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サヘル・ローズ

イラン出身の日本の女性タレント、女優 ウィキペディアから

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サヘル・ローズ[3](Sahel Rosa[4]ペルシア語: ساحل رز1985年10月21日[1] - )は、日本で活動するタレント俳優コメンテーターイラン出身。本名同じ[注 1]愛称さっちゃんエクセリング所属。

概要 プロフィール, 別名義 ...

ラジオテレビ番組では「サヘル」でクレジットされることも多い。

経歴

要約
視点

生い立ち

イラン西部のホラムシャハルに近い小さな町に14人の大家族の末っ子として生まれる。1989年2月下旬、イラン・イラク戦争さなかに国境近くにあったその町はイラク軍の空爆により壊滅、そして家族とは4歳で生き別れたとされる。その町へ救護ボランティア要員としてテヘラン大学からかけつけていたフローラ・ジャスミンに救助され、7歳までテヘラン児童養護施設で暮らすこととなる[6][7]。物心がついた頃には孤児院で生活していたことから、実母の記憶はまったくなく、実父のこともぼんやりとしか記憶していないという[8]。しかし後年、実際は家族と生き別れてはおらず、自身が孤児となった真相を知ることになる。詳細は後述

空爆により、出生年・出生名が不明となり、フローラが考えた出生年や名前を使用することになる[5]。サヘル・ローズとは「砂浜に咲く薔薇」という意味。薔薇が好きな養母が「薔薇は砂浜に咲かないはずだが、自らの力で困難に立ち向かう力強さを持ってほしい」という想いでつけた[注 2]。7歳の時にフローラ・ジャスミンの養女となる[6]

養母フローラの生家は、身分の高い家柄であり、身元の明らかでないサヘルを養子として迎えることに反対する。その反対を押し切ったことによりフローラは勘当同然の状態となり、家族からの経済的な援助などが断ち切られた[注 3]。それらの事情を日本に留学していたフローラの婚約者(イラン人男性)に相談すると、渡日を勧められた。フローラはサヘルを連れて1993年8月13日に渡日し[9][10]埼玉県志木市に住んでいた[8]

来日後すぐ、フローラの婚約者が小学校の入学手続きを済ませてくれたが、婚約者の"躾"という名の虐待に耐え兼ねて家を飛び出し、母子で2週間ほど真冬の公園ホームレス同然の生活を経験する[11]。その際、小学校の給食調理員をしていた女性が毎日同じ服を着ているサヘルの様子に気づき、母子へ手を差し伸べたという。夕食の差し入れや、フローラの仕事口の世話、アパート保証人にも名乗りを上げ、弁護士を雇って観光ビザから日本に住めるビザへ申請したのも、その女性である[12]。また同時期に通っていた小学校の校長から日本語を学んだ[6]

小学5年生の時に都内へと引っ越す。中学校時代には自殺を考えるほどの深刻ないじめ差別を経験した[6][8]。いじめの影響で成績が悪かったこと、また授業で育てた野菜を持ち帰れるという理由から、東京都立園芸高校定時制課程に進学[13][12][14]。高校1年生の時に学費を稼ぐため芸能事務所に登録し、外国人エキストラのアルバイトを始める[8]。高校3年生の時にJ-WAVEのオーディションを受けたのがきっかけで、「GOOD MORNING TOKYO」で初のラジオレポーターを経験し芸能界入り。大学と並行して東京アニメーションカレッジ専門学校声優学科声優アクターズコースにも通い[15]、また外国人のエキストラとして「奇跡体験!アンビリバボー」や「ザ!世界仰天ニュース」の再現ドラマに出演していた[12]

2008年3月東海大学[1]電子情報学部を卒業。大学時代にITを専攻しており、セキュリティプログラミングJavaなどを学んだ[16]

芸能活動

イランでも放送されていた『おしん』を孤児院で視聴していたことがきっかけで、幼少時代から「女優になりたい」という夢を持っていた[17]

