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三菱UFJフィナンシャル・グループ
三菱UFJ銀行などを傘下に置く三菱グループの金融持株会社 ウィキペディアから
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株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(みつびしユーエフジェイフィナンシャル・グループ、英: Mitsubishi UFJ Financial Group, Inc.)は、メガバンクの三菱UFJ銀行などを傘下に置く三菱グループの金融持株会社。東京都千代田区丸の内に本社(2025年現在は三菱UFJ信託銀行本店ビルに設置される仮本社)を置く。略称はMUFG。
東証プライム市場とニューヨーク証券取引所(NYSE)の上場企業。上場銘柄としての略称は「三菱UFJ」。日経平均株価、読売株価指数、TOPIX Core30、JPX日経インデックス400の構成銘柄の一つ[4][5][6][7]。
前身のUFJホールディングスに由来する『UFJ』は、『United Financial of Japan[注釈 1]』の略である[9]。つまり、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループの社名には、『フィナンシャル』が2つ含まれている。
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概要

2005年10月1日、三菱グループの三菱東京フィナンシャル・グループ(三菱東京FG)とUFJグループのUFJホールディングス(UFJHD)の合併で誕生した。資産規模は約386兆円で、日本最大の金融グループである。
三菱UFJ銀行の前身の旧三菱銀行、旧三和銀行、旧東海銀行はそれぞれ首都圏・京阪神・中京圏の三大都市圏を地盤としている。外国為替専門銀行であった旧東京銀行の流れを汲み、国際業務でも積極的なM&Aを通じて進出するなどの優位性をもつ。実際、タイのアユタヤ銀行を傘下に置き、アメリカのモルガン・スタンレーの筆頭株主でもある。なお、かつてはアメリカ西海岸で大手地方銀行のユニオン・バンクも子会社としていたが、2022年12月に売却した[注釈 2][10]。
2015年3月期決算では、国内銀行グループで初の純利益が1兆円を超えた[11][12]。また同6月25日付で委員会設置会社(現在の指名委員会等設置会社)に移行した[13]。
コーポレートカラーは「MUFGレッド」。グループスローガン(ブランドパーパス、企業の目的意識)は「世界が進むチカラになる。」である[広報 1]。
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歴史
要約
視点
発足の経緯
三菱東京FGとUFJHDが経営統合に至った背景としては、UFJ側、特にUFJ銀行の不良債権が膨張し、健全な経営姿勢が困難になったことが挙げられる。そこでUFJHDは、傘下のUFJ信託銀行を一旦2004年6月に、住友信託銀行(住信)に売却する方針を発表したが、2004年7月にUFJHDは一転して三菱東京FGとの経営統合の方針を明らかにした。
これに対し、住信は東京地裁に三菱東京FGとUFJHDの統合を禁止する仮処分を請求した。2006年2月13日、東京地裁は住信の請求を認めた(東京地裁民7判平18年2月13日判事第1928号3頁)[14]。しかし同年8月11日、東京高裁はUFJHDの抗告を認め、住信の申請を斥けた。これにより翌12日、三菱東京FGとUFJHDは経営統合に関する基本合意を発表した。住信は8月11日に特別抗告を行ったが8月30日、最高裁は東京高裁の決定は妥当として、特別抗告を斥ける決定をした(最決平16年8月30日民集58巻6号1763頁)[15]。住信はUFJHDへの損害賠償請求に切り替えて控訴したが、2006年11月20日に和解が成立した(東京高裁の提案により、UFJHDが住信に対し25億円の和解金を支払う)[14]。
2005年2月18日、同年10月1日付で三菱東京FGとUFJHDの合併が決定し、グループの名称を「三菱UFJフィナンシャル・グループ」とすること、合併に際しUFJHD1株に対し三菱東京FG0.62株を割り当てることが正式に発表された。グループ企業も、一部を除いて旧三菱東京FG側を吸収合併存続会社とし持株会社と同一期日に合併する方針が採られたが、普通銀行の東京三菱銀行とUFJ銀行については合併に伴う大規模なシステム障害を懸念する金融庁の勧告を受けて、ネット証券のMeネット証券とカブドットコム証券の合併についてはカブドットコム証券が株式を上場したばかりで対処が遅れたため、共に2006年1月1日に変更された。リースとカード・信販はそれぞれ2007年4月1日に合併し[注釈 3]、消費者金融であるモビットの改編も進められた[16]。
年表
- 2005年(平成17年)
