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エアポート (列車)

北海道旅客鉄道が運行している快速列車 ウィキペディアから

エアポート (列車)
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エアポートは、北海道旅客鉄道(JR北海道)が新千歳空港駅 - 札幌駅小樽駅間を千歳線函館本線経由で運行している列車のうち、その運転区間の一部または全区間で速達運転を行う快速列車の愛称である。その停車駅の違いにより快速特別快速区間快速の3種別が存在する。札幌近郊路線図で使用される記号は、特別快速が B、快速が C、区間快速が D[1]

概要 エアポート, 概要 ...
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概要

1988年(昭和63年)3月13日のダイヤ改正において空港アクセス列車として千歳空港駅(現在の南千歳駅)・苫小牧駅 - 札幌駅間で運転開始された快速「空港ライナー」を前身とする。

1992年(平成4年)7月に新千歳空港ターミナルビルの完成に合わせて千歳空港駅 - 新千歳空港駅間の支線が延伸開業したため、既存の特急「ライラック」とともにアクセス体系を再編し、大幅な増発の上列車名も「エアポート」に改称された[2]

当初は快速列車のみの設定であったが、2020年3月14日のダイヤ改正より朝夕に特別快速が、2024年3月16日のダイヤ改正より日中の一部に区間快速が設定された[3][4]

運行概況

要約
視点

現在の体制は2024年(令和6年)3月16日ダイヤ改正に伴う毎時6本体制化により確立したものである[3]。過去の状況は後述する。

概略

新千歳空港駅を起点とし、札幌駅または小樽駅発着で運行されている。札幌駅までの所要時間は33 - 44分(早朝・夜間の一部列車を除く)[注 1][5]。札幌駅以西を普通列車として小樽駅・手稲駅ほしみ駅当別駅札沼線直通)発着する便も存在する(後述)。後述のとおり、朝夕を除いた日中時間帯は1時間あたりに特別快速が1本、快速が3本、区間快速が2本の計6本が運行される。

特別快速

路線図中での記号は (B)

基本的に日中帯(千歳線内で札幌駅/新千歳空港駅発9時台 - 15時台発、以下同様)に新千歳空港駅 - 小樽駅間で毎時1本運転される。また、早朝帯(札幌駅6時台・8時台に各1本)に札幌発新千歳空港駅行、夜間帯(新千歳空港駅19時 - 21時台、23時台)にも新千歳空港駅発札幌駅行が4本運転され、このうち23時台の新千歳空港駅発最終列車は札幌駅以西を普通列車として手稲駅まで直通する。

停車駅は新千歳空港駅 - 札幌駅間は同区間の長距離特急列車に準じ、一部の特急列車が停車する千歳駅も通過する。また、エスコンフィールドHOKKAIDOプロ野球ナイトゲームが開催される日に、新千歳空港駅発札幌駅行きの一部列車が北広島駅に臨時停車する場合がある[6]

新千歳空港駅 - 南千歳駅 - 新札幌駅 - 札幌駅 - 桑園駅 - 琴似駅 - 手稲駅 - 小樽築港駅 - 南小樽駅 - 小樽駅

快速

路線図中での記号は (C)

終日に渡って運転される。停車駅は特別快速の停車駅に千歳駅恵庭駅北広島駅の3駅を加えた形が基本であるが、時間帯により追加の停車駅が設定される。

日中帯

日中帯は毎時3本運転され、うち1本は小樽駅発着で運転される。

朝・夜間帯

この時間帯は特別快速・区間快速が運転されないため、千歳線内は最大の毎時5本の運転となり、うち毎時1 - 2本が札幌駅以西に直通する。

停車駅の例外

日中帯の小樽駅発着列車のうち、小樽駅発10時台 - 14時台、札幌駅発10時台 - 16時台は小樽駅 - ほしみ駅間の普通列車が毎時1本となるため、快速も手稲駅以西各駅停車で運転される。

また、新千歳空港駅方面列車札幌駅着9時30分以前および小樽駅方面列車札幌駅発20時台以降の小樽駅発着列車、および手稲駅・当別駅発着列車は札幌駅以西が普通列車の扱いとなり、この区間はuシートも指定席として営業せず自由席扱いとなる。

