都市再生緊急整備地域(としさいせいきんきゅうせいびちいき)は都市再生特別措置法第2条第3項の規定に基づき、「都市の再生の拠点として、都市開発事業等を通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域」として政令[注 1]で指定された地域で、都市開発事業などにより緊急かつ重点的に市街地整備を推進し都市再生拠点となるべき地域のことである。その中でも、都市国際競争力強化の観点から特に重要な地域については、同法第2条第5項の規定に基づき特定都市再生緊急整備地域として指定されている[1]

概要

アジア地域の台頭などにより都市の国際競争が激化する中で、日本においても海外から企業人材が集まる魅力的な都市拠点を形成すべく、国全体の成長を牽引することが可能な大都市の市街地整備を官民の連携により重点的に推進する上で、全国各地の候補地域が選定されている[1]

2002年平成14年)6月1日施行された都市再生特別措置法により都市再生の拠点として「都市再生緊急整備地域」が選定され[2]、さらに2011年(平成23年)7月25日には都市再生特別措置法が改正(平成23年法律第24号)となり、前述の地域の中から国際競争力を強化する上で特に重要な地域として「特定都市再生緊急整備地域」が選定された[3]

これらの地域のうち、既存の規制の一部を適用除外とし自由度の高い計画の制定(高度利用)を可能とした区域として、各市区町村の都市計画により都市再生特別地区が定められている。

地域選定による特別措置等

都市再生緊急整備地域に選定された地域では、以下の措置を受けることができる[1][4]

(認定のための申請期限は都市再生特別措置法附則第3条により、2027年(令和9年)3月31日までと定められている[5]

また、特定都市再生緊急整備地域に選定された地域では上述の措置に加えて、以下の追加措置を受けることができる[1][4]

  • 下水の未利用エネルギーにおける民間利用や道路の上空利用に関する規制の緩和
  • 民間都市再生事業計画における国土交通大臣認定の迅速化
  • 民間都市開発プロジェクトでの許認可等の手続きおよび実施に必要な都市計画決定の迅速化
  • 更なる税制支援等による民間都市開発を対象とした支援
  • 都市拠点におけるインフラの整備を対象とした予算支援
(インフラの整備を重点的に行うために「国際競争拠点都市整備事業」が創設されている)

選定地域一覧

都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域を定める政令により、2023年(令和5年)9月1日時点で以下の52地域が都市再生緊急整備地域に指定されている。このうち、特定都市再生緊急整備地域に指定されているのは15地域である[6]。 ※以下の一覧のうち、太文字表記(特定)は特定都市再生緊急整備地域

北海道・東北地方

北海道
  • 札幌都心地域(特定)(※札幌駅大通駅周辺や札幌北4条東6丁目周辺地域を含む)[7]
宮城県[8]
  • 仙台都心地域(特定)

関東地方

東京都[9][10]
神奈川県
埼玉県
千葉県

中部地方

新潟県
  • 新潟都心地域
愛知県[4]
岐阜県
福井県
  • 福井駅周辺地域

近畿地方

京都府
大阪府[25]
兵庫県

中国・四国地方

岡山県
広島県
香川県

九州地方・沖縄

福岡県
長崎県
  • 長崎中央地域
沖縄県

候補地域

指定されていたが解除されたもの

宮城県
東京都
神奈川県
千葉県
静岡県
愛知県
京都府
  • 京都久世高田・向日寺戸地域[24] - 2016年11月解除
  • 長岡京駅周辺地域 - 2017年8月解除
大阪府
兵庫県
  • 尼崎臨海西地域[44] - 2016年11月解除
  • 西日本旅客鉄道尼崎駅北地域[45] - 2016年11月解除
福岡県

脚注

関連項目

外部リンク

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