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elementary OS(エレメンタリー オーエス)は、UbuntuベースのLinuxディストリビューションである。
elementary OSはPantheonデスクトップ環境を普及させるための旗艦となるLinuxディストリビューションであり、これはLinux MintがCinnamonデスクトップ環境を普及させるために取った手法と似ている[3]、Plank(Dockの一種)やMidori(デフォルトのウェブブラウザ)、Scratch(シンプルなテキストエディタ)などのelementary OSアプリケーションと深く統合されている。このディストリビューションはウィンドウマネージャにMutterをベースとした[3]Galaを用いる[4]。
当初このディストリビューションは、Ubuntu用に設計されたテーマとアプリケーションをセットにしたものであったが、後に独自のLinuxディストリビューションに進化した[5]。Ubuntuベースであるため、Ubuntuのソフトウェアリポジトリとパッケージを利用でき、ソフトウェアのインストール/削除にはUbuntuソフトウェアセンターを用いる。ユーザインタフェースは新規ユーザーに直感的であること、多大なリソースを消費しないことを狙いとしている[6]。
elementary OSプロジェクトは既存のデスクトップ環境で認められた多数の不備を解決することを狙いとしている。つまり:
elementary OSはGNUの基本理念[7]に反するわけではないものの、こうした意図的な設計選択は、ほとんどのGNU/Linuxディストリビューションが志向しているデスクトップ環境の自由な設定・カスタマイズ性からは逸脱している。elementary OSプロジェクトのHuman Interface Guidelinesでは、本格的なカスタマイズよりむしろ、すぐに使用でき、ゆるやかに学習曲線を上っていくこと[8]に焦点を当てている。elementary OSの開発者が自身に定めていた3つの中核となる規則は、「簡潔さ」、「設定不要」、「文書説明の最小化」であった[9]。
elementary OSはその登場時から、視覚性とユーザーエクスペリエンスの双方に関して、設計がmacOSとよく似ているとして、称賛と批判の両方を受けている[10][11]。
PantheonのメインシェルはPlank (Dock)、Midori(デフォルトのウェブブラウザ)およびScratch(シンプルなテキストエディタ)など[12]の他のelementary OSアプリケーションと深く統合されている。elementary OSディストリビューションはウィンドウマネージャに、Mutterをベースとした[3]Galaを使用している[4]。
elementary OSは無償の(ただし開発チームへの寄付歓迎)、Live CD/Live USBで配布されており、ユーザーはインストールせずともLive CDかLive USBのどちらかを選んでelementary OSシステムを試すことができる。インストーラはUbuntuやその派生のデフォルトインストーラーのUbiquityである。
elementary OSの最初の安定版はJupiter[5]で、2011年3月31日に公開された[13]。Ubuntu 10.10をベースにしていた。2012年10月でJupiterのサポートは終了し、さらにelementary OS公式ウェブサイトの履歴からもなくなり既にダウンロードできない[14][15]。
2012年11月、LunaというコードネームでUbuntu 12.04 LTSをベースとしたelementary OSのベータ第1版がリリースされた[16]。Lunaのベータ第2版が2013年5月6日にリリースされ、300以上のバグ修正と、多言語サポート強化やマルチディスプレイサポート、アプリケーションの更新などいくつかの変更があった[16][17]。2013年8月7日、2013年8月10日までの時を刻むカウントダウン時計が公式ウェブサイトに現れた[18]。elementary OSの安定第2版であるLunaは8月10日にリリースされ、同時にelementary OSウェブサイトの全面的なメンテナンスとデザイン変更が行われた[19]。
elementary OSの安定第3版の名前はIsisで、2013年8月にプロジェクトリーダーのDaniel Foréが提案した[20]。名称は後にテロリストグループのISILを想起させないよう、Freyaに変更された[21]。Ubuntu 14.04 LTSをベースとしており、2014年8月にリリースされた[20]。Freyaのベータ第1版は2014年8月11日にリリースされた[22]。ベータ第2版は2015年2月8日にリリースされた[23]。最終バージョンのリリースでは、2015年4月3日からウェブサイトにカウントダウン時計が現れ、同年4月11日にリリースが実施された。
elementary OS 0.4はLoki[24]というコードネームの現行リリースであり、2016年4月にリリースされたUbuntu 16.04 LTS (Xenial Xerus) をベースとしている。elementary OS 0.4のベータ版は2016年6月13日にリリースされた[25]。Freyaの時と同様、最終版のリリースに先駆けカウントダウン時計が現れた後、最終版は2016年9月9日にリリースされた。
elementary OS 5.0は、"Juno"のコードネームで知られ、2018年の10月16日にリリースされた。このアップデートでは、AppCenterの"pay-what-you-want"システムが導入され、夜間に画面の色を変えるナイトライト機能が実装された。また、変更可能なウィンドウのタイリングをはじめ、他のPantheonとelementaryアプリケーションの新機能も実装されている[12]。アップデートはまた、新たなハウスキーピング機能を含んでおり、これは一定の間隔ののちに一時的な削除ファイルを取り除くものである[26]。
2018年11月の時点において、Junoは、160,000回以上ダウンロードされた。このうち1%の人びとがelementaryへの支払いを選択している[27]。
バージョン | コードネーム | リリース日 | ベース |
---|---|---|---|
0.1 | Jupiter | 2011年3月31日 | Ubuntu 10.10 |
0.2 | Luna | 2013年8月10日 | Ubuntu 12.04 LTS |
0.3 | Freya | 2015年8月11日 | Ubuntu 14.04 LTS |
0.3.1 | Freya | 2015年9月3日 | Ubuntu 14.04 LTS |
0.3.2 | Freya | 2015年12月9日 | Ubuntu 14.04 LTS |
0.4 | Loki | 2016年9月9日 | Ubuntu 16.04 LTS[28] |
0.4.1 | Loki | 2017年05月17日 | Ubuntu 16.04.2 LTS |
5.0 | Juno | 2018年10月16日 | Ubuntu 18.04 LTS |
5.1 | Hera | 2019年12月3日[29] | Ubuntu 18.04 LTS (bionic) |
6.0 | Odin[30][31] | 2021年8月10日 | Ubuntu 20.04 LTS (focal)[32] |
6.1 | Jólnir[33] | 2021年12月20日 | Ubuntu 20.04 LTS (focal)[33] |
7 | Horus[1] | 2023年1月31日 | |
凡例 サポート終了 サポート中 現行バージョン |
2015年、elementary OSの開発者はダウンロードページを変更し、最新の安定版のHTTP直接ダウンロードを提供する前に金額を入力するページをデフォルトで表示した。実際にはユーザーの寄付額は任意で、また無償でもよいにもかかわらず、このように表示するのは一般的にFOSSディストリビューションの基本理念に沿うものとはみなされないとして議論が巻き起こった[34][35][36]。elementary OSチームは「ユーザーの約99.875%は無料でダウンロードしている」と弁明し、デフォルトでの金額入力はディストリビューションの開発継続を保障するための手段として正当なものと主張した[36]。
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