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日本の映画作品、『男はつらいよ』シリーズ第12作 ウィキペディアから
『男はつらいよ 私の寅さん』(おとこはつらいよ わたしのとらさん)は、1973年12月26日に公開された日本映画。『男はつらいよ』シリーズの12作目。同時上映は『大事件だよ全員集合!!』。この日はレギュラー出演者の太宰久雄の当時50歳の誕生日だった。
冒頭の寅次郎が見た夢では、明治時代のような柴又村で、さくらたちが悪徳商人にいじめられているところを「謀反人の車寅次郎」が助ける。
寅次郎が旅から帰ってくると、おいちゃん・おばちゃんとさくら一家の5人が翌日から九州へ旅行に行くところであった。とらや一家は寅次郎に気を遣ってそのことをなかなか言い出せないが、御前様が餞別を持ってきてくれたことがきっかけで知った寅次郎はむくれてしまう。さくらが、今回の旅行は自分たちを大事に育ててくれた叔父・叔母へのお礼のつもりのもので、本来なら寅次郎も含めてお礼すべきだったのではと諭すと、寅次郎も理解する。
翌日、とらや一家は予定通り旅立つ。大分空港から高崎山、阿蘇、熊本から雲仙へと抜ける3泊4日の旅程で、おいちゃん・おばちゃんも満足感でいっぱいであったが、旅行中様々な機会に寅次郎のことが思い出されてならない。夜、旅館から寅次郎に電話をすることになっていたが、タコ社長との留守番で暇をもてあましている寅次郎があまりにも寂しそうな様子を見せるので、気の毒にも面倒にも感じてくる。結局3日目の熊本城を最後に旅行を切り上げ柴又へと帰ることにする。しかし、それを聞いた寅次郎が旅疲れの一行を気遣ってご飯や風呂の用意をしてくれていたことを知って、みなでほっこりとした気分になるのであった。
すっかりまともな人間になり、近所の評判もよくなっていた寅次郎であったが、さくらはそうした「喧嘩もしない恋もしない」寅次郎にちょっとした寂しさを感じていた。そんな時、ふとしたきっかけで、寅次郎は小学校時代の無二の親友で放送作家の柳文彦(前田武彦)と数十年ぶりに再会した。誘われるままに彼の妹で画家のりつ子(岸惠子)の家を訪れたが、寅次郎とりつ子は初対面なのにのっけから売り言葉に買い言葉で大ゲンカを始めてしまう。
寅次郎は「女だてらに絵なんて描く奴にろくな女はいねえ」とりつ子に立腹する。しかし翌日、文彦に寅次郎を許してやってくれと頼まれ、気分も落ち着いたことでりつ子がとらやに謝罪に来ると、前言を撤回。「絵描く人に悪い人はいねぇよ」となり、りつ子に惚れてしまう。りつ子もとらやの団欒に加わるが、その際に食生活が適当になってしまうことがあること、兄の文彦が時々お金をくれることを話す。りつ子は本当に自分の気に入った作品は売りたくなく、かと言って気に入らない作品はますます売れないという考え方で、生活に苦労していた。
りつ子は絵の師匠の家を訪ねるが、そこでかねて心を寄せていた三田という画家が金持ちの令嬢と結婚するという話を聞く。それ以来食欲を失って臥せってしまったりつ子を、寅次郎が見舞う。りつ子は、寅次郎の自分への恋愛感情に気付かず、「失恋した」ということを語る。が、それを聞いた寅次郎が恋の病にかかってしまい、今度は逆に寅次郎を見舞ったりつ子は、寅次郎のうわごととタコ社長の失言から、寅次郎の自分への気持ちを知ってしまう。寅次郎に友達としてそばにいてほしかったりつ子は思い悩むが、心の整理のつかないままりつ子を訪れた寅次郎に、「女」として見られることはうれしいけれども「困る」という苦しい胸の内を明かす。
寅次郎は、自分の気持ちがりつ子に余計な心配や気苦労をさせて、絵を描く邪魔をしてしまったことに気付き、旅立つことにする。さくらにりつ子の食生活のことを託しつつ、とらやを発つ。りつ子は「いつまでもいい友達でいたかったのに」と残念がり、正月にスペインから送ってきた年賀状には「私の寅さん」[2]と書いていた。その頃、寅次郎は阿蘇で絵を売っており、「(自分の一番好きな絵として誰にも売り渡したくない)非売品」としてりつ子に描いてもらった自分の肖像画を飾っていた。
佐藤利明『みんなの寅さん』、p.620より
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