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もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう

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もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(もしもこのよがぶたいなら がくやはどこにあるのだろう)は、2025年10月1日からフジテレビ系列水曜10時枠の連続ドラマ」枠にて放送中のテレビドラマ[1]。主演は菅田将暉[1]。略称は「もしがく」「もしこぶがくどこ」。

概要 もしもこの世が舞台なら、 楽屋はどこにあるのだろう, ジャンル ...

舞台は1984年、渋谷架空の街「八分坂」で起こる青春群像劇。脚本家の三谷幸喜が、大学時代に渋谷の劇場でアルバイトをしていた時の実際の体験を元にした完全オリジナルストーリーとなる[2]。三谷は民放ゴールデンプライム帯の連続ドラマの脚本を25年ぶりに務める[1]

本作はシェイクスピアへのオマージュとなっており[3]、タイトルは『お気に召すまま』の台詞「全てこの世は舞台、人は皆役者に過ぎぬ」の本歌取である。また、登場人物の名前や作中の店名などはシェイクスピア作品から取られている[4]

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制作

企画

三谷によると、NHK大河ドラマ鎌倉殿の13人』の前からフジテレビのプロデューサーである金城綾香から連続ドラマの話があったが、令和に生きる人々のセリフや会話を自分が書くのは何か違うと感じていて、歴史劇としての1980年代であれば自分にしか書けないのではないか、というところから本作の企画が始まった[注釈 1][2]

また、大河ドラマ執筆中に最も参考になったのがシェイクスピアであり、世の中の物語の大半の種はシェイクスピアが蒔いた物だと感じたことから「シェイクスピアがやろうとしたことを現代に置き換えてみたい」という思いも元となっている[5]

昭和を描くにあたって、『淋しいのはお前だけじゃない』『傷だらけの天使』などの昭和のテレビドラマの雰囲気を再現することも目的としており、主人公の久部三成(菅田将暉)は萩原健一や『淋しいのはお前だけじゃない』の時の西田敏行、倖田リカ(二階堂ふみ)は桃井かおりいしだあゆみ、オーナー(シルビア・グラブ)は『傷だらけの天使』の岸田今日子をイメージした[2]

撮影

脚本は2022年から執筆を始め、2025年春の撮影開始の時にはすでに後半部分まで仕上がっており、撮影中に各俳優のキャラクターに合わせて書き直すなどの調整をしていった。遅筆な三谷が撮影前に脚本を書き終わるのは初めてである[注釈 2][2]

当時の再現が難しいことや、渋谷の繁華街で長時間ロケが出来ないことから、撮影は千葉県茂原市に街を再現した巨大オープンセットで行われた。三谷によると当時の建造物そのままの配置であり、俳優陣もセットのおかげで演技に集中することが出来たという[6]

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あらすじ

1984年の秋、劇団「天上天下」の演出家・久部三成は自分が演出するはずだったシェイクスピアの舞台劇『夏の夜の夢』の初日に、あまりの横暴さに劇団から追放されてしまい、行き場を失って彷徨い歩くうちに、渋谷の繁華街・八分坂に迷い込む。無料案内所のおばばから「この街で運命が変わる。ここで一国一城の主になる」と予言を受けた久部は、ひょんなことから街のストリップ劇場の「WS劇場」に照明係として雇われる。

実は1984年の夏に「風営法」が大きく改正され、ストリップが厳しく取り締まられてから、WS劇場ではかつてのようなステージができなくなり、連日満員だった劇場が今はほとんど客もなく、ダンサーやスタッフも次々辞めてすっかり寂れていた。

オーナーのジェシー才賀から「3週間以内に経営を立て直さないと劇場をノーパンしゃぶしゃぶに改装する」と申し渡された支配人の浅野大門は、ここが潮時と悟り、残ったダンサーたちを集めて閉店を告げようとするが、久部はどうせあと3週間で閉店するなら、規制されているストリップの替わりにシェイクスピアを上演することを提案し、ダンサーやスタッフらを巻き込んでクベ版『夏の夜の夢』の稽古が始まる。

