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2009年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ
メジャーリーグベースボールの第40回アメリカンリーグ優勝決定シリーズ ウィキペディアから
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2009年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは10月7日に開幕した。アメリカンリーグの第40回リーグチャンピオンシップシリーズ(英語: 40th American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、16日から25日にかけて計6試合が開催された。その結果、ニューヨーク・ヤンキース(東地区)がロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム(西地区)を4勝2敗で下し、6年ぶり40回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。
MLB全体でレギュラーシーズン勝率最上位の2球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのは、2007年のアメリカンリーグ優勝決定戦以来2年ぶり[2]。また、この両球団がポストシーズンで対戦するのは、2005年の地区シリーズ以来4年ぶり3度目である。今シリーズは第2戦・第3戦が2試合連続の延長戦サヨナラ決着となった。特に第2戦では、エンゼルス二塁手マイサー・イズトゥリスの悪送球によりヤンキースがサヨナラ勝利を収めた。ポストシーズンでのサヨナラ失策は13年ぶり史上6度目のできごとである[3]。この年のエンゼルスは、レギュラーシーズン162試合では失策数を球団史上最少の85にとどめていたが、今シリーズでは6試合で8失策と守備が乱れた[4]。シリーズMVPには、中3日で第1戦と第4戦の2試合に先発登板していずれも8.0イニングを投げ、2勝0敗・防御率1.13という成績を残したヤンキースのCC・サバシアが選出された。このあとヤンキースは、ワールドシリーズでもナショナルリーグ王者フィラデルフィア・フィリーズを4勝2敗で下し、9年ぶり27度目の優勝を成し遂げた。
2007年よりワールドシリーズの開幕日が、全米テレビ中継の視聴率が高く見込める曜日の放送を増やすために、土曜日から水曜日に変更された。これに伴いポストシーズンの期間が延びたため、リーグ優勝決定戦では第4戦と第5戦の間に休養日が設けられた[5]。この方式は、今シーズン終了後に撤廃されるまで3年間続いた[6]。
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両チームの2009年
要約
視点
→「2009年のメジャーリーグベースボール」も参照
10月11日、まず先に行われた試合でエンゼルス(西地区優勝)が、そのあとの試合ではヤンキース(東地区優勝)が、それぞれ地区シリーズ突破を決めてリーグ優勝決定戦へ駒を進めた。
エンゼルスは2007年・2008年と地区2連覇中だが、いずれの年もポストシーズンではボストン・レッドソックスとの地区シリーズに敗れた。オフには一塁手のマーク・テシェイラや外野手のギャレット・アンダーソン、抑え投手のフランシスコ・ロドリゲスらがFAとなり移籍した。チームは新一塁手にはケンドリー・モラレスを抜擢し、外野と抑えにはそれぞれボビー・アブレイユとブライアン・フエンテスを獲得した[7]。2009年も前半戦終了時には49勝37敗で、テキサス・レンジャーズに1.5ゲーム差をつけて地区首位に立つ。ただ、開幕前には屈指の陣容とみられていた先発ローテーションで怪我による出遅れや不振の投手が相次いだうえ、救援投手のスコット・シールズも5月に怪我でシーズン終了と投手陣が不安定化する一方、打線が高打率で得点を重ねるなど、その戦いぶりは過去数年の特色を反転させたようなものだった[8]。後半戦も他球団との差を広げつつ、8月下旬にはウェイバーを介して先発投手のスコット・カズミアーを補強、9月以降の戦いにも備えた[9]。9月28日には2位レンジャーズと直接対決、アービン・サンタナの完封勝利で地区3連覇を決めた[10]。平均得点5.45はリーグ2位、防御率4.45はリーグ9位。モラレスがレギュラー1年目から好成績を残し新加入のアブレイユも高出塁率を記録、打席数400超の打者10人のうち打率.287以上は9人にのぼり、よくつながる打線が形成された[11]。地区シリーズではレッドソックスを3勝0敗で下した[12]。
ヤンキースは2008年は89勝73敗の地区3位に終わり、ポストシーズン連続出場が13年で途絶えた。さらにシーズン終了後、20勝投手のマイク・ムッシーナが現役引退でチームを去った[13]。これを受けてチームは積極補強に乗り出し、まずトレードで外野手のニック・スウィッシャーを獲得する。続いてFAでは、先発ローテーションにCC・サバシアとA.J.バーネットを、一塁にテシェイラを加えた。FA3選手の契約総額は4億ドルを超えており、MLB未導入のサラリーキャップ制度について他球団オーナーが必要性を口にするほどの大型補強だった[14]。2009年はレッドソックスとの地区首位争いを展開する。前半戦は直接対決に8戦全敗と苦しみ[15]、51勝37敗でレッドソックスから3.0ゲーム差の2位につけた。ただ後半戦は、始まってすぐ5連勝で単独首位へ浮上し[16]、レッドソックスとの直接対決も前半戦とは対照的に10戦9勝と圧倒した[15]。首位の座を明け渡すことなくシーズンを進め、9月22日にポストシーズン進出を確定させると[17]、その5日後にはレッドソックスとの3連戦に3連勝して3年ぶりの地区優勝、およびリーグ最高勝率も勝ち取った[18]。平均得点5.65はリーグ最高、防御率4.26はリーグ4位。新加入の4選手は陽気な性格やプロ意識の高さで好影響を及ぼし、テシェイラはデレク・ジーターとともにMVP候補に、サバシアはサイ・ヤング賞候補に、それぞれ名前が挙がるほどの活躍を見せた[15]。地区シリーズではミネソタ・ツインズを3勝0敗で下した[19]。
