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福島交通飯坂線
福島交通の鉄道路線 ウィキペディアから
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飯坂線(いいざかせん)は、福島県福島市の福島駅から飯坂温泉駅に至る、福島交通の鉄道路線である。 「飯坂電車」「いい電」の愛称がある。福島市北郊の温泉地である飯坂温泉への足であるとともに、通勤・通学路線となっている。
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路線データ
運行形態
日中は全線の所要時間23分に折り返し時間を2分を加えた25分を運転間隔としている。平日朝夕ラッシュ時は15分間隔で運行されているが、早朝・夜間は運転間隔が広がる。福島駅 - 飯坂温泉駅間の直通列車のほか、桜水車庫が併設されている桜水駅発着の区間列車が運行されており、基本的には全ての列車が桜水車庫に入庫する。
平日の朝から昼前にかけてと夕方から夜にかけての一部の列車は3両編成で運転されている。福島駅で乗り場を共有する阿武隈急行線や多くの地方私鉄とは異なり、ワンマン運転は実施しておらず、全列車に車掌が乗務する。
車掌はドア扱い、戸閉め前の笛の吹鳴、到着・発車時のホーム監視などの一般的な業務に留まらず、車内での乗車券(車内補充券)発売と無人駅や昼の時間帯に駅員がいない駅での乗車券の回収(集札)、さらに無札の旅客に対し降車時に精算などを行う。加えて深夜の桜水駅においては乗務終了後そのまま列車入替の補助を行っている。ドア扱いは運転士もしくは車掌のどちらかがその場の状況に応じて行う。場合によっては運転士が乗車券回収を行うこともある。

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利用状況
輸送実績
飯坂線の近年の輸送実績を下表に記す。輸送量は減少している。 表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。
収入実績
飯坂線の近年の収入実績を下表に記す。収入は一時増加したが、最近では減少している。 表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。
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車両
要約
視点
現在の車両
- 1000系(元東急1000系)
1000系 昇圧前の復刻塗装車(2024年) - 2両編成×4本(Mc-Tc、冷房:有)
- 3両編成×2本(Mc-M-Tc、冷房:有)
- 後述の7000系の置き換えのため、東京急行電鉄(現:東急電鉄)から1000系電車を譲り受け、2016年10月と2017年12月の2回に渡って2編成5両(2両編成1本と3両編成1本)ずつ、2018年11月に2編成4両(2両編成2本)の計14両が導入され、2017年4月1日に営業運転を開始した[2][3]。種車は7000系同様に全て中間電動車のデハ1300・デハ1250・デハ1400形で、デハ1400形はそのまま中間電動車デハ1300形[4]に、デハ1300形は前面非貫通形で先頭車化改造されてデハ1100形となっており、デハ1250形は先頭車化改造に加え電装解除されて制御車のクハ1200形となった。
- 車内には液晶車内装置と車椅子スペースが設置されてバリアフリーに対応しており、車内放送は2か国語対応としている[5]。2両編成には側面の窓ガラスに、福島市の四季をイメージしたイラストと福島市のマスコットキャラクター「ももりん」のステッカーなどが貼られている[6]。
- 2018年11月20日の深夜から早朝に行われた3次車の2両編成2本の搬入を以て、1000系全編成の搬入が完了した[7]。また1000系の導入完了により、飯坂線の定期運用車両は全車が冷房車となった。
- 2024年4月13日に飯坂線が開業100周年を迎えることから、記念企画の一環としてデハ1107+クハ1208編成に、1945年から1991年の昇圧まで同線の車両に採用されていた[8]、上下が赤で窓周りがクリーム色の復刻塗装が施された[9] [10]。
過去の車両

(1989年5月3日)
過去の在籍車両のうち1991年の昇圧に伴う7000系の導入までは、元東急5000系のデハ5000形デハ5020 - デハ5023(昇圧時に廃車)以外は全て吊り掛け駆動車だった。集電装置は、飯坂東線と同様に当初トロリーポールを使用し、戦後にパンタグラフに交換された。
また車両番号の末尾は、形式に関わらず導入順に通し番号で付与されていた(そのため、各形式内の欠番が多かった)。なお「デハ5000形」を名乗る車両は1963年製の自社発注車と1980年に購入した元東急5000系の2種類が存在し、両車が同時に在籍していたこともあったが、本項では便宜上前者を(初代)、後者を(2代)として記述する。
- 1 - 5 → 21 - 25
- モハ101 - モハ111
- 戦前製の木造ボギー車。このうちモハ101 - モハ103は、飯坂東線から転属してきた木造ボギー車の車体と台枠を載せ替えたもので、モハ106・モハ107は前述の21・22を車体延長改造の上でボギー車化したものである。モハ106・モハ107の2両を除いて戦時中から順次鋼体化改造を受け、後述のモハ1200形となった。
