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日本のテレビクイズ番組 ウィキペディアから
『世界一周双六ゲーム』(せかいいっしゅうすごろくゲーム)は、1980年4月6日から関西ローカルで放送を開始し(一部の局にも番組販売)、1983年3月6日から1986年3月30日までテレビ朝日系列局ほかで放送された朝日放送(ABCテレビ)制作のクイズ&ゲーム番組である。
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赤・青・黄・緑の4人の解答者がクイズに解答してサイコロを振りながら、世界地図に見立てた双六を進み世界一周を目指すというコンセプトで、知識・反射神経・運を試すクイズ・ゲーム番組であった。
朝日放送での番組放送開始当初は関西ローカルの番組で、日曜 11:00 - 11:45に放送された。その後、瀬戸内海放送でも同時ネットされるようになったほか、北海道テレビ放送などの一部の系列局でも遅れネットで放送されていた。
1983年3月6日からは、同じ在阪局である毎日放送制作・全国ネットのクイズ番組『アップダウンクイズ』に対抗する目的で、放送時間を15分短縮したうえで裏番組として同一曜日・時間に放送枠を移動し、テレビ朝日系全国ネット番組に昇格。以降は日曜 19:00 - 19:30の30分番組として放送された。この対抗策が当たり、『アップダウンクイズ』を1985年9月で終了へと追い込んだが、当番組もそれから半年後の1986年3月で終了し、6年の放送に幕を降ろした。
番組の収録は、ABCホール(2代目)での公開録画形式で行われ、『三枝の国盗りゲーム』との隔週での収録となった。
全国ネット進出時の番組宣伝のCMでは「30分間世界一周!『うっそー!』うそじゃありまへん。本当なんです」をキャッチフレーズとした。また、その後は「クイズ番組、クイズ番組いうても普通のクイズ番組やない!!」とのフレーズのCMも製作された。
全国ネット進出当初は武田薬品工業(タケダ)の一社提供。一社提供時代には、前番組『三角ゲーム・ピタゴラス』と同じく、三角形が積み重なるアニメーションと共に『タケダの歌』が歌われるオープニングキャッチが流れていた。また、双六ボードのサイコロの下辺りには「提供 武田薬品」と書かれ、司会者席の上に「タケダ」のロゴとマークが付いていた。中期はタケダと複数スポンサー提供となり、末期はタケダが降板し、シマヤ(前期)/アルインコ(後期)を筆頭とした複数スポンサーでの提供番組となった。
オープニングの際、乾が「皆さん、今晩は。日曜の夜(「今晩は。日曜の夜」の部分は全国ネット化以後)いかがお過ごしでしょうか。クイズとサイコロでお楽しみ頂いております(タケダ一社提供時代は「武田薬品提供」と言ってから)世界一周双六ゲーム、司会の乾浩明です。よろしくお願いします。(次に出題者、アシスタントが挨拶する)この番組は4人の解答者がクイズを競っていただきまして、正解者にはサイコロを振っていただきます。サイコロの出た目の数だけ世界の各都市を回っていただくと、こういう番組です。そして首尾良くゴールインした方には、ハイ!」と言うと出題者がアメリカ西海岸旅行を紹介、そして乾がその週のガックリ都市の箇所を紹介する。
参加者は、番組をネットしている各放送局に応募し、予選に合格する必要があった。
解答者は4人で、画面左から順に赤、青、黄色、緑の席に着く。双六ボードの各都市の丸いマスは4分割され、向かって右上に赤、右下に青、左下に黄色、左上に緑の解答者のコマのランプが光る。
早押しクイズで解答権を得ると乾が色の名前で解答者を指名(当初は出場者の名前を呼んで指名していた)、クイズに解答後、正解・不正解にかかわらず電子サイコロを操作し、出た目の数だけすごろく形式の世界地図の50都市を移動する。正解ならサイコロの出た目の数だけ進み、逆に不正解の場合は出た目の数だけ戻る。全国ネット時代には、各解答者席の向かって左に電光式による進行マス数(0-50)のカウント、右に反転フラップ式による現在位置(都市名) の表示が出されていた。ローカル番組時代はセットが異なり、解答者席上部に都市名の表示、下部にカウントが表示されていた。
世界地図を模したセットのゴール付近の真下に、長四角の枠に沿っての目が各4つずつ並べられたルーレット型の電子サイコロが配置されており、乾の合図でランプが時計回りに高速点滅し、解答者はこれを見ながらストップボタンを押してルーレットを止める(解答席のモニターを見て止めることはできない)。その際、放送上では、電子サイコロ内側の番組タイトルが表示されているパネルにサイコロを止める解答者の映像がはめ込まれ映される。タイミング良くボタンを押せば狙った目に止めることができるため完全な運任せではないが、電子サイコロのランプの点滅スピードが高速のためうまく止められない解答者も多かった。