前述の通り、高校3年時に芸能界入りし、モデルやラジオ番組の出演を経てテレビ番組にレギュラー出演するようになる。日本テレビTHE・サンデー』などでは、滝川クリステルものまねでニュースを読む「滝川クリサヘル」として出演している。バラエティ番組でのタレント活動に加え、イラン出身という特性を活かせる国際情報番組のキャスターにも起用されている。

舞台『恭しき娼婦』では主演を務め、映画『西北西』や主演映画『冷たい床』はさまざまな国際映画祭で正式出品され、ミラノ国際映画祭にて最優秀主演女優賞を受賞。映画や舞台、女優としても活動の幅を広げている。また、第9回若者力大賞を受賞。

2012年から児童養護施設の支援のほか、国際人権NGO「すべての子どもに家庭を」で親善大使を務めており、世界中を旅しながら難民キャンプ孤児ストリートチルドレンなど子どもたちの支援活動も行っている。2020年にはアメリカで「人権活動家賞」を受賞した[18]

2024年、初監督映画『花束』が公開される。「児童養護施設出身の若者8人が自らの実体験を語りながら役者としても演技する実験的映画」とメディアで紹介された[19]

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人物

  • 趣味はガーデニング、絨毯織り、カフェ巡り[1]。特にガーデニングに関しては養母フローラと手掛けるバラ園があり、自身のSNSにもたびたび投稿している。他にも映画鑑賞テニス水泳アーチェリーバレーボールスケート卓球、コーヒー占いを挙げている。
  • 日本語ペルシャ語ダリー語タジク語を話す[1]
  • イスラム教徒である。養母フローラと共にイランから渡日した時の数少ない所持品のひとつにコーランがあった。
  • 戦災のトラウマで、子供の頃は遊園地の歓声が悲鳴のようで怖かったという。また空爆を連想する為、現在でも花火は怖いと述べている[8][20]
  • これまで男性との交際経験が無いと述べている[21][22]
  • 一番の好物は白飯。自身のブログで「地球が滅びる前に食べておきたい食べ物は卵かけご飯」と述べている[23]
  • 好きなミュージシャンとしてBUCK-TICKを挙げており、CDや映像作品がリリースされる度に購入するほどのファンである。初めて聴いた『月世界』は現在も頻繁に聴くほど思い入れが強く、ラジオで曲をかけるとしたら必ず1位に挙げると述べている。リリースされた当時はCDを買う金銭的余裕がなかった為、テレビからカセットテープに録音し、中学校の登下校時に繰り返し聴いていた[24]。2023年10月にBUCK-TICKの櫻井敦司が急逝した際は、自身のSNSに追悼のコメントを掲載している[25][26]
  • 自身の芸能活動における目標のひとつとして、「イランのイメージを変えたい」と語っている。これにはエキストラのアルバイトをしていた時期に、テロリストの役が定期的に入ってきたといい、「中東人=テロリスト」という固定観念に悔しい思いを経験したことが背景にある[27]。同時に「養母フローラのことを歴史に残したい」とも述べており、自身の生い立ちから「血の繋がっていない人同士でも愛し合うことが出来る」ことを強く発信していくこと、そして将来はイランに孤児院を設立することを人生の目標に掲げている。
  • 前述の通り、イラン・イラク戦争の空爆により家族の中で自身のみが生き残り、孤児になったと聞かされていた。しかし2015年にイランへ帰国し、かつて育ったテヘランの孤児院を訪問した際に、生き別れたのではなく自身が「家族に置き去りにされた子」であるという真相を知ったと述べている[28]
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エピソード

  • 2011年4月23日、前月に発生した東日本大震災を受けて、アラーグチー駐日イラン大使の夫人や大使館のシェフらとともに、被災地の岩手県山田町を訪問して500食以上の炊き出しを行い、鶏肉のトマトシチュー[29]ナン、伝統菓子などを振る舞った[30]
  • 2013年に初めて単身でイランに帰国している。その後も仕事などで度々イランを訪れている。
  • 2022年秋に養母フローラの弟(叔父)が亡くなり、一周忌を迎えてなお悲しみが癒えない母を時にぶつかり時に支え合いながら暮らしている。[31]
  • 2024年度から高等学校で使用されるコミュニケーション英語Ⅲの検定教科書『Heartening』(桐原書店刊)に、自身のエピソードがLesson 1のReading本文として掲載された。

