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SUNNY 強い気持ち・強い愛
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『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(サニー つよいきもち つよいあい)は、2018年8月31日に東宝系にて全国公開された日本の青春音楽映画[2][3][4][5][6]。監督・脚本は大根仁。主演・篠原涼子は[2][7]本作と『人魚の眠る家』を合わせて初めて映画主演賞(第43回報知映画賞)を獲得した[8]。
2011年に公開され日本でも一部で熱狂的を呼んだ[9]韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』の日本でのリメイク[5][7][9]。
オリジナルの韓国版では1980年代後半だった舞台を日本版では1990年代中盤から後半に置き、韓国版にあった民主化宣言などは[2][5]、日本では馴染みが薄いことから省き[5]、女子高生ブームのコギャル文化(ルーズソックスやアムラーファッション)など日本版としてのアレンジを加え[2][10]、彼女たちの過去と現在を対比させて描いた[9][11]。
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あらすじ
日本がコギャルブームに沸いた1990年代、仲良しだった女子高生6人グループ「SUNNY」。それから20年以上経ち大人になった彼女たちは、それぞれに問題を抱えながらも日々を送っていた。その中の一人、今は普通の主婦となった奈美は同じメンバーの芹香が末期がんに冒され、余命1か月を宣告されていることを知る。ある事件をきっかけに疎遠になってしまった彼女たちだったが、芹香のもう一度SUNNYのメンバーに会いたいという願いをかなえるため、奈美はメンバーたちを捜し始める[3][6][7]。
キャスト
- 阿部奈美:篠原涼子
- 奈美(女子高生時代):広瀬すず
- 伊藤芹香:板谷由夏[注 1]
- 芹香(女子高生時代):山本舞香
- 宮崎裕子:小池栄子
- 裕子(女子高生時代):野田美桜
- 井口心:ともさかりえ
- 心(女子高生時代):田辺桃子
- 林梅:渡辺直美
- 梅(女子高生時代):富田望生
- 奈々(女子高生時代):池田エライザ
- 藤井渉/渉の息子:三浦春馬
- 藤井渉(現代):橋爪淳
- 私立探偵・中川:リリー・フランキー
- 鰤谷美礼:小野花梨
- 奈美の母:キムラ緑子
- 奈美の父:橋本じゅん
- 奈美の兄:坂口涼太郎
- 奈美の祖母:三田和代
- 奈美の夫:岡部たかし
- 奈美の娘・繭:松本穂香
- 梅の兄:矢本悠馬
- 奈々の継母:宮下今日子
- 裕子の夫:宮崎吐夢
- 梅の上司・新井:新井浩文
- クラスの担任:高田聖子
- 屋台のオヤジ:不破万作
スタッフ
- 原作:「Sunny(邦題:『サニー 永遠の仲間たち』)」CJ E&M CORPORATION
- 監督・脚本:大根仁
- 音楽:小室哲哉[12](オリジナルサウンドトラック:avex trax)
- 製作:市川南
- 共同製作 - 上田太地、鄭泰成、弓矢政法、宮崎伸夫、広田勝己、瀧藤雅朝、見城徹、出來由紀子、渡辺章仁、髙橋誠、舛田淳、長坂信人、田中祐介、藤田晋
- エグゼクティブプロデューサー:山内章弘
- 企画・プロデュース:川村元気
- プロデューサー:市山竜次、馬場千晃
- ラインプロデューサー:小泉朋
- 音楽プロデューサー:成川沙世子
- 撮影:阿藤正一、橋本桂二
- 美術:都築雄二
- 照明:高倉進
- 録音:渡辺真司
- 編集:大関泰幸
- キャスティング:おおずさわこ
- 助監督:二宮孝平
- 制作担当:田辺正樹
- スクリプター:井坂尚子
- VFXスーパーバイザー:菅原悦史
- 装飾:茂木豊
- スタイリスト:伊賀大介
- 衣装デザイン:下田梨来
- ヘアメイク:百瀬広美
- 小道具:安部千夏
- サウンドエフェクト:北田雅也
- 特機:奥田悟
- 振付:左 HIDALI
- 配給:東宝
- 製作プロダクション:東宝映画、オフィスクレッシェンド
