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弱キャラ友崎くん
屋久ユウキによる日本のライトノベル作品、テレビアニメ番組 ウィキペディアから
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『弱キャラ友崎くん』(じゃくキャラともざきくん、英題:The Low Tier Character "TOMOZAKI-kun") は、屋久ユウキによる日本のライトノベル。イラストはフライが担当している。ガガガ文庫(小学館)より2016年5月から刊行されている。
第10回小学館ライトノベル大賞ガガガ文庫部門優秀賞受賞作。「次のヒット作はこれだ! 新作ラノベ総選挙2017」(ブックウォーカー)では2位にランクインしている[2]。『このライトノベルがすごい!』では2017年版から文庫部門で5年連続TOP10入りを達成し[3][注 1]、2010年代総合ランキングでは9位にランクインしている[9]。2021年1月時点でシリーズ累計部数は120万部を突破している[10]。
2017年12月から『月刊ガンガンJOKER』(スクウェア・エニックス)にて千田衛人による本編のコミカライズ[11]が、2020年7月より『マンガワン』『月刊サンデージェネックス』(小学館)にて吉田ばなによるスピンオフコミカライズ『七海みなみは輝きたい 弱キャラ友崎くん外伝』がそれぞれ連載された[12][13]。
2021年と2024年にはテレビアニメが放送された[14]。
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あらすじ
埼玉県にある私立関友高等学校に通う高校2年生の友崎文也は、「クソゲー」である人生はほどほどに、ハンドルネーム「nanashi」として「神ゲー」である『アタックファミリーズ』(通称アタファミ)[注 2]で、日本1位をキープし続けるほどの実力と情熱を持ち、心から楽しんでいた。
文也は、唯一『アタファミ』で尊敬している日本2位をキープし続ける「NO NAME」と初対戦の後オフ会に誘われ、リアルで一対一で初めて会うことになる。しかし、待ち合わせに現れた「NO NAME」の正体は同じ高校に通う、同じクラスで学園のパーフェクトヒロインで、文也とは対極の存在、日南葵だった。驚きはそれだけではなく、学校で誰にでも分け隔てなく人当たりの良い葵は、「うだつのあがらないやつ」「ゴミみたいな人間」など文也に対して遠慮のない言葉をぶつける。
その葵の遠慮のない言葉を発端に、2人は口論になり最終的に人生では「キャラ差」があり、不平等で自身は弱キャラなりに楽しく生きていると文也は本音を吐露する。それを聞いた葵は半ば無理やりに文也を自分の家へと連れていく。そこで葵は日頃から表情、姿勢を巧みに操り見た目までも努力で変えられるという事実を文也の前で実演して見せ、コミュ力や自信すらも努力で補えると宣言する。
葵は尊敬していた「nanashi」こと友崎文也が、シンプルで『アタファミ』と肩を並べるほどの「神ゲー」である「人生というゲーム」から逃げてることを許せず、「人生というゲーム」に本気で向き合えと命令をする。こうして、文也と葵の奇妙な師弟関係が始まる。文也は「人生というゲーム」を攻略するべく、「リア充」になることを大きな目標として、葵から与えられる目標や課題を一つずつ「クリア」し、周りの人間を巻き込んで物語が展開していく。
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登場人物
要約
視点
声の項は特記がない限りドラマCDおよびテレビアニメ版の声優。
関友高校
- 友崎文也(ともざき ふみや)
- 声 - 佐藤元[16][17] / 松岡禎丞(テレビCM)[18]
- 本作の主人公[19]。基本的には作品全体を通しての語り手。妹(声 - 日高里菜)がいる。ゲームが趣味で、特に作中に大きく関わる『アタファミ』を「神ゲー」と絶賛し、ランキングで日本1位を維持するほど熱中している。一方で人生を「クソゲー」と揶揄し[11]、学校生活やクラスメイトに馴染んだり、容姿を整えたりといった自己研鑽には無関心だったが葵の指導により学園生活の攻略を目指すようになる[12]。
