動を再開すると、宿主の中枢神経に触手を伸ばして同化し、精神を支配すると同時に、宿主に超人的な力を与える。宿主が大きなダメージを受けた場合は、プラーガが露出して直接肉体の制御を行う[51]。
プラーガには、宿主の自我を保ったまま他のプラーガを支配できる「支配種」と、支配種の配下に置かれる「従属種」がおり[52]、ガナードをはじめとする本作に登場するクリーチャーの大部分は従属種に寄生された存在である。
プラーガに肉体を乗っ取られた人間は、ガナード[注 9]と呼ばれるが、単に「ガナード」と呼称した場合は主に村人、邪教徒、戦闘員の3種を指す。
プラーガに寄生された人間は、もともと持っていたの知識や技術をもとに感染前の生活を模倣する形で活動している。ただし、プラーガとの同化の度合いによっては破壊衝動が上回り、「アシュリーを生け捕りにせよ」という教団からの指示を無視する者もいる[注 10]。
プラーガはヒト以外の生物にも寄生しているほか、動く鎧ことアルマデューラ(Armadura)[53]のようにプラーガが人工物の内部に入って操縦しているケースもある。
カルト教団ロス・イルミナドスは悲願である世界征服の実現に向け、プラーガの利点を生かして有機生命体兵器(B.O.W.=Bio Organic Weapon)を生み出している ほか、幹部四名(サドラー、サラザール、村長、クラウザー)は支配種を自らに寄生させている。
ただし、これらのB.O.Wは欠点や弱点が存在しており、たとえばプラーガを用いた肉体強化実験で生まれたガラドール (Garrador)の場合、目に付いた者に敵味方の区別なく襲い掛かるほど凶暴化したため、瞼を縫合して視界を奪われて幽閉された経緯を持つ[54]。封じられた視覚に代わって聴覚が発達したことで、わずかな足音でも正確に獲物の位置を捕えられる反面、鐘などの大きな音に注意を引き付けられることもある[55][54]。また、物語の終盤で登場するU-3の場合、プラーガを用いた応用実験によって複数の生物の遺伝子(人間、昆虫、爬虫類)を内包しているものの、各生物の特徴の調整が不完全なため、それぞれの生物を混ぜたような異質な見た目をしている[55]。
支配種プラーガを宿した者および、B.O.W.の一種であるヴェルデューゴの詳細については#登場人物を参照。
サラザール家の領地に古くから原生する寄生生物。人間だけでなく様々な動物に寄生可能で、作中ではヒト、犬、オオサンショウウオに寄生していた。宿主の体内に注射器で植え付けられた卵から孵化する、もしくは胞子状になり休眠状態になった幼体が宿主の体内に侵入し活動を再開すると、宿主の中枢神経に触手を伸ばして同化し、精神を支配すると同時に、宿主に超人的な力を与える。 支配種と従属種が存在し、両者の関係は女王蜂と働き蜂に似ている。ガナードをはじめとする、本作に登場するクリーチャーの大部分は従属種に寄生された存在であり、自我を喪失している。一方、カルト教団ロス・イルミナドスの幹部四名(サドラー、サラザール、村長、クラウザー)は支配種を自らに寄生させている。支配種は宿主の自我を奪わない上、従属種を操る能力を自由に扱える。
サラザール家の領地に原生する寄生生物「プラーガ」に肉体を乗っ取られたヒトの総称。宿主の意識は失われ、人間としては自我を失い悪意に支配されているため死者に等しい状態だが、プラーガが感染前の生活を模倣して生きた人間のごとく活動する。宿主の知識や技術はそのまま残っており、言語を用いた会話や道具の使用さえ可能で、上体を反らしたりサイドステップしたりして射線を避ける、両手で頭部をガードする、ボウガンを持っている際は敵との距離を保つなど、回避行動も行う。過去作のゾンビ同様、銃弾にも耐える生命力を獲得しており(ただし、ある程度の痛覚は残っており、攻撃によっては痛がる描写がある。)、70キロあるレオンを女性でも片手で投げ飛ばすほどの筋力を発揮する。未感染の人間を発見すると即座に凶暴化し、武器や罠を用いて組織的に行動しながら標的を追い詰める。「ガナード」とはスペイン語で「家畜」を意味し、文字通り教団の幹部たちには下位の労働力として使役されている模様。単に「ガナード」と呼称した場合は主に村人、邪教徒、戦闘員の三種を指す。
詳細は後述。
本作は従来のシリーズ作品から大幅に路線変更をしたことで、シリーズのファンから大きな反響を呼んだ[56]。 また、加山雄三や鈴木史朗など高齢のゲームファンの中には本作のファンもおり、特に鈴木は、もともとゾンビが苦手であり、本作に登場する敵キャラクターが人間寄りだったため楽しめたと、2012年の加山との対談[57]や2016年に開催されたシリーズ20周年感謝パーティー[56]にて発言している。
アシュリーはルックスの良さ[注 11]に加え、初期衣装[注 12]のアシュリーを高所に配置し、カメラアングルを調整して鑑賞するプレイヤーも少なくなかった[49]。
一方、村人の話すスペイン語のセリフには字幕がなく、別のセリフに聞こえる(空耳)ことから、インターネット・ミームへと発展した[58][注 13]。なお、これらの空耳は2023年に発売されたリメイク版『バイオハザード RE:4』の宣伝にも使われた[59]。
2010年頃から、本作はインターネットによる生配信の分野で流行し、縛りプレイを行う配信者も相次いだ[38]。ゲームキューブ版の発売から10年以上が経過した2021年には、タレントの狩野英孝が本作の実況配信を行った際、不用意な操作によってレーザートラップで即死したシーンが海外で大ウケするという出来事があった[60]。
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評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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Metacriticにおけるゲームキューブ版およびPlayStation 2版の評価は100点満点中96点で、「全世界が認めた」( "universal acclaim")という評価がつけられた[81][83]。