出演

テレビ番組

現在のレギュラー

現在の準レギュラー

過去のレギュラー

夕刊フジTV」(2006年) - アシスタント
滝川クリサヘルの週刊!男前ニュース」 - キャスター ※「滝川クリサヘル」名義(後に本名がクレジットされるようになった)

ドラマ

過去の出演番組・単発番組

ラジオ番組

現在のレギュラー

過去のレギュラー

単発放送

  • J-WAVE HOLIDAY SPECIAL 「ミュージックバイオリズム」(2004年10月11日、J-WAVE) - パーソナリティ
  • 知っていますか?ロービジョン~0と1の間(2022年9月19日、文化放送)

映画

吹き替え

舞台

  • 「龍馬疾る!」(2006年) - マーガレット 役
  • 「志士たち」(2008年6月、新宿シアターサンモール) - お竜役 役
  • 「Asterisk」トリビアファクトリー(2009年5月3日 - 4日)
  • ぱるエンタープライズ公演Vol.28「Peach Boy's」(2012年3月15日 - 18日、シアターサンモール) - おきよ 役
  • エクセリング主催公演「バイオハザードカフェで朝食を」(2013年2月5日 - 10日、俳優座劇場
  • 大人の麦茶公演「ゆびにのこるかおり。」(2013年11月29日 - 12月8日、紀伊国屋劇場)
  • Initial Film株式会社公演「あなたに贈る×(キス)」(2013年12月18日 - 22日、シアターサンモール)
  • Project Nyx公演「宝島」(2014年2月7日 - 16日、東京芸術劇場 シアターウエスト)
  • Project Nyx公演「千夜一夜」(2015年1月16日 - 25日、東京芸術劇場 シアターウエスト)
  • パルコ・プロデュース公演「メルシー!おもてなし 〜志の輔らくごMIX〜」(2016年6月4日 - 26日、PARCO劇場
  • ProjectNyx公演「時代はサーカスの象にのって」(2017年1月19日 - 23日、新宿FACE)
  • オフィス3○○特別公演「川を渡る夏」(2017年9月15日 - 24日、すみだパークスタジオ倉)
  • ピュア―マリー公演「殺しのリハーサル」(2018年4月12日 - 15日、スペース・ゼロ
  • 新宿梁山泊公演「恭しき娼婦」(2018年10月10日 - 14日、東京芸術劇場シアターウエスト)
  • metro公演「陰獣INTO THE DARKNESS」(2019年1月17日 - 20日、赤坂レッドシアター
  • グッドピープル(2021年10月27日 - 31日、博品館劇場[62]
  • 舞台「G7」(2025年4月11日 - 15日、三越劇場[63]
  • métro 第15回公演「REAL」(2025年9月11日 - 14日〈予定〉、インディペンデントシアターOji[64]

連載コラム

  • メトロガイド」〜サヘル・ローズのコトダマ日詩〜
  • 「毎日新聞」〜おんなのしんぶん〜

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リリース作品

DVD

  • サヘルローズ「初めてのサヘル」(2008年、ポニーキャニオン
  • 福祉ビデオシリーズ『新しい絆の作り方 特別養子縁組・里親入門』(2019年3月、司会:サヘル・ローズ、ディレクター:猪瀬美樹 NHK厚生文化事業団)

書籍

  • 戦場から女優へ (2009年1月27日、文藝春秋 ISBN 978-4-16-371020-4
  • 言葉の花束 困難を乗り切るための”自分育て” (2022年1月17日、講談社 ISBN 978-4-06-526636-6
  • Dear : 16とおりのへいわへのちかい(2024年11月、イマジネイション・プラス ISBN 978-4-909809-62-9
  • これから大人になるアナタに伝えたい10のこと : 自分を愛し、困難を乗りこえる力(2024年11月、童心社 ISBN 978-4-494-02085-0

共著

編著

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脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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