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デュプロワイエ式速記 (Unicodeのブロック)
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デュプロワイエ式速記(デュプロワイエしきそっき、英語: Duployan)は、Unicodeのブロックの一つ。
解説
要約
視点
フランス語を表記する速記として1860年にフランス人の聖職者であったエミール・デュプロワイエによって考案されたデュプロワイエ式速記(フランス語: Sténographie Duployé)を収録している。フランス語の表記のほか英語、ドイツ語、スペイン語、ルーマニア語、カナダのブリティッシュコロンビア州内陸部の先住民族の言語(チヌーク混成語、オカナガン語、リルエット語、シュスワプ語、北部トンプソン語)などの様々な言語の表記にも用いられ[1]、特にチヌーク混成語においては公的な文字として用いられていた。
本ブロックにはデュプロワイエ速記のほか、デュプロワイエ速記をもとにして作られた、1890年代初頭にフランス系カナダ人神父のジャン=マリー=ラファエル・ル・ジュン(Jean-Marie-Raphaël Le Jeune)によって開発されたチヌーク混成語(及びリルエット語、トンプソン語、オカナガン語、ラテン語、英語)用の速記、更にチヌーク混成語用のものを元に1984年にマルガレッタ・スフィンチェスク(Margaretta Sfințescu)によって開発されたルーマニア語用の速記文字、1882年にヘレン・M・ペルナン(Helen M. Pernin)が考案した発音記号のユニバーサルフォノグラフィー(Universal Phonography)及びペルナン実用記者速記(Pernin's Practical Reporter)、翌年1883年にジョン・マシュー・スローン(John Mathew Sloan)によって英語用に開発されたスローン・デュプロワイエ現代速記(Sloan-Duployan Modern Shorthand)、スローンのものを元にして1918年にデニス・R・ペロー(Denis R. Perrault)が開発した英語用速記など[1]、基本的なデュプロワイエ速記のシステムを共有する速記用の文字も含まれている。
デュプロワイエ式速記は音素文字のうち、子音字と母音字にそれぞれ独立した文字が割り当てられているアルファベットに分類される。書字方向はラテン文字などと同様に左から右への横書き(左横書き)であり、単語毎に分かち書きをする。子音字は直線または大きな円弧(楕円弧)で、母音字は小さな円或いは円弧で書かれる。
ただし、通常の左横書き文字とは異なり、常に後の文字が前の文字の書き終わりの部分から書き始める位置になるようグリフの垂直方向位置を制御する必要があるため、True Typeフォントでの実装においてはアラビア文字のナスタアリーク体などに用いられているGPOS機能のCursive Attachment Positioning[2]を用い、WEB上で利用する場合cssのfont-feature-settings: "curs";を用いて筆記体モードで描画することを明示する必要がある。
同じ形状の文字であっても、書かれる方向によって異なる二つの文字になる場合が存在するため、Unicodeではこれらを別の文字として符号位置が分けられており、文字を単独で表示する場合やUnicodeの例示字形などでは視覚的な補助のため小さな矢印が書かれていることがあるが、文字を接続する場合は補助的な矢印は書かれずに正しい方向で接続されることが好ましい。特に指定が無い場合は原則として左から右へ、上から下へと進む方向で書かれる。
子音字など大部分の文字は直前の文字によらず筆記方向や形状が変化しない不変文字(invariant letter)に分類される。一方、一部の母音字は半円や円弧状の形状をしているため、母音字の次の文字が母音字や母音の前の文字を横切ることなく接続できるように直前の文字の末尾の線との角度関係によってグリフが回転する。このように直前の文字との角度関係によってグリフが回転するものを有向文字(orienting character)と呼ぶ。有向文字はその回転の方向の傾向によって大きく2種類に分けられ、直前の線が右向きの時に次の文字が上に進む方向に、直前の線が下向きの時に次の文字が右に進む方向にグリフが回転するもの(例:i(𛱆), u(𛱑))を一次方向(primary orientating)、その逆で直前の線が右向きの時に次の文字が下に進む方向に、直前の線が下向きの時に次の文字が左に進む方向にグリフが回転するもの(例:e(𛱇), eu(𛱒))を二次方向(secondary orientating)と呼ぶ。有向文字は直前に結合する文字がなく、直後に結合する文字がある場合は直後の文字に合わせてグリフが回転し、一次方向の文字は次の文字が右・上に進むように、二次方向の文字では次の文字が左・下に進むように文字が回転する[1]。