正解して他の解答者と同じマスに止まった場合にはさらに6マス進み、逆に不正解で他の解答者と同じマスに止まった場合には6マス戻される。前進、後退に関わらず、移動した先に他の解答者のコマ、飛行機、ラッキー都市やガックリ都市があった場合、それぞれのルールに従う。
最後にゴールの東京に戻り世界一周を達成すると日本交通公社のLOOK(現・ルックJTB)による海外旅行獲得となる(目録代わりにプレートが渡される)。
解答者の1人がゴールインしても、時間が余っている場合には残りの解答者でクイズとゲームは続行する。そのため、1回の放送で旅行獲得者が複数出たこともある。
賞金は長らく、最終的に進んだマス目×2000円(ゴールインすれば50×2000円=10万円)だったが、タケダがスポンサーを降りた末期は1位20万円、2位10万円、3位5万円、4位は賞金なしに変更された。
鐘の音が鳴ると、時間がいっぱいになったことを告げて最終問題になる。
解答者がゴール圏内(44番パナマ - 49番ホノルルの間)に止まった状態でクイズに正解し前進する権利を得た場合のみに適用されるルール。
解答者の正解後、乾が解答者にジャスト宣言をするかどうかを聞く。なお、この時に宣言しなくてもゴール手前6マス以内であれば、次の正解時以降に適宜ジャスト宣言を申告することができるが、一度申告したジャスト宣言は取り消しできない。ジャスト宣言をすると、解答者席には「ジャスト宣言」と書かれた札が置かれる。
宣言した場合にはゴールまでのマス目の数と全く同じ数の目を出さないとゴールインできなくなり、ゴールに必要な数を超える目を出した場合はその分がゴールから戻される。ただしこの場合に限り、戻された先に他の解答者がいても戻されたり進んだりすることはない。
ゴールインできるとペアでのアメリカ西海岸旅行が獲得できる。
ジャスト宣言をしなければ、ゴールまでの残りのマスより大きな目を出してもゴールインできるが、アメリカ西海岸旅行は1人分獲得となる。また、先述の通り44-49番に「止まって」初めて獲得できる権利であるため、他の解答者と同じマスに止まったことによる6マス前進を得た場合はジャスト宣言をする機会は与えられずそのまま自動的にゴールとなる。
ゴールインした解答者がいなかった場合、最も多く進んだ解答者にトップ賞が贈られる。
ローカル番組時代にはトップ賞はサイコロの目ごとに賞品が設定され、獲得した解答者がサイコロを振って止まった目の賞品が贈られた。全国ネット化された際にトップ賞はダイヤモンドの指輪に固定され、サイコロの目による賞品設定は廃止された。
ゴールインした解答者がいた場合、最初にゴールインした解答者にはトップゴールイン賞としてグローバル時計(世界時計)が贈られる。後にトップゴールイン賞は廃止となった。
ゴールインした解答者がいた場合は、トップ賞の賞品は視聴者プレゼントに回される。ローカル番組時代は司会者の乾がゴールインした解答者席に行ってサイコロを振って賞品を決めていた。このときの進行は出題者の松本が担当した。応募はその週のガックリ都市の地名のうち1カ所をハガキに書くことが条件。全国ネットセールス化後も、系列外など遅れ放送となった地域では「この地域ではプレゼント募集は行っておりません」と表示された局があった。
その他、解答者全員に参加賞としてシマヤのだしの素詰め合わせ、モルトのはこ茶、日本水産の魚の缶詰セットなど(全国ネット時代)が贈呈される。
ルートの都市名は番組内の表記と同じものとする。第1回から最終回までルートは同じであった。解答者席の表示はソウル以外、全て黒に白文字。東京から西回りのルートで進行する。
※ 50都市選定には、冷戦時の世界情勢や民族対立を考慮し、番組スタッフらも相当慎重だったという。
なぞなぞの問題では、「双六はそろそろヤメにしようと話していたら、今度はカルタを持ち出してきた東南アジアの町はどこでしょう?」(正解「ジャカルタ」(じゃあカルタ))などダジャレ系の問題が出題された。また、番組が用意した正解と異なっても正解になることがあり「いつも巣が空っぽなのはカラス、では巣の中にぎゅうぎゅう詰めになっている鳥は何でしょう?」という問題で(正解は、巣の中が混んでいる=混んどるで「コンドル」)、解答者は「スズメ」と答えて不正解になったが、乾が「ええ、何で?」と理由を聞くと「巣の中に詰まっているからスズメ(巣詰め)」と答え、乾は「ええがな、それいこ」と感心して正解となった。乾は問題に入る前に「ダジャレ、ひらめきでいきましょう!難しく考えないようにね」と言った。