- モハ1200形 モハ1201 - モハ1211(モハ1206・モハ1207は欠番)
モハ1200形2両と、その中間に挟まれたサハ3000形
(桜水車庫、1989年)- 戦前製のモハ101 - モハ111を鋼体化した車両で9両が製造され、日本車輌製造のほかに宇都宮車両(旧日本車輌蕨工場)の銘板もあった。全て前面非貫通の両運転台で客用扉は片側2扉だが、車両によって側面の窓の個数と幅が異なる。時には貨車の牽引にも使用された。前照灯は前面窓上に1灯を備えるが、後年に左右に1灯ずつ追加して3灯化された車両や、そこから中央の1灯を撤去して2灯化された車両もあった。
- 内訳は、モハ1201 - モハ1203は1955年日本車輌製、扉間は広窓9枚(窓配置は1D9D1)15m級車で、前面が緩くカーブしており、1942年日車製の木造車モハ101 - モハ103の鋼体化改造車。
- モハ1204・モハ1205は1948年手塚製作所製の扉間は狭窓10枚(窓配置はD10D)12m級車で、モハ1201 - モハ1203より前面の丸みが強く、モハ104・モハ105の鋼体化改造車。
- モハ1208は1950年日本車輌東京支店製の扉間は狭窓13枚(窓配置は1D13D1)15m級車でモハ108の鋼体化改造車、モハ1209・モハ1210は1952年宇都宮車両製の扉間は狭窓13枚(窓配置は1D13D1)15m級車でモハ109・モハ110の鋼体化改造車、モハ1211は1952年日本車輌製の扉間は狭窓13枚(窓配置は1D13D1)15m級車でモハ111の鋼体化改造車である。モハ1201 - モハ1205に比べて前面は平たく角張ったスタイルで、主電動機はモハ1201が45kW×4、モハ1202・モハ1203が63.75kW×4で、後の6両は63.75kW×2だった。
- 1991年6月の昇圧時まで残り、同年11月19日付で廃車されたのはモハ1202・モハ1203・モハ1209 - モハ1211の5両である[13]。
- デハ3300形 デハ3304 - デハ3306(元東急3300系)
- デハ5000形(初代) デハ5012・デハ5013
- →詳細は「福島交通デハ5000形電車 (初代) § デハ5000形」を参照
- 1963年日本車輌製。ノーシル・ノーヘッダーに張り上げ屋根の近代的なスタイルで、車体長15.6m、側面客用扉は2か所で台車はウィングバネ式の日車NA-13、主電動機出力は75kW。飯坂東線も含めて、福島交通唯一の連接車だった。
- モハ5100形・クハ5200形 モハ5114・クハ5215
モハ5100形
(福島駅、1982年12月) - サハ3000形 サハ3016・サハ3017
- モハ5300形 モハ5318・モハ5319
- デハ5000形(2代) デハ5020 - デハ5023(元東急5000系)
デハ5000形(2代)
(飯坂温泉駅、1982年12月) - 7000系(元東急7000系)
7000系 7000系 花ももラッピング電車 - 1991年の架線電圧1500Vへの昇圧時に、Mc-Mcの2両編成5本とMc-T-Mcの3両編成2本の計16両が導入された[17]。
- 種車は全て中間電動車デハ7100形で、制御電動車のデハ7100形[18]とデハ7200形、付随車のサハ7300形の3形式に分かれており、デハ7100形とデハ7200形は前面非貫通形で先頭車化改造されている。
- 3両編成は基本的に平日朝のみの運転で、それ以外の時間帯と土休日は全て2両編成で運転された。また2両編成のうちの3本のみ床置式冷房装置が設置された、飯坂東線も含めて福島交通初の冷房車で、形式もデハ017100形+デハ017200形として区分された。
- 源義経の家臣だった佐藤継信・佐藤忠信兄弟ゆかりの地をPRするため、2005年2月27日から同年12月末まで、車体に義経にちなんだシールを貼った「義経号」が運行された。2006年以降も規模は縮小されたが、シールを貼って運行されていた。2013年6月ごろから飯坂ホテル聚楽の日帰り温浴施設「いいざか花ももの湯」入館券つきの一日乗車券「花ももフリーきっぷ」のPRのため、3編成が帯の色を青からピンク色に変更し、「花ももラッピング電車」として運行された[19]。なお、最後まで青帯で残っていた3両編成が2018年1月に運行を終了したことにより、一旦青帯の編成は消滅した[17]。
- 2018年11月8日から10日まで、デハ7105+デハ7206編成のラストランが、福島駅 - 飯坂温泉駅間で行われた。「おつかれさま7105&7206」の特製ヘッドマークを掲げて走行し、11日には桜水車庫で「さよなら撮影会」が開催された[20]。残るデハ7101+デハ7202編成は2019年3月31日限りで定期営業運転を終了しており[21][22]、以後はしばらく鉄道イベントや貸し切り列車などで運用された後、車内を一部改装の上2022年4月に曽根田駅構内に設置され、休憩所「お休み処ナナセン」(乗客及び、入場券で利用可能)として活用されている[22][23][24]。
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歴史
要約
視点
飯坂線は、福島飯坂電気軌道によって開業した。後に湯野や梁川などへの路線を持っていた福島交通の前身である福島電気鉄道に合併され、同社の路線となった。「福島交通飯坂東線」も参照のこと。
