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日本のドキュメンタリー番組 ウィキペディアから
『はじめてのおつかい』は、日本テレビ系列で1991年から不定期に放送されているバラエティ番組[1]。幼い子供が、親からお願いされた初めての「おつかい」に挑戦する様子をドキュメンタリータッチで描く[2]。2022年12月1日時点で合計75回放送され[1]、30年以上続く長寿番組となっている。
2000年以降はアジア、ヨーロッパ諸国に番組販売や現地版の製作が行われているほか、2022年3月からはNetflixで世界約190カ国向けにダイジェスト版『Old Enough!』(もう大きいもん)の配信が始まった[1]。
子供が生まれて初めて一人で、または兄弟姉妹や友達と「おつかい」に挑戦する奮闘ぶりを描く。
1976年に発表された同名の絵本が番組立ち上げのきっかけとなっている。元々は、1988年4月から1994年3月まで日本テレビ系列で放送されていた情報番組『追跡』の1コーナーであったが、同番組終了後に単発スペシャル番組として不定期に放送され始めた。
現在は年に2回、冬のスペシャル(1月第1月曜日または成人の日に放送[注 1])と夏のスペシャル(海の日に放送)が放送されている[注 2]。
おつかいに挑戦する子供は、基本的に一般視聴者から選定される。年齢は3歳~6歳(保育園児や幼稚園年少から年長)が多いが、稀に1歳や2歳の子が出演した事もある。基本的にメモは持たせず、保護者が口頭で子供に用件を伝えるのみであるため、子供がおつかいの品物を買い忘れたり、間違えたりしてしまう場合も多い。また、おつかいの中で様々に発生するトラブルなどを通して、子供の自立を応援するだけに留まらず、親子関係のあり方や育児・教育のあり方などを視聴者に改めて考える機会も提供する。
番組内では新作に加え、過去の名作とその子供たちの成長した現在の様子が報告される「あれから○○年…」シリーズも放送されている。長寿番組であるため、かつて「おつかい」に挑戦した子供が成長し、結婚して子供がいるということも多くなり、親子2代に渡って「おつかい」に挑戦するケースもある。
視聴率は毎回15% - 20%を獲得する人気番組である。これまでの世帯視聴率最高は26.1%(1996年1月、関東地区)[1]。
ナレーターは林家たい平、入絵加奈子ら複数人が担当。その中で、近石真介は番組の立ち上げから2022年に91歳で死去するまで約30年の長期にわたり担当した。没後初となる2023年1月7日の放送では、司会の森口博子による追悼の言葉と同時に「近石さんには、天国に旅立たれても番組で活躍していただきたいと思います」と、過去の映像などで引き続き近石のナレーションを使う意向が発表された[3]。
2022年3月31日から定額制動画配信サービスのNetflixに供給し、世界190カ国で配信を開始した[1][4][5][6]。英語でのタイトルは"Old Enough"((一人で買い物するのに)十分な年頃)となっている[5][7]。後述のように海外の放送局に番組フォーマットを販売した上で現地版を制作し、放送された国と地域もある[8]。
出演する子供や家族について、基本的に一般の視聴者を対象としているものの、公募などは一切行っていない。役所などから紹介を受けた保育所・幼稚園に案内書やアンケートを置かせてもらい、返事がもらえた保護者との打ち合わせやロケハンを重ねた上で、決定しているという[9]。
保護者との打ち合わせで、おつかいのプランやルートについて検討し、保護者とスタッフが共同で現場を下見して、道路の交通量や近隣の不審者調査など安全面をチェックしている。念には念を入れるため、この作業は時に数ヶ月かける場合もある。なお、子供の名前は番組中では下の名前だけ紹介されるが、一部の例外を除いて保護者の氏名は一切表記されない。
撮影時には同行スタッフに日本テレビ入構証の所持を義務付けたり、撮影する子供の親から取材承諾書を取り付けている。
余計な演出を一切加えない“ガチンコ”にこだわっているため、子供が家から一歩も出ずに終わってしまうこともあり、そのままお蔵入りになることも多い[10]。年間で約100人の子供のおつかいを撮影しているが、その中から実際に放送されるのは10分の1程度となっている[11]。
事故やトラブルを避け、子供に撮影であることがバレないようにするために様々な工夫がある。
近年は、スタジオにゲスト出演する有名人の子などがおつかいに行くケースがある。
Netflixでの配信に伴い、日本国外で評価される中、話題となったアメリカでは日本との法律と社会の安全性の違いを指摘したり、子供の自立アプローチは検討に値するという意見もある。また、視聴者の感動を呼んだイギリスでも、大人に守られるべき幼児をお使いに出す違和感など、様々な論争を巻き起こした[16][17]。アメリカ・CBSニュースは、この番組が制作される背景として日本の治安の良さと自立心を重視する子育て文化を指摘したうえで、アメリカでは「このリスキーな冒険には、ドキドキする人もいれば、恐怖を覚える人もいるだろう」とコメントした[1]。
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