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日本統治時代の朝鮮に設置された帝国大学 ウィキペディアから
京城帝国大学(けいじょうていこくだいがく、旧字体: 京城󠄀帝󠄁國大學、朝鮮語: 경성제국대학)は、京畿道京城府に本部を置いていた日本の帝国大学。略称は城大(じょうだい、朝鮮語: 성대)。
1924年(大正13年)に、日本としては6番目の帝国大学として設立された朝鮮唯一の旧制大学。内地の帝国大学が文部省管轄であったのに対し、城大は朝鮮総督府管轄だった。1946年、在朝鮮アメリカ陸軍司令部軍政庁法令102号により、閉鎖された[1]。
李氏朝鮮では、1895年(開国504年)の甲午改革により近代教育制度が始まった。日露戦争後の1905年(光武9年)、ポーツマス条約と第二次日韓協約により、大韓帝国(1897年~)は日本の保護国となった。1906年(光武10年)には韓国統監府より普通学校令が公布され、6年制であった小学校を4年制に改編し、教育が進められた[2]。一方民間では、愛国啓蒙運動の一環で私立学校を設立し、日本の統治や普通学校に反発し朝鮮語でハングルの習得や民族の歴史などの教育を行った。[3]
1910年(明治43年)の韓国併合後、朝鮮総督府は第一次「朝鮮教育令」を公布(1911年)して普通教育を推進した。当初、少ない朝鮮人就学者の多くは民族系の私立学校や書堂に通学していた。そこで総督府は、1911年の改正私立学校規則の公布、1918年(大正7年)の書堂規則の公布により民間教育を抑圧し、日本語の使用を強制する同化教育を推し進めた[2]。その結果、初等学校への就学率は上昇し、併合時代の最末期で50%を超えた。
朝鮮総督府の武断政治から文化政治への政策転換は「内地延長主義」と呼ばれるが、朝鮮での教育に関しては「内鮮共学」と呼ばれる(台湾でもこの頃同様な政策転換があった→日本統治時代の台湾#内地延長主義時期(1915年 - 1937年))。他方、「内鮮共学」に対抗し、三・一独立運動以降の1920年頃からは、民族系の団体が私立の「朝鮮民立大学」設立の動きを見せ、また、在朝鮮アメリカ系宣教師団体が専門学校の大学昇格の動きもあった。このような日本の朝鮮統治への抵抗としての大学設立機運が朝鮮民衆の中で高まる中、かかる動きを制するために、日本政府及び朝鮮総督府主導下での大学設置が急がれることとなった。
1924年(大正13年)に予科を設置し、1926年(大正15年)に法文学部・医学部の各学部が設置されて大学レベルの教育体制が整った。所在地は、鍾路区大学路(旧:京城府東崇町。予科は清涼里)。
1929年(昭和4年)から大規模な水力発電所が鴨緑江とその支流に造られ、1930年代の朝鮮は工業化が急速に進んだこと、また、1931年(昭和6年)の満洲事変と1932年(昭和7年)の満洲国設立により、資源が豊富な満洲での工業化が見込まれたことなどから、高度な技術を持つ人材の需要が高まり、その供給源として1941年(昭和16年)には理工学部が設置された。
城大の教授陣は東京帝国大学卒を中心としており、他の帝国大学の設立期と似ている。日本語で専門教育の講義がなされる城大では、入学者は予め日本語での普通教育が必要であり、日中戦争勃発(1937年)後には「第三次朝鮮教育令」が公布(1938年)され、「内鮮教育の一元化」が唱えられた。しかし、1942年(昭和17年)の朝鮮人の就学率は55%、日本語普及率は20%に留まり、城大でも医学部における1930年(昭和5年)の第1期卒業生が日本人43人と朝鮮人12人[4]、城大全体では1937年(昭和12年)の日本人学生と朝鮮人学生の比率が70.2%と29.8%、1942年(昭和17年)のそれが60.4%と39.6%と、朝鮮人学生が過半を占めるに至らなかった。
終戦により連合軍軍政期に入ると、教職員や学生の半数以上を占める日本人学生は日本に引き揚げ、京城帝国大学は閉鎖された。現在のソウル大学校は、城大の固定資産を受け継いで新設されたものであり、他の旧帝国大学のような連続性はない(日本が所有していた城大関連の固定資産の移転に関する法的根拠は以下の年表を参照)。
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