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サロベツ原野
北海道の湿原 ウィキペディアから
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サロベツ原野(サロベツげんや)は、北海道北部(道北)にある豊富町と幌延町の海岸線沿いに広がる湿原である。



概要
宗谷丘陵南西側に位置する湿原であり泥炭地[1]。独特の植生が豊富に見られることから、一部の区域は特にサロベツ原生花園と呼ばれることもある。東西8km、南北27kmで、面積は216平方kmにも及ぶ広大な湿原である[1]。2005年11月8日にはラムサール条約に登録された[2]。
上サロベツ原野と下サロベツ原野に分かれ、後者は利尻礼文サロベツ国立公園の特別保護地区であり、ペンケ沼、パンケ沼といった沼地が点在する。泥炭性の低湿地であり、海岸砂丘とその背後にある宗谷丘陵によって阻まれた潟湖が、泥炭による長い堆積作用によって形成された。日本国内の泥炭地としては石狩平野や釧路平野に次ぐ広さである[1]。
国指定サロベツ鳥獣保護区(集団渡来地)に指定されている(面積2,560ha、全域が特別保護地区)。また環境省により、日本の重要湿地500のひとつに指定され保護されている[3]。
地元の主産業は酪農で昭和30年代に畑作からの転換が進んだ[1]。観光施設として豊富町内にサロベツ湿原センター(みやげ物売場、食事施設併設)が、幌延町内に幌延ビジターセンター(近隣に無料展望台あり)がある。
日本の秘境100選の一つに数えられる。
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地名の由来
→「サロベツ川 § 名称の由来」も参照
アイヌ語の「サラオペッ(サロペッ)[4]」もしくは「サラオマッペッ(サロマペッ)[5]」、「サラペッ[6]」に由来し、いずれも「芦原・にある・川」の意である[7]。
湖沼
- 長沼
- パンケ沼
- ペンケ沼
- 兜沼
植生・植物相

その種類は100種以上にも及び、以下の花が初夏〜初秋にかけて見られる。
動物
以下のような動物が見られる。
- 哺乳類 - エゾリス、エゾシマリス、エゾヤチネズミ、トウキョウトガリネズミ、エゾクロテン、エゾモモンガ、エゾユキウサギ、エゾシカ、キタキツネ、ニホンコテングコウモリ
- 爬虫類・両生類 - コモチカナヘビ、エゾアカガエル
- 鳥類 - オジロワシ、オオワシ、トビ、ハヤブサ、エゾフクロウ、オオヒシクイ、オナガガモ、ミコアイサ、オオハクチョウ、コハクチョウ、タンチョウ、アオサギ、キマユツメナガセキレイ、オオルリ、ノゴマ、ノビタキ、シマアオジ、カワセミ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、コガラ、アカゲラ、アカエリカイツブリ、ウグイス、スズメ、ハシブトガラス、ハシボソガラス
- 魚類・水中生物 - イトウ、テツギョ、ヤマトシジミ
- 昆虫 - チャバネエンマコガネ、カラフトマルガタゲンゴロウ、イイジマルリボシヤンマ
乾燥化の進行と自然保護
酪農の発展に伴う農地整備に伴い、乾燥化が進行し、クマザサなど乾燥性の植物が外部から侵入してきている。また、農地化に伴う泥炭地からの放水路の開削などに伴い、湿原の水位も低下してきている。
湿原保護の機運が高まり、放水路への地下水の流出を防ぐ取り組みが、地元や国の連携下、実施されるようになった[8]。
自然再生事業が盛んに取り組まれているが、泥炭の形成は1年間に1mmという非常にゆっくりとしたものであり、湿原の再生には長期間を要する。
2020年には日本野鳥の会とNPO法人サロベツ・エコ・ネットワーク(豊富町)がシマアオジ保護地として原野のうち14.8ヘクタールを購入した[9][10]。
サロベツ原野に関連する名称
愛称
ゆかりのある楽曲
交通アクセス
脚注
関連項目
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