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NHK総合テレビジョンで放送された、1週間に起こったニュースを子供たちに分かりやすく伝えるニュース番組 ウィキペディアから
『週刊こどもニュース』(しゅうかんこどもニュース)は、NHK総合テレビジョンにて1994年4月10日から2010年12月19日まで放送された、1週間に起こったニュースを子供たちに分かりやすく伝えるニュース番組。
本番組は、ニュースや社会問題をお父さん・お母さん・3人の子供の5人家族の設定の中で、子供にも理解できるような分かりやすい言葉を使って報道・解説する[1][2][3][4]。放送されるニュースは「世の中まとめて一週間」のコーナーで日めくり方式で要約したストレートニュースをマスコットキャラクターのナレーションで流し(NHK週刊ニュース、サンデーモーニング等週末の報道番組と同じ)、その後のコーナーで感心の高かったり質問投稿が寄せられたニュースについて「お父さん」がスタジオで家族(出演者)を交えて詳しく解説するものであった。NHKでは放送当初珍しかった色付き(主に青色)のルビ付きの装飾された字幕で、マスコットキャラクターの描画や「世の中―」で出される概要図などはウゴウゴ・ルーガに似た2DCGアニメーションを使っていた。
放送前に子供役の出演者たちに分かってもらえるまで推敲をし、様々な出来事については、模型や図表・国家の金融政策を一般的な家庭の家計簿などに置き換えるなどわかりやすい解説を行う。
番組の編集長でもある「お父さん」が主に解説を担当する。初代は平日夕方の『イブニングネットワーク』(首都圏パート含む)から異動した池上彰(元NHK記者主幹)が開始以来11年間担当していたが、2005年4月からはNHK記者で解説委員の鎌田靖が4年間、2009年4月からは同じくNHK記者で解説委員の岩本裕が担当。他の家族は原則約3年ごとに入れ替わっていた。開始当初から2007年度まで長男役は13歳 - 15歳の中学生と成年寄りに位置する年齢層を充てており、解説コーナーなどでリードする立場にいたが、2008年度からは12歳 - 13歳(小学6年 - 中学1年)に引き下げられた。
番組の初代タイトルロゴはきんさんぎんさんの直筆によるもので、両者が死去した後も2004年度まで長らく使われ続けた。2005年度から2009年度までは2代目のタイトルロゴに変わり、こちらは松井秀喜が手掛けた。更に番組末期である2010年度ではポップな3代目のタイトルロゴに変更された。
番組の企画者は池上自身である。
「今のニュースは難しく、子供が理解しづらい」と企画し上司に提案したところ、「言い出しっぺのおまえ自らやりなさい」といわれ、企画者自ら初代お父さん役に就任した。
池上曰く「各民放の報道関係者も見ている番組」「平易な言葉で時事問題を取り上げるので、日本語を学ぶ外国人がよく見ている番組」であるとのこと。実際番組で使用した解説用フリップのデザインが、翌週月曜日の『ニュースステーション』(テレビ朝日系列)でそのまま模倣されたと語った(池上が講演で語ったもの)。一方、時事問題を模型などで平易に説明する手法は『ニュースステーション』が先駆者である。後年久米宏と池上の対談の中では、お互いに「『こどもニュース』を見ろ」「『ニュースステーション』を見ろ」とスタッフに指示していたことが明かされた。
子供を対象としたNHKの報道・情報番組としては1970年代に放送された『こどもニュース』→『600 こちら情報部』(時間帯としては現在の平日18時台地域ニュースワイド番組枠の前半の時間帯に相当)があるが、『こどもニュース』は主に全国各地の小学生の生活に関するエピソードや年中行事などを扱ったストレートニュース形式、『こちら情報部』は子供向けのトレンドを扱う情報バラエティであり、いわゆる一般的な時事問題を扱う子供向け番組というスタイルはこの番組が初めてである[要出典]。
なお、民放では北陸朝日放送発の全国ネット番組である「KID'S NEWS」が1990年代から2009年まで存在していたが、こちらも情報バラエティ系統の内容であった。
2010年4月の最末期に時間帯を日曜朝に移動し、11月にNHKは12月19日の放送を以って番組を終了する旨を発表した。4月起点の番組で且つ同年度に家族役キャストを一新していたため、年度途中での終了は打ち切りを示唆した内容だった。12月19日に通常通りの時間枠での放送を以て番組終了し、17年間の放送に終止符を打った。