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キャスト

主要人物

久部三成(くべ みつなり)
演 - 菅田将暉[1]
劇団「天上天下」の演出家だったがあまりに横暴なため劇団を追放され、夜の街を彷徨い歩くうちに渋谷八分坂に辿り着く。シェイクスピアを敬愛し、常に持ち歩いてる白水社の全集が唯一の財産。蜷川幸雄に憧れていて、頭に来ると蜷川の真似をして灰皿を投げようとする。理想の演劇を追求するあまり周囲を巻き込んで唯我独尊的に突っ走るが、蓬莱に対しては不安を見せるなど弱さも抱えている。
クベ版『夏の夜の夢』では演出および妖精パックを演じる。
キャラクター設定と名前の由来はマクベス(久部)+ リチャード三世(三成)でハムレットの要素も入っている[5]
倖田リカ(こうだ リカ)
演 - 二階堂ふみ[1]
WS劇場のダンサー。謎が多く、三島由紀夫を愛読するなどアーティスティックな雰囲気を漂わせる女。シェイクスピアを上演しようとする久部の提案を後押しする。しかし久部からの好意ははぐらかしている。
クベ版『夏の夜の夢』ではヘレナ役。久部の特訓や、オーナーからのアドバイスで演技力が向上中。
名前の由来はコーデリア(リア王)で、マクベス夫人の要素も入っている[5]
蓬莱省吾(ほうらい しょうご)
演 - 神木隆之介[1]
駆け出しの放送作家。ラジオで知り合った「コントオブキングス」の台本作家としてWS劇場に出入りしている。普段はテレビ局でクイズ番組の問題を考える仕事などをしている模様。控えめながら冷静な観察眼がある。
クベ版『夏の夜の夢』では演出助手。久部が本音を話せる数少ない相手となり、舞台を支えるようになる。
三谷幸喜自身の若いころがモデル[2]
江頭樹里(えがしら じゅり)
演 - 浜辺美波[1]
八分神社の巫女。神社の神主・論平の娘。潔癖な性格で、神社の周囲が風俗街であることに嫌気がさしており、WS劇場のダンサーたちにも冷ややかだったが、強引な久部と知り合ってから『夏の夜の夢』の原作本を読むなど徐々に劇場に興味を持ち始める。
クベ版『夏の夜の夢』では演出助手の助手の助手。

