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地域医療支援病院
日本の医療機関の機能別区分の一つ ウィキペディアから
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地域医療支援病院(ちいきいりょうしえんびょういん)は、1997年(平成9年)4月の医療法の第3次改正で制度化された日本の医療機関の機能別区分のうちの一つ。地域の中核病院として地域の診療所・クリニック等では対応困難な専門的な治療や高度な検査・手術等を行い、地域完結型医療の中心的役割を担う病院である。

制度の趣旨
目的としては、地域の病院、診療所などを後方支援するという形で医療機関の機能の役割分担と連携を目的に創設された。都道府県知事によって承認される。特定機能病院とは性質が異なっている。二次医療圏当たり一つ以上存在することが望ましいとされている。
地域医療支援病院は都道府県に対し、地域医療支援病院の業務報告書を出し、各都道府県はこれを公表する。
承認要件
要件は医療法第4条(具体的には医療法と厚生労働省令)に記されている。
承認条件変遷の背景
当初都道府県や厚生労働省は、地域医療支援病院は公的医療機関が担う機能と考えていた。しかし、公的医療機関であるため外来抑制が難しいことや公務員であるが故の医療機器の共同利用(CT,MRI)の硬直化などから、紹介率60%すら達成できない状況となった。一方で民間病院の中でも、医療経営に積極的な病院は、紹介率アップのため地域医療機関へのきめ細やかなサービスと、外来の分離といった政策により、地域医療支援病院の認定を受けていった。
国や地方公共団体は、公的医療機関を診療報酬上も有利な制度に組み入れたいため、紹介率を40%に下げるといった政策変更を行った。
結果的に、その効果は十分発揮されているとはいえない。
現在の地域医療支援病院の状況
1996年(平成8年)4月に始まった制度である。当初地域医療支援病院に承認された多くは医師会立病院であった。医師会立病院はその多くが、外来を持たず、診療所からの検査(主にCTやMRIなど)を請け負う地方に建てられた病院である。そういった点から地域医療支援病院として承認されやすい環境であった。
近年診療報酬の削減が進む中、200床以上の急性期民間病院が、地域医療支援病院になることによって得る医療収入の増加を目指して、条件をクリアするため以下のような政策をとり、地域医療支援病院を目指した。
上記政策の実施により、力の在る民間病院が地域医療支援病院の承認を受けることとなった。
地域医療支援病院に承認されることによるメリットとしては、当時急性期入院加算や急性期特定入院加算(現在は廃止)などの診療報酬の加算が得られることに加え、地域医療支援病院入院加算(1,000点 1万円)が1人につき入院初日に1回加算できることであった。現在は地域医療支援病院の多くがDPC導入病院であるため、DPC導入病院の場合は、機能評価係数加算を地域医療支援病院加算の代わりに請求している。
患者一人あたり一回の入院について10,000円収入が得られるということは、例えば300床の病院で、平均在院日数を12日とすると、今までと同じ診療行為を行っても、約750万円の増収となる(年間9,000万円)。
2007年(平成19年)3月現在153病院である[1]。本来二次医療圏に一つの地域医療支援病院を承認するという考えであったが、現在全国358の二次医療圏に対し、地域医療支援病院が置かれているのは110医療圏である。
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地域医療の役割の変化
地域医療支援病院の考え方も、医療提供体制の見直しにより変化している。
これまで長年にわたって機能してきた階層型構造の医療体制では、患者中心の医療を提供できないという反省から出てきた。階層型医療体制とは、1次医療は普段からの健康相談が受けられる、かかりつけ医を中心とした地域医療体制であり、2次医療は、入院治療を主体とした医療活動がおおむね完結する医療。そして3次医療では、先進的な技術や特殊な医療、発生頻度が低い疾病に関するものなどの医療需要に対応した医療構造である。
現在の医療計画制度の問題点としては、次の点があげられる。
- 患者の実際の受療行動に着目するのではなく、医療提供サイドの視点で構想。
- 地域の疾病動向を勘案しない量的な視点を中心に構想。
- 地域の医療機関が担える機能に関係なく、結果として大病院を重視することとなる階層型構造を念頭に構想。
社会保障審議会が提唱する新たな医療計画制度での医療連携体制とは、
- 患者を中心にした医療連携体制を構想。
- 主要な事業ごとに柔軟な医療連携体制を構想。
- 病院の規模でなく医療機能を重視した医療連携体制
上記医療体制の確立を目指している。
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地域医療支援病院一覧
要約
視点
- 2016年(平成28年)9月30日現在、日本で543施設。
節目次 : |
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兵庫県/地域医療支援病院について 2019年7月10日閲覧
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脚注
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