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日本テレビの特撮テレビドラマ ウィキペディアから
『流星人間ゾーン』(りゅうせいにんげんゾーン)は、東宝映像制作の特撮テレビドラマ[1][2]。1973年(昭和48年)4月2日から同年9月24日まで日本テレビ系で毎週月曜日19時00分から19時30分に全26話が放送された[3]。
平和な星ピースランド星は、ガロガバラン星人の侵略を受けて壊滅。ピースランド星人たちはファミリーごとに宇宙船パンドラカプセルに乗りこみ、安住の地を求めて流星人間となった。彼ら難民のうち、地球に辿り着いたある一家は、地球人「
しかし、地球を第二の征服目標と定めたガロガは宇宙要塞ステーションを建設し、恐獣ミサイルを地球に送り込む。地球を第二の故郷と思う防人一家は、「新地球人」としてまた流星人間ゾーンとして、ピースランドの二の舞を阻止すべく、敢然とガロガを迎え撃つのであった。
第2次怪獣ブームがピークを迎えた時期に、東宝映像が初めてテレビ向けに製作した巨大ヒーロー番組である[出典 1]。元々はゴジラを主役としたテレビシリーズ企画に端を発しており[出典 2]、その流れからゴジラやキングギドラなどの「有名怪獣ゲスト」の登場が売りの1つであった[出典 3]。
スタッフ面でも、東宝特撮映画の常連である本多猪四郎や福田純の両監督をはじめとするスタッフが、多く関わっている[出典 4]。本編監督以外のスタッフの多くは、前年放映の『ウルトラマンA』に外注制作スタッフとして関わっており、同作品と似た雰囲気の作風となっている[17]。また、小栗康平がフリーの助監督として参加し、第21話や第26話で監督デビューを果たした[4][8]。後年ゴジラシリーズのプロデューサーや東宝映画の社長を務めた富山省吾は、学生時代に本作品の特撮美術にアルバイトで参加しており、ミニチュアの電柱などを作っていたと述懐している[20]。
ヒーロー側のデザインは、『愛の戦士レインボーマン』『ダイヤモンド・アイ』のデザインを手がけた岡迫亘弘が担当した[21]。岡迫は、『レインボーマン』などや『正義を愛する者 月光仮面』などでつながりのあった萬年社からの依頼で起用された[21]。メカニックデザインは東宝映像美術の小村完が担当した[22]。第4話の恐獣ワルギルガーのみ、『A』にも参加した村瀬継蔵率いるツエニーが手掛けた[23]。
ヒーロー側の設定が家族とされていることについて、企画者である東宝映像の高橋薫明は、「家族が一致団結することによって、視聴者に家族関係について考え直す材料をぶつけたかった」と述べている。また、ゴジラの登場は企画の時点から第4話からと予定されており、高橋は「物語の中でヤマ場を設定して、雰囲気を盛り上げてから登場させる」と述べている[7][注釈 1]。
第4話の特撮を担当した川北紘一は、本編監督の本多から「自由にやってくれたまえ」と言われ色々やった結果、監修の田中友幸から怒られたという[25]。川北は、最終的にはオーソドックスなまとまりで重厚で楽しいヒーローものになり安堵したというが、本多にうまく乗せられたと感じ、本多の人を奮い立たせる演出力を実感したことを語っている[25]。
本作品では敵怪獣を「恐獣」の名で統一しており、キングギドラやガイガンも「恐獣(キングギドラは「宇宙超恐獣」、ガイガンは「未来恐獣」)」と呼ばれていた[18][12][注釈 2]。
ゾーンファイターと恐獣の戦いには、ジャンケンや輪投げでの勝負、倒された恐獣の墓(天使の輪までついていた)が建つというコミカルな演出や、敵が油断した隙に目を引きちぎったり無防備な敵を一方的に攻撃するなど、少々過激な表現も存在する。
視聴率は初期数話は10パーセント台をキープしていたが後半から降下し、第21話で6.6パーセントを記録した結果、2クールで制作は終了する[注釈 3]。ストーリーもガロガとの決着がつかないままであった[12]。ストーリーの大筋は先述の前期のオープニングでのみ語られている程度で、第1話ではすでに防人一家は地球での生活をスタートさせており、また最終回もそれらしき要素や展開は一切ないまったく普通のエピソードという、数ある連続特撮ドラマの中でも極めて異質な構成となっている。[独自研究?]