GameSpotのGreg Kasavinは声優の演技を評価した一方、いつになくばかばかしい会話には裏切られたと指摘している[66] 。
Yahoo! GamesのAdam Pavlackaと GameSpotのKevin VanOrdは、キャラクターを掘り下げたことを評価している.[69][87] 。
IGNのMatt Casamassinaは、描きこまれたキャラクターデザインだけでなく、戦闘の演出やムービーシーンにおける3DCGのモデリング もよくできていたと評価した[74] 。 Casamassinaもキャストの演技、特にレオン役のポール・メルシエの演技を評価している[74] 。
また、GameProや Game Over Online[88] などはゲーム内で使える武器の幅が広がった点を評価している[89]。
アメリカのテレビ局G4で放送されているX-Playでは、ゲームキューブ版に5点満点がつけられ、シリーズにおいて新しい遊び方を取り入れたことなどが評価され、番組内において取り上げた作品の中で一番素晴らしい作品として表彰された[90]。
ライターの平田洋はGAME Watchに寄せたゲームキューブ版のレビューの中で、ラジコン操作から主観中心の視点になったことで周囲を警戒する必要が出てきたため、臨場感が増したと評価している[30]。
PC版の評判は他機種版と比べると今一つだった。 マウスに対応していない上、キーボードでは操作性が悪く、ゲームパッドコントローラでないとまともに敵を狙えないという指摘や、ムービーやレンダリングの質の低さが指摘された。 それでも、IGNと GameSpotはプレイを評価している[67][75] 。 ライターのmidiは、4Gamer.netに寄せたPC版『バイオハザード4』の批評の中で、バイオらしさがしっかり継承されていると評価すると同時に、アクションゲームが苦手な人向けに低難易度モードが用意されているのもよかったと述べている[91]。
midiはイベントシーンにおけるQTEは評価が分かれるところだと述べつつも、見るだけだったイベントシーンに参加できることからそれなりの意義があるとしている[91]。 その一方、midiはPC版のムービーの解像度が家庭用ゲーム機の解像度と同等であるため、ゲーム中よりも画像が荒く見えてしまう点を指摘している[91]。
『ファミ通』クロスレビューにおけるWii版の評価は40点満点中38点(10点:2名、9点:2名)であり、Wiiリモコンという新しいコントローラが新鮮さをもたらしたとされている。 イギリスの雑誌NGamerにおいてWii版のスコアはゲームキューブ版(97%)よりわずかに低い96%がつけられた[85] 。
同誌ではビジュアルや操作性などが評価された一方、ゲームキューブ版をプレイ済みのユーザーにとってはWii版が別段特別には思えないだろうとしている[85] 。
Official Nintendo Magazineにおいても、Wii版はゲームキューブ版より3%低い94%のスコアがつけられている[92]。 2009年には同誌による任天堂ハード向けの名作ランキングの中で9位にランクインした[93] IGN praised the Wii version, stating it is the superior edition, but does not push the Wii like it did with GameCube and PS2.[78] 。
GameSpotはWii版の斬新な操作性を評価する一方で、独自要素が欠けている点を指摘している[69]。また、 Hyper's Jonti Davies はグラフィックの向上を評価しつつも、独自要素の欠如を指摘している[94]。
DestructoidにおけるPS3版の評価は9.0点である[95]。
GAME Watchの小野憲史はiOS版について休眠ユーザーの掘り起こしという意味合いが大きかったとしつつも、カジュアルなユーザーへの配慮が足りなかったと指摘している[96]。
ライターのやましんは、Mogura VRに寄せた記事の中で、VRでの現実感よりは『バイオハザード4』の世界の再現に注力しているように感じたと述べている[44]。やましんは操作性がほかのVRゲームよりもカジュアルで、VR初心者でもすぐ慣れるだろうとみる一方、操作の感覚がモーションコントローラーとは比較にならず、手振れやリロードミスといったオリジナル版では経験しなかった要素に苦労したと振り返っている[44]。また、やましんは蹴りの場面で従来の3人称視点に切り替わってしまうことや、一部を除きQTEに大幅な変更がなかったことを報告している[44]。 IGNの渡邉卓也は、VR版について、VRに適応した部分は面白かったがやっていることは昔と同じなので飽きてしまったと話している[42]。
本作はCESA GAME AWARDS 2004-2005において優秀賞[97]、ファミ通アワード2005において大賞を受賞した[98]。
本作における肩越し視点のTPSというシステムは、『 DEAD SPACE 』や『Gears of War』など、日本国外の作品にも影響を与えた[42]。
また、Wii editionの操作方法は高い評価を得ており、後に『デッドライジング ゾンビのいけにえ』が制作されるきっかけとなった[99]。
加えて、2022年に発売された『バイオハザード ヴィレッジ』は本作を参考に開発されており、本作の武器商人に相当するキャラクターとして「デューク」が存在するなど、類似点もある[注 14]。
2021年6月、アーティストのジュディー・A・ユラチェクは、カプコンが彼女に無断で自著Surfaces: Visual Research for Artists, Architects, and Designers [注 15]に掲載されている画像を本作および『デビルメイクライ』のテクスチャマッピングとして使用したとして訴えを起こした[102][103][101][104]。
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