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繰り上げ投票

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繰り上げ投票(くりあげとうひょう)とは、選挙または国民投票において交通気象などの特殊要因により実施地域の一部で規定の投票期日よりも前倒しして特別な投票日を設定すること。開票日までに開票するための措置である[1]。なお、法令用語としては繰上投票が正式である。

公職選挙法第56条による「繰上投票」

要約
視点

実施要因

日本において繰り上げ投票が実施されるのは、ほとんどの場合において島嶼に属する地域である。離島が属する自治体の市役所ないし町村役場との交通手段がなどに限られている場合、開票作業を役所・役場のある本土で行う際に投票箱の運搬に時間が掛かるため繰り上げ投票を実施することが多い。これは公職選挙法で「開票は、すべての投票箱の送致を受けた日又はその翌日に行う。」と定められており、一部の投票箱の開票を先に行うということが出来ないからである。

なお、投票区の一部が離島という場合には繰り上げ投票は行えないため、離島で期日前投票を受け付けることで対応する例もある[2]

この他、台風が接近しており投票日の外出が困難と予想される場合にも繰り上げ投票が実施されることがある。

離島のため定例的に行っている地域

選挙区は第48回衆議院議員総選挙のもの。日数の差異は通常の投票日を基準とする。

北海道
山形県
東京都
静岡県
山口県
徳島県
福岡県
長崎県
鹿児島県
沖縄県
  • 竹富町沖縄県第4区) - 前日[24]※役場が町外(石垣市)にあるため、町内各島からの船での投票箱運搬日数を考慮して投票日を設定している。

気象条件を理由に実施された事例

第44回衆議院議員総選挙2005年9月11日

台風15号の進路となることが予想されたため、繰り上げ投票を実施。

2005年9月9日
2005年9月10日

第48回衆議院議員総選挙2017年10月22日

この選挙では、全国25市町村の計75の投票所で投票を19~21日に前倒しすることがもともと決まっていたが、台風21号の進路となることが予想されたため、繰り上げ投票の追加の措置を取る自治体が相次いだ。通常の前倒しと台風による追加措置を含めて、10月20日の時点の情報で、全国計109の投票所で繰り上げ投票が実施されることになっていた。[25]

2017年10月20日
2017年10月21日
防げなかった開票作業の延期

下記の自治体では、離島から投票箱を運べないなどの理由で、開票が10月23日に延期となった。

下記の自治体では、一部の開票作業を10月23日に延期した。

下記の自治体では急遽、離島に開票所を設置し即日開票した。

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公職選挙法第40条による「投票時間の繰り上げ」

公職選挙法第40条第1項ただし書きでは、「選挙人の投票に支障を来さないと認められる特別の事情のある場合に限り、4時間以内で投票終了時刻の繰り上げが可能」と定められている。かつては、投票所から開票所まで距離がある地域などで行われてきたが、その後都市部でも拡大。県庁所在地でも繰り上げ投票が行われるようになった。2003年の衆院選では約20%の投票所で行われていたが、2014年の衆院選では約33%の投票所で行われた。そのうち福島県では100%の投票所で、群馬県では99%で繰り上げ投票が行われた。一方、千葉県神奈川県大阪府では繰り上げ投票は行われなかった。総務省の担当者は「投票時間が短くなれば、選挙権の侵害を招くこともありうる」と述べている[55][56]

三重県では、2017年の衆院選台風21号の影響により行われるまでは、繰り上げ投票が行われたことは無かった。

2012年の衆院選では、福島県では全ての投票所で投票時間を1~4時間繰り上げたが、これは公職選挙法で認めている「特別の事情」に当たらず違法だとして、福島県の女性らのグループが福島4区5区の選挙無効を求めて仙台高等裁判所に提訴した。提訴は2013年1月15日付。投票時間を繰り上げなければ、別の候補者が当選していた可能性があったと主張した[57]。同年4月11日、原告が両選挙区の有権者ではなかったため、原告適格を満たしていないことを理由に訴えは退けられた[58]

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脚注

参考文献

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関連項目

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