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石巻赤十字病院
宮城県石巻市にある医療機関 ウィキペディアから
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石巻赤十字病院(いしのまきせきじゅうじびょういん)は、宮城県石巻市にある医療機関である。日本赤十字社宮城県支部が設置する病院である。「石巻日赤病院(いしのまきにっせきびょういん)」とも通称される。

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概要
病院は三陸沿岸道路 石巻女川ICに隣接している。2015年10月までは救急車緊急退出路が設置されていた。三陸沿岸道路の北への延伸とともに、診療対象となる居住エリアの広さは年々拡大している[2]。
沿革
- 1873年(明治6年) - 前身の宮城県立宮城病院石巻分院として牡鹿郡石巻村仲町(現・石巻市中央、北緯38度25分51.4秒 東経141度18分34.9秒)に開設される。
- 1926年(大正15年)10月 - 日本赤十字社 宮城支部に譲渡、石巻赤十字病院となる。
- 1933年(昭和8年)4月 - 牡鹿郡石巻町湊字御所入(現・石巻市吉野町、北緯38度25分30.7秒 東経141度19分6.1秒)に移転新築。
- 1960年(昭和35年)12月 - 総合病院の名称使用の承認。
- 1969年(昭和44年)10月 - 救急告示病院の指定の承認。
- 1991年(平成3年)4月 - 病院群輪番制へ参画。
- 1997年(平成9年)3月 - 宮城県地域災害医療センターとして指定。
- 1999年(平成11年)4月 - 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症新法)施行に伴い、第2種感染症指定医療機関として指定伝染病床を減床。
- 2000年(平成12年)3月 - 臨床研修病院として指定。
- 2003年(平成15年)8月 - 地域がん診療拠点病院として指定。
- 2006年(平成18年)
- 5月2日 - 石巻市蛇田地区(北緯38度27分33秒 東経141度16分47秒)に移転新築。
- 5月15日 - 三陸自動車道に救急車緊急退出路(上り線:北緯38度27分39.2秒 東経141度16分47.6秒、下り線:北緯38度27分18.8秒 東経141度16分26秒)を設置し、運用開始[3][4]。
- 2009年(平成21年)7月1日 - 救命救急センターを開設。
- 2011年(平成23年)3月11日 - 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生。
- 2015年(平成27年)10月4日 - 当院と隣接する三陸沿岸道路に石巻女川IC(北緯38度27分40.6秒 東経141度16分47.9秒)を設置し、供用開始。救急車緊急退出路の運用終了。
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診療科
- 併設施設 仮設病棟…50床 [5]
医療機関の指定等
(下表の出典[6])
| 保険医療機関 | 母体保護法指定医の配置されている医療機関 |
| 労災保険指定医療機関 | 地域医療支援病院 |
| 指定自立支援医療機関(更生医療) | 災害拠点病院 |
| 指定自立支援医療機関(育成医療) | へき地医療拠点病院 |
| 指定自立支援医療機関(精神通院医療) | 救命救急センター(24床[7]) |
| 身体障害者福祉法指定医の配置されている医療機関 | 臨床研修病院 |
| 精神保健指定医の配置されている医療機関 | 特定行為研修指定研修機関 |
| 生活保護法指定医療機関 | がん診療連携拠点病院等 |
| 結核指定医療機関 | 特定疾患治療研究事業委託医療機関 |
| 指定養育医療機関 | DPC対象病院 |
| 原子爆弾被害者一般疾病医療取扱医療機関 | 地域周産期母子医療センター |
| 第二種感染症指定医療機関[8] |
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学会認定
要約
視点
この節の出典[12]
- 日本内科学会認定医制度教育病院認定
- 日本皮膚科学会認定専門医研修施設指定
- 日本外科学会外科専門医制度研修施設指定
- 日本整形外科学会専門医制度研修施設認定
- 日本産科婦人科学会専門医制度専攻医指導施設指定
- 日本眼科学会専門医制度研修施設認定
- 日本耳鼻咽喉科学会専門医研修施設認可
- 日本泌尿器科学会専門医教育施設認定
- 日本脳神経外科学会専門医研修プログラム研修施設(東北大学プログラム7番)
- 日本医学放射線学会放射線科専門医修練機関認定
- 日本麻酔科学会麻酔科認定病院認定
- 日本形成外科認定施設
- 日本循環器学会認定循環器専門医研修施設指定
- 日本呼吸器学会認定施設
- 日本血液学会認定血液研修施設認定
- 日本腎臓学会研修施設認定
- 日本老年医学会認定施設認定
- 呼吸器外科専門研修基幹施設認定
- 周産期母体・胎児専門医暫定研修施設認定
- 日本周産期・新生児専門医暫定研修施設認定
- 日本東洋医学会研修施設指定
- 日本臨床腫瘍学会認定研修施設認定
- 日本臨床腫瘍学会認定研修施設(連携施設)認定
- 日本乳癌学会認定医・専門医制度認定施設認定
- 日本がん治療認定医機構認定研修施設認定
- 日本救急医学会救急科専門医指定施設認定
- 日本消化器外科学会専門医修練施設認定
- 日本消化器病学会専門医認定施設
- 日本消化器内視鏡学会指導施設認定
- マンモグラフィ検診施設画像認定
- 下肢静脈瘤に対する血管内治療実施基準による実施施設
- ステントグラフト実施施設認定
- 日本臨床栄養代謝学会NST(栄養サポートチーム)稼働施設認定
- 日本臨床栄養代謝学会栄養サポートチーム専門療法士認定規程認定教育施設
- 日本栄養療法推進協議会認定NST(栄養サポートチーム)稼働施設
- 日本栄養治療学会栄養サポートチーム専門療法士認定規程認定教育施設