- 10月1日:三菱東京フィナンシャル・グループ(存続会社)とUFJホールディングスの合併で、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が発足[広報 4]。MUFGの普通株式を、名証第一部市場に新規上場。①三菱信託銀行(存続会社)とUFJ信託銀行の合併で、三菱UFJ信託銀行を設立。②三菱証券(存続会社)とUFJつばさ証券の合併で、三菱UFJ証券を設立。
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)
- 2010年(平成22年)
- 4月1日: 証券事業の三菱UFJ証券を三菱UFJ証券ホールディングスと、2代目三菱UFJ証券(旧三菱UFJ証券分割準備)に分割[広報 6]。
- 5月1日:MUFGとMorgan Stanleyの日本証券事業を統合[24][25]。①モルガン・スタンレー証券の投資銀行部門が、三菱UFJモルガン・スタンレー証券(旧2代目三菱UFJ証券)に合流。②①の分割後のモルガン・スタンレー証券は、ホールセール証券会社のモルガン・スタンレーMUFG証券に改組。③①と②の両社を、MUFGとMorgan Stanleyの共同経営体制に位置づけ。
- 2012年(平成24年)
- 2013年(平成25年)
- 5月29日:三菱東京UFJ銀行が翌2014年3月1日をめどに、モビット(後のSMBCモビット)の合弁事業を解消すると発表[広報 7]。①モビットの金融機関向け信用保証事業を、エム・ユー信用保証に新設分割のうえで、エム・ユー信用保証の株式を三菱東京UFJ銀行とアコムが取得。②カードローン事業の残ったモビットを、SMBCグループのSMBCコンシューマーファイナンスに売却。
- 12月18日:三菱東京UFJ銀行がTOBで、タイの大手商業銀行のBank of Ayudhya PCLの株式72.0%を約5360億円で取得[27][28]。
- 2014年(平成26年)
- 7月1日:三菱東京UFJ銀行が、米国法人を再編[29]。①UnionBanCal Corporationを、三菱東京UFJ銀行の米国持株会社のMUFG Americas Holdings Corporationに改組。②Union Bank, N.A.はMUFG Union Bank, N.A.に改称のうえ、三菱東京UFJ銀行の米国企業向け融資機能を順次統合。
- 2015年(平成27年)
- 6月:コーポレートガバナンス体制を、指名委員会等設置会社に移行。
- 2016年(平成28年)
- 1月14日:三菱東京UFJ銀行と、フィリピンの中堅ユニバーサルバンクのSecurity Bank Corporationが資本業務提携。同年中に、三菱東京UFJ銀行はSecurity Bank Corporationの株式20.0%を約916億円で取得する[30]。
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)
- 2019年(平成31年)
- 4月29日:三菱UFJ銀行が、インドネシアの大手商業銀行のPT Bank Danamon Indonesia, Tbk.の買収完了。同銀行の発行済み株式94.0%を約3970億円で追加取得[注釈 5][35]。
- 4月:世界最大のCDNのAkamai Technologies, Inc.と合弁で、決済サービスプロバイダのGlobal Open Network Japanを設立[36][37]。
- 2021年(令和3年)
- 2022年(令和4年)
- 2月22日:Global Open Network Japanについて、ブロックチェーンサービスの黒字化が見込めないとして、同社と同社持株会社のGlobal Open Networkの廃業を発表[40]。
- 4月:東証と名証の市場区分の見直しに伴い、それぞれプライム市場とプレミア市場に移行。
- 12月2日:米国法人のUnion Bank, N.A.を、現地最大の地銀のU.S. Bancorpに約7425億円で売却[41]。その対価として、三菱UFJ銀行はU.S. Bancorpの発行済み株式約3.0%(約2700億円相当)を取得[42]。
- 2023年(令和5年)
- 8月3日:三菱UFJ銀行がU.S. Bancorpに約1300億円を追加出資。U.S. Bancorpの持株比率を4.39%に引上げ[43]。
- 2024年(令和6年)
- 4月:三菱UFJ信託銀行から、三菱UFJアセットマネジメント(旧三菱UFJ国際投信)の全株式を取得[44]。
- 2025年(令和7年)
- 1月31日:auじぶん銀行(旧じぶん銀行)の保有分全株式を、KDDIグループのauフィナンシャルホールディングスに売却[45]。その対価として、三菱UFJ銀行は三菱UFJ eスマート証券(旧auカブドットコム証券)の全株式を取得[46][47]。
- 4月10日:三菱UFJニコスがTOBで、家賃債務保証サービスの全保連(沖縄県那覇市)の発行済み株式50.2%を取得[48]。
- 4月15日:三菱UFJ銀行と同銀行子会社の三菱UFJファクターが、Biz Forward[注釈 6]の保有分全株式をそれぞれ合弁パートナーのマネーフォワードに売却[49]。
