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タイ・タム文字 (Unicodeのブロック)

Unicodeのブロック ウィキペディアから

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タイ・タム文字(タイ・タムもじ、英語: Tai Tham)は、Unicodeの57個目のブロック

概要 範囲, 面 ...

解説

1292年 - 1775年の間現在のタイ王国の北部に存在していたラーンナー王国においてタイ語の北部方言である北タイ語や、シーサンパンナ・タイ語(タイ・ルー語英語版)、クーン語英語版[1]を表記するために用いられたタイ・タム文字(或いは、ラーンナー文字(Lanna)、古タイ・ロ文字(Old Tai Lue)[1])を収録している。なお、クーン語においては現在でもラーンナー文字が用いられている[2]

タイ・タム文字はブラーフミー文字から派生した所謂ブラーフミー系文字(インド系文字)の一つであり、音素文字のうち子音字に母音記号を付加することで発音を切り替えるアブギダに分類される。書字方向ラテン文字などと同様に左から右へ横書き(左横書き)する。原則として分かち書きしない

母音記号はものによっては文字の左側に付けられることがあるが、Unicodeにおいては子音字→母音記号の順に入力することとなっており、符号上の文字の置かれる順序と実際のレンダーにおける表示順とが入れ替わる場合がある。母音記号は子音字だけでなく、数字にも付くことがある。

子音字はタイ文字ラーオ文字などと同様に高子音字・中子音字・低子音字に大別され、それぞれで声調の規則が異なる。また、子音字は子音クラスタを表す際に、U+1A60 ᩠ TAI THAM SIGN SAKOTと結合して脚文字と呼ばれる別の子音字と結合するための特殊な形状に変化する。脚文字は子音字だけでなく「3回」を表す᪓᩠ᨴ(3t)のように数字にも付くことがある[2]

なお、Unicode公式の標準字形はタイ・ルー語及びクーン語のものとなっており、北タイ語のものは字形が異なるがUnicode上では統合されている[1]

Unicodeのバージョン5.2において初めて追加された。

なお、ブロック名について元々「ラーンナー文字」という名前でこの文字体系の追加が提案されていた[2]が、中国代表から

タイ北部、ミャンマー、ラオス、中国のダイ族地方に住む人々は、ランナー文字としてこの文字を使用しない。タイ北部の話者は、この言語を"GAM MENG"(現地語)と呼び、文字を"TO MENG"(現地文字)または"TO THAM"(経典文字)と呼んでいる。中国では、この文字を"TO TAI"、"TO TAILUE"、"TO THAM"(経典文字)と呼んでいる。したがって、私たちは、人々が識別した名前を使用して、人々の意志を尊重すべきであると考えている。

という提言[3]があり、その後の議論によって、現在のように「タイ・タム文字」としてこの文字体系が追加されることとなった[4]

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収録文字

要約
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小分類

このブロックの小分類は「子音字」(Consonants)、「独立母音字」(Independent vowels)、「子音記号」(Consonant signs)、「記号」(Sign)、「従属母音記号」(Dependent vowel signs)、「声調記号」(Tone marks)、「その他の記号」(Other marks)、「暗号用記号」(Cryptogrammic mark)、「ホラ数字」(Hora digits)、「タム数字」(Tham digits)、「表意文字」(Logographs)、「約物」(Punctuation)、の12個となっている[1]。本ブロックでは、Unicodeのバージョン更新時の文字追加が隙間を埋める形で行われた影響で、同一の小分類に属する文字が飛び飛びの符号位置に割り当てられていることがある。

子音字(Consonants

この小分類にはタイ・タム文字のうち、基本的な子音字が収録されている。

独立母音字(Independent vowels

この小分類にはタイ・タム文字のうち、頭子音のない母音の音節を表す際に用いられる独立した母音字が収録されている。

子音記号(Consonant signs

この小分類にはタイ・タム文字のうち、子音クラスタにおける介子音や末子音など、別の子音字に結合する子音記号が収録されている。

記号(Sign

この小分類にはタイ・タム文字のうち、記号類が収録されている。

従属母音記号(Dependent vowel signs

この小分類にはタイ・タム文字のうち、子音字に結合する母音記号が収録されている。

声調記号(Tone marks

この小分類にはタイ・タム文字のうち、声調を変化させるための声調記号が収録されている。

その他の記号(Other marks

この小分類にはタイ・タム文字のうち、その他の記号類が収録されている。

暗号用記号(Cryptogrammic mark

この小分類にはタイ・タム文字のうち、暗号に用いられる記号が収録されている。

ホラ数字(Hora digits

この小分類にはタイ・タム文字で用いられる固有の数字のうち、ホラ数字と呼ばれる、一般的に用いられる数字が収録されている。

タム数字(Tham digits

この小分類にはタイ・タム文字で用いられる固有の数字のうち、タム数字と呼ばれる、宗教的な礼拝において用いられる数字が収録されている。

表意文字(Logographs

この小分類にはタイ・タム文字のうち、特定の意味を表す記号(ロゴグラフ)が収録されている。

約物(Punctuation

この小分類にはタイ・タム文字のうち、句読点などの約物が収録されている。

これらの文字は、記号や節(セクション)の開始文字として使用される。

文字コード

タイ・タム文字(Tai Tham)[1]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
 0123456789ABCDEF
U+1A2x
U+1A3x ᨿ
U+1A4x
U+1A5x
U+1A6x
U+1A7x ᩿
U+1A8x
U+1A9x
U+1AAx
注釈
1.^バージョン16.0時点
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履歴

要約
視点

以下の表に挙げられているUnicode関連のドキュメントには、このブロックの特定の文字を定義する目的とプロセスが記録されている。

さらに見る バージョン, コードポイント ...
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出典

関連項目

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