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国際単位系における接頭辞のひとつ ウィキペディアから
キロ(kilo, 記号:k)は国際単位系 (SI) におけるSI接頭語の一つで、以下のように、基礎となる単位の103 (=1000) 倍の量であることを示す。記号は小文字・立体の「k」である。
1795年の当初のメートル法で定められた6つの接頭語の一つである。
キロは、ギリシア語で1000を意味する χίλιοι (khilioi) に由来する。
当時は、倍量の接頭語はギリシャ語から、分量の接頭語はラテン語から作成することとしていた。そこで、ギリシャ語の単語をフランス語風に変更して作られたのがキロ (kilo) である。
倍量のSI接頭語の記号のうちメガ(記号: M、106)以上の記号は大文字であるが、デカ (da)・ヘクト (h)・キロ (k) は小文字である。これは、倍量には大文字を使うという決まりができる前にすでにデカ・ヘクト・キロが定められ、また、小文字で定着していたためである。
しばしば"Kg" "KG"(キログラム)、"Km" "KM"(キロメートル)などと表記されることがあるが、これらは誤りで、正しくは"kg" "km"である[1]。大文字の「K」は、熱力学温度の単位であるケルビンの記号であるため、"Kg" "Km"と記述した場合は、「ケルビン グラム」「ケルビン メートル」と誤読される可能性がある。なお、大文字「K」を用いることに計量法上の罰則が伴うものではない。SI単位等普及推進委員会と通商産業省(現:経済産業省)計量行政室は次の問答を作成している[2][3]。
質問:接頭語のキロに大文字のKを使用することは可能か。
回答:SIのルールでは、大文字のKは温度の計量単位であるケルビン (K) を表す記号ですので、誤解を生む要因となります。したがって、正しく小文字のkを使用すべきです。特に、欧州やISOなどでは、記号も含めて整合性を求められますので、正しい記号を使用することをお薦めします。 なお、計量法は、計量単位記号については、標準となるべきものを定めていますので、大文字のKを用いることに罰則が伴うものではありません。
日本の一般道路の道路標識では、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」[4]により、"Km"(頭文字を大文字)と標示するよう定めていたが、 2008年(平成20年)8月1日以降、"km"(頭文字を小文字)と標示するように省令が改正された[5][6]。なお、高速道路での案内標識は、新設当初から"km"(頭文字を小文字)と標示している[7]。
日本において、単に「キロ」と言った場合には、キロメートル (km) またはキログラム (kg) 、ないしはキロメートル毎時 (km/h) を指すことが多い。技術者は金額や人口などの1,000についても「キロ」を用いることがある(例えば20,000円を「20キロ円」と呼び、¥20kと略記する。「単位:千円」として100,000円を100(=100千円)と表記されるのと似ている。)。2000年問題は「Y2K問題」(ワイツーケイもんだい、Y"は年=year、"K"はキロ=kilo)とも呼称された。
アメリカ軍およびアメリカ軍と共同作戦を行う国の軍では、klick(または、klik、click)をキロメートルの俗語として用いる。1960年代のベトナム戦争時代から使われ始めた[8][9]。
情報工学の分野において、SI接頭語「キロ」は、国際単位系 (SI) の定めに従い1000 (= 103) 倍を示す場合と、国際規格などで定められていない俗習[10]として1024 (= 210) 倍を示す場合[11][12][13]がある。
この曖昧さを回避するため、1024 (= 210) 倍を表す接頭語として、国際規格 (IEC 80000-13) にてSI接頭語と区別できる2進接頭辞「キビ」(kibi, 記号: Ki)が定められているが、キビバイト(kibibyte, 記号: KiB)やキビビット(kibibit, 記号: Kibit, Kib)などの単位は、あまり用いられていない[11][12][13]。
また、国際単位系 (SI) 第8版(2006年)にて、キロやその他のSI接頭語を決して2のべき乗を表すために用いてはならないと定めている[14]が、大手IT企業であるマイクロソフトなどが、未だ国際単位系 (SI) の定めに完全には従っておらず[11][12][13]、2のべき乗を表す用法も混在する状況は解決されていない[15]。なお、macOSでは、Mac OS X Leopard以前は2のべき乗(1024倍)が用いられていたが、2009年公開のMac OS X Snow Leopard以降は10の整数乗(1000倍)を用いたストレージ容量やファイルサイズ表示に変更された。[16]
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