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グランタ文字 (Unicodeのブロック)

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グランタ文字(グランタもじ、英語: Grantha)は、Unicodeブロックの一つ。

概要 範囲, 面 ...

解説

パッラヴァ朝時代(500年600年)から現在に至るまで、インド南部のタミル・ナードゥ州周辺地域において、サンスクリット語及びタミル語[1]を表記するために用いられてきたグランタ文字を収録している。主にサンスクリットで書かれた、バラモン教ヒンドゥー教などの聖典であるヴェーダの記述などの宗教用に用いられている。

字形はタミル文字と酷似しており、タミル文字同様にヴァッテルットゥ文字(円形文字)から派生した文字体系である。なお、「グランタ(Grantha)」という用語はサンスクリット語に由来し、語源的には「書物」あるいは「ヤシの葉の束」を意味する[1]

進化の異なる期間に基づいて、グランタ文字は古代グランタ文字(7世紀以前)、中期グランタ文字(7世紀~9世紀チョーラ朝時代)、過渡期グランタ文字(10世紀半ば~13世紀)、現代グランタ文字(13世紀末~現代、ヴィジャヤナガル朝時代以降)の4つの期間に分類され[1]、字形もそれぞれの時代ごとに異なっているが、Unicode上は同一の文字体系として統合されている。

グランタ文字はブラーフミー文字から派生した所謂ブラーフミー系文字(インド系文字)の一つであり、音素文字のうち子音字単独では暗黙の随伴母音/-a/を伴って発音され、別の母音にする際に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。子音が連続する場合は母音が無いことを表す制御文字ヴィラーマ)が用いられ、子音字同士の特殊な合字を形成する。グランタ文字では基本的に子音字を垂直方向に積み重ねたような合字を形成する傾向がある[1]

母音記号はものによっては文字の左側に付けられることがあるが、Unicodeにおいては子音字→母音記号の順に入力することとなっており、符号上の文字の置かれる順序と実際のレンダーにおける表示順とが入れ替わる場合がある。

ラテン文字などと同様に左から右への横書き(左横書き)であり、単語毎に分かち書きをする。

数字はタミル文字ブロックにあるものと同じものを使用する[2]

符号位置の順序はおおむねブラーフミー文字の順序に従っている。

Unicodeのバージョン7.0において初めて追加された。

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収録文字

要約
視点

ラテン文字転写」の列はブラーフミー系文字のラテン文字への翻字方式の一つであるISO 15919(及び一部はIAST)に従う。

さらに見る コード, 文字 ...
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小分類

要約
視点

このブロックの小分類は「各種記号」(Various signs)、「独立母音字」(Independent vowels)、「子音字」(Consonants)、「従属母音記号」(Dependent vowel signs)、「2要素からなる従属母音記号」(Two-part dependent vowel signs)、「ヴィラーマ」(Virama)、「記号」(Sign)、「アヌスヴァーラ」(Anusvaras)、「サーマ・ヴェーダ用の朗誦記号(スヴァーラ)」(Cantillation marks (svara) for the Samaveda)の9つとなっている[2]。本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。また、収録文字が1文字しかない小分類については小分類名が単数形で表現されているが、本記事では単数形か複数形かによる小分類名の表記ゆれについては別の小分類として扱わず、同一の小分類として扱うこととする。

各種記号(Various signs

この小分類にはグランタ文字のうち、母音字や子音字に結合する発音記号などの様々な記号が収録されている。

独立母音字(Independent vowels

この小分類にはグランタ文字のうち、頭子音のない母音の音節を表す際に用いられる独立した母音字が収録されている。

子音字(Consonants

この小分類にはグランタ文字のうち、基本的な子音字が収録されている。

従属母音記号(Dependent vowel signs

この小分類にはグランタ文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。

2要素からなる従属母音記号(Two-part dependent vowel signs

これらの母音記号には、子音の両側にグリフ部分があり、論理的な順序で子音に続くため、ほとんどの処理では 1 つの単位として扱われる。

ヴィラーマ(Virama

この小分類にはグランタ文字のうち、ヴィラーマ(殺母音記号)と呼ばれる、子音字の持つ暗黙の随伴母音/-a/を読まずに子音のみを発音することを表す記号が収録されている。

記号(Sign

この小分類にはグランタ文字のうち、さまざまな記号類が収録されている。

アヌスヴァーラ(Anusvaras

この小分類にはグランタ文字のうち、直後に音節が後続する子音字に付き、直後の子音と同じ調音点鼻音が挿入されることを表すアヌスヴァーラ記号の派生記号類が収録されている。

サーマ・ヴェーダ用の朗誦記号(スヴァーラ)(Cantillation marks (svara) for the Samaveda

この小分類にはグランタ文字のうち、バラモン教の聖典の一つであるサーマ・ヴェーダを朗誦する際に用いられる記号(スヴァーラ)が収録されている。

デーヴァーナーガリー文字拡張ブロックのU+A8E0-U+A8F1 の範囲でエンコードされた、サーマ・ヴェーダの同様の デーヴァナーガリーのスヴァーラ記号のセットを参照すること[2]

文字コード

グランタ文字(Grantha)[1]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
 0123456789ABCDEF
U+1130x 𑌀 𑌁 𑌂 𑌃 𑌅 𑌆 𑌇 𑌈 𑌉 𑌊 𑌋 𑌌 𑌏
U+1131x 𑌐 𑌓 𑌔 𑌕 𑌖 𑌗 𑌘 𑌙 𑌚 𑌛 𑌜 𑌝 𑌞 𑌟
U+1132x 𑌠 𑌡 𑌢 𑌣 𑌤 𑌥 𑌦 𑌧 𑌨 𑌪 𑌫 𑌬 𑌭 𑌮 𑌯
U+1133x 𑌰 𑌲 𑌳 𑌵 𑌶 𑌷 𑌸 𑌹 𑌻 𑌼 𑌽 𑌾 𑌿
U+1134x 𑍀 𑍁 𑍂 𑍃 𑍄 𑍇 𑍈 𑍋 𑍌 𑍍
U+1135x 𑍐 𑍗 𑍝 𑍞 𑍟
U+1136x 𑍠 𑍡 𑍢 𑍣 𑍦 𑍧 𑍨 𑍩 𑍪 𑍫 𑍬
U+1137x 𑍰 𑍱 𑍲 𑍳 𑍴
注釈
1.^バージョン17.0時点
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履歴

要約
視点

以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。

さらに見る バージョン, コードポイント ...
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出典

関連項目

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