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日本の海上自衛官 ウィキペディアから
河野 克俊(かわの かつとし、1954年〈昭和29年〉11月28日 - )は、日本の海上自衛官。第31代海上幕僚長、第5代統合幕僚長。
父の河野克次(かわの かつじ[2][3])は、海軍機関学校(40期)[注釈 1]を卒業して海軍機関科将校となり、特殊潜航艇を搭載した伊16潜水艦の機関長として真珠湾攻撃に参加した[8][9]。
帝国海軍での最終階級は海軍中佐[10][11]。戦後は復員業務に従事した後[12][13]、公職追放に遭わずに[注釈 2]そのまま海上保安庁で勤務した[10][11][12][13][14]。1952年(昭和27年)に設置された海上警備隊(海上自衛隊の前身)に移り[8][9]、1954年(昭和29年)に海上自衛隊が設置されると海上自衛官となり[8][9]、海上自衛隊第2術科学校長を最後に退官した[2][3]。海上自衛隊での最終階級は海将補[15]。
河野が自衛官を志して防衛大学校に入校し[16][17]、さらに海上自衛隊に進んだのは[12][13][注釈 3]、いずれも父・河野克次の影響が強い[12][13][16][17]。河野は父との関りについて下記のように回想している。
河野は父が初代・函館基地隊司令を務めている時に北海道函館市で生まれた[2][3]。3人きょうだいの末っ子で、上に兄が2人いる[2][3]。父の退官に伴って大阪府茨木市に移り[2][3]、大阪府立春日丘高等学校3年生であった1972年(昭和47年)秋[2][3]、父の影響で防衛大学校(防大)を受験するも不合格となり[2][3]、受験浪人を覚悟していたところ[2][3]、4月1日に補欠合格を告げる電報が届き[16][17]、4月4日に防大に着校した[16][17]。
既に防大での規律の厳しい生活に馴染み始めていた同期生たちに一歩遅れて防大生となった河野は、当時の心境を「さっそく、大きなハンディを負ったと感じました。」と回想している[16][17]。実際、河野は、生活態度に問題があると、新入生の生活指導を行う4年生たちから「目を付けられた」[16][17]。
自信を失いかけていた河野は、自分を鍛え直そうと、とりわけ練習が厳しいことで知られていた防大ラグビー部に入った[16][17]。また、教官の勧めで、司馬遼太郎『坂の上の雲』を読んで深い感銘を受けた[16][17]。河野は、同書を読んだことで、自衛官として生きて行く目標を見つけることができたといい、成績も上がった[16][17]。
1977年(昭和52年)[16][17]、河野は防大の機械工学科を首席卒業した[16][17][注釈 4]。海上自衛隊に入隊した河野は、海上自衛隊幹部候補生学校も首席卒業した[12][13]。
幹部自衛官としての主な経歴は護衛艦艦長、防衛・作戦幕僚、護衛隊司令等。
1尉から3佐に昇進する前後の1980年代末の時期に、筑波大学国際関係学系にて大学院研修。
1992年8月10日から1993年8月26日、護衛艦おおよど第2代目の艦長職を務める。
第3護衛隊群司令在任中にインド洋派遣海上支援部隊に第6次派遣部隊指揮官として参加した。
海幕防衛部長時に発生したイージス艦衝突事故の責任を取る形で、2008年(平成20年)3月に掃海隊群司令に異動となるものの、その後、護衛艦隊司令官、統合幕僚副長を経て、2011年(平成23年)8月5日より自衛艦隊司令官。2012年(平成24年)7月20日午前の閣議において、7月26日付をもって第31代・海上幕僚長に任命する旨の人事が了承・発令された。
2014年(平成26年)10月14日付で第5代・統合幕僚長に就任した[1]。自身もインド洋派遣部隊指揮官の経験を有し、後述の発言にもあることから米軍主要司令部との強いコネクションを築いていた。自衛隊最高指揮官である安倍晋三内閣総理大臣が最も信頼を置く自衛官とされ、歴代防衛大臣からも厚い信頼を得ていることから、法令(自衛隊法施行令)で定める定年年齢(62歳)を越えた後も3度の定年延長を経て統合幕僚長の地位に留まり[注釈 5]、初代統合幕僚会議議長の林敬三に次いで歴代第二位の在職(統合幕僚長としては最長)となった[18][19]。
統合幕僚長を 2019年(平成31年)4月1日付で退官後、同年8月15日の時点で、日本テレビ客員解説委員に就任している[20]。
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