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日本の漫画家 ウィキペディアから
いがらし みきお(本名:五十嵐 三喜夫、1955年1月13日 - )は、日本の男性漫画家[1]。宮城県加美郡中新田町(現:加美町)出身、仙台市在住[2]。
高校中退後、広告代理店・印刷所勤務を経て、1979年に三流劇画誌『漫画エロジェニカ』に投稿した『80,その状況』で、24歳で漫画家デビューを果たす[1]。
その後、4コマ漫画雑誌に連載された『ネ暗トピア』が大ブレイク。過激なギャグに加え、予想のつかない展開と奇抜なアイディアなど従来の4コマ漫画の世界にない斬新な内容が評判を呼び、その後も『かかってきなさい』『家宝』など多くの連載と単行本を上梓する人気漫画家となった。
1983年には『あんたが悪いっ』で第12回日本漫画家協会賞優秀賞を受賞するなど、順風満帆な活動を続けるが、父親の死や1ヶ月に24本の連載を抱える多忙さから、1984年に休筆。
休筆中は仙台市に移り、ホラー漫画『グール』の執筆(未発表、のちに発表する「Sink」の原型[4])やパソコン、ゲートボールなどに熱中、「生涯で一番楽しかった」充電期間を送った。
1986年に『BUGがでる』と『ぼのぼの』の連載を開始し、本格的に復帰。作風も矢印やコマ割りを活かした「行間を読む」内容へと変化するなど、新境地を開拓。特に『ぼのぼの』はかわいらしい動物のキャラクターとディスコミュニケーションによる哲学的な笑いなどの作風が人気を呼び、幅広い層のファン層を獲得。30年以上に渡る連載に加え、絵本やぬいぐるみ、アニメ化されるなど記録的な大ヒットとなった。
その後、自身の事務所 有限会社アイ・エム・オーを設立し、漫画家としての活動と並行し、16ミリ映画の製作や東日本放送・農協のマスコットキャラクターのデザインなど多岐にわたる活動を展開。1993年には自身の手によってアニメ映画『ぼのぼの』を監督し、全国ロードショーとなり評判を集めた。
漫画界でも精力的な活動を続け、少年漫画に挑戦したヒット作『忍ペンまん丸』をはじめ、インターネットに連載という斬新な企画が評判を呼んだホラー漫画『Sink』、自身の経験を織り込み、東北での農村生活をテーマにした『かむろば村へ』などジャンルにとらわれない数多くの作品を発表している。同郷の詩人・尾形亀之助に傾倒し、詩の執筆も行なっている。
『忍ペンまん丸』の連載中、警察から感謝状を貰っている(詳細は「秘密」としている)[5]。
2014年には『誰でもないところからの眺め』を漫画連載では異例となる思想誌(『atプラス』)で発表。宮城県の海辺の町を舞台に東日本大震災から3年後を描いている。
2015年4月には『かむろば村へ』が、タイトルを『ジヌよさらば〜かむろば村へ〜』(松尾スズキ監督、松田龍平主演)として実写映画化された。
熱烈なサッカーマニアであると共に地元チーム・ベガルタ仙台のファンである[6]。2019年にはクラブとコラボレーションし、レディースの市瀬菜々を題材とした4コマ漫画の連載を開始した[7][8]。
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漫画作品の大部分は4コマ漫画である。デビュー作はコマ割ギャグ漫画だが、それ以降は4コマギャグ漫画を書き続ける。当初は下品さと田舎臭さを自虐的に打ち出したような作品が多かったが、次第に「窓際にたたずむ一本のナスを感情移入しつつ眺める」といったシュールな作品が多くなる。その後休筆を経て「ぼのぼの」を生み出すに至り次第にギャグ漫画から離れていく。
現実の人物を登場させることはほとんどなかった。一時は政治家を登場させるシリーズがあったが、政治批判とは縁遠かった。女性アイドルについては、ごくたまに登場させ、たとえば「松田聖子は深夜の楽屋で必死で鼻くそをほじって食べている」といった描写をされた。これらに対する例外はプロレスである。プロレスラーに関しては初期から実名で登場させ、その描き方もプロレスファンであることを伺わせた。後にオリジナルキャラとしてターゴ・ヨサクを生み出している。
初期の自画像は四角い顔で無精ひげを生やした足の短い下品キャラとしてよく登場させた人物(後のテージローさん)の、後ろ姿を使っていた。たいていミカン箱を机代わりにして、両足をその外側に放り出した姿だった。
その後、頭頂部の尖った下膨れの怪物的大男を採用したが、2013年から連載していた『いがらしみきおの笑いの神様』のメインビジュアル以降は実際の顔写真を忠実にしたものを採用している。
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