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1977年にフジテレビ系列で放送された日本のテレビアニメ ウィキペディアから
『ジェッターマルス』は、1977年(昭和52年)2月3日から9月15日までフジテレビにて放送されたロボットアニメ。全27話。
本作は手塚治虫のテレビアニメ第1作の『鉄腕アトム』の続編として企画された。初期の企画『マイティ・マルス』では、第1作の最終回で死んだアトムに代わり、新たに製作されたロボットのアトム二世のマルスが活躍するというものだったが、アトムの要素と設定を取り入れつつも『鉄腕アトム』とは世界を異にする新しい作品として制作された[3]。
アニメ第1作終了後、『鉄腕アトム』のリメイクがなかなか出来なかったのは、明治製菓がずっと『鉄腕アトム』の菓子の権利を保持しているスポンサー問題などの諸事情があったためと後に手塚治虫は説明している[4]。
本作は東映動画の制作だが、『鉄腕アトム』のリメイクだからということで、テレビアニメ第1作の『鉄腕アトム』も担当したフジテレビの別所孝治の発案により、同作を手がけたりんたろうや旧虫プロダクション出身者によって設立されたマッドハウスの面々がメインスタッフとして参加した[5]。作画面では、旧虫プロダクション出身の杉野昭夫がキャラクターデザインを手がけた。東映動画では総作画監督のシステムがなかったが、東映動画系の各話作画監督を経た作画を、さらに杉野が修正し、手塚治虫調を出すのに苦心したという[6]。
対象年齢層は、製作した東映の要望で『鉄腕アトム』よりずっと低い対象になり、主人公マルスの人間的成長物語を描いている。手塚治虫は初期企画、シリーズ初期のシノプシス、マルスのデザイン案などを手がけているが、企画が決定した後は、『鉄腕アトム』に沿った部分やオリジナル要素がアニメスタッフによって中身を固められて、オリジナル色の強いものになっていった[3][5]。
本作にはアトムを始めとする手塚作品の特色が色濃く出ている。未来社会の描写はほぼアトムと同じであり、主人公マルスは少々のアレンジ(髪型が若干異なり耳殻がかなり大きく出っ張る、背中の赤い翼を出さないと飛べない、口調が乱暴で人間にも口答えするなど)が加えられているもののアトムと良く似た姿(シルエットはほぼ同一)である。
声優もマルスを清水マリ、川下博士を勝田久と、アトムで主要人物を演じた声優が担当している[3]。さらにはヒョウタンツギなどの手塚作品のキャラクターがスター・システムという形でこの作品に登場している。
チーフディレクターのりんたろうは、この企画自体は中途半端なものだったとして、後に否定的に捉えている[5]。一方、『鉄腕アトム』第1作に脚本家として参加した豊田有恒は、すがすがしくて今後が楽しみという好意的な感想を残している[7]。
前番組『大空魔竜ガイキング』は本作を放映するために予定より早く終了となった(ガイキングの漫画版を連載していた、尾瀬あきらのインタビューによる[要出典])。
1981年頃に東映芸能ビデオから「ミリオンセラー・シリーズ」の1本として第1話を収録したビデオが発売されたのみで[8]以降ビデオソフト化されず、長らく全話の視聴が困難であったが、2009年3月にエイベックスより全話収録のDVD-BOXが発売された。
時は2015年。科学省長官の山之上博士は、日本を守る最強の兵器として、1体の少年ロボット・マルスを製作する。しかし、必要な最高の電子頭脳がどうしても開発できず、自分とは意見を異にするライバル・川下博士に開発を依頼する。それを組み込んでマルスはようやく完成するが、マルスが兵器であることを隠していたことから、川下博士の怒りを買ってしまう。一方のマルス自身は生まれたばかりで、世の中のことも常識も何も知らず、善悪の区別もつかない。
そんな中、科学省を嵐が襲う。落雷で電気系統を破壊された上、運悪く、戦闘テスト用ロボットのタイタンが暴走。施設のあちこちを破壊し始め、科学省に壊滅の危機が迫る。マルスは勇敢にも、博士の娘の美理(実はロボット)と協力してこのピンチを救ったのだった。こうしてマルスの活躍が始まった。マルスを最強のロボットにしようとしていた山之上博士は後に事故で行方不明となり、マルスは川下博士の家に厄介になる事になる。