NHKの定例会見で打ち切りの理由として、番組の趣旨が「子供を対象としたニュース番組」であるにもかかわらず、実際の視聴者層は50歳以上の者(マーケティング用語で言うM3層・F3層)が多くを占めていたことを挙げた[5][6](このため「老人ニュース」と揶揄されることもあった[7])。後継番組として子供から高齢者まで幅広い層をターゲットとしたファミリー向けニュース解説番組『ニュース深読み』を2011年1月より開始させることも併せて発表した[5][6][8]。
年度 | 放送時間 | 備考 |
---|---|---|
1994 - 1998 | 毎週日曜 8:30 - 8:55 のち8:57までに延長 | |
1999(4月 - ) | 毎週日曜 10:30 - 11:00 | 『課外授業 ようこそ先輩』とセットで「日曜ファミリータイム」として放送 |
1999(10月 - ) | 毎週日曜 10:05 - 10:35 | |
2000 - 2009 | 毎週土曜 18:10 - 18:42 | |
2010 | 毎週日曜 8:05 - 8:35 | 関西地区のみ 8:30 - 9:00 |
基本的に「世の中まとめて一週間」「今週の大ハテナ」「今週のキラリ」を放送し、その他のコーナーは不定期に放送する。
期間 | お父さん役 | お母さん役 | 長の子役 | 中の子役 | 下の子役 | ナビゲーター |
---|---|---|---|---|---|---|
1994年4月10日 - 1997年3月30日 | 池上彰[1][4] (いけがみ・あきら) | 柴田理恵[1][4][9] (しばた・りえ) | 武藤啓太[1][4] (むとう・けいた) | 村山真夏[1][4] (むらやま・まな) | 石川茉侑[1][4] (いしかわ・まゆ) | スクープくん[4] (声:龍田直樹 (たつた・なおき)) |
1997年4月6日 - 1999年3月28日 | 高泉淳子 (たかいずみ・あつこ) | 山木香織 (やまき・かおり) | 池田祐一朗 (いけだ・ゆういちろう) | 沼田久美子 (ぬまだ・くみこ) | ||
1999年4月4日 - 2002年3月30日 | 林マヤ (はやし・まや) | 大塚露那 (おおつか・つゆな) | 荒川優 (あらかわ・ゆう) | 嘉部彩加 (かべ・あやか) | ||
2002年4月6日 - 2004年3月27日 | 林家きく姫 (はやしや・きくひめ) | 安藤響 (あんどう・ひびき) | 柳英里紗 (やなぎ・えりさ) | 大津綾香 (おおつ・あやか) | ||
2004年4月3日 - 2005年3月26日 | 大津綾香 (おおつ・あやか) | 池田仁 (いけだ・まさし) | ||||
2005年4月2日 - 2008年3月30日 | 鎌田靖 (かまだ・やすし) | 中島奏 (なかじま・かなで) | 佐野光河 (さの・こうか) | 比嘉展玖 (ひが・ひらく) | 大亀美桜 (おおかめ・みお) | ピントくん (声:古川登志夫 (ふるかわ・としお)) |
2008年4月5日 - 2009年3月28日 | はしのえみ | 金子雄 (かねこ・ゆう) | 奈良瞳 (なら・ひとみ) | 渡辺魁士 (わたなべ・かいし) | ||
2009年4月4日 - 2010年3月27日 | 岩本裕 (いわもと・ひろし) | |||||
2010年4月4日 - 2010年12月19日 | 光浦靖子 (みつうら・やすこ) | 古田大虎 (ふるた・たいが) | 萩原利久 (はぎわら・りく) | 柳下花恋 (やぎした・かれん) |
不在の年度もある。
2000年9月20日に集英社より刊行された池上の著書である。この中で池上は『週刊こどもニュース』を製作する中で起こった苦労話や裏話などを綴った。その例として以下のようなものが挙げられる。
他にもスクープ君誕生の逸話や農家への訪問に関する裏話などを綴った。
エリア内(主に豊田市と豊橋市周辺)在住の日系ブラジル人に対する放送での支援を強化している名古屋局では、生という性質上放送は他の地域と同じく通常のスタイルをとっているものの、放送後に専門のスタッフが特集企画のポイントを翻訳し、同局のポルトガル語ホームページ[12]で公開していた。これは、番組内容がこどもにニュースを分かりやすく説明するということから、日本語が十分にできない日系ブラジル人にも役立つと判断してのものである。2か国語放送が行われないにもかかわらず、名古屋局ポルトガル語ページの番組情報に「KODOMO News Weekly」として列挙されていた。
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