- 『このライトノベルがすごい!』男性キャラクター部門では2020年版では10位にランクインしている[20]。
- 日南葵(ひなみ あおい)
- 声 - 金元寿子[16][17] / 戸松遥(テレビCM)[18]
- 本作のヒロインの一人[21]。才色兼備でかつ一見温和な性格で、男女ともに好かれるパーフェクトヒロイン。陸上部に所属し、短距離走ではインターハイを目指すほどの実力を持つ。埼玉ではちょっとした有名人である。
- パーフェクトヒロインの下に本性を隠しているとされ、実際にはあらゆることでトップを目指す向上心の塊で、非常に負けず嫌い。ゲームが趣味で、『アタファミ』を「人生と同等の神ゲー」と絶賛し、日本2位を維持するほど熱中しており、友崎と邂逅するきっかけとなった。勉強とスポーツにおいて毎日地味な努力を積み重ねているだけでなく、見た目の印象を良くするために体格、表情や姿勢に至るまで努力を怠らない。コミュニケーションにおける「空気」を読み、操ることが得意。他者との会話で見せる愛想の良さ、天然さは計算されたものであり、目的を達成するためには他者の感情までも計算しコントロールすることもある。みなみとの選挙戦を制し、学園の生徒会長を務めている。
- 七海みなみ(ななみ みなみ)
- 声 - 長谷川育美[16][17]
- 本作のヒロインの一人[21]。「七海みなみは輝きたい」外伝の主人公[22]。愛称は「みみみ」、夏林からは「みんみ」と呼ばれている。クラスのムードメーカーでいたずら好きな性格をしている。葵と同じく陸上部に所属して短距離走を専門としているがいつも2番であり、定期考査でもクラス1位の座を葵に取られるなど1番になれないことを悩んでいる。
- 友崎とは葵との選挙戦で協力関係となり、それまでの呼び方「友崎」からブレーンと呼ぶようになった。
- 作者は「ヒロインの中で一番普通な女の子」というイメージで書いているという[23]。
- 『このライトノベルがすごい!』女性キャラクター部門では2019年版では6位[24]、2020年版では5位[25]、2021年版では10位にランクインしている[26]。
- 菊池風香(きくち ふうか)
- 声 - 茅野愛衣[16][17]
- 本作のヒロインの一人[21]。友崎のクラスメイト。本が好きで、特にマイケル・アンディの作品を好む。大宮にあるハンバーグ屋でアルバイトをしている。
- おしとやかな性格で、誰に対しても丁寧な言葉遣いで話す。人間観察に長けておりクラス内のバランスを把握している。それもあって友崎にアドバイスすることもある。
- 風香が登場するたびに友崎のモノローグがファンタジックになることについて作者は「ずっと友崎の一人称で同じ口調が続いていたため、リズムを変えるという意味でやってみた」と述べている[23]。
- 夏林花火(なつばやし はなび)
- 声 - 前川涼子[16][17]
- 本作のヒロインの一人[21]。友崎のクラスメイト。あだ名は「たま」。みなみと仲が良い。思ったことを飾らず言う性格で、クラスメイトとしばしば衝突することがある。この性格のため、紺野とは犬猿の仲である。両親が洋菓子店「ル・プティ・ポワ」を営んでおり、休日は手伝いをすることがある。
- 平林への嫌がらせ行為に意見したことで、逆に紺野から嫌がらせの対象となるが友崎の力で元気を取り戻す。クラスメイトの怒りを買った紺野が総攻撃を受けた際、最初に声を上げてその場を修復。その後、真央と美佳から謝罪を受けると同時に多くの友人ができるようになった。
- 泉優鈴(いずみ ゆず)
- 声 - 稗田寧々[16][17]
- 本作のヒロインの一人[21]。友崎のクラスメイト。中村に好意を寄せている。元々中村とは仲が良かったが、中村がアタファミに熱中したことで疎遠になりつつあり、中村と関係を持ち続けるために友崎からアタファミを教わる。裁縫にハマって中村のポケットティッシュカバーを作るが、これが紺野の怒りを爆発させ紺野がクラスから孤立するきっかけとなる。
- 中村修二(なかむら しゅうじ)
- 声 - 岡本信彦[16]
- 友崎のクラスメイト。茶髪のイケメン。クラスの中心人物で、水沢・竹井とつるむ。
- 水沢孝弘(みずさわ たかひろ)
- 声 - 島﨑信長[16]
- 友崎のクラスメイト。葵に好意を寄せている。友崎が変わろうとしていることを早いうちに気付いた。クラスで唯一、友崎を「文也」と下の名前で呼んでいる。美容師を夢見ており、ヘアワックスの選び方や使い方を友崎に教える。