また、朝と夜間帯には函館本線江別駅方面との乗り換えの便を図って白石駅に停車する列車も存在し、白石駅基準で新千歳空港駅方面行5 - 8時台と20時台・21時台の列車、札幌駅方面7時台と21時台以降の列車が該当する。

新千歳空港駅 - 南千歳駅 - 千歳駅 - 恵庭駅 - 北広島駅 - 新札幌駅 -(白石駅)- 札幌駅 - 桑園駅 - 琴似駅 - 手稲駅 -(日中帯はこの間各駅に停車)- 小樽築港駅 - 南小樽駅 - 小樽駅

区間快速

路線図中での記号は (D)

千歳線北広島駅 - 千歳駅間で普通列車の運転がなくなる日中帯のみ毎時2本運転され、この間の各駅に停車する。札幌駅 - 新千歳空港駅間の列車のみ運転され、後から発車する特別快速・快速に抜かされることなく終点まで先着する。

新千歳空港駅 - 南千歳駅 - 千歳駅 - (この間各駅に停車) - 北広島駅 - 新札幌駅 - 札幌駅

列車番号・号数設定

千歳線では普通列車を含めた新千歳空港駅発着列車の列車番号に810番台~890番台および910~990番台を割り当てており、快速「エアポート」はこれに3000を加算、特別快速は4000を加算、区間快速は5000を加算して区別している。

列車の上り下りを表す奇数偶数の別は千歳線基準(札幌駅発新千歳空港駅行が上り列車)となっている。これは上り下りが逆転する函館本線札幌以西でも変更はないが、札沼線から普通列車として直通する列車については札幌駅以西は札沼線独自の列車番号となる。

列車番号は基本的に列車番号の下3桁から800を引いた数字となっているため、新千歳空港発は11号、新千歳空港着は10号からの通し番号(欠番あり)となる。

使用車両・編成

2024年3月16日現在の編成図
快速・特別快速・区間快速「エアポート」
新千歳空港
札幌・小樽・当別
123456
凡例
指=普通車座席指定席uシート
自=普通車自由席

現行の充当車両について述べ、過去の充当車両については沿革節で後述する。

721系電車および733系電車が共通で運用されている。いずれも3ドアの6両編成だが、721系は自由席が転換式クロスシート、733系は自由席がロングシートであり、定員が異なる。

全列車が4号車に指定席 (uシート) を連結しており、必要な座席指定券(840円)はみどりの窓口指定席券売機およびえきねっとで発売している。なお、普通列車として運転される区間ではuシートも含め全車自由席である。

