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第77回東京箱根間往復大学駅伝競走
2001年の箱根駅伝 ウィキペディアから
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第77回東京箱根間往復大学駅伝競走(だい77かいとうきょうはこねかんおうふくだいがくえきでんきょうそう)は、2001年(平成13年)1月2日から1月3日までに開催された第77回目の東京箱根間往復大学駅伝競走。
実施日程
出場校(チーム)
前回出場校のうち、関東学院大学と東洋大学が予選で敗退し、平成国際大学と國學院大學が初出場を果たした。
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概要
要約
視点
大会前は、前哨戦となった前年の出雲駅伝、全日本大学駅伝をいずれも制し、史上2校目の大学駅伝三冠を狙う順天堂大学、前年度優勝の駒澤大学が優勝候補に挙げられ、『紫紺対決』として注目された。
往路
1区
3.5kmで平成国大が真っ先に遅れ、さらに10.6kmで大東大、17.5kmで國學院大が集団から脱落するも、あとは混戦模様。20km手前まで、10人のダンゴ状態が続いた。
残り300mで先頭は法大・神大・中大の3校に絞られ、中大・野村佳史と神大・飯島智志がほぼ同時にタスキリレー。同タイムながら野村が区間賞を獲得。2秒差で法大・黒田将由が続いた。トップから12位の東海大までわずか33秒差であった。
予選会をトップ通過し全日本大学駅伝でも3位の好成績を収めた大東大は、1年生の柴田純一が足を痛め10.6kmから急失速[1]。平成国大にもかわされ、3分18秒差の最下位と大きく出遅れた。
2区
先頭争いは3kmで中大・駒大・法大・日大・神大の5校による集団となったが、トップと13秒差の7位でタスキを受けた順大・岩水嘉孝が7.2kmで先頭集団に追いつくとそのまま集団を引っ張り、9.4kmで日大、10km手前で神大が脱落。岩水、駒大・神屋伸行、中大・板山学、法大・徳本一善の4人の先頭集団となる。
後方ではトップと3分09秒差の14位でタスキを受けた平成国大のジョン・カーニーが激走。レース中盤から始まった強い向かい風をものともせず、他者を圧倒的に引き離すスピードでごぼう抜きを展開する。
先頭争いはまず権太坂の上りで岩水が遅れ、16.3kmで板山も後退。徳本と神屋のマッチレースは中継所手前1km地点で徳本がスパートをかけ、法大が2年連続トップでタスキリレー。神屋が10秒差、岩水が46秒差、板山が1分差で続いた。
8人を抜いたカーニーは1分51秒差の6位でタスキリレー。向かい風の影響で区間記録には及ばなかったが、区間2位の徳本に1分16秒差をつける断トツの区間賞であった。
一方、12位でタスキを受けた東海大・伊藤孝志は7kmを過ぎて極端にペースが落ち、顔をしかめながらの苦しい走りとなる。12.5kmで監察車に乗る石田義久監督が伊藤の腕をとり、東海大は途中棄権となった。前日からの発熱による体調不良によるものであった。2区での途中棄権は史上初めて。3区の横山周二は14位國學院大のタスキリレーと同時にスタートを切った。
3区
法大・竹崎重紀が区間2位と好走。2位との差を1分09秒に広げ、法大が2年連続トップでタスキリレー。
後方では前回3区区間賞の帝京大・北島吉章が今年も猛追。トップと1分16秒差の4位でタスキを受けると、中大・村本洋介を引き連れながら13.5kmで駒大と順大による2位争いに追いつき、4校の2位集団を形成。18.5kmで順大が脱落すると、ラストスパートで村本が抜け出し2位でタスキリレー。4位でタスキリレーした北島は2年連続の3区区間賞獲得となった。
4区
トップと2分29秒差の6位でタスキを受けた平成国大のフランシス・ムヒアの追い上げが予想されたが、2分02秒差の5位でタスキを受けた順大・野口英盛がムヒアを寄せ付けず、5.8kmで中大・駒大・帝京大の2位集団に追いつくと集団を引っ張り続け、19km手前で単独2位に浮上。法大との差を29秒まで縮め、2年連続の4区区間賞を獲得した。
先頭の法大・中村洋輔も区間3位と健闘し、法大が史上初めて小田原中継所をトップでタスキリレー。中大は1分10秒差の3位。ムヒアは区間2位の走りで駒大と帝京大をかわし1分47秒差の4位に浮上。駒大は2分07秒差の6位に後退。
なおこの間、向かい風はより強くなり、小田原中継所では突風により、係員が被っていた帽子が飛ばされたり、誘導用のロードコーンが倒れるなどのハプニングが発生した。
5区