- 竹井(たけい)
- 声 - 水野駿太郎[16]
- 友崎のクラスメイト。ガタイがいい。
- 紺野エリカ(こんの エリカ)
- 声 - 金子彩花
- クラスの女王。普段は周りとうまくやっているが、思い通りにならないと非常にワガママで攻撃的になる。中村に好意を抱いているが、泉と交際関係にあることを知り平林や花火に当たることで鬱憤を晴らしている。クラスの和を乱す存在で、葵からは内心煙たがられている。オシャレや美容に気を使っており、人から見下されるのを最も嫌う。
- ある日、自分の机が倒され教科書類が散乱したことをきっかけに真央(アニメ版。原作では美佳。後述)と言い争いになる。その際、葵の策略によって泉と中村への怒りが爆発。泣きながら悪態をつくが、クラス内からは単なる嫉妬だと思われ、それまで花火や平林へ行っていた嫌がらせを逆にクラスメイトから一気に受けた。花火と泉の機転により事なきを得るが、クラスの女王としての地位を失う。それ以降の嫌がらせ行為はしなくなったが、花火や平林に対しての謝罪の言葉は最後までなかった。
- 山下由美子(やました ゆみこ)
- 声 - 橋本ちなみ
- みなみの後輩。「○○っす!」という口調が印象的。生徒会選挙では、みなみの推薦人を務めた。
- 中学の頃より、みなみが葵を意識して努力していることを知る数少ない人物。
- 秋山美佳(あきやま みか)
- 声 - 日岡なつみ
- 紺野グループのメンバーの1人。グループ内で最も紺野からいびられていた。葵とも仲が良い。『机を倒した』と紺野から一方的に決めつけられ口論になる。その際、エリカにつきとばされ、エリカのつけまつげが下手だと自分の目を指していた指が右目に入って軽いけがをする(原作)[27]。紺野イジメ騒動後、真央と一緒に平林と花火に謝罪した。
- 橘(たちばな)
- 声 - 財満健太
- 強キャラ。友崎の名前がなかなか覚えられない。葵と同じ中学校の出身でバスケ部に所属していた。
- 平林みゆき(ひらばやし みゆき)
- 声 - 川井田夏海
- 物静かな女子生徒。紺野によって半ば強引に、球技大会の女子キャプテンにされる。花火とは対照的に『NO』とはっきり言えない性格のため、紺野から嫌がらせ行為の標的となる。紺野の騒動後は真央と美佳からそれまでの行為を謝罪された。
- 神前真央(かみまえ まお)
- 声 - 市ノ瀬加那
- 紺野グループのメンバーの1人。しかし付き合う内にエリカを嫌うようになり、距離を置いていた。花火へのイジメ問題で完全に決別する。そんな矢先、『机を倒した』と紺野から一方的に決めつけられ口論になる。その際、自分のネイルが原因で頬に引っ掻き傷を負ってしまう(アニメ版)[28]。これが前述した紺野のクラス内騒動の火種になった。事態収拾後は、美佳と共に花火と平林へ謝罪する。
- 柏崎さくら(かしわざき さくら)
- 声 - 広瀬ゆうき
- みなみの友人で、友崎とは文化祭の実行委員で知り合う。
- 瀬野由紀(せの ゆき)
- 声 - 大空直美
- みなみの友人。さくらと同様に友崎とは文化祭の実行委員で知り合い、書記を担当していた。
徳静高校
- 成田つぐみ(なりた つぐみ)
- 声 - 藤田茜
- 友崎と水沢のバイト仲間。バイトでは友崎の先輩だが、年齢では友崎の方が上。友崎からは「ぐみちゃん」、水沢からは「ぐみ」と呼ばれている。できるだけ頑張りたくないという信条を持つ。
その他の人物
- レナ
- 友崎が葵を誘って参加したアタファミのオフ会参加者。友崎よりも年上だが、本人の希望で友崎からはレナちゃんと呼ばれている。
- 日南渚(ひなみ なぎさ)
- 故人。葵の妹。小学6年生の時に虐めを受けた上事故死でなくなってる。
- 渚が虐めを受けてた時、母親は常に何とかなると考え問題解決に動かず、渚が亡くなった後も仕方ない事だと思いをまげなかった。
- 渚が亡くなった後、葵自身も行動しなかったことを強く後悔し、母親の非情な言葉にショックを受け、現在の葵の性格を作り上げる結果となった。
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作風とテーマ
作者自身は本作を「青春ラブコメ」として書いているが、恋愛面を物語の主軸に置いているわけではなく、「人との繋がり」を重視している[29]。