例えば、一次方向文字のi (𛱆)は直前が下向き垂直線のp (𛰂)であれば次の文字が右に進むように"𛰂𛱆"(ᒐのような形状)となり、直前が右向き水平線のt (𛰃)であれば次の文字が上に進むように"𛰃𛱆"(ᓗのような形状)となる。一方、二次方向文字のe (𛱇)は直前が下向き垂直線のp (𛰂)であれば次の文字が左に進むように"𛰂𛱇"(ᒍのような形状)となり、直前が右向き水平線のt (𛰃)であれば次の文字が下に進むように"𛰃𛱇"(ᓓのような形状)となる。
Unicode公式のコードチャートにおける代表グリフでは、有向文字は単独で書かれる際の形状で表示されている。i, e以外の有向文字はZWJ(U+200D; ゼロ幅接合子)とZWNJ (U+200C; ゼロ幅非接合子)で囲むことで不変文字として扱うことも可能である。i, eについては不変文字としてふるまう文字が個別に符号化されている[1]。
したがって、例えば「デュプロワイエ速記」を表すフランス語"Sténographie Duployé"は𛰜𛰃𛱇𛰚𛱄𛰊𛰋𛱁𛰄𛱆 𛰈𛱒𛰂𛰆𛱄𛱆𛱇(stenografi deuploie)と書かれるが、適切なレンダリング環境があれば以下の画像のように表示される。

終止符には通常、補助句読点ブロックに含まれるU+2E3C ⸼ STENOGRAPHIC FULL STOPを用いる[1]が、チヌーク混成語においては本ブロックに含まれるU+1BC9F 𛲟 DUPLOYAN PUNCTUATION CHINOOK FULL STOPが用いられる。
Unicodeのバージョン7.0において初めて追加された。
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収録文字
要約
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小分類
要約
視点
このブロックの小分類は「非接続子音字」(Non-joining consonants)、「線形子音字」(Line consonants)、「弧形の子音字」(Arc consonants)、「下向きに書かれる四半円弧形の子音字」(Quarter-arc consonants written downwards)、「上向きに書かれる四半円弧形の子音字」(Quarter-arc consonants written upwards)、「円形の母音字」(Circle vowels)、「半円形の母音字」(Semi-circle vowels)、「斜線形の母音字」(Diagonal-line vowels)、「四半円弧形の母音字」(Quarter-circle vowels)、「その他の母音字」(Other vowels)、「点付き円形の母音字」(Dotted-circle vowels)、「複合母音字」(Compound vowels)、「基本的な鼻母音字」(Basic nasal vowels)、「追加の鼻母音字」(Additional nasal vowels)、「接続接辞」(Attached affixes)、「高位置の接辞」(High affixes)、「低位置の接辞」(Low affixes)、「その他の記号」(Miscellaneous sign)、「スローンR-形選択子」(Sloan R-form selector)、「速記二重記号」(Shorthand double mark)、「チヌーク混成語の約物」(Chinook punctuation)の21個となっている[3]。
非接続子音字(Non-joining consonants)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、他の文字と接続せず、前の文字の書き終わりの位置から少し離して書かれる子音字が収録されている。
線形子音字(Line consonants)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、線分の形状をした子音字が収録されている。
Unicode公式の表において一部の線分や弧形の文字のグリフに表示される小さな矢印は文字の書かれる方向を示しており、視覚的にはレンダリングされない[3]。