70年ぶりの往路優勝がかかる法大は2年連続で大村一、29秒差の2位順大は前回8区区間賞の奥田真一郎が起用される。しかし1分10秒差の3位中大には前回5区区間賞の藤原正和が控えており、遅くとも中盤以降藤原が奥田・大村を抜いてトップに立つかと思われた。
ところが、2区の中盤から始まった向かい風がより強くなり、奥田・藤原のペースは上がらず、小涌園を過ぎても大村との差がほとんど縮まらない。しかし14kmを過ぎると大村のペースが落ち始め、芦之湯の定点では大村と奥田の差が11秒、藤原との差も20秒まで縮まる。
最高点付近では猛烈な風が吹き荒れるなかで奥田が一気に差を詰め、下りに入った16.6kmでようやく大村に追いつき前に出たものの、直後に大村がスパートをかけ、一気に奥田を突き放す。しかしその後ろから藤原が大村以上のペースで山を駆け下り、平地に入った19.1kmでまず奥田をかわし、箱根神社の大鳥居を潜った19.3kmで大村をかわしてトップに浮上した。直後に奥田も大村を抜いて藤原に喰らいついたものの19.6kmで藤原が再スパート。最後は藤原が逃げ切り、中大が史上最少差となる8秒差で37年ぶり15回目の往路優勝を果たした。
三冠を狙う順大は2位。大村は55秒差の3位でゴール。連覇を目指す駒大は2分24秒差の4位。初出場の平成国大は往路5位と健闘した。
12位から10位に順位を押し上げた拓大・杉山祐太が、藤原を2秒抑え区間賞を獲得。シード権争いは9位日体大から11位早大までわずか20秒差の混戦で復路を迎えることになった。神大は12位、大東大は13位と往路で大きく躓いた。2年連続で区間賞を獲得している東海大・柴田真一はオープン参加となったが、区間14位相当のタイムに終わった。
9位の日体大から14位の國學院大と、14番目にゴールした東海大の計7校が復路一斉スタートとなった。
復路
6区
芦ノ湖のスタートで、競技役員が時計を読み間違えたため3位法大の号砲が鳴らず、予定より25秒遅れてスタートするハプニングが発生。このミスによって生じたロスタイムは法大の記録から差し引かれた(東京箱根間往復大学駅伝競走に関する内規 第15条第8項:特殊事情によって審判員に走行を制止された場合のロスタイムも原則として競技者の所要時間に含まれない。ロスタイムの計時は審判員が行う[2]。)が、復路全区間で見た目のタイムより25秒遅く走行することになり、3位を走行する大学として極めて異例な「見た目の走行順と記録上の順位の乖離」が生じた[3]。
トップと8秒差でスタートした順大・宮井将治は、前回6区区間賞の中大・永井順明にわずか1.75kmで追いつくと、上りに入った2.5kmでトップに立ちさらに下りで一気に加速。宮井は前回の永井の記録を6秒上回る58分29秒の区間新記録を樹立した。一方の永井は終盤の平地区間で巻き返して区間3位で走り切ったものの、順大と36秒の差をつけられた。
4位でスタートした駒大・松下龍治は大平台まで宮井と変わらないペースで駆け下り、13.5kmで法大を捉え3番手(小田原通過までにタイム上も3位となる)に浮上する。しかし大平台以降はペースが落ち、区間4位でまとめたものの順大との差は3分08秒まで広がった。
往路13位と大きく出遅れた大東大は、金子宣隆が宮井をさらに上回るペースで山を下り切り、宮井を8秒上回る58分21秒の区間新記録を樹立。8番手・総合9位に浮上した。日体大が9位と21秒差の総合10位に後退。9位大東大から13位神大まで5校が1分11秒の間にひしめく混戦のシード権争いとなる。
7区
先頭の順大・坂井隆則は最後まで安定したペースを刻み続け、区間3位の好走で平塚中継所を13年ぶりにトップでタスキリレー。2位の中大を大きく突き放し、2分12秒の差をつける。
3番手・総合4位の駒大・揖斐祐治は10kmを過ぎてペースを上げ、前回大会の自身の記録にあと5秒と迫る7区歴代4位の好タイムを叩き出し、2年連続の区間賞を獲得。2分47秒差でタスキリレーし、タイム上でも法大をかわし3位に浮上する。
シード権争いでは平成国大が5位から8位に後退。6区を終わって総合13位に沈んでいた神大は、1年生の吉村尚悟が揖斐と3秒差の区間2位と快走し、9位大東大と13秒差の総合10位まで順位を上げる。
8区
大学駅伝三冠が大きく近づいたと思われた順大であったが、榊枝広光のペースがなかなか上がらない。一方で3位の駒大はエントリーメンバー中唯一の4年生・武井拓麻が激走。15km手前で中大・花田俊輔を捉えると、16.7kmで突き放し2位でタスキリレー。武井が8区歴代3位の好タイムで区間賞を獲得した一方、榊枝は区間10位と振るわず、駒大との差がわずか28秒まで縮まった。中大・花田も区間4位でまとめ、トップと42秒差に詰め寄る。