- 製作:「SUNNY」製作委員会(東宝、CJ E&M CORPORATION、ジェイアール東日本企画、朝日新聞社、毎日新聞社、ジャパン・ミュージックエンターテインメント、幻冬舎、フォスター・プラス、ローソンエンタテインメント、KDDI、LINE、オフィスクレッシェンド、GYAO、サイバーエージェント[3])
劇中曲
- 安室奈美恵「Don't wanna cry」(1996年3月13日リリース)
- 安室奈美恵「SWEET 19 BLUES」(1996年8月21日リリース)
- 作詞・作曲・編曲:小室哲哉
- 小沢健二「強い気持ち・強い愛 Metropolitan Love Affair」(1995年2月28日リリース)
- 久保田利伸 with NAOMI CAMPBELL「LA・LA・LA LOVE SONG」(1996年5月13日リリース)
- 作詞・作曲:久保田利伸
- hitomi「CANDY GIRL」(1995年4月21日リリース)
- 作詞:hitomi、作曲:小室哲哉、編曲:小室哲哉&久保こーじ、Mixed by Pete Hammond, Steve Hammond
- JUDY AND MARY「そばかす」(1996年2月19日リリース)
- TRF「survival dAnce 〜no no cry more〜」(1994年5月25日リリース)
- 作詞・作曲・編曲:TETSUYA KOMURO,Mixed by Pete Hammond, Steve Hammond
- TRF「EZ DO DANCE」(1993年6月21日リリース)
- 作詞・作曲・編曲:小室哲哉、Mixed by Pete Hammond, Steve Hammond
- CHARA「やさしい気持ち」(1997年4月23日リリース)
- 作詞・作曲:CHARA、編曲:渡辺善太郎
- PUFFY「これが私の生きる道」(1996年10月7日リリース)
- 作詞・作曲:奥田民生
- 森田童子「ぼくたちの失敗」(1993年1月25日リリース)
- 作詞・作曲:森田童子、編曲:石川鷹彦
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製作
要約
視点
企画
着想は2000年のアメリカのコメディ映画『あの頃ペニー・レインと』[5]。キャメロン・クロウ監督作品が好きな川村元気プロデューサーが[5]、大根仁監督と話すうち、『サニー 永遠の仲間たち』を90年代の日本でやったら面白いという発想が生まれた[5]。音楽は90年代を代表するJ-POPと言えば小室サウンドだろうと小室サウンドを中心にピックアップした[5]。川村プロデューサーはJ-POPはそこまで詳しくなく、当時はニルヴァーナやオアシス、ブラーなどの洋楽を聴いていたという[5]。小沢健二の「強い気持ち・強い愛 Metropolitan Love Affair」は大根監督のチョイスで、強い押しがあった[5]。サブタイトルは同曲から引用された[5]。一番いい場面で使用されている。PUFFY「これが私の生きる道」と安室奈美恵「SWEET 19 BLUES」の選曲は、コギャルのメイクやファッションに見られる女が男の目を気にしなくていい唯一成立していた時期との考えから[5]。「90年代の映画界はメチャクチャで相米作品もあれば、『REX 恐竜物語』や『水の旅人 侍KIDS』、奥山和由シリーズもあれば『もののけ姫』や『踊る大捜査線』もある、そういうカオスな現象があった時代を映画でやってみたかった」と川村プロデューサーは述べている[5]。
大根監督はリメークにあたり「社会背景が異なるので、そのまま置き換えることはできない」と悩んだが、10年ずらせばコギャルの時代で、コギャル文化は独特のもので、日本における何かの転換点だったのではないかと考え、舞台をコギャル文化の最盛期である平成7年(1995年)から9年(1997年)ごろに変えた[2][13]。コギャルの教祖的な存在だった歌手、安室奈美恵が歌い続けているのを見て、大人になったコギャルを描く発想を得た[2]。映画を企画したのは安室の2017年9月20日の芸能界引退発表よりずっと前だったという[2]。
キャスティング
撮影
高校生パートが先に撮影された[4]。このため阿部奈美の高校時代を演じる広瀬すずに合わせて大人パートの篠原涼子は演技をした[4]。
