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アルメニア文字
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アルメニア文字(アルメニアもじ、アルメニア語: Հայկական այբուբեն)は、アルメニア語の表記に用いられる文字である。38文字(加えて、合字が2つ)から成り、大文字と小文字がある。書記順序はラテン文字と同じく横書きで、左から右に向けて順次書いていく。


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概要
アルメニアの歴史書によれば、アルメニア文字は聖人メスロプ・マシュトツ(Mesrop-Mashtots, 362年 - 440年)によって、404年(または406年)に創られた。1音1文字の原則や、左から右への書記方向(その頃の中東の文字はセム系の右から左へ書くのが主流)、そしてアルファベットの順序から、ギリシア文字を参考に創られたと推定される。ただ、各字母の字形は、メスロプがまったく独自に考案したのか、それとも以前からあったものを改造したのか(もし改造だとすれば、その基となるモデルがセム系文字(パフラヴィー文字など)であるとする説とギリシャ文字であるとする説などがある)がわからない。なお、当初のメスロプによる作成字は36文字であったが、後世に幾つかの文字が追加された。さらに、創製当初から時代が下るにつれ若干字形の変化した字母もある。また、メスロプの作成文字は大文字のみであったが、12世紀ごろに筆記体をもとにして小文字が生まれた(これと同様にギリシア文字やラテン文字の小文字が生まれたのもこの頃である)。
38文字のうち、8つが母音、30が子音を表す表音文字である。また、アルメニア語の句読点などの記号は現代の西欧言語のものとは形も用法もいくぶん異なっている(記号の節にて詳述)。
アルメニア語は西方言と東方言に大別され、方言によって一部の文字の音価が異なる。
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アルファベット
アルメニア文字のアルファベットのことを、アルメニア語では、最初の2字の字母名をとって այբուբենը[2] (ajbubenə, アイブベーナ[3]、西アルメニア語では「アイプペーナ」) という。
下の表は、東方言による字母名に基づいている。
註:語頭/語中
- 37番目のՕと38番目のՖは、12世紀頃に追加で作られた字母である。Օはかつての二重母音աւの発音が[ɔ]になったことに応じて作られ、Ֆは外来語における音素を表すために作られた。
- 34番目のՒは現在のアルメニア共和国の正書法で削除され、代わりに34番目は合字の「Ու」、37番目は合字の「և」となる。「Օ」と「Ֆ」はそれぞれ38・39番目となる。
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合字
最近ではեւの代わりにևと書く場合が多い。ևは筆記体から発生した活字で大文字がない。
記号
句読点などには以下の記号が使用される。
- ピリオド ( : )
- コンマ ( , )
- 疑問符 ( ՞ ) - 「?」に相当。疑問の中心となる語(疑問詞、y/n疑問文であれば確認したい単語)のアクセント位置に書く。また、文末は平叙文と同じくピリオド ( : ) を書く。
- 感嘆符 ( ՛ ) - 「!」に相当[4]。以下は使い方の例。
Սա քո գիրքն է: - これはあなたの本です。 Սա ք՞ո գիրքն է: - これはあなたの本ですか。 Սա քո գ՞իրքն է: - これはあなたの本ですか。 Ներեցե՛ք: - ごめんなさい。
書体
アルメニア文字の書体は多様であり、同じ文字でも時期などにより書体が著しく違うものがある。例えば、հにはラテン文字のhとほぼ同じ形のもの、その大文字のՀにはラテン文字のRの縦棒が欠けるようなものが存在する。
コンピュータ
Unicode
Unicode の収録位置は以下のとおり。
キーボード
Windowsのアルメニア語キーボード(東部)の配列は以下の通り。

脚注・出典
関連項目
外部リンク
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