WS劇場

パトラ鈴木(パトラ すずき)
演 - アンミカ[7]
WS劇場のダンサー。姉御肌のムードメーカーでトニーの恋人。日舞をやっていて日本ものが得意。
クベ版『夏の夜の夢』ではアマゾンの女王ヒポリタ / 妖精の女王タイテーニアの2役。
毛脛モネ(けずね モネ)
演 - 秋元才加[7]
WS劇場のダンサー。朝雄のシングルマザー。ストリップという仕事に誇りを持っていて、普通の芝居をやろうとする久部に反発する。しかし朝雄の担任から母親の職業や生活環境を理由に朝雄を児童相談所に預けると言われ、「これからはシェイクスピア俳優になる」と啖呵をきってしまう。
クベ版『夏の夜の夢』ではハーミア役。
朝雄(あさお)
演 - 佐藤大空[7]
モネの一人息子。小学1年生。絵が得意で、クベ版『夏の夜の夢』のポスターを描く。
トニー安藤(トニー あんどう)
演 - 市原隼人[7]
WS劇場の用心棒。パトラの情夫で何となく劇場に居着いていた。強面だが、寝てばかりいてろくに仕事をしていない。パトラの依頼で久部の下に就くこととなる。
クベ版『夏の夜の夢』ではライサンダー役。当初は恥ずかしがっていたが、久部に促されているうちに意外にも真剣に舞台稽古に取り組み、頼りになる面を見せる。
うる爺(うるじい)
演 - 井上順[8]
WS劇場の客引き。渋谷に精通した調子のいいおっちゃん。昔は漫談家だったが、現在ではステージ衣装を着るとかゆみに襲われる。
クベ版『夏の夜の夢』では職人のボトム役だが、隙あらば台本を無視した漫談を入れようとして久部を悩ませる。
伴工作(ばん こうさく)
演 - 野間口徹[8]
WS劇場の舞台監督。口数は少ないが、舞台運営にかけては有能で頼りになる裏方。
ジェシー才賀(ジェシーさいが)
演 - シルビア・グラブ[8]
WS劇場のオーナー。いくつも遊興施設を経営していて、その中で採算の取れなくなったWS劇場をノーパンしゃぶしゃぶに改装しようとしている。金に執着しているように見えてステージを見る目は確か。
以前は女優で、俳優座に所属し石立鉄男加藤剛と同期だったらしい。
乱士郎(らんしろう)
演 - 佳久創[8]
ジェシーの秘書。普段は無表情だが、「ノーパンしゃぶしゃぶ」など特定の言葉に反応すると目を見開く癖がある。
浅野大門(あさの だいもん)
演 - 野添義弘[8]
WS劇場の支配人。元子役。風営法改正以来、寂れた劇場の運営に頭を悩ませているが、裏でぼったくりバーを経営するなどしたたかな面もある。
クベ版『夏の夜の夢』ではハーミアの父・イージーアス役だが、セリフを覚えられず、あちこちにカンペを仕込む。
浅野フレ(あさの フレ)
演 - 長野里美[8]
大門の妻。若いころは劇場のダンサーだった。実家のある桑名に帰ろう、が口癖。
毛利里奈(もうり りな)
演 - 福井夏[9]
WS劇場のモギリ。やる気のなさそうな若者。
クベ版『夏の夜の夢』では蓬莱に頼まれて演出助手の助手になるが、定時になると稽古中でもさっさと帰ってしまう。
原宿で毎日踊っており、クベ版『夏の夜の夢』の初日公演の開演時間に久部が遅れていたことから、前説としてダンスを披露した。
いざなぎダンカン
演 - 小池栄子[10]
WS劇場のダンサー。劇場の先が見えなくなったことで照明係のノーさんと駆け落ちしてしまう。
ノーさん
演 - 大野泰広[11]
WS劇場の照明担当。いざなぎダンカンと駆け落ちする。

八分坂の人々

大瀬六郎(おおせ ろくろう)
演 - 戸塚純貴[7]
八分坂派出所に新しく赴任した巡査。家出した朝雄を一緒に捜したことから、モネの生活にいちいち口を出しストリッパーを辞めさせようとするが、彼女からは煙たがられている。
風呂須太郎(ふろす たろう)
演 - 小林薫[7]
ジャズ喫茶「テンペスト」のマスター。ご近所のWS劇場の人たちを静かに見守っている。さりげなくシェイクスピアに詳しい。
おばば
演 - 菊地凛子[8]
八分坂にある無料案内所のおばば。ことあるごとに久部に予言(助言)を与える。
年齢不詳だが、若いころはダンサーで東宝ミュージカルにも出演していたらしい。ダンサー仲間のフレとは現在は茶飲み友達。
江頭論平(えがしら ろんぺい) / リボンさん
演 - 坂東彌十郎[8]
八分神社の神主。樹里の父親。実はWS劇場の常連客で、ダンサーであるリカの追っかけをしている。WS劇場でリボンを投げるのが上手いことから「リボンさん」と呼ばれている。
彗星フォルモン(すいせい フォルモン)
演 - 西村瑞樹バイきんぐ[9]
お笑いコンビ「コントオブキングス」のツッコミ担当。「東京ヴォードヴィルショー」という劇団出身。WS劇場の幕間にコントをやっている。プライドが高く態度も横柄だったが、売れていない現状に漠然と危機感を感じていた。久部のアドバイスからコンビが上向きになり、彼を信用するようになる。
クベ版『夏の夜の夢』ではアテネ公爵シーシュース / 妖精の王様オーベロンの2役。ディミートリアスがヘレナを好きになることからはるおと役を変えようとしたり、自身の役がパトラの役と関係があるためパスしようとするが、いずれも久部に却下された。
王子はるお(おうじ はるお)
演 - 大水洋介ラバーガール[9]
お笑いコンビ「コントオブキングス」のボケ担当。フォルモンの後輩で彼をフォローするなど気を遣う性格。父親はポニー田中。
クベ版『夏の夜の夢』ではヘレナが好きになるディミートリアス役。
仮歯(かりば)
演 - ひょうろく[9]
「テンペスト」従業員。店で大声を出す客によく注意をしている。
名前の由来はキャリバン(テンペスト[4]
ケントちゃん
演 - 松田慎也[9]
スナック「ペログリーズ」のウェイター。
人手が足りないためクベ版『夏の夜の夢』に駆り出され、村人ピーター・クインス役となる。
柏尾
演 - 俵山峻スクールゾーン[12][13]
八分坂派出所の警察官。