本来は標準語を話さなければならないはずであるアナウンサーながら、タレントのような乾の出場者への大阪弁のツッコミや、独特の強引な司会進行ぶりが笑いを誘うのが特徴であった。また、解答者の中にはサイコロを振る時、乾のツッコミの影響で緊張してしまい、サイコロを止めるボタンではなく早押しボタンを押してしまい、乾が「慌てたらイカン!それちゃう!!」と突っ込んで観客が大笑いする場面もあった。その一方で、解答者へのアドバイス(サイコロでどの目を狙うのがよいかなど)では、即時に計算し正確かつ的確に行うなど、解答者を応援する姿勢を明確にしていた。例えばその場所から数えて6つ先に飛行機・ラッキー都市・他の解答者のコマがある時などには「6出せよ! 6!!」と絶叫したり、4つ先にガックリ都市があれば「4はイカンよ!」と叫ぶこともあった。
司会の乾は同局制作のクイズ番組『霊感ヤマカン第六感』にも解答者として出演したことがあり、霊感ゲームの問題で乾に対して「双六」が出題された。
○はローカル時代に放送していた局。系列は当時の系列。
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | ネット形態 | 備考 |
---|---|---|---|---|
近畿広域圏 | 朝日放送 (ABC) |
テレビ朝日系列 | 製作局 | 現在の朝日放送テレビ |
関東広域圏 | 全国朝日放送 (ANB) |
同時ネット | 現在のテレビ朝日(EX)。 | |
北海道 | 北海道テレビ放送 (HTB) |
○[3] | ||
宮城県 | 東日本放送 (KHB) |
|||
山形県 | 山形放送 (YBC) |
日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
○[4] | |
福島県 | 福島放送 (KFB) |
テレビ朝日系列 | ||
新潟県 | 新潟テレビ21 (NT21) |
1983年10月開局から、現在の略称はUX。 | ||
長野県 | 信越放送 (SBC) |
TBS系列 | 遅れネット | 日本テレビ系列とテレビ朝日系列の クロスネット局・テレビ信州(TSB) での放送実績はなかった。 |
静岡県 | 静岡県民放送 (SKT) |
テレビ朝日系列 | 同時ネット | 現在の静岡朝日テレビ(SATV) |
中京広域圏 | 名古屋放送 (NBN) |
○[5]、現在の名古屋テレビ放送 | ||
富山県 | 富山テレビ放送 (T34) |
フジテレビ系列 | 遅れネット | 現在の略称はBBT。 1984年4月5日から木曜 11:00 - 11:30にて放送[6] |
福井県 | 福井放送 (FBC) |
日本テレビ系列 | ||
島根県 鳥取県 |
山陰中央テレビジョン放送 (TSK) |
フジテレビ系列 | [7] | |
広島県 | 広島ホームテレビ (UHT) |
テレビ朝日系列 | 同時ネット | ○[8][9]、現在の略称はHOME。 |
山口県 | 山口放送 (KRY) |
日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
遅れネット | [10] |
香川県 岡山県 |
瀬戸内海放送 (KSB) |
テレビ朝日系列 | 同時ネット | ○[11] |
愛媛県 | 愛媛放送 (EBC) |
フジテレビ系列 | 遅れネット | 現在のテレビ愛媛[12]。 |
福岡県 | 九州朝日放送 (KBC) |
テレビ朝日系列 | 同時ネット | ○[8] |
鹿児島県 | 鹿児島放送 (KKB) |
|||
沖縄県 | 沖縄テレビ放送 (OTV) |
フジテレビ系列 | 遅れネット | 1984年4月から[13]。 |
1983年、タカラ(現・タカラトミー)よりボードゲーム『TV双六ゲーム』が発売された。全国ネット化以前には、視聴者プレゼント用の非売品として『双六ゲームセット』(正式名は不詳)が作られていた。番組中の世界地図パネルを模したシートのほか、ラッキー都市とガックリ都市を任意に設定して遊ぶためのリング(プラスチック製)、サイコロなどが付属していた。テレビ同様、都市に止まるたびにクイズカードからクイズが出題されるが、クイズの内容は本格的なものであった。プレイヤーはそのまま出題された高難易度のクイズに解答することでテレビ同様の臨場感が楽しめるが、元々クイズカードには3択問題として記載してあるため、プレイヤーは3択問題としてプレイすることで難易度を下げることができた。さらに、各解答にはサイコロの目が記載されており、クイズが答えられない児童がプレイする際はクイズが出題されたらサイコロを振り、出た目と同じ目の解答をしたことにして進めるよう配慮されていた。
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