なお、同じ向きの子音字が連続する場合、デュプロワイエ速記では線の長さで文字が弁別されるため混同が生じないよう、後に続く文字をごくわずか下或いは右にずらして書かれる(ゆりつぎ[4])(例:𛰃𛰃"tt", 𛰂𛰂"pp", 𛰄𛰉"fv", 𛰋𛰆"rl")。文字の交差点に短いクロスティックを付ける場合や、左右の文字の角度を変える場合もある。プレーンテキストでは、ゆりつぎが文字シーケンスの非合字形式とみなされ、中立的なデフォルトのレンダリングとなっている。実装では、クロスティックやその他のインジケータをデフォルトのレンダリングとして指定できる[1]。
弧形の子音字(Arc consonants)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、円弧や楕円弧の形状をした子音字が収録されている。
下向きに書かれる四半円弧形の子音字(Quarter-arc consonants written downwards)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、下方向に書かれる、円を4分の1にした円弧形の子音字が収録されている。
上向きに書かれる四半円弧形の子音字(Quarter-arc consonants written upwards)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、上方向に書かれる、円を4分の1にした円弧形の子音字が収録されている。
円形の母音字(Circle vowels)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、円の形状をした母音字が収録されている。
前後の線の角度に合わせて、交差部分が回転するようにグリフが変化する。ループの置かれる位置は以下の順序の規則に従う。
- 前後の線が異なる向きであれば、優角(180°より大きくなる角)側に配置される。(例:𛰄𛱁𛰃"fat", 𛰙𛱁𛰛"maj")
- 前後の文字が円弧状ならその円弧の内側になるように配置される。(例:𛰙𛱁𛰃"mat", 𛰛𛱁"ja", 𛱁𛰜"as", 𛰙𛱁𛰚"man")
- 前後の文字が直線状かつ下に向かう線であれば線の左側に配置される。(例:𛱁𛰂𛱁𛰂𛱁"apapa")
- 直後の文字が右に向かう直線で、かつ直前に接続する文字があれば線の上側に配置される。(例:𛰃𛱁𛰃𛱁"tata")
- 直後の文字が右に向かう直線で、かつ直前に接続する文字がなければ線の下側に配置される。(例:𛱁𛰃"at")
また、円状の母音字が連続した場合はデフォルトで合字を形成する(例:𛱁𛱁"aa")。合字が使用できない場合、或いは介在するZWJ + ZWNJ + ZWJ (U+200D + U+200C + U+200D) によって上書きされる場合、直前の別の接続文字が無い連続する円状の母音は、共有側の垂直接線で接続される(例:𛱁𛱁"aa")[1]。
ただし、スローン現代速記で用いられるU+1BC42 𛱂 DUPLOYAN LETTER SLOAN OWや、ユニバーサルフォノグラフィー及びスローン現代速記で用いられる円状の母音字の合字は、上記の規則とは全て逆の向きにループが配置される逆円状の母音字(Reverse Circle Vowels)として扱われる(例:𛰄𛱂𛰃"fowt", 𛰛𛱂"jow", 𛱂𛰂𛱂𛰂𛱂"owpowpow", 𛱂𛰃𛱂𛰃𛱂"owtowtow")[1]。
また、二重母音などで円状の母音の前後に円弧状の母音字が連続して母音クラスタを形成する場合、以下の規則に従う[1]。
- 直前に文字がない場合、円弧状母音字の円弧の外側に配置され、水平方向の中央線に沿って左から右に向かう方向に配置される。一次方向文字は上に凸で時計回り、二次方向文字は下に凸で反時計回りに書かれる。(例:𛱁𛱆"ai", 𛱁𛱇"ae". 𛱄𛱆"oi")
- 前後に文字がある場合、母音字シーケンス全体は円弧状母音字の方向に従う有向文字としてふるまい、円状の母音字は直後の円弧状母音字の円弧の外側に配置される。(例:𛱁𛱆𛰃"ait", 𛱁𛱇𛰃"aet", 𛱆𛱁𛰃"iat", 𛰂𛱁𛱆"pai", 𛰂𛱁𛱆𛰃"pait", 𛰂𛱁𛱆𛰙"paim")
母音クラスタ内に有向文字が複数ある場合は以下の規則に従う[1]。
- 母音クラスタの直前に接続文字がある場合はシーケンスの最初の文字に従う。
- 母音クラスタの直前に接続文字がない場合はシーケンスの最後の文字に従う。
半円形の母音字(Semi-circle vowels)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、半円の形状をした母音字が収録されている。