- 10月1日:三菱UFJ銀行が三菱UFJ証券ホールディングスから、海外証券事業の統括管理事業を吸収分割で承継。当初は2025年7月1日に分割予定であったが、海外関係当局の審査が予想以上に長引き、当日まで延期された[広報 8]。
- 10月15日:ジャパンナショナルスタジアム・エンターテイメントと、「国立競技場」の命名権を含むパートナーシップ契約を締結。これに伴い、翌26年1月から2030年1月までの約5年間、国立競技場の呼称が「MUFGスタジアム」(略称:MUFG国立)となることが発表された[50][51]。
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歴代社長
主なグループ企業
要約
視点
三菱UFJ銀行
株式会社三菱UFJ銀行(三菱UFJフィナンシャル・グループ 100.0%):三大メガバンクの一角を占める大手都市銀行[広報 9]
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【証券業】
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【決済代行】
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【債権】
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【投資信託】
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【フィンテック】
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【リース】
- MUFGファイナンス&リーシング株式会社(三菱UFJ銀行 37.3%):総合リース、旧東銀リース
【その他】
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三菱UFJ信託銀行
三菱UFJ信託銀行株式会社(三菱UFJフィナンシャル・グループ 100.0%):三大信託銀行の一角を占める大手信託銀行[広報 10]
- 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(三菱UFJ信託銀行 46.5%、日本生命保険 33.5%):資産管理専門の信託銀行
【不動産】
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【証券関連】
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【コーポレート】
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【シンクタンク】
- 株式会社三菱UFJトラスト投資工学研究所(三菱UFJ信託銀行 100.0%):資産運用モデル、リスク管理モデルの研究開発
【欧州】
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三菱UFJ証券ホールディングス
三菱UFJ証券ホールディングス株式会社(三菱UFJフィナンシャル・グループ 100.0%):中間持株会社[広報 11]
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三菱UFJニコス
三菱UFJニコス株式会社(三菱UFJフィナンシャル・グループ 100.0%):三大クレジットカードの一角を占める大手クレジットカードサービス
アコム
アコム株式会社【東証スタンダード・8572】(三菱UFJフィナンシャル・グループ 37.6%、三菱UFJ信託銀行 2.0%):大手消費者金融[広報 12]
【日本】
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【東南アジア】
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三菱HCキャピタル
三菱HCキャピタル株式会社【東証プライム・8593、OTC市場・MIUFY】(三菱商事 18.4%、三菱UFJフィナンシャル・グループ 14.5%、三菱UFJ銀行 3.5%):旧三菱UFJリースの流れをくむ大手総合リース
関連団体
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グループ内のシステム会社
親密銀行
→グループではないものの関係が親密な銀行については「三菱UFJ銀行#関係が親密な地方銀行」参照
かつての親密企業
- アプラス(旧三和系の信販会社。後にSBI新生銀行(旧新生銀行)の傘下)
- プロミス(現・SMBCコンシューマーファイナンス)(旧三和系の消費者金融会社。後に三井住友フィナンシャルグループの傘下)
- モビット(現・三井住友カード)(旧三和系の消費者金融会社。後に三井住友フィナンシャルグループの傘下)
- セントラルファイナンス(現・三井住友カード)(旧東海系の信販会社。後に三井住友フィナンシャルグループ系列のSMFGカード&クレジットと三井物産の傘下)