作者はキャラクターを書く上でリアルな女性像をテーマとして用意し、それにポップなキャラクター像を被せて書くことを意識している[29]。また、表面的にはライトノベルを意識しているが、中身の価値観や判断基準は最初から最後までブレない女の子として書きつつ、物語中に成長して変化したとしても一本に繋がっている形になるように気を付けているという[29]。
制作背景
元々芸人だった作者は、当時思いついたアイディアを小説の形にしてキャラクターを動かしたら多くの人に伝わると考えていた[29]。そこでアイディアを積み上げていった結果、良さげな構成が出来上がったため、それを書き上げたのが本作だった[29]。
評価
第10回小学館ライトノベル大賞ガガガ文庫部門にて優秀賞を受賞(受賞時のタイトルは「満点飾りのがんばり論!」)[30]。同賞でゲスト審査員を務めた渡航は本作を以下のように評している[31]。
作品のメッセージ性が明確でコンセプトも大変わかりよい作品と言っていいでしょう。ですが、そのメッセージ性とコンセプトが先走り、物語の展開とかみ合っていない印象が強いです。ディテールの描写や一つ一つのシーンの書き方は問題ないのですが、お話の根幹部分での描写が足りていません。そのため、本来、カタルシスとして用意されている部分も肩透かしの感が否めず、結果、一つのお話として終わっていないように感じます。言いたいことややりたいことはわかりますが、それがわかるだけでした。セリフだけで済まさず、シーンや情景、キャラクターの心情をエピソード、物語として落とし込んで欲しいところです。コンセプトを生かすにしろ、物語を生かすにしろ、構成やお話の見せ方にはまだ工夫の余地があると感じます。また、キャラクターがただ状況の説明と物語を動かすためだけに存在している点が非常に残念です。 — 渡航[31]
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既刊一覧
小説
漫画
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テレビアニメ
要約
視点
2020年3月にテレビアニメ化が発表され[56]、第1期はAT-Xほかにて2021年1月から3月まで全12話が放送された[14][57]。
2022年1月に新作アニメの制作を発表[58]。2023年2月に第2期『弱キャラ友崎くん 2nd STAGE』(じゃくキャラともざきくん セカンドステージ)のタイトルで全13話放送されることが発表され[21]、2024年1月から3月まで放送された[59]。
スタッフ
主題歌
第1期・第2期ともにDIALOGUE+が担当。
各話リスト
放送局
関連商品
BD / DVD
書籍
- MdN編集部(編) 『アニメ「弱キャラ友崎くん」公式攻略ガイド』 エムディエヌコーポレーション、2024年5月31日発売[69]、ISBN 978-4-295-20660-6
Web番組
第1期の放送に合わせて、友崎文也役の佐藤元と日南葵役の金元寿子によるWeb番組『弱キャラ友崎くん おしゃべり人生攻略』が2020年10月18日よりニコニコ生放送にて配信[70][71]。10月から12月までは月1回の動画配信、2021年1月以降は毎週1回のラジオ番組となる[72]。2021年5月4日には特番『おしゃべり人生攻略 アニメ総括ニコ生』が放送された[73]。
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コラボレーション
- 広告
- 2018年10月1日に、20周年を迎えるPasco(敷島製パン)の食パン「超熟」ブランドの読売新聞朝刊の広告で、イメージガールとして「七海みなみ」が登場した[74]。この広告は、第35回読売広告大賞で優秀賞を受賞した[75]。
- カードイラスト
- トレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」のスペシャルカードパックに、フライ描き下ろしの日南葵と七海みなみが描かれたカード「ガールズ・ジャーニー」が、特別イラスト版として収録された。カードの下部にはフレーバーテキストとして、2人の会話が載っている[76][77]。
脚注
参考文献
外部リンク
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