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沿革

  • 1980年昭和55年)10月1日:千歳空港駅(現:南千歳駅)開業に伴うダイヤ改正で、札幌 - 千歳空港間に711系を使用した列車名称なしの快速列車が1日3往復設定される。
  • 1988年(昭和63年)3月13日:札幌方面と千歳空港方面を結ぶ快速列車として「空港ライナー」が設定される。同時に、それまで運転されていた名称なしの快速列車も「空港ライナー」に組み込まれた。
    • 停車駅は以下の2通りで設定された。
      • 札幌 - 白石 - 新札幌 - 北広島 - 千歳 - 千歳空港 - 沼ノ端 - 苫小牧(終日運転で大半は千歳空港駅折り返し。また、苫小牧駅以西まで運行する場合、その区間は各駅停車)
      • 札幌 - 新札幌 - 北広島 - 島松 - 恵み野 - 恵庭 - 長都 - 千歳 - 千歳空港(主に朝・夜の運転)
    • 小樽発着で全区間快速運転をする列車は、「マリンライナー」の名称で設定された。
  • 1992年平成4年)7月1日新千歳空港開港・新千歳空港駅開業に伴い従来千歳空港アクセスを担当していた快速列車および特急「ライラック」を次のように再編[2]
    • 小樽駅・旭川駅・札幌駅 - 新千歳空港駅間に快速「エアポート」を設定。8時台 - 19時台まで毎時4本15分間隔で運転(上下合計93本)。その他時間帯は快速列車7本と普通列車18本を運転し、新千歳空港駅発着列車は118本/日を確保。
    • エル特急「ライラック」の札幌駅 - 室蘭駅間を「すずらん」として分割、日中帯の「ライラック」は札幌駅から快速「エアポート」として新千歳空港駅まで運転し、引き続き空港アクセスを確保。
    • この時点での「エアポート」は毎時1本が小樽駅発着、毎時1本が札幌駅から「ライラック」として旭川駅へ直通、残る毎時2本が札幌駅発着となる。
    • 車両は旭川駅直通列車が781系、そのほかは721系を使用。
      • 781系については後年片側1ドアであることにより混雑が常態化したため、1・3号車先頭車出入り台の増設改造が行われ、「ライラック/エアポート」向けの編成では2号車にも増設された。
    • 8時台 - 19時台の列車は指定席を設定したため、号数を設定。この時から2024年(令和6年)まで、百位および十位が新千歳空港駅および札幌駅それぞれの発車時間帯を、一位は発車順を表し、千歳線内下りが奇数(1・3・5・7・9)、千歳線内上りが偶数(0・2・4・6・8)となっていた[注 2][注 3]
  • 1997年(平成9年)3月22日:この日のダイヤ改正で、増発された朝の一部列車に711系電車が全車自由席で暫定的に使用される。721系の車両不足のためで、731系電車の増備によって721系が捻出されたため、短期間で解消された。
  • 1998年(平成10年)12月8日:この日限りで721系運行列車での"Airport"表記のヘッドマーク掲出を終了。
  • 2000年(平成12年)
    • 3月11日:小樽 - 札幌間の快速「マリンライナー」を廃止し、小樽発着の「エアポート」を日中60分間隔から30分間隔の運転に変更。停車駅に琴似駅を追加[7]
    • 11月7日:同日より順次「エアポート」用721系の4号車半室に設定されていた指定席を自由席と同じ座席(転換クロスシート)からリクライニングシートに換装、uシートの愛称を付与[8][9]
    • 12月25日:同日より小樽駅発着列車の指定席を全区間に拡大(従前は小樽駅 - 札幌駅間は終日自由席扱い)。
  • 2001年(平成13年)7月1日:同日のダイヤ改正で新千歳空港発着最終便に合わせて新千歳空港駅着21:25の便と新千歳空港駅発22ː50の便を増発。また、781系のうち「ライラック/エアポート」用編成の4号車半室指定席をuシートに改良[10]
  • 2002年(平成14年)3月16日:ダイヤ改正により次のように変更[11]
    • 旭川 - 新千歳空港間のうち、特急運行区間の列車をエル特急「ライラック」(781系電車)からエル特急「スーパーホワイトアロー」(785系電車)へ変更[注 4]。これに合わせて785系電車に新造全室uシート車(500番台、4号車に組成)を組み込む組成変更を実施。
    • 785系投入と使用する721系の130 km/h対応車統一に伴い、最高速度を130km/hに向上し、所要時分はそのまま(札幌駅 - 新千歳空港駅間36分)、停車駅に恵庭駅を追加。
  • 2003年(平成15年)9月15日:快速「エアポート」用721系増備車(4000・5000番台)の導入と既存車両の改造により、4号車全室を「uシート」とする組成変更を開始[12][13]
  • 2004年(平成16年)3月13日:同日ダイヤ改正で新千歳空港行き列車の札幌駅発車ホームを5・6番線に統一。札幌駅・新千歳空港駅に「uシート」専用の指定席券売機を設置[14]。また、同日までに721系全編成のuシート全室化を完了した[14]
  • 2006年(平成18年)3月18日:同日ダイヤ改正で7時台に新千歳空港駅発を1本増発。夜間新千歳空港駅20ː30発以降の列車を白石駅へ停車。小樽駅発車ホームを4・5番線に統一[15]