- インプラント実施施設認定
- エキスパンダー実施施設認定
- 日本透析医学会教育関連施設
- 日本医療薬学会 薬物療法専門薬剤師研修施設
- 日本医療薬学会 医療薬学専門薬剤師研修施設
- 日本医療薬学会 がん専門薬剤師研修施設認定
- 日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療後期研修プログラム(ver.2.0)
- 日本消化管学会胃腸科指導施設認定
- 日本呼吸療法医学会 呼吸療法専門医研修施設認定
- 宮城県医師会母体保護法指定医師研修連携施設
- 東北大学産婦人科研修プログラム専門研修連携施設認定
- 日本神経学会専門医制度准教育施設認定
- 浅大腿動脈ステントグラフト実施施設
- 日本口腔外科学会認定准研修施設
- 食道外科専門医認定施設
- 日本病理学会研修登録施設
- 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構 遺伝性乳癌卵巣癌総合診療連携施設
- 日本心血管インターベンション治療学会研修施設
- 日本肝胆膵外科学会認定 肝胆膵外科高度技能専門医修練施設B
- 日本肝臓学会肝臓専門医制度認定施設の関連施設
- 日本遺伝性腫瘍学会遺伝性腫瘍研修施設認定
- 日本超音波医学会認定超音波専門医研修施設
- 日本脊椎脊髄病学会椎間板酵素注入療法実施可能施設
- 日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科専門医基幹研修施設
- 日本胆道学会認定指導医制度指導施設
- 一般社団法人日本アレルギー学会アレルギー専門医準教育研修認定施設
- 一般社団法人日本透析医学会岩手県立中央病院教育関連施設認定
- 日本神経学会認定准教育施設
- 日本感染症学会認定研修施設
- 日本周産期・新生児医学会周産期専門医(母体・胎児)暫定認定施設
- 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会認定インプラント(一次一期再建)実施施設
- 日本鼻科学会認定鼻科手術認可研修施設
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東日本大震災における対応
要約
視点
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震、またそれに伴う津波の影響で、石巻市は甚大な被害が出た。発災と同時に、石巻赤十字病院は災害拠点病院としてあらかじめ用意してあったマニュアルに従い、全職員が配置につきトリアージと治療の準備を完了。多くの救急患者が運び込まれ、最大で震災2日後には1日1251人もの急患が運び込まれた。病院はロビーのソファーや廊下の床も含め、運び込まれた患者と付き添いの親族らで一杯になった[13]。
本来、石巻市では地震などの災害時、市内116の医療機関が連携して対応するはずであったが、大津波の影響により、旧北上川河口にあった石巻市立病院をはじめとしたほぼ全ての医療機関が機能停止(診療継続が可能な医療機関は石巻赤十字病院を含めて、わずか5施設となっていた。そのうち、高度救命救急医療に対応可能な施設は石巻赤十字病院だけだった。)。大津波の到達もなく、また、災害拠点病院として、自家発電や緊急時の水などを備えた石巻赤十字病院が石巻圏20万人を一手に背負うことになった。全国から120人ほどの医師が石巻赤十字病院に応援に駆けつけ、当院職員と共に対応に当たった。
しかし、災害医療の専門的な訓練を受けてきた医師たちも、かつて体験したことのない災害において、次々と新たな困難に直面する。特に、市役所の行政機能がほぼ停止状況に追い込まれたことにより、避難所の様子がまともに把握できなかった時には、石巻赤十字病院にいた医療スタッフを総動員して、300か所以上の避難所にいる約7万人もの避難民をしらみつぶしに調査するという、前代未聞のローラー作戦を行った。避難所によっては、避難した看護師等がかき集めてきた薬でなんとか医療サービスを維持していた避難所もあり、35か所の避難所では震災から10日経っても食糧さえも確保できない事実がわかった。
3月下旬になっても通常の5倍もの1日300人程の患者が石巻赤十字病院に押し寄せ、その多くは避難所の劣悪な環境による肺炎や感染性の胃腸炎を発病していた。医師による避難所の調査では、水がなく手も洗えない、排泄物も流せない等、劣悪な衛生環境の避難所が3月下旬時点でも100か所以上あった。石巻赤十字病院は、あふれる患者を被災地以外の病院に転院させるなどの対応を図る。災害関連死を含めた当院における死者は、地震後3か月で264人に上る。
震災時の院長である飯沼一宇が、震災発生時の様子や対応などについて、復興をテーマに2011年10月30日に開催されたカンファレンスTEDxTohokuにて講演を行っている。当該講演では、旧北上川の過去の氾濫を鑑みて、3メートルの盛り土をした上に病院を建設した結果、津波の被害を免れることができたことなど、当病院独自の様々な災害対策についてスピーチが行われている。なお、このスピーチの模様はYouTubeで公開されており閲覧することができる[14]。
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交通アクセス
JR石巻駅前・4番のりばからミヤコーバス。運行時刻は宮城交通公式サイト「石巻地区路線バス時刻表」(河南線・中里線・三陸線・日赤渡波線)を参照。
参考
書籍
- 石巻赤十字病院、由井りょう子 『石巻赤十字病院の100日間』 小学館、2011年、ISBN 9784093882071
- 石巻赤十字病院、石井 正 『東日本大震災 石巻災害医療の全記録 「最大被災地を医療崩壊から救った医師の7ヵ月」』講談社、2012年、ISBN 9784062577588
ドキュメンタリー
- NHKスペシャル「果てなき苦闘 巨大津波 医師たちの記録」(2011年7月2日、NHK)[16]
脚注
関連項目
外部リンク
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