- 東海東京証券(法人格としては、現・東海東京フィナンシャル・ホールディングス)(旧東海系の証券会社。後に三井住友海上火災保険の傘下)
- ユナイテッド・カリフォルニア銀行(BNPパリバに営業譲渡)
- ユニオン・バンク(Union Bank/三菱UFJ銀行子会社のユニオンバンカル傘下からU.S.バンコープに売却)[10]
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主要大口取引先
製造業
商業
運輸
情報・通信
地方自治体
出資など
2008年10月13日、モルガン・スタンレーに90億ドル(当時の日本円で約9000億円)の出資をし発行済み株式の21%を取得した。9月29日に普通株で30億ドル、優先株で60億ドルを出資することで一旦合意をしたが、10月10日にモルガン・スタンレーの株価が急落し、当初の合意通りではMUFG側に多額の損失が生じる可能性があったため、再検討の結果全額優先株となった[52]。
その後モルガン・スタンレー側が段階的に公募増資を発表したため、それに応じる形で優先株の一部償還・普通株の取得を行っているが[53][54][55]、引き続き議決権[注釈 7]の20%超を維持し続けている。また三菱UFJ証券とモルガン・スタンレー証券(日本法人)の統合[56]、モルガン・スタンレーへの取締役の派遣[57]など、徐々に具体的な協業体制の構築が始まりつつある。
有価証券報告書の株主総会前の開示
有価証券報告書の株主総会前の開示は、日本の企業統治改革が進むなか、ほぼ唯一、手つかずで残る問題であり[58]、EY新日本有限責任監査法人の調査では、有価証券報告書を株主総会前に開示する3月期企業は、2023年3月期決算の上場企業2325社のうち、8割以上が有報を定時株主総会と同じ日か翌日に提出しており、総会前に提出したのは33社、全体の1.4%にとどまる中[59][60]、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2022年3月期から有価証券報告書を定時株主総会前に開示している。
→「佐藤昇 (ジャーナリスト) § 株主提案」も参照
ブランディング
| MUFG Red | MUFG Grey[61] |

ブランディングは日本デザインセンターの永井一正が手がけた[62]。シンボルマークは円形を重ね合わせることで、「グループの総力を結集して生み出す新しい総合金融サービス」と「お客さまと一体感のある親しみやすいサービス」を表している[61]。
シンボルマークにも使用されている三菱UFJフィナンシャル・グループのコーポレートカラーは「MUFGレッド」で、「常に最高レベルのサービスを追求し、これからの金融サービスをダイナミックに変えていく活力と、お客さまとの結びつきを大切に、お客さま一人ひとりに向き合っていく情熱」を表している[61]。また「MUFGグローバルロゴタイプ」に使用している「MUFGグレー」は、「真に頼りがいのある総合金融グループとしての信頼感」を表している[61]。
永井によれば、MUFG発足時に電通、ランドーアソシエイツ[注釈 8]、博報堂のコンペから博報堂が採用され、博報堂が永井とアイヴァン・チャマイエフの2人にデザイン案を出させた。永井とチャマイエフは6案ずつ、計12のデザインを提案したが、三菱UFJフィナンシャル・グループ初代社長の畔柳信雄が即決で永井が提案した現行案[注釈 9]にしたという[63]。
2015年にロゴマークが微修正され、「MUFG」ロゴのフォントが「MTFG」のロゴに近いものになった。
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商号を巡る議論
三菱UFJフィナンシャル・グループは、三井住友フィナンシャルグループやみずほフィナンシャルグループとは異なり、商号に中黒(「・」)が入っている。この点につき、2025年6月27日に開催された株主総会において、社名から中黒を取り除くよう提案する株主提案が提出され、「中黒を取り除くことで別の意味に誤認する蓋然性が皆無」「銀行持株会社は日本に34(2025年4月3日時点)あるが『フィナンシャル・グループ』表記は当社のみ」「粋がっているようで不体裁」などの理由が添えられた。この提案に対し、取締役会は、現在の商号が2005年に開催された株主総会において承認され、相応の期間が経過していることを理由に、株主の共同の利益または企業価値の向上のいずれにも資するものではないとして反対する意見を表明した[64]。総会において提案は否決され[65]、現在の商号が維持されることとなったが、投資家の田端信太郎は、自身が公開したYouTube動画の中で、この提案を「おふざけ提案」と指摘し、株主提案権を制限すべきという考えが説得力を帯びてしまうため、「迷惑だからマジやめてほしい」と述べた[66]。
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脚注
関連項目
外部リンク
Wikiwand - on
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