有向文字については、それぞれの方向特性(一次方向或いは二次方向)によって、前後の文字に合わせてグリフが回転する。
直前に文字がない場合、円弧状母音字の円弧の外側に配置され、水平方向の中央線に沿って左から右に向かう方向に配置される。一次方向文字は上に凸で時計回り、二次方向文字は下に凸で反時計回りに書かれる[1]。(例:𛱇𛱆"ei" ∽のような形状,𛱆𛱇"ie" ∼のような形状)
斜線形の母音字(Diagonal-line vowels)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、斜め方向の線分の形状をした母音字が収録されている。
四半円弧形の母音字(Quarter-circle vowels)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、円を4分の1にした円弧形の母音字が収録されている。
その他の母音字(Other vowels)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、例外的な形状をした母音字が収録されている。
点付き円形の母音字(Dotted-circle vowels)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、円と点で構成された母音字が収録されている。
複合母音字(Compound vowels)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、半母音のw-を含む、より大きな円で囲まれた母音字が収録されている。
基本的な鼻母音字(Basic nasal vowels)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、鼻母音を表す母音字が収録されている。
これらの鼻母音文字は、方向付け母音として、または不変母音として、ダイアクリティカルマークのように位置付けられる[3]。
前後に接続する文字が存在する場合、隣接する文字の優角(180°より大きな角、すなわち外)側に配置されたダイアクリティカルマークとしてレンダリングされる。つまり、2つの文字に隣接する円状の母音の位置と同じ位置に、他の線とは接続せず離されて置かれる[1]。
ZWJを用いることで鼻母音字を他の線と接続する通常の文字のように扱うことができ、ZWJが次の文字と鼻母音字の間(前の文字+ZWJ+鼻母音字+後の文字)にあれば前の文字を参照した有向文字として、前の文字と鼻母音字の間(前の文字+鼻母音字+ZWJ+後の文字)にあれば次の文字を参照した有向文字としてふるまう。直前に文字がなく、ZWJが鼻母音字と次の文字の間にある場合(鼻母音字+ZWJ+後の文字)は次の文字を参照した有向文字として機能し、前後両方にZWJがある場合(前の文字+ZWJ+鼻母音字+ZWJ+後の文字)は前後に接続する不変文字として機能する。ZWJによる接続を途中で解除する場合はZWNJが用いられる[1]。
追加の鼻母音字(Additional nasal vowels)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、鼻母音を表す追加の母音字が収録されている。
接続接辞(Attached affixes)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、接辞を表すために別の線に重ねて書かれる記号が収録されている。
Unicode公式の表におけるグリフ内の点線は、付加されている基本グリフ上の位置と相対的な方向を示しており、視覚的にはレンダリングされない[3]。
高位置の接辞(High affixes)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、接辞を表すために別の線の上方に書かれる記号が収録されている。
低位置の接辞(Low affixes)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、接辞を表すために別の線の下方に書かれる記号が収録されている。
その他の記号(Miscellaneous sign)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、チヌーク混成語において聖餐を表すための記号1つのみが収録されている。
