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ヴァージニア・ウルフなんかこわくない

1962年のエドワード・オールビーの戯曲 ウィキペディアから

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ヴァージニア・ウルフなんかこわくない』(Who's Afraid of Virginia Woolf?)は、エドワード・オールビーの戯曲・三幕。

概要 ヴァージニア・ウルフなんかこわくない Who's Afraid of Virginia Woolf?, 作者 ...

概要

1962年ブロードウェイにて初演。二組の夫婦のあいだの次第にエスカレートする罵り合いを通して夫婦の偽善的な関係が暴きだされていくさまを描いた作品で、20世紀アメリカ演劇の代表的な作品のひとつである。1963年度トニー賞演劇部門を受賞。同年のピュリッツァー賞戯曲部門にも推薦されていたが、保守的な評議委員会が台詞の汚さを問題視して専門委員会の推薦を覆したため、この年の戯曲部門は該当作なしとなった[1]。また1966年にはブロードウェイで本作の舞台演出も手がけたマイク・ニコルズによって映画化され、同年のアカデミー賞にて主演女優賞(エリザベス・テイラー)など五部門を獲得している。

表題はディズニーのアニメ『三匹の子ぶた』の劇中歌「狼なんかこわくない」(Who's Afraid of the Big Bad Wolf?)の狼(Big Bad Wolf)を英国の小説家ヴァージニア・ウルフに置き換えたもので、劇中に駄洒落として登場し、節をつけて歌われるシーンがある。ただしディズニーの許諾を得ることが難しいため、実際の上演では韻律が合うマザーグース「桑の木の周りを回ろう」(Here We Go Round the Mulberry Bush[2]の節回しで歌われることが多い。

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あらすじ

舞台はニュー・イングランドの大学構内にある住宅である。真夜中2時に、中年の歴史学者ジョージ(46歳)とその年上の妻マーサ(52歳)が帰宅する。二人は大学の学長であるマーサの父が開いたパーティからの帰りである。浮かれてはしゃいでいるマーサとそれをたしなめようとするジョージとの間で、ならいとなっているらしい夫婦喧嘩が始まりかかると、そこに若い生物学者ニック(30歳)とその妻ハネー(26歳)が訪ねてくる。彼らはパーティでマーサから招かれて来たのである。

ジョージとマーサははじめ二人の仲の悪さをごまかしながら若い二人をもてなそうとするが、あてこすりのやりあいから、やがて客を巻き込んだ罵り合いと発展していく。マーサは夫が大学長の娘である自分と結婚しながら、大学教員として十分な実績をあげられずにいることを客の前で暴き、ジョージも妻の恋愛歴と結婚生活への幻滅をあけすけに語る。のみならず、ジョージは将来有望なニックへの嫉妬から、こっそり打ち明けられた彼の妻ハネーの想像妊娠の顛末をしゃべる。さらにハネーが酔いで正体を失い、ジョージが知らん振りをしている間に、マーサはニックを誘惑し、ニックもその誘惑に乗って二人きりで階上に行ってしまう。

戻ってきたマーサたちに対して、ジョージは復讐として、子供のいない自分たちの間の秘密であった「想像上の息子」を殺してしまったことを告げる。最後にニックとハネーは帰っていき、夜明けの中、ジョージとマーサのごく静かな会話によって幕となる。

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日本語訳

海外での公演

1962年、ブロードウェイで初演。

2004年、オルビー自身が改訂を加え、キャスリン・ターナー主演でブロードウェイでリバイバル上演される。2006年、同キャストでロンドンウェストエンドでも上演。

日本での公演

ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』のタイトルで舞台化。

公演期間
2006年6月5日-30日(Bunkamura シアターコクーン
スタッフ
作=エドワード・オルビー
演出=ケラリーノ・サンドロヴィッチ
翻訳=徐賀世子
企画・製作=シス・カンパニー
出演者
マーサ - 大竹しのぶ
ニック - 稲垣吾郎
ハネー - ともさかりえ
ジョージ - 段田安則

映画

要約
視点
概要 バージニア・ウルフなんかこわくない, 監督 ...

1966年アメリカ映画。日本語版タイトルは『バージニア・ウルフなんかこわくない』。本作が映画初監督となるマイク・ニコルズは原作のブロードウェイでの舞台演出を手がけている。

キャスト

さらに見る 役名, 俳優 ...

受賞・ノミネーション

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備考

  • 柄谷行人は『反文学論』という時評集の中で、この作品(戯曲を読んだのか、芝居を観たのか、映画を観たのかは明らかではない)に出会ったときのことを述懐している。いわく「タマネギの皮をむくように現実の表層を剥ぎ取っていったら何も残らなかった。それでも元気を出せ、とオールビーは歌った。それは身に染み入るような感じだった」。

脚注

外部リンク

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