- 1920年(大正9年)8月12日:飯坂軌道に対し軌道特許状下付(福島市栄町-信夫郡中野村間、軌間762mm、動力蒸気)[25]。
- 1921年(大正10年)
- 1922年(大正11年)3月15日:軌間1067mm、動力電気へ変更許可[26]。
- 1924年(大正13年)
- 1925年(大正14年)2月10日:前谷地停留場を笹谷停留場に改称。
- 1926年(大正15年)
- 1927年(昭和2年):仏坂下停留場を小川橋停留場に改称。
- 1927年-1929年頃:前谷地 - 平野間に佐場野古屋停留場、平野 - 医王寺前間に石堂停留場開業。
- 1935年(昭和10年)以降:道下停留場・小川橋停留場廃止。
- 1940年(昭和15年)3月4日:清水役場前 - 成出間に泉停留場開業。
- 1942年(昭和17年)
- 1943年(昭和18年)7月17日:曽根田停留場を電鉄福島停留場に改称。
- 1944年(昭和19年)12月29日:清水役場前停留場を岩代清水停留場に改称。
- 1945年(昭和20年)3月1日:全線を軌道法による軌道から地方鉄道法による鉄道に変更。停留場を駅に変更。
- 1951年(昭和26年)3月30日:前谷地駅廃止。
- 1962年(昭和37年)
- 1964年(昭和39年)1月10日:泉 - 笹谷間に上松川駅開業。
- 1975年(昭和50年)8月20日:笹谷 - 平野間に桜水駅開業、同時に車庫を曽根田駅から移転。実質1951年に廃止された前谷地駅の復活開業。
- 1981年(昭和56年)6月19日:貨物営業廃止[30]。
- 1982年(昭和57年)12月21日:飯坂温泉駅が移転し0.1km短縮。
- 1989年(平成元年)8月6日:泉 - 上松川間が台風13号による橋梁及び橋脚流失のため不通に。
- 1990年(平成2年)3月1日:不通となっていた泉 - 上松川間が復旧。
- 1991年(平成3年)
- 2001年(平成13年)4月8日:福島駅で列車のブレーキが効かずに駅ビルに激突する事故が発生、2両が廃車(福島駅駅ビル衝突事故を参照)[32]。
- 2002年(平成14年)10月1日:前年4月の事故および京福電鉄での列車衝突事故を受けATSを導入、この日より使用開始。
- 2004年(平成16年)
- 2007年(平成19年)4月:車内放送装置を8トラテープ方式から音声合成装置へと変更、使用開始。
- 2011年(平成23年)
- 3月11日:東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)で震度6弱を観測し停電に見舞われたため、直後に全線で運転を見合わせる。泉・平野両駅に停車中の列車は運行不能に。
- 3月13日:13時頃、福島 - 飯坂温泉間で運転を再開し、全線復旧。JR東北本線と共用している福島 - 美術館図書館前間の踏切が復旧されず、同年4月1日まで各踏切に踏切防護要員を配置。
- 2015年(平成27年)4月1日:IC乗車カード「NORUCA」が利用可能になる[33][34]。
- 2017年(平成29年)4月1日:1000系電車営業運転開始[3]。
- 2024年(令和6年)9月11日:クレジットカードなどのタッチ決済が利用可能となる[35]。
- 2025年(令和7年)2月5日:全駅の自動券売機でQRコード決済、Suicaなどの交通系ICカードなどが利用可能となる[36]。
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駅一覧
駅の営業形態
泉駅と花水坂駅の2駅が全日無人駅、福島駅、桜水駅、飯坂温泉駅は全日有人駅である。その他の駅は平日の一部時間帯のみ駅員が配置されている。駅員がいない駅での切符の回収は、乗務員(主に車掌)によって行われている。
全ての駅の出入口には乗車券自動券売機と福島交通発行のバス・鉄道共通ICカード「NORUCA」、クレジットカードなどのタッチ決済に対応した簡易改札機が完備されている。
桜水車庫は、1975年(昭和50年)の桜水駅の新設と同時に曽根田駅から移転する形で開設されたもので、また福島 - 森合間が専用軌道化されるまでは、線路がつながっていた飯坂東線の長岡車庫を間借りする形だった。
過去の接続路線
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運賃
大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2025年5月17日改定[37]。
全線でICカードNORUCAが利用可能である。2024年9月11日からクレジットカードなどのタッチ決済でも利用可能となった。2025年2月5日より、全駅の自動券売機でQRコード決済、交通系ICカード(Kitaca・Suica・PASMO・TOICA・manaca・ICOCA・SUGOCA・nimoca・はやかけん)、電子マネー(WAON・nanaco)での決済が可能となっている。ただし、交通系ICカードは交通利用扱いではなく、電子マネー扱いとなるため、PiTaPaは利用できない[36][38]。
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脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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