  • 2007年(平成19年)10月1日:同日のダイヤ改正での789系1000番台の営業投入に伴い、特急「スーパーホワイトアロー」「ライラック」が「スーパーカムイ」に再編され、785系と789系1000番台の共通運用となる。これに伴い「エアポート」の旭川駅直通列車も札幌駅から先は「スーパーカムイ」としての運転になる[16]。721系前面・側面の種別・行先表示が新デザインへ変更。新千歳空港行きの表記には「飛行機マーク」が添えられる。
  • 2008年(平成20年)3月15日:羽田空港からの始発便到着に合わせ、8時台新千歳空港駅発の「エアポート」を1本から2本に増強、21時台に新千歳空港駅発着の1往復(「スーパーカムイ」として旭川駅直通)を増発[17]
  • 2012年(平成24年)10月27日札沼線(学園都市線)直通石狩当別(現:当別)発着の列車が1日1往復設定(学園都市線内は各駅停車として運行)[18][19]
  • 2013年(平成25年)11月1日:千歳線を走行する特急列車の最高速度引き下げによる、ダイヤ修正[20][要ページ番号]。当初は、「エアポート」も最高速度を120km/hに引き下げる予定であったが[21][22][23]、この時点では見送られた[24]
  • 2014年(平成26年)
  • 2016年(平成28年)3月26日:ダイヤ改正により、エル特急「スーパーカムイ」との直通運転を廃止。これに伴い、全列車が3ドア車6両編成(721系または733系)に統一される[29][30][31]。「uシート」の座席指定料金が310円から210円値上げされ、520円となる[32]
  • 2018年(平成30年)7月12日:JR北海道が「平成30年度旅行環境整備事業費補助金」を活用して「エアポート」の車内で公衆無線LAN接続サービスを開始することを発表。11月頃から順次導入され、2020年(令和2年)夏頃までに全車両に導入された[33][注 6]
  • 2019年令和元年)10月1日消費税増税を受けて「uシート」の座席指定料金が520円から10円値上げされ、530円となる。
  • 2020年(令和2年)
    • 3月14日:ダイヤ改正で次のように変更[3]
      • 毎時4本から毎時5本増発され、運転本数が116本から148本に増発。
      • 朝の札幌発2本および夜間の新千歳空港発2本を特別快速として運転。
      • 札幌駅5:50発の列車が設定され、新千歳空港駅到着が以前より23分早い6:28となった。
      • 新千歳空港駅から札沼線への乗り入れを取り止め(札沼線からの乗り入れは継続)。
      • 同日の特別快速の種別色が赤となったため、快速の種別色を橙に変更[注 7]
    • 5月16日新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、上下各8本(上り90・98・108・118・128・138・148・158号、下り99・107・117・127・137・147・157・167号)を同日から同年5月31日まで運休[34]
    • 6月14日:同年5月25日に政府による「緊急事態宣言」が解除され、利用が回復傾向であることを理由に、同日より同年5月16日より運休していた全列車運転再開[35]。また、宣言解除前の5月20日時点で計画していた6月14日以降の上下各6本の運休(上り94・102・114・124・132・144号、下り103・111・123・133・141・153号[36])を撤回。
  • 2021年(令和3年)3月13日:ダイヤ改正により、上下各3本(上り70・88・202号、下り81・97・211号)の土休日運休を実施[37][38]
  • 2022年(令和4年)4月1日:「uシート」の座席指定料金が530円から840円となる[39]
  • 2023年(令和5年)3月18日:2021年のダイヤ改正で土休日運休とした上下各3本を毎日運転に戻す[40]
  • 2024年(令和6年)3月16日:ダイヤ改正に伴い、毎時6本に増発。次のように変更[41][42]
    • 日中帯、従来札幌駅 - 千歳駅・苫小牧駅間で運転されていた普通列車がすべて北広島駅始発/終着となり、北広島駅 - 千歳駅間で普通列車の運行がなくなるため、この区間各駅に停車する区間快速を新設。
    • 日中時間帯は特別快速を毎時1本(小樽発着)、快速を毎時3本(うち1本が小樽発着)、区間快速を毎時2本運行する。
    • 新千歳空港駅発を23時台に増発し最終列車繰り下げ(特別快速として運転、札幌駅から手稲駅まで普通列車)。
    • 新千歳空港駅発19時台の快速のうち1本を特別快速に変更。
    • 小樽駅発着全列車の停車駅に桑園駅を追加。日中時間帯の小樽駅 - 札幌駅間普通列車削減の代替として日中帯の快速のうち小樽駅発10時台 - 14時台、札幌駅発10時台 - 16時台の手稲駅以西が各駅停車となる。
    • 号数の附番が従来方式では溢れるため、新千歳空港発が11号から195号、新千歳空港発が10号から186号までの通し番号(欠番あり)に変更。
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脚注

関連項目

外部リンク

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