川下博士は山之上博士の言う「最強」の意味が危険思想と繋がる事から、マルスに最強のロボットになる事を禁じるものの、「最強のロボットが真に必要なもの」の意味を、マルスと共に追う事になる。それは山之上博士が求めていた何かを見つけ出す道で、また行方不明の山之上博士の居場所の鍵ともなっていた。
OP「マルス2015年」とED1「少年マルス」の初出は1977年3月発売のシングル・レコード(SCS-337)、それ以外の歌の初出は同年6月発売のLPレコード(CW-7137)である。
全曲とも、作詞は伊藤アキラ、作曲・編曲は越部信義による。
主題歌を歌ったスティーブン・トート(Steven Toth、1965年2月23日生[9])は1970年にシングル「モンキー・ロック/ブタになりたい」でレコードデビューした少年歌手。
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 作画監督 | 美術 |
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1 | 1977年 2月3日 | 2015年 マルス誕生 | 辻真先 | 千葉すみこ | 杉野昭夫 | 川本征平 |
2 | 2月10日 | ロボット密輸団 | 雪室俊一 | 石黒昇 | 森利夫 | |
3 | 2月17日 | マルスなぜ泣く | 辻真先 | 水沢わたる | 神宮慧 | |
4 | 2月24日 | さようならオトウト!! | 雪室俊一 | 波多正美 | 大工原章 | |
5 | 3月3日 | 史上最高のロボットタレント | 辻真先 | 蕪木登喜司 山吉康夫 | 鹿島恒保 | |
6 | 3月10日 | 夢の国から来た少女 | 雪室俊一 | 秦泉寺博 | みぶわたる | |
7 | 3月17日 | 消えた美理 | 鈴木良武 | 名輪丈 | 芦田豊雄 | 椋尾篁 |
8 | 3月24日 | お父さん どこ行ったの? | 辻真先 | 佐々木勝利 | 谷沢豊 | 川本征平 |
9 | 3月31日 | 宇宙の始末人ランプ | 水沢わたる 山口秀憲 | 森利夫 | ||
10 | 4月7日 | 弟の名はメルチ | 雪室俊一 | 秦泉寺博 | みぶわたる | |
11 | 4月14日 | 新入生マルス | 辻真先 | 芦田豊雄 | 椋尾篁 | |
12 | 4月21日 | ヒミツ諜報員ジャムボンド | 山本優 | 名輪丈 | 阿部正巳 | 川本征平 |
13 | 4月28日 | ロボット転校生ハニー | 雪室俊一 | 芹川有吾 山吉康夫 | 森利夫 | 窪田忠雄 |
14 | 5月5日 | 宇宙からの吸血鬼 | 鈴木良武 | 水沢わたる | 大坂竹志 | 清水一利 |
15 | 5月12日 | メルチの好きなモウスター | 山本優 | 佐々木勝利 | 谷沢豊 | 窪田忠雄 |
16 | 5月19日 | さまよえる惑星ザザ | 辻真先 | 生頼昭憲 | 大工原章 | 川本征平 |
17 | 6月2日 | 天保七年 サムライロボット | 雪室俊一 | 秦泉寺博 | みぶわたる | 窪田忠雄 |
18 | 6月16日 | よみがえる古代ロボット | 鈴木良武 | 新田義方 | 坂口尚 | 川本征平 |
19 | 6月23日 | マルスの初恋 | 辻真先 | 芹川有吾 山口秀憲 | 森利夫 | 窪田忠雄 |
20 | 6月30日 | マルス若親分になる | 雪室俊一 | 水沢わたる | 湖川滋 | 川本征平 |
21 | 7月7日 | 鉄腕ロボット ジョー | 深野Q作 | りんたろう | 大坂竹志 | 窪田忠雄 |
22 | 7月21日 | アンドロイドの子守唄 | 辻真先 芹川有吾 | 芹川有吾 | 新田敏夫 | 川本征平 |
23 | 7月28日 | さすらいのロボット | 雪室俊一 | 勝間田具治 | 友永和秀 | 窪田忠雄 |
24 | 8月18日 | もう一人の美理 | 鈴木良武 | 川田武範 | 森利夫 | 川本征平 |
25 | 9月1日 | 宇宙の狼少年 | 星山博之 | 竹内啓雄 | 白土武 | 窪田忠雄 |
26 | 9月8日 | 帰って来たアディオス | 雪室俊一 | りんたろう 山口秀憲 | 森利夫 | 川本征平 |
27 | 9月15日 | 明日に向って羽ばたけ! | 山吉康夫 | 窪田忠雄 |
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