スローンR-形選択子(Sloan R-form selector)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、スローン現代速記においてrで始まる文字を表すため、前のデュプロワイエ速記文字を太字で表示することを表す不可視の制御文字1文字のみが収録されている[1]。コードチャートに示されているグリフは任意であり、視覚的にはレンダリングされない[3]。(例:𛰄𛲝𛱁"fra")
速記二重記号(Shorthand double mark)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、直前の文字を繰り返すことを表す記号が収録されている。
Unicode公式の表におけるグリフ内の点線は、この記号が付加された基字のグリフ上の位置との相対的な方向を示しており、視覚的にはレンダリングされない[3]。
チヌーク混成語の約物(Chinook punctuation)
この小分類にはデュプロワイエ式速記のうち、チヌーク混成語における終止符1文字のみが収録されている。
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合字
要約
視点
デュプロワイエ速記ではフォント開発者が任意に設定可能な任意の合字と、文字体系の仕様上必ず実装しなければならない必須の合字が含まれている。
任意の合字
全ての任意の文脈/合字形式は、ZWJ (U+200D) を使用してプレーンテキストで要求できる[1]。
ユニバーサルフォノグラフィーでは繰り返される子音は文脈形式を使用し、2番目の子音が前の文字のストロークの終わりの小さなしみ (筆圧の増加によって生じる) として書かれる。これは同一子音と類似子音の両方に適用され、最初の子音は完全な形式で表される[1]。(例:𛰃𛰃"tt")
また、ユニバーサルフォノグラフィーは別の円母音が続く場合を除き、r (デュプロワイエ速記におけるl、U+1BC06) の前にある円母音の合字形式も規定しており、同じサイズの逆円状の母音字として書かれることがある[1]。(例:𛱁𛰆"ar", 𛱄𛰆"or")
同様に、スローン現代速記では、r(U+1BC0B)に続く円母音は逆円状の母音字として表される[1]。(例:𛰋𛱁"ra", 𛰋𛱄"ro")
必須の合字
k及びg(U+1BC05、U+1BC0A)に続く場合、wはUターンするフックの形をとる。(例:𛰅𛰸"kw", 𛰊𛰸"gw")ペロー式英語速記ではユニバーサルフォノグラフィーのものよりも少し波打ったような形状で書かれる傾向がある。スローン現代速記ではk/g+wに別の文字を規定しており、wはフックの形とはならない。ユニバーサルフォノグラフィーにおけるwは、変化シーケンスw+VS1(U+1BC38+U+FE00)と、デフォルトの合字/文脈形としてフック形を使用することで、プレーンテキストで表現可能である。すべてのデフォルトの合字と同様に、連結されていないk/g+wのシーケンスは、間に制御文字シーケンスZWJ+ZWNJ+ZWJ(U+200D+U+200C+U+200C) をプレーンテキストで指定することで要求できる[1]。
ルーマニア語の正書法では、u(U+1BC56 𛱖)とその複合語に文脈に応じた形が規定されている。コード表に示されているものは非母音文脈用であり、母音文脈ではデュプロワイエ速記におけるow(U+1BC5A 𛱚)と同じ形をとる(例:𛰂𛱖𛰃"put")。位置合字には、o+u(U+1BC44 + U+1BC56)のシーケンスがあり、これは語頭または語末で、細長い楕円形の単純な円状母音の形をとる(例:𛰇𛱄𛱖"bou")。母音文脈においてa/o+u(U+1BC41/U+1BC44+U+1BC56)は、連続する円状母音のデフォルトの接続動作を示し、前の文字の語尾の反対側に配置され、uは再び母音文脈のowの形で現れる(例:𛰇𛱄𛱖𛰈"boud", 𛰇𛱁𛱖"bau", 𛰇𛱁𛱖𛰈"baud")。他の母音の後では、uは尻尾のような形状の縮音形で現れる(例:𛰇𛱆𛱁𛱖"biau")[1]。
ルーマニア語では、視覚的には文字wa(U+1BC5C)と同一の母音シーケンスo+a(U+1BC44 + U+1BC41)の連結形式も規定されている[1]。(例:𛰇𛱄𛱁"boa")
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異体字
本ブロックに含まれるいくつかの文字には文脈による自動的な処理が不可能な異体字が存在し、Unicodeではこれを異体字セレクタのVS1(U+FE00)を用いて表現することが可能である。