7区で8位まで順位を下げていた平成国大は、主将・伊東永雄のピッチが中盤以降全く上がらず、見た目で9番手から14番手に転落し総合順位も12位に後退。大東大も田子康晴が区間12位と振るわず、5番手・総合9位から8番手・総合10位に後退する。一方で前回5区区間最下位に沈んだ神大・林健太郎が区間2位と快走し10番手・総合10位から7番手・総合8位に浮上。拓大も前回8区区間最下位の重松修平が区間6位と奮起し、12番手・総合11位から11番手・総合9位に浮上する。シード権争いは9位拓大から11位日体大までわずか30秒、13位の早大まで広げても1分45秒の間に5校がひしめく混戦状態で終盤を迎える。
9区
順大のエースで前々回9区で区間賞を獲得している主将・高橋謙介と、前回10区で区間賞・区間新記録を樹立している駒大・高橋正仁との対決となった。
高橋謙介は区間記録を見据えたペースを刻むが、高橋正仁はそれ以上のオーバーペースで突っ込み、28秒あった差が徐々に縮まり7.1kmで高橋正仁が高橋謙介に追いつく。その後は高橋謙介が何度か揺さぶりをかけるも引き離すことはできず、14kmに渡る併走の末21.8kmで高橋正仁がスパート。高橋謙介は懸命に食らいつくも22.2kmでついに引き離され、駒大が順大に17秒差をつけ9区で初めて先頭に立った。高橋正仁は2年連続の区間賞獲得。
3位中大は横浜駅前までトップと1分以内の差で粘っていたが、終盤にペースを落とし鶴見中継所では2分21秒の差が開き、この時点で優勝争いは2校に絞られた。4位法大は土井洋志が区間2位と好走し、中大とのタイム差を18秒まで縮める。
シード権争いは、8番手・総合10位でタスキを受けた大東大・山脇拓哉が区間6位にまとめ再び総合9位に浮上。34秒差で10位日体大、1分26秒差で11位拓大、1分40秒差で12位早大となった。見た目の順番では大東大が7番手でタスキを渡し、7位日大・8位帝京大・オープン参加の東海大・10位日体大・11位拓大・12位早大と続く。國學院大は繰り上げスタートまで残り21秒というところで無事にタスキを繋いだ。
10区
3年連続でアンカーを任された順大・宮崎展仁がトップの駒大・高橋桂逸を3.3kmで捉えると、6.1kmで宮崎が再逆転。高橋はついていくことができず、順大が2年ぶり10回目の総合優勝を飾り、10年ぶり史上2校目の大学駅伝三冠を達成した。駒大は2分55秒差の2位に終わり、初の連覇はならなかった。中大は5分12秒差の3位。法大は復路でも健闘し、第32回大会以来45年ぶりの総合4位と躍進を見せた。
往路12位の神大は7区以降の各ランナーが区間上位の好走を見せ、復路3位の成績で総合5位。往路13位の大東大は、6区の金子に続き10区の真名子圭も区間賞・区間新記録を樹立するなど復路2位の成績で総合6位となり、2年ぶりのシード権を獲得した。
一方、9区終了時点で5位につけシード権安泰と思われた山梨学大は、長谷亮が16.5km過ぎから脱水症状を起こし蛇行を繰り返しながら急失速。その後方では鶴見中継所を13番手・総合12位でスタートした早大の鈴木陽介が猛追。真名子と3秒差の区間2位・区間新記録の好走で拓大・東海大・日体大・日大を抜き、さらにゴール直前でフラフラになった長谷を一気にかわし8番目にゴールした。15秒後に長谷がゴール、さらに15秒遅れて日大がゴールした。時差スタートの山梨学大に対し、早大は復路一斉スタート、日大は時差スタートながら蒲田の踏切で足止めされたロスタイムがあり、見た目の順番では分からない状態でのシード権争いであった。最終的に日大が8位、1秒差で山梨学大が9位に踏みとどまりシード権を獲得。早大は30秒及ばずシード権を逃した。
平成国大はトップと20分20秒、國學院大はトップと31分50秒の大差がついたが、ともにゴールまで1本のタスキを繋ぎきって初の箱根路を終えた。
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成績
要約
視点
総合成績
東海大学が途中棄権した。
往路成績
- '注1')メンバーの名前の()内の数字は学年。
復路成績
- '注1')メンバーの名前の()内の数字は学年。
区間賞
2区平成国際大学のジョン・カーニーは大学史上初めての区間賞獲得。
区間記録
- 太字は区間1位。色つきは区間新記録。
各区間順位
1区
2区
3区
4区
5区
6区
7区
8区
9区
10区
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予選会
成績
個人順位(上位10名)
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脚注
外部リンク
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