第4話でワルギルガーに対して出動したのが初登場。コンコルドに類似した三角翼の戦闘機と戦車隊から編成されている。戦車のミニチュアは市販のプラモデルを転用したものらしく、61式戦車に混じってV号戦車パンターやIV号突撃砲の姿も見られる。
通称・ガロガ[32]、ガロガ軍団[1][注釈 12]。戦闘本能と征服欲に取り付かれており、全宇宙を征服すべく生物の住む星を次々と攻撃している[35](ピースランド星はその最初の犠牲)。
ガロガロック[32]と呼ばれる鞭にもなる長い触角と、ガロガエッジと呼ばれる腕のノコギリ状カッター、歯がむき出しになった醜悪な顔が特徴。本来の姿でもあるビースター・フォームのほか、地球人にも変身することが可能だが、手の水かきが残る。恐獣と呼ばれる巨大生物を侵略兵器として使用するほか、自ら恐獣化することも可能。衛星軌道上に宇宙要塞を築き、そこから恐獣ミサイルを発射して地球に送り込む。掟は冷酷で、任務に失敗したりミスを犯した者は、ガロガ憲法により即刻処刑される。ガロガバラン星の詳細や、首領の存在については明かされなかった。なお、頭の触角・ガロガロックは、己の意に反して攻撃されると急所にもなる諸刃の剣である。
ゾーンジュニア役には、当初『ゴジラ対ヘドラ』や『ゴジラ対メガロ』に出演していた川瀬裕之が予定されていたが、川瀬は学業を優先するためこれを断り、同じ劇団出身の佐藤賢司が起用された[36]。川瀬はその後、第2話にゲスト出演している[36]。
本作品に参加したスーツアクターのうち、久須美と図師は『ゴジラ対メカゴジラ』に、二家本と河合は『メカゴジラの逆襲』にそれぞれ参加している[37]。
放送日 | 話数 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | 特殊技術 | 登場恐獣 |
---|---|---|---|---|---|---|
1973年 4月2日 |
1 | 恐獣ミサイル 爆破せよ! | 福田純 | 福田純 | 中野昭慶 | |
4月9日 | 2 | やっつけろ!デストロキング |
| |||
4月16日 | 3 | たたけ!ガロガの地底基地 | 武末勝 | 本多猪四郎 | 川北紘一 |
|
4月23日 | 4 | 来襲!ガロガ大軍団 - ゴジラ登場 - |
上原正三 |
| ||
4月30日 | 5 | キングギドラをむかえ撃て! | 島本十郎 石狩あきら |
福田純 | 中野昭慶 |
|
5月7日 | 6 | キングギドラの逆襲! | ||||
5月14日 | 7 | ゾーンファミリー危機一髪! | 胡桃哲 | 古澤憲吾 |
| |
5月21日 | 8 | 倒せ!恐怖のインベーダー | 菊池昭康 | 川北紘一 |
| |
5月28日 | 9 | 追え!レッドスパイダーの秘密 | 島本十郎 | 古澤憲吾 | 中野昭慶 | |
6月4日 | 10 | 絶体絶命!ゾーン・ファイター | 永井素夫 | 菊池昭康 | 川北紘一 |
|
6月11日 | 11 | 間一髪 ゴジラの叫び! | 服部一久 | 福田純 | 中野昭慶 |
|
6月18日 | 12 | 恐獣基地 地球へ侵入! | 古俣則男 | 本多猪四郎 | 田渕吉男 | |
6月25日 | 13 | 戦慄!誕生日の恐怖 | 福田純 |
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7月2日 | 14 | 猛り狂うぞ!ガロガ少年攻撃隊 | 武末勝 | 菊池昭康 | 川北紘一 | |
7月9日 | 15 | 沈没!ゴジラよ東京を救え[注釈 24] | 小栗康平 古俣則男 |
古澤憲吾 | ||
7月16日 | 16 | 恐怖の襲撃!ガロガロボット | 竹内進 | 菊池昭康 |
| |
7月23日 | 17 | GO! ファイター緊急発進 | 胡桃哲 | 福田純 | 中野昭慶 |
|
7月30日 | 18 | 指令『日本列島爆破せよ』 | 雨宮雄児 | 本多猪四郎 | 田渕吉男 |
|
8月6日 | 19 | 命令『Kスイ星で地球をこわせ』 | ||||
8月13日 | 20 | 激闘!ファイターの歌が聞える | 石森詩郎 | 蓑輪雅夫 | 中野昭慶 |
|
8月20日 | 21 | 無敵!ゴジラ大暴れ | 神沢信一 | 小栗康平 | ||
8月27日 | 22 | 逆襲!スーパージキロを倒せ | 武末勝 | 蓑輪雅夫 | 神沢信一 |
|
9月3日 | 23 | 大恐獣バクゴンの秘密 | 本多猪四郎 | 田渕吉男 | ||
9月10日 | 24 | 針吹き恐獣ニードラーを倒せ | 雨宮雄児 | |||
9月17日 | 25 | 凄絶!ゾーン・ゴジラ対恐獣連合軍 | 荒木芳久 | 古澤憲吾 | 川北紘一 | |
9月24日 | 26 | 粉砕!ガロガガンマーX作戦 | 胡桃哲 | 小栗康平 | 神沢信一 |
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