ユニバーサルフォノグラフィーにおいてはl(U+1BC0B、デュプロワイエ速記におけるr)に続くr(U+1BC06、デュプロワイエ速記におけるl)には「わずかに左に傾いた上向きのアクセント」を、rの後に続くlには「右に傾いた」アクセントを規定している。この上向きのアクセントは、他の子音の後に続く、通常は単語末尾にも見られることがある。これらのアクセントはL/R + VS1(U+FE00)としてエンコードされる[1]。
| U+ | 1BC0B 1BC06 | 1BC06 1BC0B | 
| 既定の符号位置 | 𛰋𛰆 | 𛰆𛰋 | 
| VS1(U+FE00)添加 | 𛰋𛰆︀ | 𛰆𛰋︀ | 
w(U+1BC38)について、スローン現代速記及びペロー式英語速記では、右上から左下に書かれる1/4の円弧であり、12時から9時の方向に書かれる。一方、ユニバーサルフォノグラフィーでは、1/6弧に近く、11時の位置に近いところから始まるが、スローン/ペローの変種とほぼ同じ長さの弧(より大きな直径)として書かれる[1]。
| U+ | 1BC38 | 
| 既定の符号位置 | 𛰸 | 
| VS1(U+FE00)添加 | 𛰸︀ | 
チヌーク混成語では、文字m、n、j、s (U+1BC19 - U+1BC1C) を数字として使用でき、その場合文字は通常よりも小さく書かれる。これらの異体字は、異体シーケンスm/n/j/s+VS1 (U+1BC19/A/B/C + U+FE00) で指定できる[1]。
| U+ | 1BC19 | 1BC1A | 1BC1B | 1BC1C | 
| 既定の符号位置 | 𛰙 | 𛰚 | 𛰛 | 𛰜 | 
| VS1(U+FE00)添加 | 𛰙︀ | 𛰚︀ | 𛰛︀ | 𛰜︀ | 
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文字コード
| デュプロワイエ式速記(Duployan)[1] Official Unicode Consortium code chart (PDF) | ||||||||||||||||
| 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | A | B | C | D | E | F | |
| U+1BC0x | 𛰀 | 𛰁 | 𛰂 | 𛰃 | 𛰄 | 𛰅 | 𛰆 | 𛰇 | 𛰈 | 𛰉 | 𛰊 | 𛰋 | 𛰌 | 𛰍 | 𛰎 | 𛰏 | 
| U+1BC1x | 𛰐 | 𛰑 | 𛰒 | 𛰓 | 𛰔 | 𛰕 | 𛰖 | 𛰗 | 𛰘 | 𛰙 | 𛰚 | 𛰛 | 𛰜 | 𛰝 | 𛰞 | 𛰟 | 
| U+1BC2x | 𛰠 | 𛰡 | 𛰢 | 𛰣 | 𛰤 | 𛰥 | 𛰦 | 𛰧 | 𛰨 | 𛰩 | 𛰪 | 𛰫 | 𛰬 | 𛰭 | 𛰮 | 𛰯 | 
| U+1BC3x | 𛰰 | 𛰱 | 𛰲 | 𛰳 | 𛰴 | 𛰵 | 𛰶 | 𛰷 | 𛰸 | 𛰹 | 𛰺 | 𛰻 | 𛰼 | 𛰽 | 𛰾 | 𛰿 | 
| U+1BC4x | 𛱀 | 𛱁 | 𛱂 | 𛱃 | 𛱄 | 𛱅 | 𛱆 | 𛱇 | 𛱈 | 𛱉 | 𛱊 | 𛱋 | 𛱌 | 𛱍 | 𛱎 | 𛱏 | 
| U+1BC5x | 𛱐 | 𛱑 | 𛱒 | 𛱓 | 𛱔 | 𛱕 | 𛱖 | 𛱗 | 𛱘 | 𛱙 | 𛱚 | 𛱛 | 𛱜 | 𛱝 | 𛱞 | 𛱟 | 
| U+1BC6x | 𛱠 | 𛱡 | 𛱢 | 𛱣 | 𛱤 | 𛱥 | 𛱦 | 𛱧 | 𛱨 | 𛱩 | 𛱪 | |||||
| U+1BC7x | 𛱰 | 𛱱 | 𛱲 | 𛱳 | 𛱴 | 𛱵 | 𛱶 | 𛱷 | 𛱸 | 𛱹 | 𛱺 | 𛱻 | 𛱼 | |||
| U+1BC8x | 𛲀 | 𛲁 | 𛲂 | 𛲃 | 𛲄 | 𛲅 | 𛲆 | 𛲇 | 𛲈 | |||||||
| U+1BC9x | 𛲐 | 𛲑 | 𛲒 | 𛲓 | 𛲔 | 𛲕 | 𛲖 | 𛲗 | 𛲘 | 𛲙 | 𛲜 | 𛲝 | 𛲞 | 𛲟 | ||
| 注釈 
 | ||||||||||||||||
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履歴
要約
視点
以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。
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出典
関連項目
Wikiwand - on
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
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