劇団「天上天下」

黒崎(くろさき)
演 - 小澤雄太[9]
「天上天下」の主宰者。劇団をともに立ち上げた久部の才能を認めてはいるが、彼の横暴なやり方に反対し対立する。
名前の由来はクローディアス(ハムレット[5]
トンちゃん
演 - 富田望生[9]
「天上天下」の制作スタッフ。劇団を追われた久部を心配している。
アキラ
演 - 宮原尚之[14]
「天上天下」の劇団員。天上天下版『夏の夜の夢』でライサンダーを演じる。

その他

エピグラフの声
声 - 渡辺謙[15]
冒頭のシェイクスピアからの引用語句の声。
ポニー田中(ポニーたなか)
演 - 堺正章(特別出演)[16]
テレビに映る人気喜劇俳優。

ゲスト

第2話

鷺宮
演 - 本間憲一[17]
WS劇場の改装のためにジェシーが連れてきた男。

第4話

清原
演 - 坂東新悟[18]
八分神社を訪ねる神社本庁の男。
楠木
演 - 関谷春子[19]
朝雄の担任教師。
佐々木
演 - 近藤芳正[20]
「天上天下」が公演を行っている渋谷の劇場「ジョン・ジョン」のスタッフ。

第5話

タブロイド紙記者
演 - 宮澤エマ[21]
クベ版『夏の夜の夢』の初日公演を迎える久部を取材する。
是尾礼三郎(これお れいざぶろう)
演 - 浅野和之[22](第6話 - 第8話)
日本を代表するシェイクスピア俳優で、クベ版『夏の夜の夢』の初日公演を観に来る。
ズン
演 - 林希[23](第1話)
八分坂に集うローラー族のヘッド。

第6話

トロ / トロ田万吉〈38〉
演 - 生田斗真[24](第7話・第8話)
リカの元情夫。

第7話

荒木(あらき)
演 - 新納慎也[25]
フジテレビのプロデューサー。
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舞台となる場所、用語とその由来

八分坂
渋谷にある架空の街。ジャズ喫茶や風俗店などが並ぶ繁華街。街の名前は「渋谷駅から徒歩8分の場所にあること」と、(街の看板の“Pray speak what has happened(何があったか話してごらん)”のフレーズにも含まれる)「happen」(何かが起こる)に由来する[10][26]
街のモデルはしぶや百軒店[2]
WS劇場
正式名称はワンダフル・ストリップ劇場。かつては大賑わいだったが、1984年8月に風営法が改正されて以来ストリップが取り締まられ、閑古鳥が鳴く状態となっている。
モデルは渋谷道頓堀劇場[2]。実際に風営法施行後には演劇が行われていた。
八分神社(はっぷんじんじゃ)
WS劇場の裏手に佇む神社。
モデルは道頓堀劇場裏の千代田稲荷神社[2]
グローブ荘
WS劇場向かいにある古アパート。劇場の従業員やダンサーが住んでいて、空いている部屋は芸人たちの楽屋替わりとなっており、コントオブキングスやうる爺がたむろしている。
シェイクスピアが使用していた専用劇場の「グローブ座」と同じ名称である。
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スタッフ

放送日程

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脚注

外部リンク

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