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トヨタ自動車の商用車 ウィキペディアから
クイックデリバリー(Quick Delivery、QD )は、トヨタ自動車が1982年(2t級は1986年)から2016年まで生産・販売していたウォークスルーバンである。
元々は、ヤマト運輸(現・ヤマトホールディングス)の「車内での作業時でも腰をかがめる必要のない天井が高い車がほしい」という依頼を受けて開発された。ウォークスルーバンとは、運転席から左側ドアや荷室へと、車内を容易に移動できるクルマである。その車体構造を生かし、移動販売車や簡易キャンパーなどにも使われ、航空自衛隊でもアーバンサポーターを含む各世代がユーティリティ整備車として採用されている。
上記の現場の要望からヤマト運輸、九州支社内の「車開発プロジェクトチーム」によるベニヤ板を使った試作車を元に三菱自動車工業など複数の会社へ打診をした結果、開発費をヤマト運輸が負担する形でトヨタ自動車が開発を行うことを申し出た。
以上のことからクイックデリバリーはヤマト運輸への供給のみを行い、他社への販売は当初は行われなかった。
その隙間を狙う形で、日産自動車、三菱自動車工業、マツダ、いすゞ自動車からも類似車種が販売されたが、後にトヨタ自動車側が他の運送会社への販売を開始したため、他社製車種の販売は伸び悩んだ。
ダイナ、トヨエース、ハイエーストラックのジャストローシャーシの上に背の高い箱型車体を架装したもので、組み立てはフレーム付き車両を得意とするアラコ(後の吸収分割により現在はトヨタ車体)が担当。当初は「ダイナクイックデリバリー」「トヨエースクイックデリバリー」(積載量2t級)、「ハイエースクイックデリバリー」(積載量1t級)のように、積載量および販売店で車名が分けられていた。後に車名が「200」(2t積)「100」(1t積)にそれぞれ変更されている。ヤマト運輸では両方が使われており、積雪寒冷地では4WD車も導入されている。
2t積・1t積ともに車体はほぼ共通であるが、サスペンションスプリング、ブレーキをはじめ、デフ、ホーシング、プロペラシャフトなどのドライブトレインは2t積の「U系」と1t積の「Y系」では対許容荷重や容量が異なる。
エンジンはダイナ、トヨエース、200がトヨタ・ダイハツ共同開発の、トラック用のヘビーデューティーな「B系」ディーゼルエンジンを、ハイエース、100は乗用・ピックアップトラック用のライトデューティーな「L系」ディーゼルエンジンを積む。2006年(平成18年)10月以降、QD200のエンジンは、ハイブリッドシステムが追加された日野製のN04C-TNへ変更されている。
トランスミッションはどちらにもMTとATがあり、ともにコラムシフトであるが、やはり、2t積と1t積で最大許容トルクが異なっている。
少量生産ゆえ、メーカー希望小売価格は消費税込みで550万円を超える。開発依頼元のヤマト運輸ですら、クイックデリバリー生産終了直前には圧倒的に安上がりなごく普通の2tトラックを導入することが多くなっていた。
ヤマト運輸のために生産が続けられていたが、平成28年式を最後に生産が終了した。生産終了の背景として、クール宅急便のニーズが増加しているのに対しクイックデリバリーでは取り扱いが不利になる(クール宅急便仕様車では一般の荷物をほとんど積めない)ことに加え、ネット通販の普及で宅配便の荷物サイズが大型化したことに対応し、ヤマトが「集配アシスト」として大型トラックと小型バンを併用した配送網を構築したことなどが挙げられている[1]。
生産終了後、ヤマト運輸は冷蔵対応型のダイナ及びその姉妹車の日野・デュトロを主に導入しており、クール宅急便のロゴを全面に出したものと、宅急便のロゴを主に使い、クール宅急便のロゴは冷蔵庫内の部分のみの配置となっているものが混在する。
車両総重量が4,700kgあるため準中型自動車(5t限定)に分類されており、2017年(平成29年)3月12日以降に普通自動車免許を取得した場合、運転できない(それ以前に取得している場合は運転可能)。
LH24HV-QDLT
『ザ!鉄腕!DASH!!』の「DASH 0円食堂」のキッチンカーとして使用されている車両は、この代の1995年にマイナーチェンジしたモデルと推測される。
BU60VH
BU68VH・RZU68VH
BU28#K・#ZU28#K・XKU28#K
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