エンドロールの「ロケ協力」として学校は、 鎌倉女子大学中等部・高等部、千葉県立船橋芝山高等学校二校のみ表示されるため、東宝スタジオを除けば、学校のシーンはそのどちらかで撮影されたものと見られる[11]。伊藤芹香(板谷由夏)が入院中という設定のため、病室、院内のシーンが多いが、エンドロールで表示される病院は、松戸リハビリテーション病院一つだけのため、同院での撮影と見られる。高校時代のSUNNYのメンバーが水着になるのは東京サマーランド、商店街やゲームセンターは横浜伊勢佐木町と見られる。
阿部奈美(篠原涼子)が冒頭で母校を訪ね、通学中の女子高生の波に押されて倒れ、起き上がったところでルーズソックスが闊歩する1990年代にタイムスリップするため、ループものかと思わせるが、後は単に1990年代の思い出と2018年現在の描写が入れ替わるだけでループものではない。前半に「今度一緒にパンツ売りに行かない?」などの際どい台詞がある。
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音楽
音楽を担当した小室哲哉は、2018年1月に引退宣言をしており[2][16]、2017年3月にオファーを受けた本作品が当時は最後の映画音楽だった[2][12](2020年初夏に復帰している)。
作品の評価
作品評
杉本穂高は『SUNNY 強い気持ち・強い愛』が描いた時代は、割と自身とドンピシャな世代と前置きし「ポケベル、ピッチ、ルーズソックス、アムラー、プリクラ、そして援助交際etc...当時のコギャルブームを彩るキーワードはたくさん出てくる、けど当時の男に関する単語は、当事者の僕ですらほとんど思い出せない。唯一、挙げられるとすれば『新世紀エヴァンゲリオン』(中略)女子高生は次々と世間の流行を作っていた。なので、あの時代の青春映画をやるなら女子を描くのは必然だと思える。この映画は、韓国映画のリメイクであり、オリジナル版も女性を描くものだから当然といえば当然なのだけど、それを抜きにしても、あの時代を描くなら女子だよなという深い納得、当時を知る者としては異様な説得力を感じた(中略)映画のディテールはかなりリアルだった。メイクもファッションも当時の女子高生は本当にあんな感じだった。当時を知らない若い女優によくぞあれだけやらせたものだと感心した。特に芹香の高校時代を演じた山本舞香がすごい。あういう奴、本当にクラスにいた。あんな風に、ちょっとダルそうな感じでバッグを持つ感じなんか、ものすごい既視感があって懐かしかった。けれどクラスの女子全員ギャルなんてことはなかった。まあ、あれは映画的な誇張だろう(中略)コギャルを描いた映画は、『SUNNY』のほかにも『バウンス ko GALS』(1997年、原田眞人監督)や『ラブ&ポップ』(1998年、庵野秀明監督)がある。20年前に作られたその2本の映画の監督はいずれも男性である。まあ、当時はしょうがないとしても、20年経ってもこの題材で男性が監督しているとは思わなかった(中略)『SUNNY』が描いたあの時代はなんだったんだろう。花火のような一瞬の輝きだったのだろうか。どうしてあの時代は続かなかったんだろう。僕の学生時代に直感した『これからは女の時代』はまだ訪れていない。あれだけエネルギーにあふれていた彼女たちを打ち負かしてしまうこの社会はなんなのだろう(中略)『SUNNY 強い気持ち・強い愛』は懐かしいだけじゃなく、この20年に失った何かが描かれていたような気がしている」などと論じている[17]。
受賞
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ミュージカル化
2011年に韓国で製作され、日本でも2018年にリメイクされた映画『SUNNY』の初のミュージカル化として[18]、2023年6月26日から7月5日まで東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)、7月9日から13日まで梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演[19]。SUNNYの6人が高校生だった1980年代と現在とを織り交ぜて描かれ、主人公たちの青春時代を象徴するナンバーが劇中で登場する[19]。
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脚注
外部リンク
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