リーグ優勝決定戦の第1・2・6・7戦を本拠地で開催できる "ホームフィールド・アドバンテージ" は、地区優勝球団どうしが対戦する場合はレギュラーシーズンの勝率がより高いほうの球団に、地区優勝球団とワイルドカード球団が対戦する場合は地区優勝球団に与えられる。したがって今シリーズでは、ヤンキースがアドバンテージを得る。この年のレギュラーシーズンでは両球団は10試合対戦し、5勝5敗の五分だった[20]。
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ロースター
要約
視点
両チームの出場選手登録(ロースター)は以下の通り。
- 名前の横の★はこの年のオールスターゲームに選出された選手を、#はレギュラーシーズン開幕後に入団した選手を示す。
- 年齢は今シリーズ開幕時点でのもの。
地区シリーズのロースターからは、エンゼルスは変更はない[21]。これに対しヤンキースは外野手を入れ替え、エリック・ヒンスキーに代えてフレディ・グーズマンを加えた。ヤンキース外野陣とエンゼルス先発投手陣の対戦成績をみると、メルキー・カブレラはジェレッド・ウィーバーを、ニック・スウィッシャーはジョン・ラッキーやスコット・カズミアーを、それぞれ苦手にしている。彼らに代わってブレット・ガードナーが先発起用される可能性があり、その場合の代走要員としてグーズマンが抜擢された[22]。ヒンスキーは地区シリーズでは出番がなかった。
エンゼルス外野手のボビー・アブレイユは2006年シーズン途中から2008年シーズン終了までの2季半ヤンキースに、ヤンキース内野手のマーク・テシェイラは2008年シーズン途中から終了までの半季エンゼルスに、それぞれ在籍していた。彼らはお互い、今シリーズでは1年前に在籍していた古巣と対戦することとなった[23]。
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試合結果
要約
視点
2009年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月16日に開幕し、途中に移動日と休養日、雨天順延を挟んで10日間で6試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
第1戦 10月16日
第2戦 10月17日
- 勝利:デビッド・ロバートソン(1勝)
- 敗戦:アービン・サンタナ(1敗)
- 本塁打
NYY:デレク・ジーター1号ソロ、アレックス・ロドリゲス1号ソロ - 審判
[球審]ラス・ディアス
[塁審]一塁: ビル・ミラー、二塁: ジェリー・レイン、三塁: フィールディン・カルブレス
[外審]左翼: デイル・スコット、右翼: ティム・マクレランド - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後7時57分 試合時間: 5時間10分 観客: 4万9922人 気温: 47°F(8.3°C)
詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
第3戦 10月19日
- 勝利:アービン・サンタナ(1勝1敗)
- 敗戦:アルフレド・アセベス(1敗)
- 本塁打
NYY:デレク・ジーター2号ソロ、アレックス・ロドリゲス2号ソロ、ジョニー・デイモン1号ソロ、ホルヘ・ポサダ1号ソロ
LAA:ハウィー・ケンドリック1号ソロ、ブラディミール・ゲレーロ1号2ラン - 審判
[球審]ビル・ミラー
[塁審]一塁: ジェリー・レイン、二塁: フィールディン・カルブレス、三塁: デイル・スコット
[外審]左翼: ティム・マクレランド、右翼: ラス・ディアス - 試合開始時刻: 太平洋夏時間(UTC-7)午後1時14分 試合時間: 4時間21分 観客: 4万4911人 気温: 73°F(22.8°C)
詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
第4戦 10月20日
- 勝利:CC・サバシア(2勝)
- 敗戦:スコット・カズミアー(1敗)
- 本塁打
NYY:アレックス・ロドリゲス3号2ラン、ジョニー・デイモン2号2ラン
LAA:ケンドリー・モラレス1号ソロ - 審判
[球審]ジェリー・レイン
[塁審]一塁: フィールディン・カルブレス、二塁: デイル・スコット、三塁: ティム・マクレランド
[外審]左翼: ラス・ディアス、右翼: ビル・ミラー - 試合開始時刻: 太平洋夏時間(UTC-7)午後4時59分 試合時間: 3時間38分 観客: 4万5160人 気温: 73°F(22.8°C)
詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
第5戦 10月22日
- 勝利:ケビン・ジェプセン(1勝)
- セーブ:ブライアン・フエンテス(1S)
- 敗戦:フィル・ヒューズ(1敗)
- 審判
[球審]フィールディン・カルブレス
[塁審]一塁: デイル・スコット、二塁: ティム・マクレランド、三塁: ラス・ディアス
[外審]左翼: ビル・ミラー、右翼: ジェリー・レイン - 試合開始時刻: 太平洋夏時間(UTC-7)午後4時57分 試合時間: 3時間34分 観客: 4万5113人 気温: 78°F(25.6°C)
詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
第6戦 10月25日
- 勝利:アンディ・ペティット(1勝)
- セーブ:マリアノ・リベラ(2S)
- 敗戦:ジョー・ソーンダース(1敗)
- 審判
[球審]デイル・スコット
[塁審]一塁: ティム・マクレランド、二塁: ラス・ディアス、三塁: ビル・ミラー
[外審]左翼: ジェリー・レイン、右翼: フィールディン・カルブレス - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時21分 試合時間: 3時間40分 観客: 5万173人 気温: 58°F(14.4°C)
詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / Fangraphs
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脚注
外部リンク
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